フカノキ(鱶の木)は照葉樹林を

⇒エコツアー 2013年04月28日 01:04

130411フカノキ@エコカフェ奄美大島エコツアー_213_s.jpg130411フカノキ@エコカフェ奄美大島エコツアー_214_s.jpg奄美大島の金作原原生林で観察できた樹種のひとつです。フカノキを紹介します。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

フカノキ(鱶の木、学名:Schefflera octophylla Harms)はせり目ウコギ科フカノキ属の常緑小高木。分布は九州南部、南西諸島、国外では台湾、中国南部、インドシナ、フィリピン、パダン諸島に及び、海岸近くの低地から山地の林内や林縁などに自生。樹高は6mから10m(時に15m)ほど、樹幹は低い所からよく分枝、樹皮は灰白色から灰褐色で平滑です。若枝には星状毛が生えるがやがて脱落。葉は互生し、掌状複葉で長い柄をもつ小葉が6枚から9枚がつきます。小葉は5pから10pの葉柄に葉身7pから20pの狭長楕円形か倒卵状楕円形で全縁で葉先は尖ります。中央の葉が他のものより大きいようです。花期は11月から翌年1月頃、枝先に総状に分枝した円錐花序をだし淡緑白色の小花をたくさん咲かせます。花は径約5oで萼筒は鐘形、花弁5枚、雌蕊1本、雄蕊5本。果実は径約5oの球形の液果状の石果、5月頃に黒褐色に熟します。

フカノキは沖縄本島北部のやんばるの森を代表する樹でもあって、沖縄方言では「アサグラー」というそうです。フカノキは成長が早いためか、材は柔らかく有用材とは言い難いようです。


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リュウビンタイ(竜髭帯)は大型

⇒エコツアー 2013年04月27日 21:24

130411リュウビンタイ@エコカフェ奄美大島エコツアー_144_s.jpg奄美大島の金作原原生林は豊かな照葉樹林の森ですが、ヒカゲヘゴやヘゴの木生シダのほかに林縁や林内にはシシガシラ、コシダなど多様なシダ植物を観察することができます。ここではリュウビンタイを紹介します。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

リュウビンタイ(竜髭帯、学名:Angiopteris lygodiifolia Ros.)はリュウビンタイ目リュウビンタイ科リュウビンタイ属の大型の常緑性シダ植物。分布は伊豆諸島、本州静岡県以南(伊豆半島、東海地方、紀伊半島南部)、四国南部、九州南部、南西諸島、台湾に及び、沿岸地の多湿の森林の林床などに自生。130411リュウビンタイ葉裏@エコカフェ奄美大島エコツアー_145_s.jpg130411若いリュウビンタイ@エコカフェ奄美大島エコツアー_153s.jpg草丈は最大3mほど、根茎は塊状で杔葉が重なり径約30pにもなります。葉は根茎から叢生し、葉柄は葉身と同じ長さ、葉身1mから2mほどの2回羽状複葉です。羽片は5対から10対ほどで長さ30pから70cm、幅10〜20cm、小羽片は15対から25対、長さ5pから13cmほどの披針形で片縁に浅鋸歯、葉先は尖り、葉脈は平行します。ソーラス(胞子嚢群)は片縁よりやや離れ1列に並びます。

リュウビンタイの仲間は塊状の根茎から羽状複葉を出すのが特徴で日本にはリュウビンタイ属とリュウビンタイモドキ属の2属5種が自生しているそうです。小笠原諸島父島、母島でも固有種を見ることができますよ。


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ショウベンノキ(小便の木)とは何とも不名誉な

⇒エコツアー 2013年04月25日 16:31

130411ショウベンノキ@奄美大島エコツアー_176_s.jpgここは奄美大島の「金作原原生林」の豊かな照葉樹林の森。ショウゲンノキとは誰が名付けたのかは知らないが何とも不名誉な名前ではないか。エコカフェ草花教室でも学んだが、春にこの木の枝を切ると臭い樹液が大量に滴るという。そのため付けられた名前というが。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

ショウベンノキ(小便の木、学名:Turpinia ternata Nakai)はミツバウツギ科ツルピニア属の陰樹性の強い常緑亜高木。130411ショウベンノキ樹皮@奄美大島エコツアー_177_s.jpg分布は四国太平洋側、九州南部、南西諸島、台湾などに及び、低地から山地の林内や林縁などに自生。樹高は4、5mから15m、樹皮は黒褐色で白斑が目立ち、葉は濃緑色で光沢があります。葉は対生し3出複葉、小葉は有柄で葉身7cmから15cmほどの長楕円形でごく浅い鋸歯がつき葉先がやや尖ります。花期は5月から6月頃、枝式に円錐花序をだし黄白色の5弁の小花を咲かせます。果実は径約1pの球形の液果、秋に橙色に熟します。

葉は3出複葉でアカギの場合と似ているが、アカギの葉は互生でしたね。ショウベンノキやアカギの葉はトベラなどとともに、ヨナグニサン(与那国蚕)という八重山諸島にのみ生息する日本最大の蛾の幼虫が食べるそうです。


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シマグワ(島桑)の大木を前に

130411シマグワ@エコカフェ奄美大島エコツアー_155_s.jpg奄美大島には「金作原原生林」と呼ばれる豊かな照葉樹林の森がある。先日、訪島したた際、その森で大きなシマグワに出逢った。シマグワはヤマグワ(山桑)と同種とする説があり、古くから材は堅く狂いがないため家具材に、樹皮は和紙の原料に利用してきたという。養蚕に利用されてきたマグワやマグワとシマグワの交雑種です。マグワはトウグワ(唐桑)とも呼ばれ、奈良時代以前に中国原産のものが朝鮮を経由して移入したものだそうです。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

シマグワ(山桑、学名:Morus australis Poir.)はクワ科クワ属の落葉小高木。分布は北海道、本州、四国、九州、南樺太、朝鮮半島、中国南部、インドシナ半島、ヒマラヤに広く、山中などに自生。樹高は3mから15mほど、樹皮は灰褐色で縦筋が不規則に入り、葉は互生し有柄、葉身8cmから20cmの広卵形で無裂から5裂まで多様で葉縁に鋸歯があり先は短く尖ります。葉表はややざらつき、基部から3主脈が目立ち、無毛です。花期は4月から6月頃、雌雄異株、まれに同株で枝により雌雄分離、本年枝下部の葉腋から穂状花序を下垂し淡黄緑色の細花を密に咲かせます。雌花序は長さ2cm、雌花序はやや短い。雄花は雄蕊4本、雌花は1本の花柱の先端が2中裂。果実は多肉質になった宿存萼で包まれた痩果が密に集まった集合果、初夏に赤色や黒紫色に熟す。

エコカフェで植林活動を継続している三宅島の森にも多くのヤマグワ(=シマグワ)が自生していて、9月頃に訪島するとたくさんの頬張ることができます。熟した果実は多汁で甘く美味しいですよ。まさに森の生きた宝石です。


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オキナワウラジロガシ(沖縄裏白樫)の巨樹を

⇒エコツアー 2013年04月21日 21:41

130411オキナワウラジロガシ@エコカフェ奄美大島エコツアー_291_s.jpg奄美大島の金作原原生林の森、鬱蒼とした場所では昼間でもうす暗く、渓流沿いでは外気に比べひんやりと心地良い冷気が漂っています。そんな原生林の主役はイジュスダジイタブノキ、アマミアラカシなどの照葉樹たち、なかでもオキナワウラジロガシは分布の北限にあたり、深い森の肥沃な土壌を好みます。場所によっては森の王者の風格を見せています。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

オキナワウラジロガシ(沖縄裏白樫、学名:Quercus miyagii Koidz.)はブナ科コナラ属の常緑高木。琉球固有種。分布は南西諸島の奄美大島、徳之島、沖縄本島、久米島、石垣島、西表島に限り、山地の湿潤で肥沃な石灰岩質ではない土壌に自生。130411オキナワウラジロガシ看板@エコカフェ奄美大島エコツアー_290_s.jpg130411オキナワウラジロガシ板根@奄美大島エコツアー_289_s.jpg樹高は約20m、時に30m、板根が高さ2mにも成長し、樹皮は灰褐色で平滑です。葉は互生しやや光沢、葉身8pから15pほどの披針形で葉縁は波打ち上部にやや鋸歯、葉先は尖ります。葉表は濃緑色、葉裏は名前の通り白っぽくなります。花期は1月から3月頃、雄花序は新枝の基部から下垂、雌花序は新枝の上部につきます。果実は最大径約4pの球形の堅果(どんぐり)、翌年秋に熟します。

オキナワウラジロガシは沖縄本島のやんばるの森を構成する一般的な樹種ですが、その分布の北限にあたる奄美大島では巨木まで成長しているものは少ないようです。古くから板根を船のかじ、材を建築に利用してきたといいます。水源地涵養林、防風林などの役割としても人びとの暮らしに役立ってきたそうです。


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イジュ(伊集)は威風堂々と

130411イジュ@エコカフェ奄美大島エコツアー_198_s.jpg奄美大島の照葉樹林の高木層を特徴づける樹種のひとつにイジュがあります。森の中でヒカゲヘゴとは別の意味でどっしり堂々としていて存在感があります。エコカフェでよく訪ねる小笠原諸島のムニンヒメツバキはイジュの近縁と考えられていましたね。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

イジュ(伊集、学名:Schima liukiuensis Nakai)はツバキ科ヒメツバキ属の常緑高木。130411イジュ@エコカフェ奄美大島エコツアー_199_s.jpg琉球固有種。分布は南西諸島(奄美大島から八重山諸島)、石灰岩質でない土壌の場所に自生。樹高は15mから20m(時に30m)ほど、樹皮は厚く褐色で短く縦裂、葉は互生し無毛で光沢、葉身8pから13cmほどの長楕円状披針形で葉縁に鈍鋸歯、葉先は尖ります。花期は5月から6月頃、枝先に集散花序をだし、白色の径4pほどの5弁花をいくつか咲かせます。果実は径12oから20oほどの球形の朔果、10月頃に熟すと5裂開し翼のある種子が風散布されます。

奄美大島の森にはハブが棲息しているため人間があまり足を踏み入れることもなく原生の自然が守られているようです。奥が深いですよ。


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葉っぱには悪戯書きが

⇒エコツアー 2013年04月18日 07:37

130411字書き虫@エコカフェ奄美大島エコツアー_321.jpg奄美大島の森は照葉樹林といって一年中、青々としています。
上空から見るとブロッコリーが無数に折り重なるようにこんもりして見えます。
そんな森の中に入ると小さな葉っぱの上に悪戯書きがいっぱい。
字書き虫たちのお食事跡です。
一点の穴は飛翔跡です。
小さな発見でした。
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湯湾岳を望む

⇒エコツアー 2013年04月15日 22:02

040.JPG
奄美大島最高峰の湯湾岳。
今回は、湯湾岳展望台からみるだけになった。
歩いてもそれほど時間がかからないことがわかったので、次回訪問の際には
ぜひ登ってみたい。

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灰色の中に映る色彩

⇒エコツアー 2013年04月14日 13:31

DSC_0440.jpgDSC_0438.jpg新緑の清々しさと鳥のさえずりが、なんとも心地よい。
奄美大島の最終日は、曇り空ですが目に映る森と海は色鮮やか!

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マングローブのトンネル

⇒エコツアー 2013年04月13日 23:49

015.JPG
奄美大島3日目。
お天気も良いので、予定通りカヌーでのマングローブ散策。
奄美大島は、オヒルギとメヒルギの2種類が汽水域に生えているそうだ。
オヒルギは、海水を吸収し塩分を外に出すために葉に塩分を蓄え、それを落とすことで樹木が枯れずにいられるとのガイドさんの説明。

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ヒカゲヘゴの下で

⇒エコツアー 2013年04月12日 23:16

043.JPG
奄美大島2日目は、奄美野生生物保護センターを見学しながらセンターの取り組みなどを伺った。アマミノクロウサギ、アマミヤマシギなどの保護増殖活動やマングースの根絶などを重点的に行っているようだ。
その後、金作原原生林に向かい高さ10mを超えるヒカゲヘゴや新緑のホルトノキなどが生い茂るしたをのんびりと散策。オーストンオオアカゲラと思われる鳥もみられた。

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絶滅危惧種保護センターで

⇒エコツアー 2013年04月11日 16:25

SN3M0005_0001.jpgSN3M0006_0001.jpg奄美大島にある絶滅危惧種保護センターに来ました。
保護飼育しているマダガスカルホシガメは草を食んでいました。
環境のよいところでのびのび大勢で暮らしているんですよ。
太陽の光をいっぱい浴びて元気に育っています。

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奄美大島自然体験ツアー

⇒エコツアー 2013年03月08日 11:18

120415奄美大島 065.jpg東洋のガラパゴスといわれ、自然豊かな奄美大島。
アマミノクロウサギを代表に動植物も個性豊かだ。
ここにエコカフェ絶滅危惧種保護センターがある。
暖かい気候と自然豊かな中で、いきいきと暮らしているのだ!
そこで、センターの視察と奄美大島の自然を体感しに行ってみたい。

日 程:2013年4月11日(木)〜14日(日)

スケジュール(予定)
4月11日(木)
 11:40 羽田発
 14:10 奄美大島着
 15:00 エコカフェ絶滅危惧種保護センター視察
 19:00 ナイトツアー(目的:アマミノクロウサギをみる!) 

4月12日(金)
 9:00  湯湾岳散策
 14:00 マングローブ原生林カヌー体験

4月13日(土)
 9:30  奄美野生生物保護センター視察
 14:00 金作原原生林散策

4月14日(日)
 9:00  奄美自然観察の森散策
 15:00 奄美大島発
 16:45 羽田着

費用:55,000円(飛行機、ホテル、船、レンタカー代のみ)

参加ご希望の方は、早めに事務局まで御連絡ください。
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オオイワカガミ(大岩鏡)の葉は美しい

⇒エコツアー 2012年09月24日 23:55

120804オオイワカガミ@エコカフェ(佐渡島).JPG日本列島上空に寒気が入り猛烈な局地的豪雨に見舞われています。佐渡島2日目。大佐渡山脈主稜線近くの大佐渡石名天然杉の森(標高約900m)は林床がとても美しい。天然杉の大木も見事ですが、鹿がいないため林床には深い緑が展開しています。オオイワカガミもそんなひとつです。花の時期は終わっていましたが葉が鏡のようで美しいです。[2012年8月4日撮影:佐渡島エコツアー@叶拓斗]

オオイワカガミ(大岩鏡、学名:Schizocodon soldanelloides Siebold et Zucc. var. magnus (Makino) H.Hara)はイワウメ科イワカガミ属の常緑多年草。日本固有種でイワカガミの変種。分布北海道佐渡半島南部、本州東北・中部・近畿地方の日本海側に限り、落葉広葉樹林下のやや湿気のある林下や岩場などに自生。草丈は30pほど、茎は短く地面を這い、葉は束生し有柄で光沢があり、葉身8cmから12cmほどの円形で大きく、葉縁に三角状の鋸歯がつきます。
花期は4月から6月頃でイワカガミと同じように淡紅色の花が数個下向きに咲きます。萼片は5枚、雄蕊5本、仮雄蕊5本、花弁は漏斗状で5裂、各裂片は線状に細裂します。果実は球形の刮ハです。

イワカガミの変種にはコイワカガミ、オオイワカガミ、ナガバイワカガミが知られ、近縁種には岩場に自生するヒメイワカガミとその変種で太平洋側に分布するヤマイワカガミなどが知られています。いろいろです。


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タグ:日本固有種
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ムニンシラガゴケ(無人白髪苔)のパッチ

⇒エコツアー 2012年09月21日 08:24

100909ムニンシラガゴケ@エコカフェ(乳房山).JPG小笠原諸島母島の最高峰乳房山(標高462.6m)山頂までの登山道は変化に富んでいて面白い。標高が低いにもかかわらずよく雲霧がまとわりつきます。雲霧が晴れてしまうと日差しは強くカンカン照りで肌を刺すほどです。そんな乳房山山腹に広がる湿性高木林の森の林床ではムニンシラガゴケのパッチ状の群落を見ることができます。[2010年9月10日撮影:第3回エコロジー・カフェの母島の自然を守る旅@阿部]

ムニンシラガゴケ(武人白髪苔、学名:Leucobryum boninense)はシラガゴケ科シラガゴケ属の蘚類。小笠原固有種で、東南アジアに広く分布する熱帯系のオオシラガゴケの近縁種とされます。母島の森ではパッチのよく発達している群落を見かけるが、乾燥が進んでいると言われる父島の森でも比較的よく見かけますよ。乾燥していると白っぽく見えます。

小笠原の森ではオガサワラキララゴケなど「オガサワラ」を冠につける小笠原固有の蘚苔類が複数あるそうです。ちなみに以前紹介した古代植物のヒバゴケは蘚苔類ではなくシダ植物の仲間です。名前だけで判断するのは危険です。


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シラゲテンノウメ(白毛天の梅)の不思議

100507シラゲテンノウメ@傘山入口車道反対側.JPG小笠原諸島の乾燥した尾根筋などの岩礫地には小笠原固有種のタチテンノウメとシラゲテンノウメが共存することは先に触れたが、実際には中間型のものも多いようです。独自に進化するうちに、変化の激しい生育環境に適応させたため樹形や葉の形などに変異が生じやすくなっています。シラゲテンノウメは葉や果実に白色の軟毛が密生するのが特徴です。[2010年5月7日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@山崎]

100507シラゲテンノウメ&タチテンノウメ(比較)@笠山入口車道反対側.JPGシラゲテンノウメ(白毛天の梅、学名:Osteomeles lanata Nakai ex Tuyama.)はバラ科テンノウメ属の常緑小低木。分布は父島、兄島に限り、タチテンノウメと同じように乾燥した尾根筋の岩礫地に自生。より乾燥に強いという。樹高は20cmから50cmほどで、幹は匍匐し枝を張り、小葉は6対から12対と少なめで全体に綿毛が生えるのが特徴です。果実も白毛で覆われるため白っぽく見えます

一般的に、植物に生える毛には、紫外線から身を守るためだったり、昆虫から身を守るためであったり、空気中の水分を吸収するためだったり、逆に雨水を弾くためだったりします。シラゲテンノウメの場合は、潮風がきつく日差しが強烈で乾燥もきつい、雲霧が巻く標高の高い場所に適応し、進化したのではないでしょうか。ところが最終氷期終了で海水面が約150mも上昇したために雲霧は標高の高い場所のごく一部にしか発生しなくなったため、乾燥した尾根筋で耐え忍んでいるのでしょう。つまり、結果としてタチテンノウメの分布と競合するようになったということです。


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タチテンノウメ(立ち天の梅)の不思議

⇒エコツアー 2012年09月20日 23:55

100507タチテンノウメ@傘山入口車道反対側.JPG小笠原諸島、この夏は台風の直撃はなく大した影響もなかったようです。エコカフェでは小笠原諸島の独自の進化過程にある生態系に触れ、生き物たちの神秘を学び、新たな気づきを日常生活や人生に役立てようとエコツアーを実施しています。小笠原諸島の乾燥した傘山稜線の岩礫地では小笠原固有種のタチテンオウメとシラゲテンノウメが見られます。ここではタチテンノウメを紹介しましょう。[2010年5月7日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@山崎]

100507タチテンノウメ(花)@笠山山頂.JPGタチテンノウメ(立ち天の梅、学名:Osteomeles boninensis Nakai)はバラ科テンノウメ属の常緑小低木。分布は小笠原諸島の聟島、父島、兄島、弟島、母島、妹島、姪島に限り、乾燥した岩場に自生。樹高は約0.5mから1.5m、幹は斜上し株立ちします。風衝帯では矮低化。葉は奇数羽状複葉、小葉は光沢があり線状楕円形で先がと尖ります。小葉は13対か14対ほどつきサンショウの葉に似ていて、葉縁や主脈上に綿毛を残します
花期は3月から4月頃で、枝先の葉腋から散房花序をだし梅の花に似た白色の小さな花を咲かせます。花は径約12mm、花弁5枚、雄蕊多数。果実は径約10mmの球形で秋に熟すと黒紫色になります。

分布が一部の島に限られているが、かつて小笠原諸島は一つの大きな島嶼であったと考えられており、そのころに移入した海浜植物であったテンノウメが独自に進化し、山の上まで生息域を広げていった。その後、海面上昇や島の沈降があって地形的には現在のような多くの島嶼からなる小笠原諸島となり、また、他の競合する植物の進入などで生息域を乾燥した尾根筋に追いやられてしまったのではないでしょうか。


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高山植物の魅力(77)、オオバユキザサ(大葉雪笹)

⇒エコツアー 2012年09月17日 12:27

120804オオバユキザサ果実@エコカフェ.JPG周回遅れ記事。佐渡島2日目、大佐渡石名天然杉遊歩道の素晴らしさは関連する記事でお分かりのことと思う。天然杉の森の林床はとりわけ緑の下草の絨毯が広がっています。オオバユキザサを紹介します。ヤマトユキザサとも呼ばれ、花が終わり青々とした若い果実を幾つもつけていました。[2012年8月4日撮影:佐渡島エコツアー@叶拓斗]

オオバユキザサ(大葉雪笹、学名:Smilacina hondoensis Ohwi)はユリ科ユキザサ属の多年草で雌雄異株。100804オオバユキザサ@エコカフェ(大佐渡石名).JPG分布は本州東北地方南部から近畿地方、九州対馬、海外では朝鮮半島済州島に及び、低山から亜高山帯の林床に自生。草丈は70cmから100pほどで、茎は斜上し、葉は互生、葉身は10pから15pほどの楕円形で全縁、葉先が尖ります。葉には短毛が生え葉脈が目立ちます。
花期は5月から6月頃で、茎先端に総状花序を伸ばし、白色の小さな花をたくさん咲かせます。花は白色から淡黄緑色まで変異があります。花序の軸の色が暗紫色を帯び毛が密生するのが特徴です。果実は液果で熟すと赤色になります。

オオバユキザサの仲間には先にこのブログで取り上げた小型のユキザサ、大きさは同じくらいだが花序が緑色で無毛で日本固有種のミドリユキザサ(ヒロハユキザサとも)が知られています。森の中でも区分けは比較的容易でしょう。


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タグ:広域種
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海浜植物、スナビキソウ(砂引草)

120804スナビキソウ花@エコカフェ.JPG周回遅れ記事。佐渡島2日目、大佐渡石名天然杉遊歩道を散策した後、北西海岸沿いの県道45号を戸地から尖閣湾に下る途中の岩場海岸で海浜植物を観察しました。ハマボッスハマナスハマゴウ、ハマニガナ、ネコノシタ、ナミキソウ、ハマエンドウ、キリンソウ、オニシバ、スナビキソウなどが見られます。[2012年8月4日撮影:佐渡島エコツアー@叶拓斗]

スナビキソウ(砂引草、学名:Messerschmidia sibirica L.)はシソ目ムラサキ科スナビキソウ属の多年草。120804スナビキソウ@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、シベリア、ヨーロッパに広く、海岸の砂浜や磯などに自生。草丈は25pから30pほどで、長い地下茎で繁殖、葉は互生し無柄、葉身は2.5cmから6pほどの披針形からへら形、全縁で葉先は鈍頭。葉両面や茎に軟毛が密生します。花期は5月から8月頃で茎頂に短い集散花序をだし白色の小さな花を幾つも咲かせます。花は径約8o、花弁は筒状で5深裂、萼片は5中裂、雄蕊5本、雌蕊花柱は短い。果実は長径約1pの壺形の核果で4稜(4分果)、コルク質のため海流散布に向いています。

種子が海流散布するもので小笠原諸島に分布する広域種のオオハマボウは、島嶼という小笠原の環境下での進化(分化)過程で種子が浮揚能力を失い小笠原固有種のテリハハマボウに変身していったのです。無駄を省くのが植物の基本戦略のひとつなのです。


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ヤマニガナ(山苦菜)

⇒エコツアー 2012年09月16日 23:12

120804ヤマニガナ花@エコカフェ(大佐渡石名).JPG周回遅れ記事。佐渡島2日目、大佐渡石名天然杉遊歩道入口から下の駐車場までは砂利道が500mほど続きます。夏の日差しが厳しかったのを覚えています。砂利道脇の茂みにほんの数株ですが黄色い花をつけていました。翼のある葉柄の基部が茎を抱いていないことから、ミヤマアキノノゲシ(深山秋の野芥子)ではなくヤマニガナでしょう。[2012年8月4日撮影:佐渡島エコツアー@山崎]

ヤマニガナ(山苦菜、学名:Lactuca raddeana Maxim. var. elata (Hemsl.) Kitam.)はキク科アキノノゲシ属の二年草。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では樺太、中国、ベトナムに及び、山地の林縁や草原に自生。砂利道@エコカフェ(大佐渡石名).JPG120804ヤマニガナ@エコカフェ(大佐渡石名).JPG草丈は60pから200cmほどで茎は直立し白軟毛が散生するか、無毛。根生葉は花期にも残り羽状深裂し側羽片が1対か2対つき、頂羽片は基部が切形で三角形。茎葉は互生し上部ほど小さく、茎の中部では基部が切形で三角形、上部では菱形から披針形。何れも葉縁には粗鋸歯か欠刻があり、翼のある葉柄があるが、葉柄は基部で茎を抱かないのが特徴。 葉表は濃緑色で葉脈が目立ち、葉裏は淡緑色で白毛が生えます。
花期は8月から9月頃で、茎上部に集散花序を伸ばし、径約1pの頭花をまばらに咲かせます。上部葉腋からも小さな花序を出します。頭花は9枚ほどの黄色い舌状花をつけます。総苞は長さ約1pの筒状で下部が膨らむという。果実は長さ約5mmの扁平楕円形の痩果で白色の冠毛がつきます。

名前に「ニガナ」とつくものにはニガナ属だけではなく、フクオウ属のオオニガナ、アキノノゲシ属のヤマニガナがあります。花が似ているために属レベルが異なるにも関わらず名前の一部に「ニガナ」をつけてしまったのでしょう。ヤマニガナに限って言えば、近縁種に葉が茎を抱くアキノノゲシとミヤマアキノノゲシがあります


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