第16回自然観察会in白馬のご案内

⇒自然観察会 2013年06月22日 15:18

コバイケソウ@エコカフェ.JPG今年の梅雨は変則的、台風4号の影響が残っている空模様です。エコカフェの第9回通常総会も来週28日です。準備に追われています。さて、7月に入り今年度初、自然観察会を白馬で開催します。サブタイトル「高山植物を見に行こう!」です。
エコカフェには登山やトレッキングが好きだというメンバーが多くいます。もちろん、地質から植物まで幅広くフィールド学習をするのも目的のひとつです。

〇日 程:2013年7月5日(金)〜7日(日)
〇場 所:小遠見山・姫川源流自然探勝園
〇宿 泊:ペンション「ピンクポピンズ」(北安曇郡白馬村神城)
〇参加費:往復交通費・宿泊費(各自負担)、プログラム参加費(無料)
〇対 象:会員
〇協 力:株式会社ベネフィット・ワン、ピンクポピンズ

〇行 程
 7月5日(金):夜出発(新幹線:時間調整中)
 7月6日(土):小日向のコルへ向けてトレッキング
        途中、高山植物(コイワカガミやコマクサなど)を観察
        下山後、温泉につかり休憩、意見交換
        宿:ピンクポピンズ
 7月7日(日):五竜高山植物園や姫川源流自然探勝園を散策
        東京着(17時前には到着予定)

〇解 説:親海湿原(およみしつげん)は標高750mにもかかわらず、亜高山帯から高山帯にかけて生息する低層・高層の湿原植物が大変豊富。名物の蕎麦にもチャレンジです。申し込みは事務局までお願いします。


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カラヤスデゴケもごく普通に

⇒自然観察会 2013年04月03日 07:54

2013_03_23_カラヤスデゴケ@第15回自然観察会in箱根_115-1_s.jpg箱根駒ケ岳から神山に向かう登山道脇の苔たち。倒木(径約10p)にまとわりついていた紫色の倒瓦状に重なり合って伸びるヤスデゴケの仲間を紹介しましょう。苔の中では大きな属であって熱帯を中心に世界で約900種、日本では約30種が知られるそうです。調べてみるとカラヤスデゴケの紫褐色タイプではないかと思います。[2013年3月23日撮影:第15回自然観察会@阿部]

カラヤスデゴケ(学名:Frullania muscicola Steph.)はウロコゴケ目ヤスデゴケ科ヤスデゴケ属の苔類。分布は日本全国、国外(恐らくアジア?)、低地の樹幹、倒木、岩上などに自生。草丈は2pから4pほど、茎は這い不規則に羽状に分枝。色は緑色のものと紫褐色のものがある。茎葉体といって葉は倒瓦状に重なり、2列の卵形の側葉(側片)と下側に1列のヘルメット形の腹葉がつきます。腹葉(腹片)には水分を貯える機能があるそうです。 雌雄異株。苞葉から花被は袋状で胞子嚢がつきます。胞子は胞子嚢の裂開と同時に中にある弾糸がバネのようにはじけることで一瞬にして遠くに放出されるといいます。

箱根山付近で観察することができるヤスデゴケの仲間は、カラヤスデゴケのほかにカギヤスデゴケ、シダレヤスデゴケ、ウサミヤスデゴケなどがあるようです。


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タグ:蘚苔類
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ハイゴケ(這苔)はごく普通に

⇒自然観察会 2013年04月02日 07:40

2013_03_23_ハイゴケ@エコカフェ第15回自然観察会in箱根_62_s.jpg箱根駒ケ岳から神山に向かう登山道脇でもよく見かけました。姿が美しく特徴的なのでハイゴケだと分かります。乾燥しているので色彩はやや褐色がかっています。[2013年3月23日撮影:第15回自然観察会@阿部]

ハイゴケ(這苔、学名:Hypnum plumaeforme Wilson)はハイゴケ目ハイゴケ科ハイゴク属の大型の蘚類。分布は日本全国、東アジアに広く、明るい尾根筋や露岩地、樹幹下部、流水近くなどの湿潤な腐食土上など幅広い環境下で自生。2013_03_23_ハイゴケ@エコカフェ第15回自然観察会in箱根_63_s.jpg草丈は10pほど、茎は這って規則正しく羽状に分枝し、葉は2oから3oほどの広卵形で葉縁には細歯があり、中肋は2叉し短い。葉先は尖り鎌形に下側に曲がるため、上面から見ると組み紐のように見えるのが特徴です。雌雄異株。胞子体の剳ソは長さ2pから3cmほど、凾ヘ円筒状で湾曲し傾斜、剋浮ヘハイゴケ型で内外2列に並びます。

ハイゴケは樹幹の下で他の蘚苔類とせめぎ合うような感じで大きな群落をつくっていました。乾燥に強いのも生存競争に勝つための戦略のひとつです。なお、箱根山で見られるハイゴケ科の仲間にはオニクシノハイゴケ、ヤマトキヌタゴケ、ヒメハイゴケ、オオベニハイゴケ、イトハイゴケアカイチイゴケ、キャラハゴケが知られているようです。


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アカイチイゴケ(赤一位苔)は紅葉を

⇒自然観察会 2013年04月01日 23:23

2013_03_23_アカイチイゴケ@第15回自然観察会in箱根_87_s.jpg箱根中央火口丘を構成する駒ケ岳、神山、冠ヶ岳を巡る登山道は多くの人が歩いたため大きく大地をえぐって樹林帯をぬっている。その樹林帯は芦ノ湖から吹きあがる湿った空気により雲霧が湧きやすいのではないだろうか。えぐれた登山道脇の腐食土や倒木、樹幹、岩石上に多様な蘚苔類を観察することができます。ここではアカイチイゴケを紹介します。[2013年3月23日撮影:第15回自然観察会@阿部]

アカイチイゴケ(赤一位苔、学名:Pseudotaxiphyllum pohliaecarpum (Sull. et Lesq.) Iwats.)はハイゴケ科アカイチイゴケ属の蘚類。分布は日本全土、熱帯から亜熱帯のアジアに広く、山地や低地の乾いた林下の岩上や地上などに自生。草丈は1pから2pほど、茎は這い、ときに分岐、葉は葉身1oから1.5mmの非相称の卵形で鋭頭で先に細歯がつく。葉はやや扁平につき、乾燥しても縮れず、中肋は2叉し短いという。雌雄異株。胞子体は剳ソは長さ1.5pから2.5cmほど、凾ヘ長楕円形で傾斜ないし下垂し、蓋は嘴状、剋2列でハイゴケ型です。茎の頂部や葉腋に細くねじれた糸状の無性芽をつけ、無性生殖でも増えます。

名前の由来はイチイの葉に似ていること、赤いことによる。アカイチイゴケはオオミズゴケと同じように秋から冬にかけて日当たりのよいものは紅葉するんだそうです。紅葉した後に枯れることはないのでしょうか、調べることは尽きませんね。

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箱根大涌谷はかつては地獄谷と

⇒自然観察会 2013年03月26日 08:01

2013_03_23_大涌谷@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_147_s.jpg箱根山の中央火口丘を形成する神山(標高1436m)と冠ヶ岳(標高1409m)から箱根大涌谷まで下ってくると辺りの様子は様変わりだ。噴気による硫黄臭の漂う火山ガスと高温の水蒸気が地表の至る所から立ち上っている。かつて地獄谷と呼ばれた。[2013年3月23日撮影:第15回自然観察会@阿部]

約3000年前、神山北西斜面で大規模な水蒸気爆発が起こった。そのとき山崩れが発生し爆裂火口を堆積物が覆い隠してしまって大涌谷が生まれた。2013_03_23_大涌谷@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_149_s.jpg道理で至る所から噴気が立ち上っているわけだ。現在はジオパークとして一大観光地となり、散策道も整備され、名物の真っ黒な温泉卵が売られている。温泉卵の殻が黒色になるのは硫黄と鉄分が化学反応した硫化鉄が付着するからだ。5個で500円、良心的な価格である。

大涌谷の周辺にはススキ、ブナ、アセビミズナラなどが植生回復しているが、さすがに今でも時々発生する崩壊地や火山ガスの影響の出やすい斜面などでは裸地であったり、イタドリノリウツギ、コアジサイ、イオウゴケなど酸性に強い植物の進出と攻防が見てとれたりもする。また、立ち枯れした樹木が自然の造形美を見せてくれるのも面白い。


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駒ケ岳山頂に駒形大神が鎮座

2013_03_23_箱根神社元宮@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_22_s.jpg箱根駒ケ岳は火山ドームであるため土鍋を逆さにしたような形状で山頂は緩やかに湾曲傾斜している。北側には最高峰の霊峰神山(標高1438m)を仰ぎ、古代より山岳信仰の霊地であって山頂には箱根元宮の社殿があり、箱根大神が鎮座しているという。[2013年3月23日撮影:第15回自然観察会@阿部]

由緒案内看板には、「二千有余年の昔、孝昭天皇の御代、聖占仙人が、神山に鎮まります山神の威徳を感應し、駒ヶ岳山頂に神仙宮を開き、次いで利行丈人、玄利老人により、神山を天津神籬(アマツヒモロギ)とし、駒ヶ岳を天津磐境(アマツイワサカ)として祭祀したのに始まる。2013_03_23_箱根神社元宮馬降石@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_21_s.jpg2013_03_23_駒形大神@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_20_s.jpg・・・・人皇二十九代欽明天皇の御代に佛教が渡来して以来神佛習合して、修験者等が練行苦行する霊場として有名になった。」とある。その後、奈良時代の天平宝字元年(757年)、万巻上人が入峰して山麓の芦ノ湖畔に箱根神社(箱根里宮)を創建し、僧・俗・女の三体の神を箱根三所権現(箱根大神:瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)・木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)・彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト))として祀ったという。箱根大神は習合して文殊菩薩・弥勒菩薩・観世音菩薩が本地仏となります。箱根駒ケ岳は箱根神社の神体山でもあるのです。

参道の階段を上がった鳥居の左手に、注連縄を張ってある「馬降石」があり、白馬に乗って神様が降臨された岩と伝えられているそうです。「馬降石」の奥に小さな石造りの御宮があり、駒形大神が鎮座しています。当時の朝鮮は高麗朝時代、仏教文化伝来の国、箱根神社が駒形神社を奉祀するのは、朝鮮から高麗大神を勧請したことに関係があるのでしょう。左手には「馬乗石」があります。なんとも神話とは厄介なものです。


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箱根駒ケ岳山頂にロープウェイで

⇒自然観察会 2013年03月25日 22:40

2013_03_23_ロープウェイ@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_10_s.jpg東名高速道路が渋滞したため第15回自然観察会in箱根は芦ノ湖湖畔で昼食をとってからスタートした。所要7分、駒ケ岳ロープウェイで一気に箱根駒ケ岳(標高1356m)山頂に降り立ちました。ロープウェイ直下の山腹急斜面にはハコネダケが群生し、左右の山腹には植林された美しいヒノキ林、直下正面に芦ノ湖が広がっていました。湖面には海賊船が小さく見えました。[2013年3月23日撮影:第15回自然観察会@阿部]

2013_03_23_ロープウェイ@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_11_s.jpg2013_03_23_ロープウェイ巨大車輪@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_9_s.jpg足を使って植生観察しながら登ることが多いのですが、今回はリーダーの意向もあって文明の利器、駒ケ岳ロープウェイを使っての登頂であった。確かにロープウェイから眺望する景観は地を這って登る景観とは全く異なるものであった。最高地点で地表から75mの高さ、鳥になった気分とはこのことであろうか。山々など全体を鳥瞰するのも悪くはないのです。

何が何でも足で稼ぐということではなく、文明の利器である乗り物を駆使して視点を変えて観察するのもエコカフェらしいのだと思います。


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イオウゴケ(硫黄苔)は地衣類

⇒自然観察会 2013年03月24日 22:43

2013_03_23_コナアカミゴケ@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_138s.jpg昨日は第15回自然観察会を箱根の中央火口丘を形成する箱根駒ケ岳、神山、冠ヶ岳や地獄谷の植生観察とトレッキングを行いました。地獄谷では名物の温泉卵もいただきました。冠ヶ岳から大涌谷に下る左右に噴気孔のある硫黄臭のする登山道脇の枯れた倒木や岩上には広範囲にわたってイオウゴケがたくさん自生していました。[2013年3月23日撮影:第15回自然観察会@阿部]

イオウゴケ(硫黄苔、学名:Cladonia vulcani Savicz.)はハナゴケ科ハナゴケ属の小型の樹状地衣。2013_03_23_コナアカミゴケ@エコカフェ第13回自然観察会in箱根_142s.jpg分布は北海道、本州、四国、九州に及び、高山地帯の硫黄臭のきつい温泉地や火山帯に自生。葉体は径約3o、子柄は樹状に立ち上がり、無盃で不規則に分枝し、皮層は顆粒状でまれに粉芽がつく。子柄の先端に赤色の子器(有性生殖器官)がつき、胞子が造られます。

イオウゴケに似ているものに、子柄が粉芽に覆われるコナアカミゴケ、子柄が分枝しないウロコアカミゴケや子柄の先端が漏斗状になり赤い子器がつくコアカミゴケがあるそうです。

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タグ:箱根 地衣類
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第15回自然観察会のご案内

⇒自然観察会 2013年02月12日 16:10

200711 162.jpg
梅がちらほらと咲き始めてきました。
まだまだ寒い日が続くようですが、徐々に春は近づいてきているようです。
春先の箱根を散策します。
大涌谷を見下ろすことができる駒ケ岳を目指し、のんびりと箱根を歩きます。
集合日時:2013年3月23日(土)午前11時30分
集合場所:箱根園

スケジュール(予定)
11:30  箱根園集合 着後<昼食>
12:00  駒ヶ岳ロープウエイ乗車
     頂上まで約7分 片道620円
12:10  駒ヶ岳頂上 着
13:00  防ヶ沢分岐 着
14:00  神山頂上 着
14:10  冠ヶ岳 着
14:40  大涌谷分岐 着
15:00  大涌谷 着
 ※帰りは、大涌谷駅からロープウエイ、登山鉄道をつないで箱根湯本駅。

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江島神社奥津宮の八方睨みの亀と亀石

⇒自然観察会 2012年12月07日 14:37

121117八方にらみの亀@エコカフェ.JPG121117奥津宮@エコカフェ.JPG江ノ島の植生は単純で、典型的な海岸性の照葉樹林の森が広がっています。断崖、崩落地などの急峻な地形もあって単純な森といっても階層構造や海岸との距離により変化に富んだ植生を観察することができます。ここでは植生の話ではなく、八方睨みの雲竜図に続き、江ノ島でみた『八方睨みの亀』と亀石を紹介します。[2012年11月17日撮影:第14回自然観察会@阿部]

121117亀石@エコカフェ(江ノ島).JPG奥津宮江島神社の一番奥にあります。御祭神は天照大御神と素戔嗚尊の一番上の子、三女神のひとり、多紀理比売命です。拝殿の天井に『八方睨みの亀』が描かれています。1803年(享和3年)、酒井抱一作と伝えられるが、本物は宝物殿に収められレプリカが掲げられているのです。亀は多紀理比売命お使い、不老長寿の象徴ともされます。「八方睨み」は邪気を祓い拝殿を守る意味があるのでしょう。ちなみに、中津宮の御祭神である一寸島比売命(弁財天女と習合)のお使いは龍(蛇)だそうです。

拝殿の手前には鎌倉四名石のひとつ「亀石」があります。案内板には、別名に「蔵六石」ともいい、1806年(文化3年)に弁秀堂なる人物が金光明最王経の写経とともに奉納したとあります。近くには力比べをしたという「力石」もあって当時の賑わいが伝わってきて頼もしい気分になります。


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江ノ島岩屋の正体は

⇒自然観察会 2012年12月05日 20:00

121117海食洞入口@エコカフェ.JPG江ノ島の形成史についてはすでに解説したとおりであるが、基盤を形成する岩盤の断層面などの脆弱な部分にあっては、波浪による浸食が進み安いとされます。江ノ島南西部の稚児ヶ淵から西に回り込んだ海食崖の基部に当たる付近では、約6000年の歳月をかけ、断層面に沿って典型的な隆起海食洞窟が発達しています。[2012年11月17日撮影:第14回自然観察会@阿部]

そのような奇怪な地形は古くから人びとの信仰、自然崇拝の対象になりやすいことが知られています。121117海食洞生成過程看板@エコカフェ.JPG121117暗闇の石仏@エコカフェ.JPG江ノ島の海食洞窟も「龍窟」、「蓬莱窟」、「神窟」、「本宮岩屋」、「龍穴」などと呼ばれ信仰の対象とされてきました。第一岩屋は奥行き152m、奥で二手に分かれます。洞内には石仏が安置されています。第二岩屋は奥行き56m、近接平行した2つの洞窟が奥で一つになります。まさに龍の体内を想像させます。『天女と五頭龍』伝説があるため、今日では岩屋の最奥に龍の御神体が祀られています。光と音の演出が今日的です。

岩屋内部は、幾度となく隆起が起こりその都度海面が下がるので、入口は天井が高く奥に行くほど天井が低くなり横に広がっています。1922年(大正14年)9月1日に発生した関東大震災により、江ノ島付近は約91cmも隆起し、洞窟底が海水の浸入から離れ、陸地化したそうです。

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江島神社と弁財天女、龍神、宗像三女神は

⇒自然観察会 2012年12月03日 21:22

121117参道@エコカフェ.JPG江島神社は、安芸宮島、近江竹生島とともに日本三大弁天のひとつとされます。神社縁起では、552年(欽明天皇13年)に岩屋に航海の神様である宗像三女神を祀ったのが始まりだそうです。おそらくそれ以前にも人びとは岩屋を自然崇拝していたと推察されます。なんとならば、『江島縁起』の伝説に、五つの頭をもつ悪龍(五頭龍)と天女(弁財天女)の話があります。今では五頭龍は片瀬の龍口山に姿を変え、山中に龍口明神社が鎮座しているそうです。[2012年11月17日撮影:第14回自然観察会@阿部]

121117江島神社鳥居@エコカフェ.JPG121117しゃもじ@エコカフェ.JPG今日の江島神社には、奥津宮(祭神:多紀理比売命)、中津宮(祭神:市寸島比売命)、辺津宮(祭神:田寸津比売命)の他に、末社として八坂神社、稲荷神社・秋葉神社、龍宮があります祭神である三女神(宗像三女神とも)は、天照御大神と素戔嗚尊の間に生まれ、かつて江島大神と崇められた。特に、一寸島比売命は神仏習合の本地垂迹の考え方により仏教の弁財天と同一視され、今日に至ります。弁財天はインドでは財宝の神、美の神、芸能の神であったが、日本では龍神と習合し、水の神、農業の神としても崇められるようになっていったといわれています。

江戸時代になると「七福神」の一神としても信仰され、もてはやされるようになり、神道における宗像三女神は影の薄い存在となってしまったという。弁財天は、自然崇拝、仏教、神道、民間信仰が混交し、その信仰は複雑になった言われている。江島神社は明治の神仏分離を受け仏式を全廃し今日に至ります。


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江ノ島の海岸林の特徴は

⇒自然観察会 2012年11月21日 06:15

121117江ノ島南側断崖の海岸林@エコカフェ(江ノ島).JPG江ノ島の海岸林、相模湾の沖合を黒潮が北上しており温暖な気候下あるため照葉樹林の森が発達しています。江ノ島は小さな島ですが南側と北側の森の様子はかなり異なったものとなっています。それは地形と海からの荒々しい波浪、強い潮風の影響によるものです。[2012年11月17日撮影:南側龍野ヶ岡断崖、北側みどり橋付近、第14回自然観察会@阿部]

島の南側は断崖などが多く、龍野ヶ岡の断崖では厳しい環境下で逞しく生きる海浜植物の様子を観察することができます。具体的な解説は関連記事をご覧ください。
121117江ノ島北側の海岸林@エコカフェ(江ノ島).JPG関連記事(江ノ島の自然を満喫B)⇒

島の北側は急斜面地であっても土壌がしっかりしているため典型的な照葉樹林からなる海岸植生が発達していて、そんな森では階層的に海浜植物が見られます。内陸部でも同じことが言え、こちらのほうが高木層、亜高木層、低木層、草本層と観察はしやすいです。
関連記事(江ノ島の自然を満喫@)⇒


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江ノ島、『天女と五頭龍』伝説に龍恋の鐘

⇒自然観察会 2012年11月19日 00:13

121117龍恋の鐘@エコカフェ.JPG江ノ島の瀧野ヶ岡自然の森の一角に「龍恋の鐘」が駿河湾を望む高台に立っています。この鐘は「天女と五頭龍」伝説にちなんで建立されたという。自然観察会リーダー、寺中さんの説明は快活でした。

昔々、鎌倉の深沢山中の底なし沼に、五つの頭をもつ悪龍が住みつき、天変地異をもたらし村人を苦しめていたという。この龍を鎮めるために村の子供を生贄に捧げることから、この地を『子死越』と呼び恐れたという。ある時、『子死越』の前方海上に密雲が何日にも渡り垂れ込め、天地が激しく揺れ動き、天女が現われると雲が晴れ、今まで何も無かった海上に、現在の江ノ島が出現したという。天女の美しさに魅せられた五頭龍は、結婚を申し込むが、悪行が止むまではと断られ、その後、悔心の末に結婚することができたと言い伝えがあるそうです。この伝説の天女が、江ノ島に祀られている弁財天であって、五頭龍が龍口明神社として鎌倉市『腰越』に祀られているそうです。

伝説の『子死越』が今日の『腰越』の地名になって残されているというのも面白いですね。ここで鐘を鳴らした二人は永遠に分かれるこはないそうです。今日的な解釈ですが、鐘の両サイドには永遠の愛を祈願する人たちの名前が記されています。愛を誓う鍵が周囲の樹木の枝にまでつけられているのが面白いですね!


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江ノ島を覆う関東ローム層は

⇒自然観察会 2012年11月18日 23:00

121117関東ローム層@エコカフェ(江ノ島).JPG復習。江ノ島の基盤は、およそ2000万年前から1500万年前(第三紀中新世)に堆積した葉山層群のいわゆる塊状砂岩を中心に、北東部には500万年から300万年前の三浦層群逗子層と池子層の泥岩と凝灰岩の互層が広がっています。[2012年11月17日撮影:第14回自然観察会@阿部]

葉山層群と三浦層群の南東から北西に走る境界面は断層に相当します。これが複数本走っていると考えられています。プレートテクトニクスによる強烈な地殻変動があった痕跡がそこにあるのです。およそ7万年前(最終氷期)には海面が下がり江ノ島は海上に現れ、海食台状のこれら基盤の上に関東ローム層が堆積したと考えられています。121117関東ローム層2@エコカフェ.JPG断層に沿って浸食された海食洞窟が崩落し海食断崖が大きく発達した「山ふたつ」と呼ばれる場所に近い歩道沿いに露頭を見ることができます。このローム層の露頭は上から箱根三色旗軽石層(50cm)、箱根東京軽石層(80cm)、箱根三浦軽石層(15cm)の順に構成、何れも箱根火山噴火による微少な軽石(火山灰とも)で風化により粘土質化しています。特に、箱根東京軽石層(箱根東京テフラとも)は、約6.6万年前(新生第四紀後期更新世)に箱根火山が大規模噴火(第2期カルデラ形成)により堆積した降下軽石によるものだそうです。やや白っぽい色をしているのが特徴です。ローム層は風雨による浸食により島の辺部ではすっかり剥落し中心部に厚く堆積していると考えられます。

このローム層は噴火軽石(火山灰とも)に含まれる鉄分が酸化され粘土化したもので、いわゆる赤土と呼ばれるものです。貧栄養なため農業には向いていないが、積極的にパイオニア植物が進出し、長い年月をかけて赤土の上に黒色土をつくりながら、植生遷移を進め豊かな照葉樹林の森を育んできたと考えられます。


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江ノ島の形成史

121117山二つ@エコカフェ(江ノ島).JPG誰もが何気なく訪れる観光地、江ノ島。江ノ島神社があり、常緑広葉樹林である照葉樹林、特に典型的な海岸林が残っています。海岸線には海食崖や海食洞窟もあって、変化に富んだ散策を楽しむことができます。そんな江ノ島はどのように誕生したのでしょうか。[山二つ、稚児ヶ淵の海食棚、2012年11月17日撮影:第14回自然観察会@阿部]

江ノ島の基盤は葉山層群と三浦層群と呼ばれる付加体からなります。葉山層群はおよそ2000万年前から1500万年前(第三紀中新世)の海底堆積物で泥岩、砂岩泥岩互層、凝灰岩質砂岩、グリーンタフなどの凝灰岩からなり、地殻変動により摂理等が不明瞭な硬質の岩塊になっています。121117海食棚2@エコカフェ.JPG121117海食棚@エコカフェ(江ノ島).JPG上位の三浦層群とは傾斜不整合し3本の断層が走っています。三浦層群は500万年から300万年前の付加帯で逗子層と池子層からなり、島の東北部に位置します。およそ13万年前(最終間氷期下末吉海進期)には海面下にあって、波浪による浸食によって全体が海食台を形成したと考えられます。7万年前頃(最終氷期)には海水面が下がり海上に現れ、箱根火山活動による降軽石、最終氷期終了による海水面上昇、およそ6000年前以降は縄文海進があったりしたが比較的安定した海水面が維持され、海岸には海食棚が広がり海食崖が発達、断層面に沿って海食洞窟が形成し、関東大震災による1m近くの隆起を経て、現在に至るようです。

海食台が南側に広がっているのは隆起による地殻変動の結果なのです。このような光景は福井立石岬、宮崎日南海岸、津軽千畳敷海岸など日本各地で見られます。


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第14回自然観察会in江ノ島、無事終了

⇒自然観察会 2012年11月17日 16:30

121117江ノ島駅@エコカフェ.JPG121117江ノ島駅ホーム@エコカフェ.JPG今日はあいにくの天候となりました。
午前中早い時間帯はどんよりした雲と時折の強い風とパラつくていどの雨でした。
持ってくれればと思いながらも押し寄せる厚い雲に正午頃からは本降りとなってしましました。
そんな中、一同は照葉樹林を中心とした典型的な海岸林の植生観察をすることができました。
タブノキトベラシャリンバイヤブツバキ、ヤマモモ、マサキスダジイモチノキ、エノシマキブシ・・・・。
荒れた海が岩礁に機だけ散る様子はずんときますね。


写真:帰りの江ノ島駅とホーム


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第14回自然観察会のご案内

⇒自然観察会 2012年10月15日 16:33

080426自然観察会(江ノ島) 022.jpg秋の深まりを日々感じる頃となり、初雪の便りも耳にするようになりました。
これから植物は、冬支度のために葉を落とし来年の春に向けてエネルギーを蓄える準備をします。
しかし一年中、葉を茂らせている常緑樹を今回の自然観察会にて学ぶ予定です。
江ノ島を開催地に、海岸林としてみられるスダジイやタブノキなど観察し、また江ノ島の地形の成り立ちなども学びましょう!

【開催日】 2012年11月17日(土) 
【スケジュール】
 9:00  片瀬江ノ島駅 集合
      徒歩
 9:30  江ノ島神社 通過  
 10:00 恋人の丘 通過 
 10:30 江ノ島岩屋〜海岸 探検      
 12:00 江ノ島神社 通過 
 12:30 昼食 ※参道にて  
 15:00 片瀬江ノ島駅着/解散
 
【持ち物】
レインウェア、昼食、飲物、タオル、着替え、保険証、挫けない気持ち

【注意事項】
●エスカーには乗車する予定はありませんので、予めご了承ください。
●岩屋に入る際、500円が必要です。

参加ご希望の方は、11月14日までに事務局までご連絡ください。
皆様のご参加お待ちしております。080426自然観察会(江ノ島) 025.jpg
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セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)

⇒自然観察会 2012年09月16日 12:00

080927セキヤノアキチョウジ@エコカフェ第2回自然観察会(三頭山) 024.jpg奥多摩の三頭山(標高1531m)の登山途中で見られる秋の草花にセキヤノアキチョウジがあります。変わった名前です。これはアキチョウジに似ていて、箱根に多く見られることから関所の番小屋、つまり関屋の秋丁字と呼ばれるようになったといいます。[2008年9月27日撮影:第2回自然観察会@阿部]

セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字、学名:Isodon effusus (Maxim.) H. Hara)はシソ科ヤマハッカ属の多年草。分布は本州関東地方と中部地方に限り、山地の木陰などに自生。草丈は30pから90cmほど、茎は四角柱状で細くよく分枝します。葉は有柄で対生、葉身5pから15pほどの長楕円形で葉縁に粗い鋸歯がつき先が尖ります。葉裏に細毛が生えます。
花期は9月から10月頃で枝先や葉腋から円錐花序を伸ばし、多数の花を細い花柄の先にそれぞれ咲かせます。花は青紫色、花冠長は12oから18oほどで長い管状唇形、上唇4裂、下唇2深裂します。

花の咲く様子が「丁の字」に似ていること、秋に咲くことから、「アキチョウジ(秋丁字)」という植物がありますが、セキヤノアキチョウジは花柄の長さが長く、萼片の先が尖ることから区別するといいます。


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ツリフネソウ(釣舟草)

080927ツリフネソウ@エコカフェ第2回自然観察会(三頭山) 005.jpg大型台風16号が沖縄本島に接近とのニュースが流れていますが暴風雨や高潮が心配ですね。このところ発生する台風は温暖化の影響でしょうか、巨大化する傾向があります。今朝は奥多摩の三頭山(標高1531m)の登山途中で観察したツリフネソウを紹介します。崖下の湿った薄暗い林下で存在感を示していました。[2008年9月27日撮影:第2回自然観察会@阿部]

ツリフネソウ(釣船草、釣舟草、学名:Impatiens textori Miq.)はフロウソウ目ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草。別名にムラサキツリフネで有毒植物分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国、ロシア東南部に広く、低地から山地の水辺や湿った薄暗い場所に自生。草丈は40pから80cmほどで茎は赤味を帯び節や茎下部で肥厚するという。葉は有柄で互生し、花序がつく頂部で輪生状、葉身は6pから14cmほどの菱状楕円形で葉縁に鋸歯がつき先が尖ります。
花期は8月から10月頃で茎頂部から長い総状花序を複数伸ばし、赤紫色の径約3pの釣鐘状の花を横向けに吊り下げて幾つも咲かせます。花は萼片3枚のうち1枚が後方に袋状に伸びて渦巻き状の距をつくり、花弁3枚のうち1枚は前上方にのび、田の2枚は下側左右に1枚づつつくます。花の内側には濃紫色の突起が多数つき、柱頭を合着した雄蕊が包みます。果実は長さ1pから2pのどの刮ハで熟すとホウセンカのように弾け飛び散ります。

ツリフネソウは南西諸島を除く日本全土に広く分布するのですが、徳島県で絶滅危惧T塁、東京都や愛媛県、鹿児島県で準絶滅危惧に指定されるなど環境省による指定はないものの地域的には絶滅の心配にあるようです。


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