アオノリュウゼツラン(青竜舌欄)

ビーグル号の航海日誌 2012年07月07日 06:29

アオノリュウゼツラン2@エコカフェ.JPG父島などではアオノリュウゼツランが野生化しサイザルアサとは対照的に繁殖力が旺盛なため処理に困っているという。明治12年に繊維原料として移入されたが、葉からとれる繊維質は弱く、葉縁に棘があり、葉汁には毒性もあることから栽培は中止され、放置されてしまったためである。写真は聟島で撮影したものです。[2010年5月6日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@阿部]

アオノリュウゼツラン@エコカフェ.JPGアオノリュウゼツラン(青竜舌欄、学名:Agave americana var. marginata)はユリ目リュウゼツラン科リュウゼツラン属の常緑多年草。分布は中南米、日当たりの良い乾燥地を好んで自生。草丈は1mから2mほど、ごくごく短い茎に暗緑色で肉厚の葉が束生、葉身は1mから2mほどの披針形で葉縁に粗い刺が生えます。花期は7月から8月頃、花茎を約8m伸ばし、大きな円錐花序をつけ、たくさんの黄白色の花を咲かせます。開花は60年に1度といわれています。結実後に枯死します。

小笠原では父島の三日月山ウェザーステーションや境浦、山羊山など海岸近くの崖地などで群落を形成しているのをよく見かけます。場所によっては花の咲く頃にはオガサワラオオコウモリが蜜を求めてやってくるようです。役にも立っているのですね。


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ゲットウ(月桃)は有用

ビーグル号の航海日誌 2012年07月06日 05:45

080621ゲットウ@エコカフェ.jpg小笠原父島の製氷海岸に小笠原海洋センターがあります。エコカフェは小笠原海洋センターと協働して小笠原小学校5年生のアオウミガメをテーマにした総合学習のお手伝いをしています。かつてそこでゲットウの花を見たので紹介します。小笠原には明治初期に移入され屋敷、畑の周辺に植栽、帰化植物の扱いです。[2008年6月21日撮影:地球温暖化最前線!小笠原エコツアー@阿部]

ゲットウ(月桃、学名:Alpinia zerumbet (Pers.) B. L. Burtt and R. M. Smith)はショウガ科ハナミョウガ属の常緑多年草。分布はインド、マレーシア、中国南部など熱帯・亜熱帯アジアに広く、日本では九州南部から南西諸島に及び、海岸近くの山野に自生。草丈は2mから3mほど、地下茎が横に発達しよく地上に偽茎を伸ばします。葉は偽茎の先に互生しやや硬く光沢があり、葉身は40pから70pほどの披針形から長楕円形、毛が密生します。
花期は5月から7月頃で、花柄をだし先端に最長約30もの穂状花序を湾曲させ多数の花を咲かせます。花は白色で花弁は厚く、唇弁は黄色で中央に紅色の縦縞模様が入ります。果実は長径約2pの卵形の刮ハで、赤く熟します。

沖縄では自生していて、人びとからサンニン(砂仁)と呼ばれ、葉などには芳香の強い精油が含まれていて防腐・防虫効果があるため、魚や肉を包み蒸し焼きなどに利用したそうです。旧暦12月8日にサンニンの葉で餅を包み蒸した「ムーチー」を食べて厄払いをする伝統行事などがありますよ。最近では精油成分をアロマオイルとしや香料としても利用しているそうです。

関連報告書(地球温暖化最前線!小笠原ツアー報告書)⇒
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ムニンナキリスゲ(無人菜切菅)

ビーグル号の航海日誌 2012年07月05日 01:29

ムニンナキリスゲ@エコカフェ.JPG小笠原父島の森の林床ではスゲ仲間を多く見ることができます。父島サンクチュアリーの森床で撮影したムニンナキリスゲもそのひとつで、他にオオアブラガヤ、クロガヤ、シマイガクサ、ヒラアンペライ、ムニンアンペライ、ムニンテンツキなどが知られています。[2010年5月7日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@阿部]

ムニンナキリスゲ(無人菜切菅、学名:Carex hattoriana Nakai et Tuyama)はカヤツリグサ科スゲ属の多年草。100507美林とムニンナキリスゲ@サンクチュアリー.JPG小笠原固有種。分布は父島、母島列島で風通しの良いやや乾燥した林内に自生。草丈は50cmから70cmほどで、根出葉を多数つけ無数の葉が株立ちとなり、葉は線形で細長く、葉縁の鋸歯はナキリスゲほどは鋭くなく、葉質も柔らかく、葉幅も狭いのが特徴です。
花期は6月から7月頃、花茎は三角形で伸び、上部の節ごとに細長い花柄を伸ばし、各1個から3個の小穂がつく。小穂は円筒状で雌花が密生し、先端にわずかに雄花部があります。

ナキリスゲとは葉縁が鋭く菜っ葉が切れるほどであることの意ですが、ムニンナキリスゲは触っても掌や指が傷つくことはありません。


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ツルマサキ(蔓柾)

ビーグル号の航海日誌 2012年07月04日 13:44

ツルマサキ@エコカフェ.JPGこのところの豪雨は記録的で森の保水力をはるかに超えたものになっているため、河川に集中し濁流が洪水を引き起こしてしまうようです。日本の多くの森は、手入れの行き届かない里山の機能を失ったり、シカの食害ともあいまって、下草を大きく欠く暗く地面がむき出しで固くなってしまっているのが現状です。照葉樹林や落葉樹の保水力に優れた豊かな森であったらとなんに助かるだろうか。[2010年6月19日撮影:川苔山@山崎]

ツルマサキ(蔓柾、学名:Euonymus fortunei (Turcz.) Hand.-Mazz.)はニシキギ科ニシキギ属の常緑つる性木本。分布は北海道から南西諸島、朝鮮半島、中国、フィリピンに及び、林内で自生。樹皮は暗褐色、気根を出して樹木などをよじ登り、葉は対生し無毛、葉身は3cmから6cmの楕円形から長楕円形で葉縁に鈍鋸歯、先は尖ります。
花期は6月から7月頃で葉腋から集散花序をだし、黄緑色の径約5mmの花を咲かせます。花弁、萼片とも4枚、雄蕊4本は発達した花盤の縁に付く。果実は径5、6mmの朔果で10月から11月頃に熟すと4裂し、中から橙赤色の仮種皮に包まれた種子が露出します。

ツルマサキは伊豆大島に行った時も深い森の中でよく見かけました。花が咲いていないとなかなか気づきにくいかもしれません。


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タグ:広域種
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ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花)は花冠7深裂

ビーグル号の航海日誌 2012年07月03日 23:59

ツクシシャクナゲ花@エコカフェ.JPG先の5月連休に小石川植物園を散策した際にツクシシャクナゲが花を終えようとしているのに出会いました。本来ならばこんなところで見られることはありえません。植物園ならではのこと、実際はどうなのでしょうか。エコカフェでは2年前に大台ケ原(東大台)を視察した時に雨の中で日出ヶ岳山頂、大蛇ーなどで観察をしています。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花、学名:Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. japonoheptamerum )はツツジ科ツツジ属の常緑小高木。日本固有種。分布は本州紀伊半島以西、四国、九州に及び、山地(1600m以下に自生。樹高は3mから4mほど、葉枝には褐色の長綿毛が密生し、葉は互生し革質で光沢があり、葉身10pから20pの倒披針形で全縁。新葉では両面に褐色の長綿毛が生えるが、葉表はやがて脱落します。
ツクシシャクナゲ@エコカフェ.JPG花期は4月から6月頃で枝先に総状花序をつけ多数の漏斗状の花を咲かせます。花の花冠は径約5pで7深裂、雄蕊14本は長く、淡紅色で内側には淡緑色の斑点が入るようです。

ツクシシャクナには変種として、本州中部地方以西と四国の山地に分布するホンシャクナゲ、南アルプス南部の山地に分布するキョウマルシャクナゲ、隠岐島に分布するオキシャクナゲが知られています。そのほか、日本固有種として、屋久島の亜高山帯に分布するヤクシマショクナゲ、東北地方から中部地方南部にかけての亜高山帯に分布するアズマシャクナゲなどが知られています。広域種としてはハクサンシャクナゲ、キバナシャクナゲなどが見られます。シャクナゲはヒマラヤ一帯で進化(種分化)を遂げてきていて、日本でも多くの固有種がある奥の深い植物です。


関連報告書(大台ケ原視察レポート)⇒
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タグ:日本固有種
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ムニンヒメツバキ(無人姫椿)は女王様

ビーグル号の航海日誌 2012年07月02日 12:58

070714ムニンヒメツバキ@エコカフェ.JPGこの季節、小笠原の森の中に分け入るとこの花を見ないことはまずないだろう。戦前までは尾根筋や急斜面地、岩場を除き山地の至る所が開墾されサトウキビ栽培など農耕地として利用されてきたが、戦後の放棄によりそのほとんどは明るい二次林に遷移しています。そんな森で女王様の風格です。[2007年7月14日撮影:森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系の神秘を知る〜@松崎哲哉]

ムニンヒメツバキ(無人姫椿、学名:Schima mertensiana (Sieb. et Zucc.) Koidz.)はツバキ科ヒメツバキ属の常緑亜高木。小笠原固有種。東南アジア系。分布は小笠原諸島に広く、低地から山地、耕作放棄地などに成立した二次林内などに自生。070714ムニンヒメツバキ花@エコカフェ.JPG樹高は7mから10mほどで、樹皮は暗褐色、枝先はよく分枝し射上し、葉は互生し、葉身は10cmから18cmの長楕円形、全縁で先が尖ります。葉脈が明瞭で葉裏の主脈上に白い軟毛が生えます。花期は5月から7月頃で、枝先に集まってチャノキの花に似た径約50mmの5弁の白色の花を咲かせます。果実は径約20mmの扁球形の刮ハで11月頃に熟すと裂開し種子を散布します。種子は扁平で翼を持ちます。

ムニンヒメツバキは小笠原村の「村花」で、島民からはロースード(ローズウッドが転訛)と呼ばれ親しまれています。この木は南西諸島に分布するイジュが近縁と考えられているが、イジュの葉には鋸歯があるなどの違いがあるようです。


関連報告書(森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系の神秘を知る〜)⇒

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シマオオタニワタリ(島大谷渡)

110919シマオオタニワタリ@エコカフェ.JPG110918シマオオタニワタリ@エコカフェ.JPG小笠原諸島に広く分布しひときわ目立つ着生シダにシマオオタニワタリがあります。近縁種のヤエヤマオオタニワタリとの見分けは、シマオオタニワタリは中肋の盛り上がりが扁平で、ヤエヤマオオタニワタリは著しく盛り上がり二段に見えることで分かるという。[2011年9月18・19日撮影:祝世界自然遺産登録・エコカフェ小笠原諸島ツアー@阿部]

シマオオタニワタリ(島大谷渡、学名:Asplenium nidus L.)はチャセンシダ科チャセンシダ属の南方系の常緑性の着生シダ。準絶滅危惧。分布は奄美群島以南の南西諸島と小笠原諸島、東南アジアや太平洋諸島などにも広く及び、林内の樹上や岩上などに着生。草丈は40pから150p超ほど、塊状の根茎から大型の単葉を放射状に出す。葉柄は約2pと短く濃紫色で披針形の麟片を多数つけ、葉の中肋も濃紫色で扁平に盛り上がり、葉表は革質でツヤがあり葉脈が目立ちます。胞子嚢群(ソーラス)は中肋から葉縁の半ばまでという

それにしても母島のマルハチ(丸八)が群生する森の林床の岩上に着生するシマオオタニワタリの巨大なこと。一緒に写っている芳賀さんと比べてみたら頷けますよね。


関連記事(ヤエヤマオオタニワタリ(八重山大谷渡))⇒
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リュウビンタイモドキ(龍鱗擬き)

リュウビンタイモドキ塊根@エコカフェ.JPG小笠原に固有のリュウビンタイ科の仲間にもうひとつ、リュウビンタイモドキがあります。こちらは母島でしか見られませんが、先に紹介したオガサワラリュウビンタイと混生しています。写真は堺ヶ岳から下山する途中の谷筋で撮影したものです。[2011年9月19日撮影:祝世界自然遺産登録・エコカフェ小笠原諸島ツアー@山崎]

リュウビンタイモドキ(龍鱗擬き、学名:Marattia boninensis Nakai)はリュウビンタイ科リュウビンタイモドキ属の常緑性シダ植物。母島固有種で絶滅危惧U類(VU)。分布は母島の湿気の多い林床や谷筋に自生。外観は一見するとオガサワラリュウビンタイに似て、塊状の根茎は径約50pにもなり、葉も根茎から集まって伸び、2回羽状複葉で葉身2m以上になる。しかし、葉柄の基部には鱗片がり、表面に白色の斑紋は生じない。小羽片の裏面には偽脈ががなく、左右の片縁近くに列生する胞子嚢群(ソーラス)はそれぞれ単体胞子嚢群といって隣り合う2この胞子嚢が合着したものです。似て非なるものなのです。

リュウビンタイモドキは硫黄列島に自生するイオウトウリュウビンタイモドキが近縁種とする説と同種であるとする説があるようです。これまた研究成果が待たれるといったところでしょうか。


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オガサワラリュウビンタイ(小笠原龍鱗)

ビーグル号の航海日誌 2012年07月01日 21:38

120102オガサワラリュウビンタイ@エコカフェ.JPG小笠原父島の亜熱帯農業センターではオガサワラリュウビンタイを栽培展示しています。小笠原にはリュウビンタイ科では他に固有種で絶滅危惧U類ののリュウビンタイモドキが母島のみに自生しています。父島に自生するオガサワラリュウビンタイはノヤギの食害にあっているためか林内で見かけることはほとんどないように思う。[2012年1月2日撮影:「お正月の旅小笠原」船内プログラム[2011年度]@山崎]

オガサワラリュウビンタイ(小笠原龍鱗、学名:Angiopteris boninensis Hieron.)はリュウビンタイ科リュウビンタイ属の大型の常緑性シダ植物。小笠原固有種。分布は父島、弟島、母島に及び、湿り気の多い林内や谷筋などに自生。 根茎は塊状で大きく径約50pにもなり、葉は根茎から集まって伸び、2回羽状複葉で葉身2m以上になる。葉柄は径約5pと太く、基部に鱗片はなく、表面に細く白い斑紋が散在するのが特徴です。小羽片の裏面には偽脈が片縁から羽軸まで伸び、左右の片縁近くに胞子嚢群(ソーラス)が列生します。これに対してリュウビンタイモドキは鱗片が比較的残り、斑紋が出ることも偽脈もなく、ソーラスの形も異なるという。

オガサワラリュウビンタイはアジア・アフリカの熱帯・亜熱帯地域に自生するホソバリュウビンタイの近縁種とする見解があるそうです。今後の研究が進むことで新たな事実が明らかになるかもしれませんね。


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コクラン(黒蘭)は迷宮

100508コクランB@旭山.JPG小笠原父島の旭山に至る登山道脇で撮影したコクランの花を紹介します。落ち葉が堆積した場所に緑色の葉っぱが展開していたので気づきました。花軸と花は紫褐色のため目立たず、初めは花が咲いているとは思いませんでした。周囲を見渡して探せたのはたった2株でした。後に図鑑を調べてコクランとしました。[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@山崎]

コクラン(黒蘭、学名: Liparis nervosa (Thunberg) Lindley)はラン科クモキリソウ属の単子葉植物で多年草。分布は本州茨城県以南、四国、九州から台湾、中国に及び、低山の常緑林内の薄暗い場所などに自生。コクラン1@旭山.JPG小笠原では1994年に発見されたそうですが、かつて人為的撹乱のあった場所でもあり自然分布かどうか謎とされています。草丈は15pから30pほど、葉は互生し基部が鞘状で偽球茎を包み、葉身は広楕円形で先が尖り、葉脈に沿って溝状に窪みます。
花期は6月から7月頃で、花茎が真っ直ぐ立ち上がり、3個から10個ほどの紫褐色の花が総状に咲きます。花は1pで唇弁は中央に浅溝があり反り返って先が凹みます。側花弁は細く反り返り、背萼片は尾状に伸び、側萼片が側弁花と唇弁の間に伸びています。中央のずい柱の先端部には黄色い花粉塊がつきます。虫媒花です。

父島旭山で見たコクランは花茎の色が紫褐色であって、関東などで見られる花茎が緑色のものとは違いがあるようです。薄暗い林下でわずかに命を紡いでいる姿は切ない気持ちになります。


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テイカカズラ(定家葛)は広域種

テイカカズラ花@エコカフェ.JPG小笠原諸島に自生するキョウチクトウ属はヤロードとテイカカズラが知られています。前者は小笠原固有種。後者は当初ムニンテイカカズラとして固有種とされたが後に広域種のテイカカズラと同種とされました。旭山で撮影しましたが、小笠原ではパンヤと呼ばれています。[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@山崎]

テイカカズラ(定家葛、学名:Trachelospermum asiaticum (Siebold et Zucc.) Nakai)はキョウチクトウ科テイカカズラ属のつる性常緑低木。分布は本州、四国、九州、小笠原から朝鮮半島に及び温暖な常緑広葉樹林の林床や樹木に登って自生。樹高は時に約10m、茎から付着根(気根)を垂らし這いあがります。葉は革質で光沢があり、葉身は1pから7pほどの楕円形から長楕円形で全縁。若葉は小さく縁に毛が生ずるが直に脱落。地を這う個体の葉には葉脈に沿って斑紋が入ります。
花期は6月頃で葉腋から集散花序をだし白色の芳香の強い花を咲かせます。花はのちに淡黄色に変化します。果実は長さ20p前後のやや湾曲した袋果で2個が対をなし、内部に長さ冠毛のついた約13oの種子がたくさん詰まっています。8月頃に袋果は熟すと2割し、種子は風に乗って散布します。

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シマタイミンタチバナ(島大明橘)

シマタイミンタチバナ@エコカフェ.JPG小笠原に固有の植物は小笠原に到達してから独自に環境適応してきたものと考えられます。シマタイミンタチバナもその一つです。他にはシロトベラなどトベラ属4種、ムラサキシキブ属3種、ハイノキ属3種、ノボタン属3種などが知られています。[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@阿部]

シマタイミンタチバナ(島大明橘、学名:Myrsine maximowiczii (Koidz.) E.Walker)はヤブコウジ科ツルマンリョウ属の常緑小高木。雌雄異株。小笠原固有種で絶滅危惧U類(VU)。分布は小笠原諸島聟島列島から母島列島に広く、山の稜線の乾性低木林内を好んで自生。樹高は4mから5mほど、葉は互生し革質で光沢があり、葉身3pから7pほどの倒披針形から線状楕円形で全縁、無毛。葉裏に主脈が目立ち、葉柄は短く紫赤色を帯びます。
花期は1月頃で、前年の葉腋に多数の花柄を腋生し、単生散房状の淡緑白色の小花を束生します。雌花は径約4oで5裂し、子房と花柱が大きい。雄花は雌花より数多く、雄蕊5本がつきます。果実は径約6oの球形の核果で秋に黒紫色に熟します。果実はクマネズミが好んで食べるようです。

シマタイミンタチバナは本州から東南アジアにかけて分布するタイミンタチバナが近縁と考えれれています。シマタイミンタチバナには変異が多く、それらは分化の途上にあると考えてもよさそうで、@父島の乾燥した稜線にみられる葉が細く厚いもの、A母島とその属島に多い葉広で薄く葉先の丸いもの、B父島と兄島、母島の乾燥した岩場に多い小低木で葉が円形に近いもの、の3タイプに分かれるそうです。


関連報告書(小笠原エコツアー「森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系の神秘を知る〜」)⇒
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ムニンツツジ(無人躑躅)

ムニンツツジ@エコカフェ.JPGムニンツツジの野生株は世界中でたった1株です。父島の躑躅山の指定ルート外にあるため見ることはできません。現在は「種の保存法」に基づき保護増殖事業が行われているため小笠原亜熱帯農業センターなどで見ることができます。[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@阿部]

ムニンツツジ(無人躑躅、学名:Rhododendron boninense Nakai)はツツジ科ツツジ属の常緑低木。小笠原固有種で絶滅危惧TA類。分布は父島のみで山頂近くの通気性のよい酸性土壌を好んで自生。ムニンツツジ3@エコカフェ.JPG樹高は1mから2mほどでよく分枝し株状になり、若枝、葉、葉柄には褐色の毛が密生します。葉は革質、葉身3pから6pほどの披針形から倒披針形で全縁。とりわけ葉裏の主脈上と葉柄に褐色の毛が多い。
花期は4月から5月頃とされるが通年見られ、枝先に形約5pから6pほどの純白の漏斗状の花を咲かせます。果実は刮ハで12月頃に熟すと開裂し約1mmの長四角の種子が飛散します。

ムニンツツジは奄美大島から座間味諸島にかけて分布する日本固有種のケラマツツジの近縁と考えられ、小笠原、太平洋上の分布する唯一のツツジだそうでうです。保護増殖のため父島の山間部に移植しても躑躅山以外では顕著な成果が得られていないようです。極めてデリケートなようです。


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オガサワラアザミ(小笠原薊)

120624オガサワラアザミ花@エコカフェ.JPGオガサワラアザミ、小笠原の地ではまだ見たことがありません。鉢植えですが小石川植物園の温室で花を咲かせていました。図鑑を見ると野生のものはもっと逞しいような気がします。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

オガサワラアザミ(小笠原薊、学名:Cirsium boninense Koidz)はキク科アザミ属の多年草。小笠原固有種で絶滅危惧U類(VU)。分布は父島、兄島、南島、母島に及び、海岸林下の岩礫地や草地などに自生。オガサワラアザミ花序@エコカフェ.JPG120624オガサワラアザミ葉@エコカフェ.JPG草丈は1mから1.5mほどで茎は上部で分枝、全体に綿毛がつく。根生葉は厚く光沢があり、葉身20pから47pと巨大で狭倒卵形で羽状浅裂、花時にも枯れず、茎葉は上部のものほど小さく、基部は茎を抱くことはありません。
花期は4月から6月頃で太い花茎の先に1個又は複数の頭状花序をつけ白色のたくさんの小花を咲かせます。頭状花序は径約3.5pで総苞片は6列で圧着し無粘、小花は筒状花です。

オガサワラアザミは南西諸島(トカラ列島以南)に分布する日本固有種のシマアザミが類縁種と考えられるが、これより多毛で全体に白緑色であること、葉の基部が茎を抱かないことが異なるようです。


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サワフタギ(沢蓋木)は

ビーグル号の航海日誌 2012年06月30日 15:10

110723サワフタギ@エコカフェ.JPG京都大学の芦生研究林が広がる丹波高地は、3億年から1億5千万年前(古代ペルム紀から中生代ジュラ紀)の古い地層による隆起準平原が長年の侵食で何本もの深い谷を刻んでいます。そこは日本海に注ぐ由良川の源流と瀬戸内海に注ぐ淀川の水系にある貴船川の源流のある分水嶺の地でもあります。[2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011@阿部]


サワフタギ(沢蓋木、学名:Symplocos sawafutagi Nagam.)はハイノキ科ハイノキ属の落葉低木。分布は北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国に及び山地の沢筋や湿地などに自生。 樹高は2mから4mほどで樹皮は灰褐色で縦に裂け、よく分枝し広がる。葉は互生し、葉身は4cmから7cmほどで倒卵形から楕円形、葉縁に細かな鋸歯がり、先が短く尖ります。葉表に疎毛、葉裏には葉脈上に毛が生えます。
花期は5、6月頃、若枝の先に円錐花序をだし、白色の花をたくさん咲かせます。花は径約8mmの白色、花冠は5深裂、雌蕊1本、雄蕊は多数で花冠より長い。果実は長径約7mmの扁球形の核果で秋に瑠璃色に熟します。

別名にルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)とあるように、材質が牛の鼻輪を作るほどの硬さがあり、この木で頭部を叩くと死んでしまうほどだそうです。もう一つの別名にニシゴリ(錦織)とあるが、木灰を紫根染の染料として利用したことによります。面白いですね。

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コタニワタリ(小谷渡)

ビーグル号の航海日誌 2012年06月27日 10:16

120708コタニワタリ葉基部@エコカフェ(日光沢温泉).JPG120708コタニワタリ@エコカフェ(日光沢温泉).JPG栃木県奥鬼怒温泉郷日光沢温泉の近くで岩壁に着生するコタニワタリを見つけました。[2012年7月8日撮影:奥鬼怒沼湿原調査@山崎]

コタニワタリ(小谷渡、学名:Asplenium scolopendrium)はチャセンシダ科チャセンシダ属の常緑性シダ植物。分布は北半球の温帯に広く日本では北海道から九州に及び、山地のやや湿った林下や谷筋などに自生。葉は10pから30pほどで光沢があり、基部が心形で耳状になります。葉裏には中肋の両側に15o前後の線状の胞子嚢群(ソーラス)がつきます。

名前の由来はオオタニワタリ(大谷渡)の小型版ということにあるそうです。ソーラスを見ると納得ですが
岩場に着生する様子からではちょっと想像できませんでした。


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ワラビ(蕨)に要注意

ビーグル号の航海日誌 2012年06月25日 20:00

120624ワラビ@エコカフェ(小石川植物園).JPGこの前の日曜日に小石川植物園に行きました。正門を入り少し進むと右手にワラビが群生しています。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

ワラビ(蕨、学名:Pteridium aquilinum (L.) Kuhn)はコバノイシカグマ科ワラビ属の夏緑性シダ植物。1属1種。布は北半球に広く日本全国に及び、草原、谷地などの日当たりのよい場所に群生。草丈は約1mで、地下茎が地中を這い所どころから葉を出します。新芽は葉茎を伸ばし先に握り拳の様につく。葉は2、3回羽状複葉で、小葉は黄緑色でつやがない。葉裏には柔らかな毛が生え、胞子嚢群(ソーラス)は葉縁に連続してつきます。

新芽は山菜として、地下茎からはデンプンを採取し蕨餅にして食べます。ただし、新芽にはチアミナーゼというビタミンB1分解酵素やわずかだがプタキロサイドという発がん物質を含むことからしっかりと灰汁抜きをする必要があります。かつて家畜が草食しワラビ中毒を起こした事例が報告されたいます。


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アサヒエビネ(旭蝦根)の運命は

ビーグル号の航海日誌 2012年06月23日 08:11

070712アサヒエビネ1@小笠原エコツアー 090.jpg小笠原固有種のランにアサヒエビネがあります。南西諸島や東南アジアに自生するツルランが近縁と考えられています。アフリカマイマイノヤギの食害、盗掘などで個体数が激減したため、平成16年、種の保存法(日本の絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)に基づき「国内希少動植物種」に指定され、生息地の保護区指定や保護増殖事業が行われています。最近では父島の山中で保護株が植えられているのをよく見かけます。[2007年7月12日撮影:父島衝立山山中@阿部]

アサヒエビネ(旭蝦根、旭海老根、学名:Calanthe hattorii Schltr.)はラン科エビネ属の常緑多年草。小笠原固有種で絶滅危惧TA類。分布は小笠原諸島の父島と兄島で、林内の明るく土壌が深い適湿な傾斜地などに自生。草丈は50pから100cmほどで葉は大形でやや光沢があって4本の平行脈があります。葉は茎にのみ微毛が生えます。花期は6月から9月頃、花茎を伸ばし、淡黄色のラン特有の蝶型の花を多数咲かせるそうです。花を見たら紹介します。

名前の由来は、旭山に産し、地下茎が海老の背や尾の模様に似ていることによるという。この仲間は東南アジアを中心に約150種、日本でも15種が知られ、キリシマエビネ、タガネラン、キソエビネ、ニオイエビネなどの地域固有種があるそうです。いずれも絶滅の危機にあり、保護増殖が求められています。


関連報告書(森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系の神秘を知る〜)⇒

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大飯原発再稼働から見えるもの

IMGP4157.JPG昨日は夏至。この国はどこへ。
まだ明るい夕方、首相官邸前で、関西電力大飯原発の再稼働撤回を求めるデモがあった。報道によると、このデモにはツイッターなどの呼びかけで約1万1000人が参加したという。
福島原発事故を契機に反原発の世論が巻き起こり、原発依存度を可能な限り低減との政府政策目標が掲げられてきた。
16日、総理と関係閣僚による会合で、大飯原発3、4号機の再稼働を正式決定した。関電エリア節電目標10%、短期的には電力供給が足りなさそうだが。

大飯原発再稼働の決定プロセスが国民にとって分かりづらいのに加えて、大飯原発再稼働に際しエネルギー安全保障や地球温暖化への対応などといった原発推進論拠とも捉えられかねない総理発言、新規制組織法案の与野党協議の結果「運転開始から40年で原則廃炉」とする規制案に「必要と認められる場合は速やかに見直す」との条項修正がなされたことからも、大飯原発以外の原発の再稼働やその無期限化の懸念が生じ、政策目標がかすんでしまったようだ。

エネルギー安全保障や食料安全保障を考える上で最も重要なことは、経済がグローバル化していることを踏まえるも、守るべきは何か、自らできることは何か、そして他に依存しなければやっていけないことは何かを、しっかり議論しこの国のあり方について国民的な議論をすることであろう。国民本位の決定プロセスが求められているのです。


@写真:米国ののアルタモント・パスの風力発電風車群(約8000基)
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自由と向き合った後に

ビーグル号の航海日誌 2012年06月21日 00:27


カツオドリは子孫繁栄のために己を生きる。人もまた同じにして異なり、皆を生きる。

090722カツオドリ@エコカフェ.JPG

@小笠原母島列島沖
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