シロヨメナ(白嫁菜)

⇒自然観察会 2012年09月16日 00:51

080927シロヨメナ@エコカフェ第2回自然観察会(三頭山) 022.jpgこれからの季節は低山でのトレッキングも楽しいですよ。奥多摩の三頭山(標高1531m)では秋に咲く草花を観察することができます。ここではシロヨメナを紹介します。ハナアブの仲間が吸蜜に訪れます。[2008年9月27日撮影:第2回自然観察会@阿部]

シロヨメナ(白嫁菜、学名:Aster ageratoides Turcz. subsp. leiophyllus (Franch. et Savat.) Kitam.)はキク科シオン属の多年草。分布は本州、四国、九州と台湾に及び、山地の林縁や山道などに自生。草丈は30pから100pほど、葉は互生し基部で茎を抱かない。葉身は約10pの長楕円状披針形、葉縁に粗い鋸歯があり、葉先は尖ります。葉表と葉裏、花茎に短毛が疎らに生え、葉脈は3脈で目立つという。
花期は9月から10月頃で、花聞きの先に散房状に花序をだし、多数の頭花を咲かせます。頭花は小さく径1.5pから2pほどで中心に黄色い筒状花が密集し外側に白色の舌状花がつきます。果実は痩果で長さ3mmから5oほどの冠毛がつき、風にのって散布されます。

シロヨメナには神奈川に分布する葉が細いサガミギク(相模菊)など幾つかの変種も知られています。また、地理的に染色体が二倍体、三倍体、四倍体、六倍体などの違いがあることも知られるようになっています。しかし、この仲間は多く単独で特定するのは難しいですね。


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ヤマトリカブト(山鳥兜)

⇒自然観察会 2012年09月05日 10:12

080927ヤマトリカブト@エコカフェ(三頭山) 082.jpgエコカフェの自然観察会で三頭山に登ったことがあります。白亜紀やジュラ紀の地層にマグマが貫入し地中で凝固した石英閃緑岩やマグマの高熱で接触変成したフォルンフェルスと呼ばれる固い岩が露出していたりして地質の学習にはもってこいでしょう。屋久島でもフォルンフェルスは見られます。さて、ここでは三頭山の山中で見たヤマトリカブトを紹介しましょう。[2008年9月27日撮影:第2回自然観察会@阿部]

ヤマトリマブト(山鳥兜、学名:Aconitum japonicum Thunb. var. montanum Nakai)はキンポウゲ科トリカブト属の多年草。オクトリカブトの変種で有毒植物。分布は本州中部地方東部と関東地方西部に限定的で、山地のやや湿った草原や林縁などに自生。草丈は60cmから100cmほどで、根は紡錘形、茎は射場し、葉は互生し葉身6pから20pほどの掌状で3から5中裂します。裂片は披針形から卵状披針形で片縁に欠刻鋸歯がつきます。花期は8月から10月頃で茎頂に散房花序をだし、青紫色から薄紫色の花を多数咲かせます。花は花冠長3pから4.5pほどで、花に見えるのは萼片で兜形の頂萼片と側萼片、下萼片2個の5個、花弁は頂萼片内に筒状で2枚、雌蕊3本、雄蕊多数から構成されます。果実は名ださ約2.5cmの筒状の袋果で先端部に角状突起がつきます。

暑さが和らぐこれからの季節は、高山植物が終わり紅葉を迎える高山に登るのもよいですが、低山の魅力を満喫するのも楽しいですよ。


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シモツケヌリトラノオ(下野塗虎の尾)

⇒自然観察会 2012年08月25日 23:19

110206ヌリトラノオ@エコカフェ(高山不動尊).JPGシダ植物とは維管束植物であって非種子植物、つまり胞子によって増殖する植物のことです。側系統群としてシダ植物門とヒカゲノカズラなどのヒカゲノカズラ植物門に分ける場合があります。ここでは関八州見晴台に登った時に山中で見つけたシモツケヌリトラノオを紹介します。ヌリトラノオは渓流沿いの湿った場所に多いので、乾燥した場所でしたので変種のシモツケヌリトラノオとしました。[2011年2月6日撮影:萩の平茶屋付近@山崎]

シモツケヌリトラノオ(下野塗虎の尾、学名:Asplenium normale D.Don var. boreale (Ohwi ex Kurata) Nakaike)はチャセンシダ科チャセンシダ属の常緑性シダ植物。ヌリトラノオの変種。分布は本州関東地方北部以西、四国、九州、中国南西部、ヒマラヤなどに及び暖地の山地のやや乾いた岩上や地上に自生。九州を中心に府県レベルでは絶滅危惧の指定をしています。葉の長さは15pほどで、根茎は短くやや射上、葉柄は紫褐色で光沢があり基部に鱗片がつきます。葉は単羽状複葉で先が細くなり、各羽片は三角状長楕円形で円頭、基部前側は耳型です。ヌリトラノオのように中軸の先端に無性芽をつけず、胞子嚢群(ソーラス)は茶褐色で葉裏の葉脈に沿ってやや湾曲した棒状につきます。包膜は全縁です。

植物が陸上に進出したのは4億年以上前の古生代オルドビス紀からデボン紀にかけてと考えられており、水中生活をしていた緑藻から進化が起こり、コケ植物が生まれたとされます。コケ植物といっても苔類、蘚類、ツノゴケ類があり、この順に古い起源をもち、維管束植物はツノゴケ類と威厳を一にすると考えられているのです。


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ヘラシダ(箆羊歯)は南方系

120407ヘラシダ@エコカフェ.JPGエコカフェの自然観察会で出掛けた南房総の鋸山(標高329m)にJR浜金谷駅から通ずる「安兵衛井戸と沢コース」では、沢筋に面した崖地の所どころでヘラシダが自生しているのを観察しました。[2012年4月7日撮影:第12回自然観察会@山崎]

ヘラシダ(箆羊歯、学名:Diplazium subsinuatum (Wall. ex Hook et Grev.) Tagawa)はウラボシ目イワデンダ科ヘラシダ属の常緑性シダ植物。120407ヘラシダのソーラス@エコカフェ.JPG分布は本州関東地方南部以西、四国、九州、琉球列島、台湾、朝鮮半島、中国、東南アジア、南アジアに広く、山地の渓流沿いの斜面などややや湿った場所に自生。草丈は20pから50pほどで、根茎は細く長く這い、葉柄は黒褐色で細長く基部に鱗片がつきます。葉は革質で単葉、葉身は10pから30pほどの細長いへら形、葉縁は波状か全縁で中肋が目立ちます。胞子嚢群(ソーラス)は包膜に覆われ、線形で長さまちまち、葉脈に沿います

ヘラシダは南方系のシダ植物であって房総半島辺りが北限と考えられているが、近年の地球温暖化の影響で分布域を北上させているようです。

関連記事(オリヅルシダ(折鶴羊歯)の北限は)⇒人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ



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オリヅルシダ(折鶴羊歯)の北限は

⇒自然観察会 2012年08月24日 23:20

120407オリヅルシダ2@エコカフェ(鋸山) .jpgオリヅルシダ@エコカフェ(鋸山).jpg房総半島の鋸山(標高329.4m)は良質な凝灰岩が産出し、江戸時代から房州石と呼ばれ建築などの石材として利用されてきました。山中にある日本寺の崖地などにはあちらこちらでオリヅルシダが見られました。この辺りは分布の北限のようです。[2012年4月7日撮影:第12回自然観察会@山崎]

オリヅルシダ(折鶴羊歯、学名:Polystichum lepidocaulon (Hook.) J. Sm.)はオシダ科イノデ属の常緑性シダ植物。分布は本州関東地方千葉以南、四国、九州、奄美、台湾などに及び、山地の乾燥気味の斜面や岩壁などに自生。ただし、瀬戸内海地域には自生しない。草丈は50pから70pほどで、根茎は塊状で短く、葉は厚く葉身約40pの単羽状複葉、羽片は1pから1.5pほどの鎌状の三角状狭披針形で基部前側に耳片があり先が尖ります。辺縁は全縁から鋸歯がつくものまで変異があるという。胞子嚢群(ソーラス)は羽片の中肋両側に1列から3列が並びます。包膜は丸く小さく目立たないようです。

オリヅルシダの葉は二形。無性芽がつく葉は、各羽片は小さく中軸がそもそも長く先ががつる状に伸びて先に無性芽がつきます。胞子嚢群(ソーラス)がつく葉は、中軸はそれほど長くなく先端は尾状になり尖ります。これにより無性芽がなくともヤブソテツの仲間と間違うことはありません。


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イズセンリョウ(伊豆千両)

⇒自然観察会 2012年08月23日 07:46

120407イズセンリョウ蕾@エコカフェ(鋸山).JPG南房総の鋸山一帯の森も林床は樹種が少なくシカの食害が広がっているようです。イズセンリョウは千葉県が北限の南方系の植物でしかも有毒植物とされます。名前の湯らは葉がセンリョウに似ていて伊豆半島に多く自生していることによります。[2012年4月7日撮影:第12回自然観察会@山崎]

イズセンリョウ(伊豆千両、学名:Maesa japonica (Thumb.) Moritzi)はヤブコウジ科イズセンリョウ属の常緑小高木。120407イズセンリョウ@エコカフェ(鋸山).JPG分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、中国南部からインドシナ半島に及び、暖帯から亜熱帯の照葉樹林や落葉広葉樹林の陰湿な谷筋などに自生。樹高は約1mで樹皮は紫褐色で皮目が目立ち、葉は互生し有柄、葉身は5pから15pほどの長楕円形で葉縁に不規則に粗鋸歯がつき、葉先は尖ります。葉表は濃い緑色でつやがあり、葉裏は灰緑色、両面とも無毛です。花期は4月から5月頃で葉腋から総状花序をだし、黄白色の径約5oの筒状で先が5浅裂した花を咲かせます。果実は形約5oの液果で乳白色に熟します。

千葉県房総半島付近を分布の北限とする植物には、イズセンリョウのほかバクチノキ、ホルトノキ、タイミンタチバナ、ハナミョウガ、ナガサキシダ、オリヅルシダなどがあります。


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ミミガタテンナンショウ(耳形天南星)は

⇒自然観察会 2012年08月19日 01:37

090926ミミガタテンナンショウ@エコカフェ(大畑山).JPG埼玉県飯能の伊豆ヶ岳を越え、高畑山(標高695m)山頂にもう少しのところまで来たときに登山道わきで若い果実をつけているミミガタテンナンショウを見つけました。花が咲いていないのでもしかしたら違っているかもしれませんが。[2009年9月26日撮影:第5回自然観察会@阿部]

ミミガタテンナンショウ(耳形天南星、学名:Arisaema limbatum Nakai var. ionostemma (Nakai et F. Maek.) Ohashi et J. Murata)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草。日本固有種で有毒植物。分布は本州東北地方岩手・宮城の太平洋側、関東地方、山梨県と四国西南部に隔離し、低山の林内などに自生。草丈は30pから60cmほど、茎に暗紫色の蛇紋がつき、葉は2枚、各葉には楕円形の小葉が7枚から11枚つきます。小葉の葉縁には不規則に鋸歯がつきます。
花期は4月から5月頃、雌雄異株、仏炎苞は暗紫色か濃紫色で口部分の両脇が耳のように横に張り出すという。これが名前の由来でもあります。仏炎苞の内側には無数の小花のついた肉穂花序があります。肉穂花序の上部にはふた状の付属体があってコバエやミバエの仲間が入りこむと、雄株では仏炎苞下端に隙間があって出られるが、雌株では隙間がないため出られない構造になっているという。受粉を確実にするためにとんでもない手の込んだ造りになっているのです。

テンナンショウの仲間は世界に約150種、うち日本に約30種が知られています。そのほとんどが雌雄異株であって、栄養状態がよいと雄株から雌株に性転換するのです。


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サラシナショウマ(晒菜升麻、更科升麻)は

⇒自然観察会 2012年08月17日 00:17

080927サラシナショウマ花@エコカフェ第2回自然観察会(三頭山) .jpg奥多摩の三頭山(標高1531m)はなかなか変化に富んだ表情を見せてくれる興味深い山です。エコカフェでも自然観察会のフィールドにしたことがあります。同じ「ショウマ」の名前のつく植物にサラシナショウマがあります。三頭山登山道入り口付近の林縁のあちらこちらに咲いていたので紹介します。[2008年9月27日撮影:第2回自然観察会@阿部]

サラシナショウマ(晒菜升麻、更科升麻、学名:Cimicifuga simplex (DC.) Wormsk. ex Turcz.)はキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草。分布は北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国東北部、朝鮮半島に広く、低山帯から亜高山帯までの林縁や疎林内などに自生。草丈は約1.5m、茎葉は互生し有柄で根出葉とも2、3回3出複葉、小葉は葉身3pから8pほどの卵形で3深裂し、葉縁に不規則な鋸歯がつき、葉先は尖ります。葉表と葉裏ともに毛が生えます。
花期は8月から10月頃で、両生株雄株があって、それぞれ茎の先に長い穂状花序を伸ばし、有柄の白い小さな花をたくさん密に咲かせます。花弁2、3枚で先端が2裂、萼片4,5枚は長さ約5pもあるが早々に落下。両性株には両性花(雄蕊は長く多数、雌蕊は2本から8本)が咲き、雄株では雄花(雄蕊のみ)が咲きます。両性花が結実し、果実は長さ約1pの袋果で、種子には薄い翼状の鱗片が多数つき、風で散布されます。

名前の由来にもあるようにサラシナショウマは山菜として「晒して」食したという。また、根茎を秋に採取し洗って天日乾燥したものを生薬「升麻」として解熱・解毒薬に配合するそうです。


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カラマツ(唐松)は落葉針葉樹

⇒自然観察会 2012年08月14日 15:20

カラマツとイタドリ@エコカフェ.JPG亜高山帯針葉樹林を構成するもう一つはカラマツです。カラマツは勝井沢など信州地方に行くとよく目にすることができます。富士山ではハイマツを欠くために森林限界の最前線にカラマツ、ダケカンバミヤマハンノキが陣取っています。[2010年7月10日撮影:第7回自然観察会@寺中]

カラマツ(唐松、学名:Larix kaempferi (Lamb.) Carrière)はマツ科カラマツ属の落葉針葉樹で高木。カラマツ@エコカフェ(富士山).JPG分布は本州東北地方南部から中部地方の亜高山帯から高山帯に分布。樹高は20m から40mほどで、樹幹は直立し、樹皮は灰褐色で縦裂し長鱗片状に剥離、枝葉水平に張り出すが老木では下垂れします。枝に普通に伸びる長枝と約2oの短枝があります短枝には葉身2pから4pほどの先が鈍頭の針状の葉が2、30本束生し、長枝は疎らにつき葉先が尖ります。花期は4月頃から6月頃に、雌雄異花、短枝に雄花は下向きに、紅色の雌花は上向きに別々につきます。雌花は雄花より遅れて咲くようです。果実は長径約3pほどの球果で秋に熟すと種子を風散布します。

富士山の森林形成で陽樹であるカラマツの役割は陰樹であるシラビソなどの極相林に遷移するまでの移行期を担っていると考えられます。森林限界最前線ではカラマツはハイマツのように樹形を這わせ矮小化させています。葉は秋に黄葉するととても綺麗ですよ。


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シラビソ(白檜曾)は亜高山帯に

⇒自然観察会 2012年08月13日 21:50

100710シラビソ大木@エコカフェ(富士山).JPG日本の亜高山帯の植生の主役はトウヒ、コメツガ、シラビソ、オオシラビソなどの常緑針葉樹です。シラビソは降雪の少ない太平洋側、オオシラビソは多雪である日本海側に多いとされるが、中部山岳地帯では混生しています。富士山5合目付近のシラビソの大木と6合目付近で矮小化したシラビソを撮影しました。[20120年7月10日撮影:第7回自然観察会@山崎]

シラビソ(白檜曽、学名:Abies veitchii Lindley)はマツ科モミ属の常緑針葉樹で高木。日本固有種で軽度懸念。分布は本州福島県から和歌山県までと四国に及び、亜高山帯に自生。純林や混交林を形成。樹高は20mから30mほどで、樹皮は灰白色で平滑、皮目が横長で縞模様ができる。100710シラビソ@エコカフェ(富士山).JPG葉は2列がらせん状に密生し、葉身は15mmから20mmほどのやや扁平な線形で先端は凹形となる。葉表は深緑色で光沢があり、葉裏には軸の両側に1本ずつ白色の気孔帯が目立ちます
花期は8月頃で、雌雄異花、梢先に集生し、雄花は黄色で密に垂下がり、雌花は暗赤色で直立して咲きます。果実は長径約4cmから6cmほどのやや先が尖った円柱形の球果で、9月から10月頃に暗青紫色に熟します。

四国の剣山と石鎚山に自生するものは変種シコクシラベとする説があります。四国の自生地では競合する針葉樹を欠くために純林を形成しているという。


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高山植物の魅力(65)、ミネヤナギ(峰柳)

⇒自然観察会 2012年08月08日 00:55

ミネヤナギ@エコカフェ(富士山).JPG富士山五合目付近の樹林帯林縁でパイオニア植物であるミネヤナギをよく見かけることができます。別名にミヤマヤナギといいます。[2010年7月11日@第7回自然観察会@阿部]

ミネヤナギ(峰柳、学名:Salix reinii Franch. et Sav. ex Seemen)はヤナギ科ヤナギ属の落葉低木。雌雄異株。分布は北海道、南千島、本州中部地方以北に及び、低山帯から高山帯の低木林の林縁に自生。樹高は1mから5mほどで、高山帯では地を這う。葉は光沢があり、無花枝では葉身2pから9cmほどの長楕円形、100710ミネヤナギ花@エコカフェ.JPG有花枝では葉身1pから2pほどの長楕円形、葉裏は白緑、葉縁に鋸歯があります。
花期は5月から7月頃、雄花序は穂状では黄色の葯のある雄蕊が2本つき、基部には黄緑色の腺体1個がつきます。雌花序の雌花は穂状に密生します。果実は刮ハで、開裂すると綿毛で包まれた種子が風で散布されます。


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高山植物の魅力(64)、ミヤマオトコヨモギ(深山男蓬)

⇒自然観察会 2012年08月07日 07:01

100710ミヤマオトコヨモギ@エコカフェ(富士山).JPG富士山五合目付近の森林限界付近から森林限界上部でよく見ることができる高山植物のひとつにミヤマオトコヨモギがあります。富士山で見られるのは本種のみです。[2010年7月10日撮影:第7回自然観察会@山田聡]

ミヤマオトコヨモギ(深山男蓬、学名:Artemisia pedunculosa Miq.)はキク科ヨモギ属の多年草。日本固有種分布は本州中部地方の亜高山帯から高山帯の岩礫地や砂礫地に自生。100710ミヤマオトコヨモギ花@エコカフェ(富士山).JPG草丈は20cmから30cmほど、地下茎は長く伸び、茎は帯紫色で叢生し、葉は倒披針形で先が浅く3から5裂します。花をつけない茎は短く、茎の先端に葉身3cmから7cmほどのさじ形の葉をロゼット状に密生させます。
花期は7月から9月頃で、茎の中部から上の葉腋から総状円錐花序を出し、有花柄の1、2個の頭花を下向きに咲かせます。頭花は径8mmから10oほどの半球形で筒状花からなります。果実は長径約2mmの長楕円形の痩果です。

近縁種の平地に分布する草丈が高く花の小さめなオトコヨモギ、本州の高山帯に分布するタカネヨモギは葉が人参のように細裂します。ヨモギ、オオヨモギも同じ仲間ですよ。


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高山植物の魅力(56)、イワスゲ(岩菅)

⇒自然観察会 2012年07月14日 01:14

100710イワスゲ@エコカフェ(富士山).JPG富士山六合目付近の登山道わきの溶岩原でパイオニア植物のひとつであるイワスゲが花穂をつけていました。別名にタカネスギとも。富士山でよく見られる他のスゲの仲間にコタヌキランがあるが、こちらは主に南斜面に自生しているそうです。[2010年7月10日撮影:第7回自然観察会@山田聡]

イワスゲ(岩菅、学名:Carex stenantha Franch. et Savat.)はカヤツリグサ科スゲ属の多年草。日本固有種。分布は本州の中部地方以北で高山帯の砂礫地に自生。100710六合目付近@エコカフェ.JPG草丈は約40p、根出葉は細長く多数つき、葉の基部は鞘になり茎を抱き、よく株立ちになります。花期は7月から8月頃で、葉の間から花茎を伸ばし先端に小穂をつけ、雄花と雌花を別に咲かせます。

富士山六合目から八合目下部にかけての火山荒原ではイタドリ、オンタデ、イワツメグサもパイオニア植物として先駆的に進出してパッチをつくっていますよ。

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高山植物の魅力(51)、フジハタザオ(富士旗竿)

⇒自然観察会 2012年07月12日 08:46

100710フジハタザオ花@エコカフェ(富士山).JPG富士山の固有種にフジハタザオがあります。5合目上部の森林限界に近い登山道脇のスコリアの荒地にたくさん生えています。この植物はスコリアのざらが下方移動すると一緒に流されながらも逞しく生育し続けることができるといいます。すごいやつなのです。[2010年7月10日撮影:第7回自然観察会@山田聡]

フジハタザオ(富士旗竿、学名:Arabis serrata Franch. & Sav.)はアブラナ科ハタザオ属の多年草。富士山固有種。分布は富士山で森林限界付近の砂礫地に自生。100710フジハタザオ@エコカフェ(富士山).JPG草丈は10pから35pほど、茎は下部でよく分枝し株状になり、星状毛が生え、根出葉は葉身2pから8pほどの広披針形で鈍頭で基部は細く、葉縁に粗鋸歯がつく。茎葉は無柄で茎を抱きます。
花期は6月から7月頃で茎先に総状花序をだし、白い花を咲かせます。 花は径1pから2pほどで花弁と萼片は4枚、雄蕊4本、雌蕊1本です。 果実は長さ4pから6pほどの長線形の長角果で弓状に開きます。

近縁種にイワハタザオがありますが、高山型にはさらにいくつかの変種があるといいます。

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第13回自然観察会の終わりに

⇒自然観察会 2012年06月19日 05:23

120616クマ出没注意@エコカフェ.JPG120616煙る山並み@エコカフェ.JPG台風4号の影響で雨風が心配されます。
先週末の自然観察会も雨の中、丹沢大山で行われました。
マムシグサやシダ植物、倒木更新の観察しかできませんでしたが、ピンポイントながら印象的な学びができたと思います。120616帰りのケーブルカー@エコカフェ.JPG120616きっぷ@エコカフェ.JPG
由緒ある阿夫利神社の鎮座する霊山でもあってパワースポットにもなっています。
そこは熊や猪、鹿、狸など獣たちの生活の場でもあります。

雨に煙る山々は稜線が朦朧(もうろう)として幻想的でした。120616記念の一枚@エコカフェ.JPG
自然観察会では知識だけではなく自然の摂理を体感することも大切にしています。 
帰りもケーブルカーに乗り下山しました。


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ここからはじまる小さな物語

⇒自然観察会 2012年06月18日 08:25

120616モミ幼樹@エコカフェ.JPG第13回自然観察会。丹沢大山、あいにくの雨も森にはめぐみの雨です。[2012年6月16日撮影:倒木更新@山崎]
観察会リーダーの寺中さんが作成したシオリには「シカの食害の観察」や「大山で見られる植物」のポイントなどがまとめられています。

丹沢山塊は標高1700m以下であるため、シラビソ、コメツガなどの亜高山帯に分布する常緑針葉樹は見られません。
120616倒木更新@エコカフェ.JPGしたがって、標高約800mを堺に上部が落葉広葉樹林、下部が常緑広葉樹林、もちろん中間帯には両者の混合林も展開します。混合林の中には尾根筋にモミが下から追われるように細々と分布しています。

そんな森の中では老木が倒れ、その朽ちゆく幹に新たな命を宿しています。モミの幼樹もありました。まるでゆりかごのようですね。そんな小さな命の行末を静かに見守っていきたいですね。


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イロハモミジにうっとりと

⇒自然観察会 2012年06月17日 23:13

120616イロハモミジ@エコカフェ.JPG大山阿夫利神社下社の境内立派なイロハモミジがありました。新緑が黄緑色に萌えていました。写真を拡大すると美しさがより理解できますよ。恐らくは植えられたものでしょう。[2012年6月16日撮影:第13回自然観察会@山崎]

イロハモミジ(いろは紅葉、学名:Acer palmatum Thunberg)はムクロジ目カエデ科カエデ属の落葉高木。分布は本州、四国、九州、台湾、中国、朝鮮半島の平地から低山などの沢近くなどに自生。120616イロハモミジの下で@エコカフェ.JPG
樹高は10mから15mほどで、樹皮は灰褐色で浅く縦裂、葉は対生し、葉身は3.5pから6pほどの掌状に5から7裂、各裂片に不揃いの重鋸歯があります。葉両面にはじめ毛が生えるが後に脱落。 
花期は4月から5月頃で、枝先に花序をだし10個から20個の小花を垂れて咲かせます。小花は雄花と両性花があり、径約5oで暗紫色の萼片5枚、黄緑色の花弁5枚、雄蕊8本。雄花は雌蕊が退化しています。果実は長さ1.5pの分果からなる翼果で、初秋に熟すと風で散布されます。

樹幹に着生する蘚苔類がめぐみの雨に濡れ息を吹き返しているようで、エネルギーが満ち満ちているように感ぜられますね。

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大山阿夫利神社の由緒は

120616阿夫利神社下社@エコカフェ.JPG120616階段@エコカフェ.JPG第13回自然観察会は雨の中。阿夫利神社について少し復習です。

大山阿夫利神社は第10代祟神天皇の頃(BC97年頃)の創建と伝承。
仏教伝来以降、神仏習合により延喜式内社、山頂の本社に烏石楠船神(石尊大権現)、奥社に大天狗、前社に小天狗が祀られていた。天平勝宝7年(755年)、奈良東大寺別当良弁により神宮寺として雨降山大山寺が建立され、本尊として不動明王が祀られた。120616上から@エコカフェ.JPG120616下から@エコカフェ.JPG
中世以降は修験道が盛んになり、江戸時代には関東一円に「大山講」が組織され参詣で賑わった。
明治の廃仏毀釈により「石尊大権現・大山寺」の称は廃された。
現在の祭神は大山本社に大山祇大神(オオヤマツミ)、奥社に大雷神(オオイカツチ)、前社に高龗神(タカオカミ)の三神。

同社に伝わる倭舞、巫女舞は奈良春日大社より伝承されたとされており、同社HPにも「神に捧げられる神楽舞・神事能・狂言などが、昔のままに伝承」とあります。

大山祇大神は水の神でもあり「大山豆腐」が有名だが、最近では大山阿夫利神社はパワースポットとしても人気があるという。


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ゲジゲジシダ(蚰蜒羊歯)とは是如何

120616ゲジゲジシダ@エコカフェ.JPG昨日の第13回自然観察会は雨のため、大山山頂を後日に委ねることとし、途中で早めの撤収となりました。それでも少なからず植生の観察をすることはできました。ノキシノブジャゴケなどの着生植物、マムシグサオオバイノモトソウなどのを林下や林縁に展開するシダ植物などです。ここではゲジゲジシダを紹介しましょう。[2012年6月16日撮影:第13回自然観察会@山崎]

ゲジゲジシダ(蚰蜒羊歯、学名:Thelypteris decursivepinnata (van Hall) )はヒメシダ科ヒメシダ属の夏緑性シダ植物。分布は北海道西南部、本州、四国、九州、南西諸島から東・東南・南アジアと広く、低山の山野の林縁や路傍などに自生。120616ゲジゲジシダ葉裏@エコカフェ.JPG草丈は30pから70cmほどで根茎は射上し葉を叢生。葉は革質で両面に毛が生える。葉柄は5pから20pほどで基部の麟片は褐色で線状か線状三角形。葉身は30pから50pほどの1回羽状複葉で先端と基部が狭まり、小羽片は線状披針形で基部が中軸に流れ三角状の翼をつくるのが特徴です。中軸に線状の鱗片が散生し、小羽片の裏面の中肋と片縁の中間に円形の包膜のない小さな胞子嚢群(ソーラス)がつくという。

私たちにとって残念な雨も森や森に暮らす生き物たちにとっては恵みの雨ですね。山の緑が白く煙る様子は幻想的でした。渓流沿いからはカジカガエルのフィー、フィー、ヒィ、ヒィと鳴き声も聞こえてきて、思わず嬉しくなりました。


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マムシグサ、命の不思議について

120616マムシグサの説明@エコカフェ.JPG第13回自然観察会は神奈川県丹沢山塊東端にある大山(丹沢大山国定公園内)をフィールドにしました。
森にとっては恵みの雨も私たちにとっては歩きにくい足元の危険な雨となります。森の緑が雨粒に打たれフィトンチッドが辺りに充満し、心地良さが体内に浸透してきます。

標高400mの麓にある大山ケーブル駅で乗車し、標高678mの阿夫利神社駅まで一気に登り下車。山の標高の高い所は雲の中で雨脚が強く感じます。まずは、参道脇にはマムシグサがちらほら確認でき、「マムシグサの命の不思議」について解説がありました。120616マムシグサ@エコカフェ.JPG

マムシグサは雌雄異株とされるが栄養状態により性転換をすること
つまり、貧栄養下では雄化、富栄養下では雌化すること
青い果実は秋になると赤く熟すが鳥や小動物に食べられることもなく晩秋の枯れた森でも目立つこと
なぜならば、球茎、果実などには毒成分サポニンのほかシュウ酸カルシウム針状結晶が含まれることから口に含むと細胞に刺さり激痛が続くこと
マムシグサの仲間にはアシュウテンナンショウウラシマソウヒトツバテンナンショウなど多くあること
....。

マムシグサの子孫を残すための戦略として、命の不思議さを理解することができました。森の木々の林下は本来ならば青々としているのですが、シカの影響で下草がほとんど生えていない状態で痛々しい感じがしました。


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