足元のセントウソウ(仙洞草)

ビーグル号の航海日誌 2012年04月13日 07:05

セントウソウ@エコカフェ.JPGよく山野で見かける花です。セントウソウというのですね。葉がオウレンに似ていることから別名にオウレンダマシともいうそうです。[2011年4月10日撮影:新宿御苑@阿部]

セントウソウ(仙洞草、学名:Chamaele decumbens (Thunb.) Makino)はセリ科セントウソウ属の多年草。1属1種。日本固有種。分布は北海道、本州、四国、九州の山野の林床や林縁に自生。草丈は10pから30pほどで根茎が短く株立ち、葉は根生し3回3出複葉、小葉は丸三角形で葉縁に鈍鋸歯がつく。セントウソウ花@エコカフェ.JPG茎、葉ともに無毛で葉の形などに多くの変異があるようです。花期は3月から5月頃で葉腋から伸びた花茎の先に複散形花序をだし、3から5個の小散形花序に各5から10個ほどの白い小花を咲かせます。小花は径約3mm 、花弁5枚、雄蕊5本、雌蕊柱頭2本は目立ちます。果実は長径約5mm楕円形の2分果です。

とても小さな花なのでつい見落としてしまうかもしれませんね。けなげに生きている足元の小さな存在に気づくようになると少しだけ楽しさが広がりますよ。


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サルトリイバラ(猿捕茨)の不思議

ビーグル号の航海日誌 2012年04月12日 23:25

サルトリイバラ@エコカフェ.JPG皇居御濠近くで見たサルトリイバラの花です。小笠原や屋久島の森で見たサルトリイバラは島嶼効果により防除能力が低下したためトゲが退化してしまっています。要するに捕食者がいないために無駄なエネルギーは使わない方向に分化が進んだ結果なのですよ。[2009年4月4日撮影:サルトリイバラの雄花@山崎]

サルトリイバラ(猿捕茨、学名:Smilax china L.)はユリ科(又はサルトリイバラ科)シオデ属のつる性半低木。雌雄異株。分布は東アジアに広く、北海道、本州、四国、九州の山野や丘陵の日当たりのよい林縁などに自生。草丈は3.5mで這うよう巻き毛で固定しながら伸び、茎は緑色で所どころに鈎状の棘が生える。葉は互生し、葉表は緑色で光沢、葉裏は粉白緑色、3本から5本の葉脈が目立ち、葉身は3pから12pほどで広楕円形か卵円形で先端がちょんと尖る。花期は4月から5月頃で葉の展開と同時に葉腋から散形花序を伸ばし、淡黄緑色の小花をたくさん咲かせます。小花は花被片6枚が反り返り、雄花では雄蕊6本、雌花では雌蕊柱頭が3裂します。果実は径約7mmの球形の液果で秋に赤く熟します。

この根茎(地下茎)は塊状で乾燥して煎じ、薬草として発刊、利尿、解毒、神経痛などに用いられているという。冬枯れした茎から芽吹くなど生命力のある植物でもあるようです。


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タグ:広域種
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人気者のオカダンゴムシ(丘団子虫)

ビーグル号の航海日誌 2012年04月10日 00:36

ダンゴムシ@エコカフェ.JPG森の掃除屋さんです。ハサミムシ、ダンゴムシ、コガネムシ、オサムシ、シデムシ、ハンミョウ、ザトウムシ、ミミズなどとっても働き物です。せっせ、せっせと、落ち葉や死骸を食べては糞をして土壌を豊かにしてくれています。ダンゴムシは球形に丸くなる性質があり、子どもたちに人気者です。[2010年4月29日撮影:新宿御苑@阿部]

オカダンゴムシ(丘団子虫、学名:Armadillidium vulgare (Latreille))はワラジムシ目オカダンゴムシ科オカダンゴムシ属の陸生の節足動物。帰化種。原産地はヨーロッパ、日本には明治時代に園芸作物などとともに移入し、現在は日本全土に広く庭先や田畑、野原に生息。体長は約15oで体色は灰黒色、頭部に1対の触角、胸部に7対の歩脚、腹部は6節からなる。出現期は2月から11月頃で成虫のまま越冬。食性は落葉、蘚苔類、腐葉土などで「森の分解者」「森の掃除屋さん」と呼ばれています。

ダンゴムシの仲間は刺激を受けると防御の姿勢として球形に丸くなるのですが、このような防御の姿勢を哺乳類のアルマジロも獲得しており、異なる種における同様の進化が見られることを「平行進化」といいます。平行進化の究極が「収斂」といって全く同じ形状・性質の獲得ということになるそうです。なんとも。

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ハクサンボク(白山木)は飛び地に

ビーグル号の航海日誌 2012年04月09日 22:26

ハクサンボク@エコカフェ.JPG最近の街路樹として希少種の植物を植栽するのはひとつの流行りなのだろうか。きっと誰か言いだしっぺがいるに違いない。絶滅危惧種TBのトキワマンサクの隣には愛知県や大分県で絶滅危惧に指定されているハクサンボクが植栽されていました。[2012年4月8日撮影:虎ノ門@山崎]

ハクサンボク(白山木、学名:Viburnum japonicum (Thunb. ex Murray) Spreng.)はスイカズラ科ガマズミ属の常緑小高木。日本固有種。分布は本州(伊豆半島、伊豆諸島、愛知県、山口県)、九州、南西諸島、小笠原諸島に及び、海岸近くの山地や海岸沿いに自生。樹高は2mから6mほどで樹皮は灰黒色、葉は対生し革質で光沢があり、葉身は5cmから20p、ひし状倒卵形かひし状卵形、上部葉縁に浅い鋸歯があり先端が尖る。材は堅く木釘に利用されるそうです。
花期は3月から4月頃で枝先に散房花序を出し、白色の小花をたくさん咲かせます。花には異臭があるという。果実は長径約8mmの楕円形の核果で秋に赤く熟します。

ガマズミ属は世界の亜熱帯から亜温帯にかけ150種ほどが分布し、日本にはオオカメノキ、ガマズミ、サンゴジュ、カンボク、ヤブデマリなど15種が知られています。


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タグ:日本固有種
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変わり種、トキワマンサク(常盤満作)

トキワマンサクの花@エコカフェ.JPG週末、お花見に興じた人びとも多いようです。被災地の桜はまだのようです。
お花見とは関係なしに散策をしていると街路樹としてトキワマンサクが植栽されているのに気付きました。植栽としてはベニバナマンサクを見かけることが多いのですが、こちらの花のほうが花が淡黄色で上品な感じがします。[2012年4月8日撮影:虎ノ門@山崎]

トキワマンサク(常盤万作、学名:Loropetalum chinense(R.Brown) Oliver)はマンサク科トキワマンサク属の常緑小高木。絶滅危惧TB類(EN)。分布はインド東北部、中国南部から台湾に及び、日本では静岡県湖西市(神座)・三重県伊勢市(伊勢神宮)・熊本県荒尾市(小岱山)に限定的に隔離自生。樹高は3mから6mほど、葉は互生し、長楕円形で裏面に星状毛を密生。特に、葉が左右で対称であるのが特徴です。花期は4月から5月頃で枝先に淡黄色の花が数個集まって咲きます。花弁4枚は長さは約2pのリボン状です。

名前の由来はマンサク(満作)が落葉樹なのに対して常緑であることから「常盤」と付けられたそうです。国内分布が隔離的であることは競争に弱いということでしょうか。まさか古く人の手によるものではないでしょう。それにしても不可思議です。


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ウンリュウヤナギ(雲竜柳)の雄花は

ビーグル号の航海日誌 2012年04月07日 00:05

ウンリュウヤナギ@エコカフェ.JPG一気に桜の花が満開になり、花見に興じる人びとの至福の波が余韻を残していました。
近くの公園では人知れずウンリュウヤナギの雄花が控えめに咲いていました。ネームプレートがあったのでそれと分かったのですが、実は園芸品種だそうです。公園や庭園などに好まれて植栽されているようです。[2012年4月5日撮影:渋谷区@山崎]

ウンリュウヤナギ(雲竜柳、学名:Salix matsudana Koidz. var. tortuosa Vilm.)はヤナギ科ヤナギ属の落葉高木。雌雄異株。中国原産でペキンヤナギ(ネッカヤナギ)の栽培変種。日本には雄株のいが移入。ウンリュウヤナギ雄花@エコカフェ.JPGウンリュウヤナギ雄花穂@エコカフェ.JPG樹高は3mから10mほどで、枝葉曲がりくねって垂れ下ります。葉は互生し、葉身は5cmから10pほどで線状披針形で大きく波打ち、葉縁に鋸歯がつき、葉裏は緑白色という。花期は4月から5月頃で、葉の展開と同時に開花、雄花は集まって約3pの緑色の雄花序がつきます。

雌花がないため受粉による種の紡ぎはできないが、生命力が強いため挿し木でどんどん増やすことができるといいます。


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タグ:外来種
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驚きのヤシガニ(椰子蟹)

ビーグル号の航海日誌 2012年04月06日 00:00

ヤシガニ@エコカフェ.JPGミヤコヒキガエルを引くヤシガニ@エコカフェ.JPG宮古島の思い出。ナイトツアーでヤシガニを観察。車にひかれたミヤコヒキガエルを引っ張って巣に持ち帰ろうとしているヤシガニを発見。正直言ってびっくりでした。[2010年10月11日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

巨大なヤシガニ@エコカフェ.JPGヤシガニ(椰子蟹、学名:Birgus latro Linnaeus)は十脚目オカヤドカリ科ヤシガニ属の陸生甲殻類。分布はボルネオ島やインドネシア、ニューギニア、セーシェル諸島のマヘ島などを除くインド洋と太平洋で島嶼や大陸沿岸域などに生息。生息の空白地は人によって食べつくされた結果と考えられている。最大のもので体長は40p超、脚広幅1m超、体重4kg超。10肢のうち2本の前肢にある巨大なハサミはものを切断したり掴んだりし、次の3対の肢にある小さなハサミは歩行や木登りに使い、最後の対の肢は小さくえらの掃除に使います。夜行性で日中は穴や岩の割れ目に隠れる。雑食性でアダンやヤシの実、ウミガメの卵や小動物の死骸など食します。繁殖期は5月から9月頃で交尾の後、雌は卵を抱えたまま過ごし、10月から11月の満潮時に海岸で一斉に孵化した幼生(ゾエア)を放出します。幼生は28日間海中を漂い、その後海底で28日間過ごし、海岸を目指し、陸上生活に入ります。

ヤシガニは生涯の大半を陸上で生活することができるが、放卵だけは海に向けて行わなければならないといった生活史を維持しているのです。それは海流といった手段を使って子孫を広範囲に残すための方法としては好都合なのかもしれませんね。


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タグ:広域種
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オオシマカンスゲ(大島寒菅)

ビーグル号の航海日誌 2012年04月03日 01:44

オオシマカンスゲ穂@エコカフェ.JPGこのところ伊豆大島特集、実は写真の整理を少しずつしているのです。エコカフェの活動フィールドである伊豆大島エコ・ステーションを視察した際にオオシマカンスゲが鬱蒼とした森の林床にも密生していました。オオシマカンスゲは火山ガスに強いそうです。写真は草花教室で訪ねた時に撮影しました。[2011年2月5日撮影:第44回草花教室@阿部]

オオシマカンスゲ(大島寒菅、学名:Carex oshimensis Nakai)はカヤツリグサ科スゲ属の常緑多年草。オオシマカンスゲ株@エコカフェ.JPG伊豆諸島固有種で近縁種はヒメカンスゲ。分布は伊豆諸島で照葉樹林の林床などに自生。草丈は約40p、葉の幅は約5mm、厚く縁はざらつく。密生した株をつくり、花茎を伸ばし、その先端の頂小穂は雄小穂であって褐色で細長い紡錘形、それより下には互いに離れて数個の有柄の雌小穂が出ます。小穂の基部に苞があり鞘部分が赤褐色、雄小穂は鱗片(雄花頴)の隙間から細長い薄黄色の葯3個を突き出し、雌小穂は細長い線形で鱗片(雌花頴)の間隙から柱頭3個を出します。各小穂とも多くの鱗片があり、それぞれたくさんの雄花、雌花が穂状に咲いているのです。花期は4月から5月頃で、風媒花、果実は短毛が疎に覆う果胞の中に入っています。これはイネのもみ殻のようなものです。

伊豆大島の照葉樹林の森は、主に高木層にスダジイタブノキ、亜高木層にヤブツバキ、シロダモ、ヤブニッケイイスノキヒサカキ、低木層にアオキ、イヌビワ、フウトウカズラ、テイカカズラ、ヤブコウジ、草本層にはベニシダ、オオタニワタリ、カンスゲなどが展開しています。ぜひまた行きたいですね!

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パイオニア植物、オオバヤシャブシ(大葉夜叉五倍子)

ビーグル号の航海日誌 2012年04月02日 22:42

オオバヤシャブシ2@エコカフェ.JPG伊豆大島の三原山はカルデラが形成されていますが、そのカルデラ床はかつての噴火による溶岩流やスコリアなどの噴出物が堆積した荒涼とした風景が広がっています。そんな真っ黒なカルデラ砂漠に進出するパイオニア植物として、ハチジョウイタドリ、ハチジョウススキやオオバヤシャブシなどが知られています。[2010年6月12日撮影:伊豆大島御神火ツアー@阿部]

オオバヤシャブシ(大葉夜叉五倍子、学名:Alnus sieboldiana Matsumura)はカバノキ科ハンノキ属の落葉小高木。オオバヤシャブシ@エコカフェ.JPG日本固有種。分布は本州福島県以南から和歌山県に及び、太平洋側の海岸近くの山地や丘陵地などに自生。樹高は5mから10mほどで、樹皮は灰褐色で皮目が多く縦筋が入り剥離、根に根粒菌が共生するため空気中の窒素を固定することができ、痩せ地にも積極的に進出することができます。葉は互生し、葉身は6cmから12pほどで長卵形か三角状卵形、先端が尖る。葉縁には鋭い重鋸歯、側脈は12対から16対、両面とも無毛(若葉はには微毛)、葉裏は淡緑色で腺点があります。花期は3月から4月頃で、雌雄異花で風媒花、葉が展開する前に、前年枝の葉腋に雄花序は無柄で長さ約5cm、尾状に下垂。より上部の枝に有柄の長さ約2pの雌花序1個が上向きにつきます

オオバヤシャブシの果穂は長径約2.5cmの広楕円形の多花果、果実は堅果で果穂の鱗片に各々包まれ、秋に熟すと広い翼を持つことから風で散布されます。オオバヤシャブシの果穂は木質化して翌年まで枝に残っていることがよくあります。


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春眠暁を覚えず 転ばぬ先の杖

080412草花教室@エコカフェ.jpg2012年度の始まり、今日から新しい社会生活を始められる若者も多いと存じます。
新入学、新社会人、引っ越しやら新しい生活の場で戸惑うことも多いのではないでしょうか。
一方でこの季節は桜が咲き、新緑が萌え始める心わくわくする季節でもありますね。
春分を過ぎてから加速しながら太陽はエネルギーを増すのです。

孟浩然の詩『春暁』には、

春眠暁を覚えず 処処啼鳥を聞く 夜来風雨の声 花落つること知んぬ多少ぞ

春眠不覺曉
處處聞啼鳥
夜来風雨聲
花落知多少

とあります。春のエネルギーに満ちた変化に気づき、「転ばぬ先の杖」、自然に学び、先を先を見越して日常生活はもちろん新たな課題にチャレンジしていこうと思います!!まどろみも夢で解決を導いてくれそうです!!!

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ヤマコスギゴケ(山小杉苔)

ビーグル号の航海日誌 2012年04月01日 21:06

ヤマコスギゴケ@エコカフェ(三原山).JPG伊豆大島三原山(標高758m)は現在でも噴煙を上げる活火山です。度重なる噴火のため山腹は溶岩流や噴出物が堆積し荒涼としています。このブログでも紹介しましたがニオイウツギ、ハチジョウイタドリ、オオバヤシャブシ、ハチジョウススキなどが年月をかけの植生回復してきています。そんな荒涼とした場所にもスギゴケの仲間が進出しています。写真は雄株の雄花盤が階層的に発達していますが、生息環境からしてヤマコスギゴケでしょうか。[2010年6月12日撮影:伊豆大島御神火ツアー@阿部]

ヤマコスギゴケ(山小杉苔、学名:Pogonatum urnigerum (Hedw.) P. Beauv.)はスギゴケ科ニワスギゴケ属の蘚類。雌雄異株。分布は日本を含む東南アジアなど北半球に広く、山地の半日陰の荒れ地や岩上などに自生。先駆的に存在だがやがて土壌環境が整うと他のコケ類に取って代わるという。草丈は約3p、茎はまれに分枝し直立、葉は被針形で葉身は4oから7mmほど、乾くと縮れずに茎に密着する。雄株の雄花盤は役割を終えると中心部から新芽を出します。これはウラジロパイナップルなどと同じように成長点をもっているからで、種を必死に残すための戦略のひとつなのです。

スギゴケの仲間はタカネスギゴケ、ハリスギゴケなどのように亜高山帯から高山帯にのみ生育すものや、スギゴケやウマスギゴケのように山地若しくは低地から亜高山体まで広く生育するものや、湿地好むもの、林下の半日陰を好むもの、明るい岩上などを好むものなど、多様なすみ分け戦略をとっているのが面白いですね。


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海浜植物、イヨカズラ(伊予葛)

イヨカズラ3@エコカフェ.JPG伊豆大島笠松地区の国の天然記念物「大島海浜植物群落」で見られるものにハマボッスのほかにイヨカズラがあります。[2010年6月12日撮影:伊豆大島御神火ツアー@阿部]

イヨカズラ(伊予蔓、学名:Cynanchum japonicum Morr. & Decne.)はガガイモ科カモメヅル属の南方系の多年草。分布は本州、四国、九州、小笠原諸島、朝鮮半島から中国に及び、海岸近くの乾いた林縁や草地などに自生。草丈は30pから80pほど、茎は先端が伸びてつる状になることがある。葉は対生し、やや厚く光沢があり、葉身は3pから10pで楕円形形、先は鈍頭で全縁、葉の両面とも目立つ葉脈上に短毛が生える。
花期は5月から7月頃で、茎上部の葉腋から散形花序を密に出し、たくさんの薄黄白色の花を咲かせます。花は径約8mmで花冠が5深裂し、開平、花の中央のずい柱副花冠がとりまく。ずい柱はランなどに見られるが、雄蕊5本と雌蕊2本がが合体したものでそうです。ずい柱の先端には葯帽があり中に粘り気のある花粉塊が入っていて、これが昆虫に運び去られると花柱が現われ受粉に備えることになるようです。その生殖活動は一見なんとも不思議に思えるのですが、実はランもほとんどがそうであるのです

イヨカズラの果実は広披針形(長径約5cm、短径約1.5p)の袋果で熟すと破れて細い糸状毛たくさんつけた種子が散布されます。風散布で遠くに飛散することができるようです。


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海浜植物、ハマボッス(浜払子)

100612ハマボッス.JPG伊豆大島笠松地区にある国の天然記念物「大島海浜植物群落」は文字通り海浜植物の貴重な自生地です。エコカフェでも視察や草花教室で訪問したことがあります。ハマボッスは主役のひとつです。[2010年6月12日撮影:伊豆大島御神火ツアー@阿部]

ハマボッス(浜払子、学名:Lysimachia mauritiana Lam.)はサクラソウ科オカトラノオ属の悦面相。分布は東南アジア、インド、太平洋諸島の熱帯から亜熱帯まで広く、日本では北海道南部から南西諸島に及び、海岸の岩場や砂地によく自生。草丈は10pから40pほどで、茎は根元からよく分岐し立ち上がり、葉は互生し、肉厚で光沢があり、葉身は2pから5cmほどで倒被針形で全縁。全草が無毛。風衝帯など厳しい環境下で葉はより肉厚で密に生えるという。花期は5月から6月頃で茎頂に最初は寸詰まりの総状花序をだし、苞葉の腋毎に白い花を1個ずつ、全体で十数個咲かせます。花は有柄で径2p未満、花冠は筒状で先端が5深裂し開平、雄蕊5本は短く、雌蕊1本、萼片5枚には黒い腺点が多数見られます。

果実は径約5mmの球状の刮ハで赤味をおび、嘴状の花柱が残る。総序花序は伸び続け、果実が熟すと風邪などで花柱部分が壊れ種子が散布されます。効率が良いようです。名前もこの果実が着いた花序を僧侶が使う仏具の「払子」に見立てたことに由来するそうで、面白いですね。


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ハチジョウイボタ(八丈水蝋)の花は

100612ハチジョウイボタA.JPGエコカフェでは三宅島で植林活動を続けています。今年度は伊豆七島中の小鳥が集まるといわれるくらいに小鳥の人口密度が高まる初夏の頃にチャレンジしたいと考えています。植樹する樹種はすべて三宅島の在来のものを利用しています。オオバイボオタ(大葉水蝋)やその固有亜種のハチジョウイボタもそのひとつです。[2010年6月12日撮影:伊豆大島@阿部]

ハチジョウイボタ(八丈水蝋、学名:Ligustrum ovalifolium var. pacificum (Nakai) M.Mizush.)はモクセイ科イボタノキ属の半常緑低木。本州から九州に分布するオオバイボタの固有亜種。分布は伊豆諸島で山野に自生。樹高は約3m、葉は対生で革質で全縁。花期は5月から6月頃で、枝先に総状花序を伸ばしたくさんの白い小花を咲かせます。小花は漏斗状の筒状で花冠が4裂し反り返り、雄蕊2本が目立ちます。果実は球形の液果で秋に黒紫色に熟します。

イボタノキの樹皮に寄生するイボタロウムシが分泌する「いぼた蝋」は蝋燭の原料などに用いられたという。漢字名もここからきているのだろう。イボタノキの仲間にハチジョウイボタのほかオオバイボタ(大葉水蝋)、ネズミモチ、トウネズミモチ、ミヤマイボタなど7種ほどが知られているそうです。


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ペンペン草こと、ナズナ(薺)は

ペンペン草@エコカフェ.JPG春の嵐は足早に去っていき道端には幾つかの桜の小枝が落ちていました。無念にも小枝には開花寸前のピンク色の蕾が膨らんでいました。道路工事跡の地面にはロゼット状の根生葉から茎がすーっと伸びています。先には白い小さな花がたくさん咲いていました。正体はペンペン草こと、ナズナです。

ナズナ(薺、学名:Capsella bursa-pastoris (L.) Medik.)はフウチョウソウ目アブラナ科ナズナ属の越年草。分布は世界各地の温暖な土地、日本にはムギ栽培とともに移入した史前帰化植物と考えられ、全国各地の田畑や道端などに自生。ペンペン草2@エコカフェ.JPG草丈は20pから40p、秋に発芽しロゼット状根生葉で越冬、春に花茎を伸ばします。花期は3月から6月頃で、花茎は無限花序を伸ばし、次から次へと径約5oの白い小花を咲かせます。小花は萼片4枚、花弁4枚、雄蕊6本、雌蕊1本。花茎の下部で三味線のバチ状の種子ができる一方、先端では蕾が形成し、次々に開花することになります。このことからペンペン草とかシャミセングサと呼ばれます。

種子はやがて膨らんで割れて周囲に散布されます。素早く秋には芽を出し、越冬しますが、春の七草「ナズナ」はこの根生葉を食用にするのでしたね。古く中国では生薬として珍重、日本でも室町時代から七草かゆ に入れるようになったそうです。


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高山植物の魅力(39)、アズマシャクナゲ(東石楠花)は5弁花

ビーグル号の航海日誌 2012年03月31日 16:20

080504アズマシャクナゲ.JPGシャクナゲと言えばツツジ属の中で常緑のものの総称とされますが、日本ではヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)を除くホンシャクナゲの仲間(無鱗片シャクナゲ節)に限ってシャクナゲと呼んでいるそうです。少しばかり小難しい話ですね。赤城自然園には多様な種類のシャクナゲが植栽されていますから連休の頃に出掛けてみるのも面白いでしょう。[2008年5月4日撮影:赤城自然園@阿部]

アズマシャクナゲ(東石楠花、学名:Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. var. pentamerum Maxim.)はツツジ科ツツジ属の常緑低木。日本固有種。分布は本州の東北地方(宮城県・山形県以南)、関東地方、中部地方南部に及び、亜高山帯の林内や稜線上に自生。樹高は2mから4mほどで、葉は互生、枝先にやや集まり、革質、葉身は12pから18cm、倒披針形か狭長楕円形で全縁、表は葉光沢があり、葉裏に褐色毛が密生。花期は5月から6月頃で、枝先に総状花序をつけ多数の漏斗状の花を咲かせます。花の花冠は径約3.5cmで5深裂、雄蕊は10本は雌蕊より短い。花の色は開花するに従って紅紫色から薄く白色化します。

アズマシャクナゲは関西に分布するホンシャクナゲとともに、花弁が7深裂するツクシシャクナゲの亜種とされています。富士山や中央アルプスなどではハクサンシャクナゲが見られます。これから初夏の頃、登山も楽しみです。


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モミジガサ(紅葉傘)は美味しい

071023モミジガサ@エコカフェ(倉渕).jpg季節は異なるのですが、秋の深まりの中、群馬県倉渕の林床でモミジガサが花を終えようとしていたのでした。福崎さんの案内で視察・訪問しました。倉渕地区は林業のメッカでしたが現在では放置林も増えているようです。[2007年10月23日撮影:群馬県倉渕@山崎]

モミジガサ(紅葉傘、学名:Parasenecio delphiniifolius (Siebold et Zucc.) H.Koyama)はキク科コウモリソウ属の多年草。日本固有種。分布は北海道南部、本州、四国から九州に及び、山地の湿気のある林床や林縁に群生。071023モミジガサ花@エコカフェ(倉渕).jpg草丈は60cmから80cmほどで、葉は長い葉柄をもち茎に互生し、葉身は長さ約15p、幅は約20pで掌状に5裂か7裂し、葉表は無毛、葉裏はまばらに絹毛が生える。若葉はこうもり傘をつぼめたように見えます。花期は8月から9月頃で茎の先に円錐花序を伸ばし、白い頭花をたくさん咲かせます。頭花は総苞の長さ約9mmの筒状で5個の小さな筒状花からなる。筒状花は花冠が5裂し、花柱の先端が2裂し反り返ります。果実は長さ約5mmの痩果(そうか)です。

モミジガサの若葉は「シドケ」とか「シトギ」と呼ばれ、山菜として塩ゆでし、おひたしにしたり、天ぷらにしたりして食べます。独特の香りとほろ苦さがなんとも美味です。秋田料理「みちのく竹屋」でこれからの季節に料理してくれますよ。


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オオアマナ(大甘菜)は

080412オオアマナ@エコカフェ・第19回草花教室(in小石川植物園) 066.jpg今日は午後にかけて春の大嵐がやってくるといいます。爆弾低気圧が日本上空を通過し、南から湿った空気が一気に入りこむために起こるようです。公園や庭先ではスイセン、ジンチョウゲハナニラなどの花が咲いています。サクラの花もぽつらぽつら咲き始めていますね。ハナニラに似ている花にオオアマナの花があります。ネット上では混同記述が見られますが、オオアマナのほうが開花が遅く全く別物です。[2008年4月12日撮影:第19回草花教室(小石川植物園)@阿部]

オオアマナ(大甘菜、学名:Ornithogalum umbellatum L.)はユリ科オオアマナ属の多年草、球根性の宿根草。原産地はヨーロッパ、日本では明治時代の末期に移入されたものが川の土手など日当たりのよい場所で野生化しています。草丈は約30p、球根は有皮鱗茎で径3pから10pの卵形か偏球形。葉は根生し、葉身は15pから60cmほどで流線形。花期は5月頃、花茎の頂部に散房花序か総状花序をつけ、蕾の時は塊状ですが、白色の花を数個咲かせます。花は径約3p、花被片6枚、雄蕊6本の根元が幅広の花糸が目立ちます。

ハナニラの花は雄蕊が目立たないことからよく観察すれば両者の違いは一目瞭然ですね。


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タグ:外来種
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ヒメノキシノブ(姫軒忍)は可愛い

ビーグル号の航海日誌 2012年03月30日 07:08

071023ヒメノキシノブ@エコカフェ(倉渕).jpgエコカフェの活動でもノキシノブは比較的よく観察しているが、ヒメノキシノブはなかなか出会えていないように思われる。何となればヒメノキシノブは分布域が都市型・人家型ではなく、山地型だからであろ。小型で葉先が鈍頭でなんとなく可愛らしい感じがしますね。[2007年10月23日撮影:群馬県倉渕@山崎]

ヒメノキシノブ(姫軒忍、学名:Lepisors onoei (Fr.et Sav.) Ching)はウラボシ科ノキシノブ属のシダ植物。分布は北海道南西部以南、本州、四国、九州奄美大島から朝鮮半島に及び、山地の樹幹や岩上などに自生。草丈は3pから10pほどで、根茎は細く這い、葉は単葉、有柄の葉身は3pから8pほど線形から線状へら形、葉先は鈍頭。ソーラスは肋と葉縁の中間に並び、円形で葉の上部にのみつくという。

群馬県の倉渕地区は軽い沢に近く山が深いため、イノシシやキツネ、ツキノワグマ、サルなどの野生動物も多く生息する自然が豊かな地域です。実際は農家の皆さんは田畑を荒らされることから苦慮しているようですが。


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ビャクシン(柏槇)はイブキ(伊吹)では

ビャクシン2@エコカフェ.JPGビャクシン@エコカフェ.JPG三宅島北部の伊豆・神着地区にある島役所跡にビャクシンの巨木が鎮座しています。樹齢は500年近い。案内板にはビャクシンとあるのですが、イブキビャクシンとともにイブキの別名とされているようだ。古くから神社に多く植栽されている。また、庭園木や庭木として利用され、多くの変種や品種があるという。[2011年11月27日撮影:第3回エコカフェみんなの森づくり@阿部]

イブキ(伊吹、学名:Juniperus chinensis L)はヒノキ目ヒノキ科ビャクシン属の常緑高木。雌雄異株、まれに両性株。分布は朝鮮半島、中国中部、日本では本州、四国、九州に及び、沿岸地の日なたに自生。本州太平洋岸と瀬戸内海地方に多い。樹高は20m、樹皮は赤褐色で縦裂し薄く剥離、樹幹は捻じれる性質がある。葉は鱗葉や針葉が混生、鱗葉は成木や小枝に生じ、針葉は幼木や徒長枝などに出現しやすい。鱗葉は十字対生である。花期は4月頃で鱗葉をもつ枝の先端に楕円形で褐色の雄花、球形の雌花をつける。果実は径約8oの鱗片が多肉に合着した球果で翌年秋に黒紫色に熟します。

この木は挿し木でも容易に増えるというから生命力は旺盛なのです。樹齢も1000年を超えることが知られています。他にはクスノキ、イチョウ、サクラ、スギ、ヤクスギ、ケヤキ、スダジイなどが長寿命ですね。


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タグ:広域種
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