志津川八幡川河口防潮水門のある風景

ビーグル号の航海日誌 2012年03月12日 22:15

八幡川河口水門@エコカフェ.JPG防潮水門とオオバン@エコカフェ.JPG南三陸町市街地の中央を流れる八幡川の河口に壊れかけの水門があって太平洋へとつながっています。東日本大震災直後の瓦礫などが取り払われているため綺麗になっています。八幡川河川水門をはじめ南三陸町内には計9水門が街を守っていました。
オオバン@エコカフェ.JPGこの防潮水門の高さは3.8mというから1960年(昭和35年)5月23日4次11分に発生したチリ沖地震により22.5時間後に南三陸沿岸に到達した高さ2.4mの津波を想定してのものでしょう。これを遥かに超える津波の破壊力は人知では計り知れないものがあったのです。
3月11日、水門の内側の水面は静かで3羽のオオバンがのどかに泳いでいました。何もなかったかのように、何も気にすることなく、てんで好き勝手な方向に泳いでいました。環を描いたり、時折嘴をクラックさせたりして。ただただ水面には一足掻くごとに小刻みに波紋が広がっては消えてゆくのでした。

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南三陸町戸倉の岩礁海岸は

震災後の南三陸町戸倉の海岸線@エコカフェ.JPG平成24年3月11日、南三陸町追悼式当日の午前中に少しばかりゆかりのある場所を視察しました。まずはエコカフェがお世話になってきた南三陸町自然活用センター近くの戸倉の岩礁海岸です。
一昨年夏に「森里海学びツアーin気仙沼・志津川」を実施した際に撮影した写真と昨日撮影した写真を見比べると歴然と違いが分かります。潮が引いている時間帯であったことを考慮しても、おそらく1m近くの地盤沈下が起こっているのではないでしょうか。[2012年3月11日撮影:干潮約2時間前、2010年8月21日撮影:干潮時]

南三陸町戸倉の岩礁海岸@エコカフェ.JPG東北地方太平洋沖地震は太平洋プレートが北アメリカプレートの下に潜り込む境界部である日本海溝付近の少なくとも3か所の複数地域で発生した連動型地震であって、超巨大地震といわれます。国土交通省国土地理院によると、この地震による地殻変動により、東日本全体が東方に最大で約5.3m移動し、あわせて太平洋岸で最大で1.2mの上下変動が起こったと報告されています。その後も余震があったりし、緩やかな地殻変動が継続しているようです。

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祈りの朝に

ビーグル号の航海日誌 2012年03月11日 12:00

志津川大畑の雪化粧した杉林@エコカフェ.JPG東日本大震災で亡くなられた多くの御霊に祈りを捧げました。
おじいさまがひいじいさまらが植林した志津川の杉山は薄ら白く雪化粧をしています。世代を超えて培ってきた文化や伝統、精神が凛と感ぜられる朝です。
それは森と海が迫り、その恵みを知り、感謝し、大切に守ってきた代々の人びとの精神なのです。
私たちだけではなく私たちが生活の糧にしている自然も大きく傷つきました。
自然は季節をこえ主役を変え確かにふさわしい姿に再生していきます。
雪化粧の杉林@エコカフェ.JPGその土地に一番合った姿に。

私たちは、子どもたちのために何を残したらよいのでしょう。
私たちは、子どもたちのために何をしたらよいのでしょう。
被災地のおじいさまやばあさまは自らのことを後にして子どもたちの未来を日々心を痛めているそうです。
さあ、小さいことから一つひとつ行動しよう!!

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ヒナノハイゴケ(雛之這苔)は可愛らしい

ビーグル号の航海日誌 2012年03月10日 09:56

ヒナノハイゴケ(ケヤキ)@エコカフェ.JPG早朝に降っていた雪は上がりました。午後からは薄日が差し暖かくなるそうです。近くの公園にケヤキイチョウの木があり、樹皮を覆うように可愛らしい苔が寄添ってパッチ状に広がっています。ヒナノハイゴケです。[2012年03年10日撮影:ケヤキ、イチョウ]

ヒナノハイゴケ(雛之這苔、学名:Venturiella sinensis (Vent.) C.Muell.)はギボウシゴケ目ヒナノハイゴケ科ヒナノハイゴケ属の小型の蘚類。日本固有種。ヒナノハイゴケ(イチョウ)@エコカフェ.JPG分布は本州、四国、九州に及び、神社や路傍の樹幹や岩などに着生。草丈は0.5cmから1pほどで、茎は這ってよく分枝し密、葉は暗緑色で卵形、葉身は1mmから1.5oほどで全縁、中肋はないという。凾燉糟`で剳ソが短く苞葉に抱かれます。凾フふたは尖帽形で橙色、剋浮ヘ赤褐色でパピラがつくそうです。とにかく小さくて写真では拡大しないとそこまで分かりませんね。

空は少しずつ明るくなってきているようです。ありがたいことです。今日はこれからエコカフェとして明日の追悼式に参列するため南三陸町に向かいます。


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タグ:日本固有種
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天が泣いているよ

IMGP1507.JPGおお、天から大きな真綿のような純白の雪が降ってくる
あの日からちょうど一年
私たちは目の前のことに追われ過ぎてはいやしないのか
一日たりと忘れませんと

おお、天から悲しみに凍えた涙のような雪が降ってくる
あの日からちょうど一年
私たちは防災意識に目覚め身の回りことに気を配ったというのか
一日たちとも忘れませんと

おお、天からたくさんの涙のお手紙が降ってくる
あの日からちょうど一年
私たちは自らの気持ちを純白のお手紙に照らし合わせようというのか
一日たりとも忘れませんと

同じ日本にありながら被災地の人びとのために何ができたというのか
天が泣いている
静かに泣いている
さあ、不安も迷いもかなぐり捨てて被災地の人びとのためにいってらっしゃい
雪のお手紙が消えないうちに

by トノサマガエル
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ヒトツバ(一つ葉)は単葉

ビーグル号の航海日誌 2012年03月09日 09:30

ヒトツバ@エコカフェ.JPG三宅島はエコカフェの植林活動のフィールドでもあります。三宅島の豊かな森はたび重なる雄山の噴火により、そのたびに溶岩原野と化し、緑の森を回復するといったことを繰り返してきています。途方もない時間の流れがあり、今があるのですね。昨年秋、三宅島のスダジイの森を散策時に、巨木や崖地に着生するヒトツバを観察しました。[2011年11月26日撮影:第3回エコカフェみんなの森づくり@阿部]

ヒトツバ(一つ葉、学名:Pyrrosia lingua (Thunb.) Farw.) はウラボシ目ウラボシ科ヒトツバ属の着生シダ植物。ヒトツバ葉裏@エコカフェ.JPG分布は東アジアの暖温帯から亜熱帯に広く、日本では本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島に及び、海岸や沿岸域の樹幹や岩上に着生または地上を這う。草丈は30pから40pほどで、茎は表面に鱗片がつき硬く針金状で長く匍匐し、所どころから根を出す。茎の途中からまばらに長い葉柄を直立させ、楕円形の単葉をつける。これが名前の由来。葉は硬い革質で表面は細かな星状毛が覆い、胞子葉の裏面には半球状の胞子嚢群が寄添い一面につきます。

今年も三宅島での植林活動は続けます。企画がまとまりましたらご案内しますので、多くの方に参加いただけたらと思います。


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関連報告(三宅島植林ツアー 2010 報告書)⇒人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


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オキナワシゲリゴケでしょうか

ビーグル号の航海日誌 2012年03月08日 01:53

100812オキナワシゲリゴケ@エコカフェ(浦内川).JPG蘚苔類はコケ植物とも呼ばれ、葉緑体をもつシダ植物や種子植物と同じ仲間であって、日本に分布するものとしては約1800種が知られている。蘚苔類は次のの3グループに分けられます。(「屋久島の蘚苔類・地衣類」を参照⇒
蘚類:植物体 (配偶体) が茎葉体で、直立性とほふく性があり、仮根が多細胞である
苔類:植物体が茎葉体または葉状体であり、細胞に油体があり、仮根が単細胞である
角苔類:植物体が葉状体であり、牛の角のような胞子体をもつ

これまでに解説したように胞子体の凾フ中で胞子がつくられ、種を紡ぐことになる。このため凾フ形態や構造が分類上の重要な特徴とされています。したがって凾フない状態のものを同定するのはことほど難しいということになります。

さて、一昨年の盛夏、西表島の浦内川を遡上した船着場の近くで、樹木の幹にびっしりとムカデが折り重なり合って這っているように着床している苔の写真を撮りました。オキナワシゲリゴケでしょうか?

オキナワシゲリゴケ(沖縄茂苔、学名:Pycnolejeunea minutilobula (Amak.) Amak.)はウロコゴケ目クサリゴケ科オキナワクサリゴケ属の小型の苔類。南方系。琉球列島固有種。絶滅危惧の指定はない。分布は琉球列島で谷合などの湿気の多い場所の樹木の幹などに自生。植物体は薄緑色、茎の長さは10oから15oほどで幅は約1.5o、円形の背片が茎の左右に重畳するという。

琉球列島には絶滅危惧U類でシゲリゴケ属のリュウキュウシゲリゴケ(琉球茂苔、学名:Cheilolejeunea ryukyuensis Mizut.)といった似た名前のコケも自生していますが、茎の長さ焼く10o、背片と腹片に2裂し、背片は円形、腹片は背片の1/3で方形であるといいます。このたびの写真では残念ながら明確な同定は無理ですね。あしからずです。


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ヤマヤブソテツ(山藪蘇鉄)

ビーグル号の航海日誌 2012年03月06日 23:38

ヤマヤブソテツ@エコカフェ.JPG京都大学上賀茂試験地の崖地にはすでに紹介したようにコシダウラジロシダイノモトソウオオバイノモトソウなど多様なシダ植物が繁茂しています。写真はヤマヤブソテツでしょうか。側羽片が10対未満と少ないことからヤブソテツではないと整理します。[2011年12月18日撮影:第6回エコの寺子屋@山崎]

ヤマヤブソテツ(山藪蘇鉄、学名:Cyrtomium fortunei J. Sm. var. clivicola(Makino)Tagawa)はウラボシ目オシダ科ヤブソテツ属の常緑性シダ植物。ヤマヤブソテツのソーラス@エコカフェ.JPGヤブソテツの変種。分布は北海道、本州、四国、九州から中国に及び山地の林内や林縁に自生。 草丈は50pから100cmほどで、葉は1回羽状複葉、葉表に光沢はなく、基部上側の耳垂れは目立つ。側羽片(小葉)は5から10対と少なく、先端にも細かな鋸歯がある。ただし、変異が大きく光沢のあるものや耳垂れのないものもあるようです。ソーラスは葉裏前面に散在し、包膜は円形で灰白色となる。

ヤブソテツの仲間は変種が多く種の範囲の定めが難しいが、日本からヒマラヤまでの日華区系を中心に十数種が知られているという。その多くは単為生殖を行って種を紡ぐのでしたね。


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上賀茂試験地の思い出

竹の標本@エコカフェ.JPG京都大学フィールド科学教育研究センターの神賀茂試験地には世界中からマツ属やタケ・ササ類がコレクションされています。資料館には世界各地の竹をはじめ数十メートルにも成長した竹の根の標本も展示されています。エコカフェでは何度かフィールド学習をさせていただいています。[2011年12月18日撮影:第6回エコの寺子屋@山崎]

上賀茂試験地にササ・タケ類のコレクションがあるのは、昭和24年(1949年)に演習林の初代専任教授の上田孝一郎氏がタケ類の資源としての重要性に着目してタケの生理生態学的特徴や繁殖、育成に関する研究を進めたのが始まりと聞く。本吉郡の竹の標本@エコカフェ.JPG何と、資料館には、「宮城県本吉郡戸倉村字上沢村佐々木晟氏所蔵」と墨で書かれた孟宗竹も保存・展示されていました。旧戸倉村と言えば、昭和の合併で志津川町に、平成の合併で南三陸町となっています。南三陸町はエコカフェの活動フィールドのひとつでもあります。点が線につながる不思議な気持ちになりました。

さて、タケの有用性は今日でも健在、否ますます高まっています。お隣の中国では竹林が多くタケからパルプ・紙を生産しています。また、河川の浄化などのために竹炭が使われたり、もちろん笊や籠、釣竿、箸などの実用品・工芸品からや建築材としても古くから利用されています。近年ではタケからバイオエタノールを精製する研究が進んでいます。資源としての利用範囲は極めて広く環境にも優しいと考えられるところがよいですね。

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イソヒヨドリ(磯鵯)はツグミの仲間

ビーグル号の航海日誌 2012年03月04日 15:17

イソヒヨドリ(♀)@エコカフェ(母島).JPG小笠原父島や母島の海岸近くでよく見られる陸鳥にイソヒヨドリがします。磯に棲息しヒヨドリに似ていることからイソヒヨドリと呼ばれるのだが、ツグミの仲間なのですよ。[2009年7月24日撮影:メス、オス、母島沖港近く@原田百文]

イソヒヨドリ(磯鵯、学名:Monticola solitarius (Linnaeus))はスズメ目ツグミ科イソヒヨドリ属の陸鳥。分布はアフリカ、ユーラシア大陸、インドネシア、ニューギニアに及び、日本でも全国の海岸や海に近い市街地などに棲息。北海道の個体は越冬のため南に渡りをするそうです。体長は約23p、翼開長約38pとヒヨドリよりはやや小型。
イソヒヨドリ(♂)@エコカフェ(母島).JPG日本に分布する個体は亜種イソヒヨドリ(学名:Monticola solitarius philippensis)で、オスは頭から喉、背部が暗青色、胸腹部が赤褐色、翼は黒色。メスは全身が暗青色を帯びた茶褐色で鱗斑紋があるのが特徴です。雑食性で地上で甲殻類や昆虫類、トカゲなどを小動物ほのか種子などを食します。

小笠原では警戒心が少ないため比較的近くで観察することもできるのが嬉しいですね。この鳥は母島のほうがよく見かけますので個体数が多いように思います。小笠原諸島で種子散布の担い手になっているようで外来種の種子散布にどの程度寄与しているか注意が必要なようです。調査研究が待たれます。


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ヒヨドリのお食事

ヒヨドリ@エコカフェ.JPG一羽のヒヨドリが葉をすっかりおとした枝先の果実をついばんでいる。何の実であるかは分からない。しばらく見ていたが、必死に小枝にしがみつきながらお食事をしている姿が健気に思えた。

ヒヨドリ(鵯、学名:Hypsipetes amaurotis (Temminck))はスズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属の陸鳥。分布は日本全土(小笠原諸島を除く)、朝鮮半島南部、台湾、中国南部などに及び、奄美大島や琉球諸島などでは冬鳥とされる。関東では通年見られるが冬季に目立つような気がするのは、個体数が増えるからであろう。ヒヨドリ2@エコカフェ.JPG全長は約28p、翼開長は約40p、体型は細身で尾は長い。頭頂部に冠羽、頬に褐色の班模様が目立ちます。翼や尾羽は灰褐色だが、北方に棲息する者より南方に棲息する個体の萌芽体色が濃くなるという特徴があるそうです。これをグロージャーの法則といいます。

ヒヨドリの仲間は、ヒヨドリを基亜種とし離島を中心に他に7種が知られています。オガサワラヒヨドリ(小笠原諸島)、ハシブトヒヨドリ(硫黄列島)、ダイトウヒヨドリ(大東諸島)、アマミヒヨドリ(トカラ列島、奄美諸島)、リュウキュウヒヨドリ(沖縄諸島)、イシガキヒヨドリ(八重山諸島)、タイワンヒヨドリ(与那国島)となります。ちなみに小笠原でよく見かけるイソヒヨドリはツグミ科でしたね。

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忍者のようなオオイワガニ(大岩蟹)

2006オオイワガニ@エコカフェ.jpg小笠原父島の岩礁域でよく見かける忍者のような赤いカニがいる。鮮やかな赤い色をしているので岩場でよく目立ちます。ミナミスナガニ(南砂蟹)と対照的な雰囲気がします。[2006年7月22日撮影:父島南島扇池@阿部]

オオイワガニ(大岩蟹、学名:Grapsus tenuicrustatus (Herbst))は節足動物門甲殻網十脚目イワガニ科のカニの仲間。分布は琉球諸島以南、東南アジア、インド洋・西太平洋の諸島、小笠原諸島、オーストラリア北部に及び岩礁の割れ目などに棲息。甲幅約7p、全体的に丸い。警戒心が極めて強く長い脚で敏捷に移動する。まず捕獲することはできないであろう。
2006オオイワガニ@エコカフェ(南島扇池).jpg食性は雑食性で海藻や小さなカニや貝なども食べるというが、小笠原諸島では海藻類がないのでもっぱら肉食性ということになるのだろう。

小笠原諸島にはミナミイワガニ(南岩蟹)も棲息しているが甲幅4pとやや小さくオオイワガニほどは丸くないという。また、世界自然遺産第一号のガラパゴス諸島にも和名でオオイワガニと呼ばれているよく似ているカニがいますが、別種(学名:Grapsus grapsus)とされています。注意が必要ですね。


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オガサワラシシラン(小笠原獅子蘭)

ビーグル号の航海日誌 2012年03月03日 19:52

2006オガサワラシシラン@小笠原データ 167.jpg小笠原父島の初寝山沢筋の森。木性シダで小笠原固有種のマルハチに着生するシダ。マルハチ樹幹には気根が覆いほど良い着生環境が出来上がっているらしい。主はオガサワラシシランである。オガサワラシシランについてはシマシシランとも呼ぶが、南西諸島などに自生するアマモシシランと同種とする考えもある。[2006年7月22日撮影:初寝山@阿部]

オガサワラシシラン(小笠原獅子蘭、学名:Vittaria ogasawarensis Kodama.)はシシラン科シシラン属の常緑性シダ植物。小笠原固有種。絶滅危惧U類。分布は小笠原諸島の父島と母島で湿った森の樹幹上に着生。草丈は30pから60cmほど、根茎は匍匐、数センチ間隔で線形で先細の葉を長く垂らす。葉の中肋がやや目立ち、胞子嚢は葉縁の外側に開く溝につくという。写真を拡大すると外側に開いた溝があることが確認できますよ。

小笠原の父島、母島の森には、南西諸島から台湾、フィリピンにかけて自生している小型のヒメシシランも見られるといいます。機会がありましたら見つけてみたいと思います。

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3月、春、地震、第五福竜丸

ビーグル号の航海日誌 2012年03月01日 08:38

第五福竜丸大漁旗@エコカフェ.JPG第五福竜丸船尾@エコカフェ.JPG今日から3月入り。気象庁発表によると先ほど7時32分に茨城県沖、深さ約60kmを震源とするマグニチュード5.4(推定)の地震がありました。東海村で震度5弱。東日本太平洋沖巨大地震の余震と見られています。プレートの移動に伴う地殻の変動は私たちの時間軸に比べるととんでもなくゆっくりと継続して進行しています。

第五福竜丸航海路@エコカフェ.JPG第五福竜丸展示館内@エコカフェ.JPG夢の島公園の一角に「第五福竜丸展示館」があるのを知っていますか。なんと東京都の運営です。ぜひ一度お出かけください。
時は1954年3月1日3時42分。マーシャル諸島近海域で遠洋マグロ漁船、第五福竜丸は操業中の出来事。被爆レベル表@エコカフェ.JPGそこはアメリカ軍がビキニ環礁で行った水爆実験の警戒水域の外、しかし、第五福竜丸は放射線降下物質(死の灰)を浴びることになった。船長の久保山愛吉さんは半年後に亡くなられた。被爆者は2万人を越えるとみられ、日本国内では強烈な反核運動が起こった。解決のための日米交渉の推移の紹介され、今日でも考えさせられることは多いと思います
私たちが訪問した2月11日は建国記念日でもありました。数組の親子連れや青年やロシア人の若い女性も見学をしていました。

戸外は日差しが戻り明るいですね地面には昨日降った雪がアイスバーンとなって残っていますが、日中は春の暖かな陽気になるようで残雪も消えてしまうでしょう。桜の蕾は確実に大きくなっています。東日本大震災で被災された多くの皆さまの心労が重く伝わります。今日は深く考えさせられる一日になりそうです。もう1年が経ちます。


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スギゴケ(杉苔)

ビーグル号の航海日誌 2012年02月29日 20:33

スギゴケ@エコカフェ.JPG屋久島で見たコケ植物の続きです。小花之江河(標高1620m)の手前の登山道わきでスギゴケの群落がありました。オオスギゴケかもしれませんが、もはや確認のしようがありません。雨模様で先を急いでいたため写真には胞子体の凾燻ハっていますが、写りはいま一つです。ウマスギゴケもそうですがオオスギゴケは大型のため日本庭園でよく植栽されるそうです。[2008年11月7日撮影:屋久島@山崎]

スギゴケ(杉苔、学名:Polytrichum juniperinum Willd. ex Hedw.)はスギゴケ科スギゴケ属の蘚類。雌雄異株分布は日本を含む北半球に広く及び、山地から高山帯の明るい地上に自生。草丈は3pから10pほどで、茎は分枝せず直立、葉は濃緑色、披針形で鞘部は卵形、葉身は3mmから9mm。葉は乾燥すると茎に密着します。雌株の胞子体の凾ヘ円柱状で帽に毛が密生、剳ソは2cmから8pにもなります。

雄株の雄花盤に多数の雄器ができ遊走子(精子)をつくり、これが雨滴などの刺激で飛散し、凾フ中で造られる卵細胞と受精すると受精卵となり減数分裂をし、胞子をつくります。胞子はやがて飛散し新たな場所で発芽し、原糸体を経て雄株か雌株に成長するんでしたね。


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オオシラガゴケ(大白髪苔)

オオシラガゴケ@エコカフェ.JPG屋久島の魅力は尽きない。九州で最高峰の宮之浦岳、樹齢2700年(一説には7200年)の縄文杉、山岳地での年間降水量10000mmを超える水の島、亜熱帯から亜寒帯までの垂直的な季節感、巨木とコケの雲霧森ヤクザルヤクシカの愛らしさ、などなど。淀川小屋から花之江河の中間地点付近でオオシラガゴケの若い群落を記録しました。[2008年11月7日撮影:屋久島@山崎]

オオシラガゴケ(大白髪苔、学名:Leucobryum scabrum Sande Lac.)はシラガゴケ科シラガゴケ属の熱帯系の蘚類。分布は本州、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島から東南アジアに及び、山地の林内の湿った地上や岩上に自生。草丈は5cmから10p、茎は斜上し、葉は多層で緑灰色、披針形で葉身は約10mm、背面の細胞にイボ(乳頭)があるのが特徴です。乾くと表面の透明な細胞が光を乱反射するため白っぽく見えることが名前の由来だそうです。

小笠原父島や母島の森の林床でも所どころで大きなコケの群落を観察していますが、シラガゴケの仲間ではないかと思います。機会を見て紹介しますね。

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古代植物、ヒカゲノカズラ(日陰の葛)

ビーグル号の航海日誌 2012年02月28日 22:13

ヒカゲノカズラの胞子嚢穂@エコカフェ.JPGヒカゲノカズラ@エコカフェ.JPG伊豆大島三原山山頂近くの溶岩原は植生回復中といったところでしょうか。そんな溶岩原で古代植物とされるヒカゲノカズラがきょきっと胞子嚢穂の直立させていました。この植物はヒカゲノカズラ植物門に分類されるシダ植物の一つだそうです。維管束をもつ植物のほとんどが葉を伸ばしますが、この門は葉が細く単純で葉脈が主脈しかないという古い形質を残していることから、古生代に栄えたシダ植物の「生きた化石」と考えられています。先に紹介したイワヒバ(岩檜葉)もこの門に分類されます。2010年6月12日撮影:伊豆大島御神火ツアー@阿部]

ヒカケノカズラ(日陰蔓、日陰葛、学名:Lycopodium clavatum L.)はヒカゲノカズラ植物門ヒカゲノカズラ目ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属のつる性の常緑シダ植物。分布は北半球の温帯から熱帯域の高山にまで広く及び、国内では北海道から九州の湿気のある日当たりのよい場所に自生。茎は緑色で細長くて硬く、所どころから根を出し、地上を這いながら二又に数回分枝。葉は針状の細かな葉で茎に密につき、葉の先端は膜質で糸状になる。6月頃に、幾つかの茎の先端から鱗片状の葉が密生した約15pの長い柄を立ち上げ、先端に胞子嚢穂をつけます。胞子嚢穂は円柱形で長さ2pから10pほどで胞子嚢を抱えた鱗片状の胞子葉が密生するという。ヒカゲノカズラもシダ植物らしく、写真の胞子体(ヒカゲノカズラ)の胞子嚢で無性生殖(減数分裂)により胞子をつくり、胞子が発芽して前葉体となり、前葉体が精子と卵細胞をつくり、有性生殖(授精)により受精卵をつくり、受精卵が成長して胞子体(ヒカゲノカズラ)となります

日本で見られるヒカゲノカズラ属には、@茎が直立し短い地上性のトウゲシバやコスギラン、A茎がやや長くゆるやかに下垂する着生性のヨウラクヒバやヒモラン、スギラン、ナンカクラン、B茎が長く這いながら枝分かれするつる植性のヒカゲノカズラやスギカズラ、マンネンスギ、チシマヒカゲノカズラ、アスヒカズラ、ヤチスギラン、ヒモヅル、ミズスギ、など3タイプが知られます。


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久良岐能楽台の日本庭園で春を

久良岐能楽台@エコカフェ.JPG横浜市磯子区の崖に這いつくばったような住宅街を突き抜けた先に「久良岐能楽台」はあります。
1917年に能楽会専務理事をなさっていた池内信嘉氏(1858〜1934)が囃子方育成のために東日比谷に建てたものです。
1965年に能楽愛好家であった宮越賢治氏が譲り受け、この地に移築・復元し、1984年に宮越氏から横浜市に寄贈したものだそうです。
先週末に出掛けたのですが、8000坪もある日本庭園には借景となる深山もあり、池泉が巡り四季折々の草花がありました。
フッキソウ@エコカフェ.JPGサルココッカ@エコカフェ.JPG
ちょうどこの季節、庭園内ではツゲ科のフッキソウ(富貴草)が今にも咲きそうな蕾を膨らませていました。日本を含む東アジアに広く分布し、この花は山地の林内でいち早く春を告げます。枝先から捕状花序を伸ばし、その基部に雌花、上部に雄花を咲かせます。典型的な雌雄異花ですね。同じくツゲ科で中国原産のサルココッカは1センチほどのけな気な花を咲かせていました。この花は花弁がなく萼片と雄蕊が目立ち、芳香を楽しむことができます。こちらは雌雄異株ですよ。
春の音は、もうすぐそこまで来ているのですね。


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コセイタカスギゴケ(小背高杉苔)

ビーグル号の航海日誌 2012年02月27日 22:52

081106コセイタカスギゴケ@エコカフェ(屋久島エコツアー).jpg日本産のスギゴケの仲間はスギゴケ属、ニワスギゴケ属、フウリンゴケ属など6属30種が知られています。スギゴケの仲間は外見からでは見分けることが難しいものもが多く、生息環境、凾フ構造による視覚確認のほか、ルーペ、顕微鏡による構造的な観察比較が必要なようです。これまでにウマスギゴケタカネスギゴケセイタカスギゴケを取上げたので、ここではコセイタカスギゴケを紹介します。[2008年11月8日撮影:屋久島楠川分かれ付近@阿部]

コセイタカスギゴケ(小背高杉苔、学名:Pogonatum contortum (Brid.) Lesq.)はスギゴケ科ニワスギゴケ属の北方系の蘚類。雌雄異株。分布は北海道から九州(屋久島が南限)、朝鮮半島、中国、極東ロシア、ベーリング海峡を挟んで北米西部に及び、亜高山帯(または冷温帯)の針葉樹林の日陰の腐食土などの上に群生。草丈は4cmから10pほどで、茎は分枝せず、葉は披針形、鞘部は卵形、葉身は4oから8mmほどで葉縁に鋭い鋸歯がつく。葉は乾燥すると著しく巻縮する。茎が垂れさがることも多く、その場合は葉は写真のように左右に展開して見えます。
雌株の胞子体の凾ヘ円柱状で剳ソは長く、凾フ中では卵細胞が造られます。雄株の雄花盤に多数の雄器ができ遊走子(精子)をつくります。精子が卵細胞と受精することで、受精卵となり減数分裂を経て胞子をつくり、胞子はやがて飛散し新たな場所で発芽し、原糸体を経て雄株か雌株に成長します

屋久島には「もののけ姫」のシシ神の棲む森のイメージとなったモスフォレスト「もののけの森」があります。とにかくそこは身も心も洗われる不思議な森です!

関連記事(ウマスギゴケ(馬杉苔))⇒
◎屋久島エコツアー報告書[特別企画]はこちら⇒
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タグ:広域種
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高山植物の魅力(38)/クロマメノキ(黒豆の木)

080711クロマメノキ@立山雷鳥エコツアー .jpg立山連峰はまだまだ深い雪に覆われています。雪の下ではただただじーっと雪解けを待って冬眠している高山植物たちがいます。このブログでも気ままに取り上げてきましたが、クロマメノキを紹介しましょう。[2008年7月11日撮影:立山新室堂乗越付近@阿部]

クロマメノキ(黒豆の木、学名:Vaccinium uliginosum L.)はツツジ科スノキ属の落葉低木。分布は北半球の寒冷地に広く及び、日本では北海道から中部地方以北の亜高山帯から高山帯の岩礫地や砂礫地、湿地などに自生。樹高は30pから80cmほどで、よく分枝し、樹皮は濃茶色。葉は互生し葉身は2pから4pほどで、倒卵形で先は丸く先端に突起、無毛で全縁。秋には紅葉し落葉します。花期は6、7月頃で新枝の上部の複数の葉腋から花柄を下垂し1個の花を咲かせます。花は白色にやや広鐘形、花冠の長さは5mmから7mm、浅く5裂しやや外へ反り、萼片は浅い三角形に縁どります。果実は径1p弱の球形の液果で、9月頃に黒紫色に熟します。

ツツジ科の高山植物は多くクロウスゴのほかコケモモツガザクラ、シラタマノキ、アカモノ、ミネズオウなどが知られています。北半球の広域種のものと日本固有種のもの、しかも国内で山体毎に隔離分布することから氷河期の生き残りであると考えられます。


関連記事(高山植物の、魅力(37)/ゴマナ(胡麻菜))⇒人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ



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