ナツノハナワラビ(夏の花蕨)は珍奇

ビーグル号の航海日誌 2013年05月09日 19:55

130505ナツノハナワラビ@エコカフェ.JPG自然教育園のひょうたん池に続く湿地の近くでもシダ植物が散在と思いきや。よく見ると箒の穂のような胞子葉が共通柄(担葉体)から真っすぐのびていることからナツノハナワラビと分かります。シダ植物の中では珍奇と考えられます。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ナツノハナワラビ(夏の花蕨、学名:Botrychium virginianum (L.) Sw.)はハナヤスリ科ハナワラビ属の夏緑性の。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国、インド、ヒマラヤ、シベリヤ、ヨーロッパ、北アメリカと広く、低山の林内の日影の湿った場所などに自生。草丈は30cmから60cmほど、春芽生え秋に枯れ、一本の茎が立ち上がり輪生する無柄の栄養葉の基部から胞子葉が分かれ、基部から下の茎部分を担葉体(共通柄)といって長さは草丈の半分位です。栄養葉は3回羽状複葉、羽片は有柄で狭い翼がつき、羽片は粗鋸歯があります。胞子葉は長い柄を直立させ先に全体として円錐穂状の3回羽状の葉状枝を出し、葉状枝の左右に胞子蓑をつけるという。胞子は6月頃に熟します。

ハナヤスリの仲間は世界に3属70種、日本では3属22種、ハナワラビ属は冬緑性のフユノハナワラビとオオハナワラビ、常緑性のエゾフユノハナワラビ、栄養葉に葉柄がないナガホノナツノハナワラビ13種が知られているそうです。


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仲良し

DSC_0454.jpg池のほとりで仲良く甲良干し!
日差しが気持ちよいからわかるな〜

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ホシダ(穂羊歯)は仲良き隣人

130505ホシダ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナー。続いて紹介するのごく普通に見られるシダ植物のホシダです。シダ植物ってほんとうに多様性に富んでいるんですよね。乾いたところや湿ったところ、暖かいところや寒いところ、実にいろんな環境に適応しているんですね。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ホシダ(穂羊歯、学名:Thelypteris acuminata (Houtt.) Morton)ヒメシダ科ヒメシダ属の夏緑性のシダ植物。分布は本州関東地方以南、四国、九州、南西諸島、国外では朝鮮半島、中国、インドシナ半島に広く、低地から山地まで明るい林縁や畑畔、石垣などに自生。130505ホシダ@エコカフェ.JPG草丈は80cmほど、根茎葉長く横に這い、鱗片がつき、葉は疎らに立ち上がります。葉柄と葉身が同じ位の長さ、葉は広被針形の1回羽状複葉で変異にとみ硬く無毛、羽片は羽状に裂し、先端で頂羽片に連なります。葉柄は褐色で基部には鱗片がつきます。胞子嚢(ソーラス)は栄養葉より長く直立する胞子葉につき、円形で包膜が腎臓形、羽片の裂片縁と主脈の中間に一列に並びます。

名前の由来は頂羽片を槍の穂に見立てたことにあるようです。ホシダの変種として、常緑性のイヌホシダ、静岡や愛媛で確認されているイヨホシダが知られています。


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ミゾシダ(溝羊歯)は薄暗い所が好き

130505ミゾシダ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの林下の草本層。薄暗い場所を好むのがミゾシダです。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ミゾシダ(溝羊歯、学名:Stegnogramma pozoi (Lagasca) K.Iwats. subsp.mollissima (Fischer ex Kunze) Kiwats)はヒメシダ科ミゾシダ属の夏緑性のシダ植物。分布は日本全土、国外では朝鮮半島、中国長江以南、台湾、インドシナ半島、インドなどに広く、低地の林下などの湿気のある暗い場所に自生。草丈は45cmから65cmほど、根茎は短く横に這い、葉は長楕円形の1回羽状複葉で両面に毛が生え暗緑色、羽片は10対から15対ほど、羽片は楕円形の裂片となり上部の裂片は中軸に流れてつく。裂片に単条か稀に二叉の脈が辺縁まで伸びます。葉柄は葉身より短く紅紫色を帯び、三角状被針形の鱗片がつきます。葉柄や中軸には軟毛が生えます。胞子嚢群(ソーラス)は線状で包膜がなく、脈に沿ってつきます。

ミゾシダはホシダとよく似ていますが、名前の由来にあるように溝のような湿った場所によく群生するそうですよ。


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イヌワラビ(犬蕨)は役立たず也

130505イヌワラビ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの林下の草本層でシダ植物を観察することができます。そのひとつがイヌワラビです。都心でも公園や庭先などでよく見られますよ。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

イヌワラビ(犬蕨:Athyrium niponicum (Mett.) Hance、)はイワデンダ科メシダ属の夏緑性のシダ植物。分布は本州、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、朝鮮半島、中国に及び、低地の林下や道ばた、庭先などに自生。草丈は40cmから80cmほど、葉柄と葉身は同じ位の長さ、葉は根茎から叢生し2回羽状複葉で変異にとみ明るい緑色、羽片は6対から10対ほど、長さ4cmから9cmほどで先端ほど尾状に狭まります。葉柄には被針形の鱗片が基部に多い。胞子嚢群(ソーラス)は馬蹄形や鉤形、三日月形で小羽片裏面の中肋と辺縁の中間から中肋よりにつきます。

名前に「イヌ」が付いているとおり、食することはできず役に立ちません。イヌワラビの変種として山地帯に分布し中軸や羽軸が紫褐色のヤマイヌワラビ、尾瀬や武尊山で見られる小羽片が鈍頭のカラクサイヌワラビが知られています。


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マルハナバチ(丸花蜂)を追って!

100926オオマルハナバチD@赤城自然園チョウの原っぱ.JPG昨日経夕刊に「マルハナバチ写真送って」との見出し記事がありました。東北大と山形大の生物多様性の研究者が中心となって、日本国内でのマルハナバチの現状を把握するために、この「花まるマルハナバチ国勢調査」を立ち上げたという。ICTが普及する中、地道な生態調査に一般の人びとが参加できる機会は素晴らしいと思う。参加を希望される方はこちらへ⇒

これまで自然観察会やエコツアーなどで、外来種であるセイヨウオオマルハナバチを見かけることは年を追う毎に増えています。一方、在来種のマルハナバチを見かける機会はめっきり減ってしまったような気がします。以前、赤城自然園でオオマルハナバチをよく見かけました。[2010年9月29日撮影:赤城自然園@山崎]
また、先日、自然教育園を訪ねた時には、マルバウツギの花から花へと吸蜜をしながら飛翔する在来種のマルハナバチを目撃して感激したばかりです。また、小笠原に固有のオガサワラマルハナバチについては事態は深刻であって、外来種グリーンアノ-ルの食圧でもはや絶滅の危機に瀕しています。小笠原では野性下でセイヨウミツバチが増えているのも気になるところです。なお、エコカフェではウェザーニューズ型の組織的な取り組みが子どもたちとできるもっと面白いと考えています。


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ノイバラ(野茨)は逞しい

ビーグル号の航海日誌 2013年05月07日 19:59

130505ノイバラ花@エコカフェ.JPGひょうたん池の水辺にもっさりした茂みをつくっているのがノイバラの株。ちょうど暖かな日差し下で白い目立つ花を咲かせています。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ノイバラ(野茨、学名:Rosa multiflora Thunb.)はバラ科バラ属の半つる性の落葉低木。分布は北海道南西部、本州、四国、九州、朝鮮半島に及び、攪乱に強く野原や川原の水分条件がよくて日当たりもよい場所に自生。樹高は1mから2mほど、よく分枝し、棘が対生につきます。130505ノイバラ@エコカフェ.JPG棘には短い枝が変化したものと葉が変化したものがあるが、ノイバラの棘は基部から剥がれることから後者のケースと分かります。葉は対生し有柄、奇数羽状複葉で葉柄基部には蜜腺を伴う托葉が針状につきます。小葉は2対から4対、葉身1.5cmから5cmほどの楕円形で葉縁に細鋸歯、葉先は尖ります。花期は5月から6月頃、枝先から総状花序をだし、径約2cmの白色の5弁花を咲かせます。果実は径5oから9oほどの球形の偽果で秋に赤色に熟します。

ノイバラの仲間でより身近で見られるテリハノイバラは葉にクチクラ層が発達し光沢があるそうです。どちらも品種バラの接ぎ木として利用だれたり、赤い果実のなる子枝を花卉として生け花で好んだりします。また、果実は利尿作用があり「営実」と称して民間薬として、そのエキスは皮膚の保護作用や抗酸化作用があるとして化粧品成分に利用されているという。


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亀たちの日向ぼっこ

130505カメの日向ぼっこ@エコカフェ.JPGしろがねの森にあるひょうたん池には在来種のクサガメとイシガメ、外来種のミシシッピミミアカガメが棲んでいるそうです。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ちょうど訪ねたのが午前中でしたがすでに池に水没した倒木の上で日向ぼっこをしています。
対岸の岸辺なので遠くてようやく確認できました。
何匹いるのでしょうか。
130505ひょうたん池の緑@エコカフェ.JPG大きな亀の上にやや小さい亀が背中乗りしています。
仲がよいのか、ずうずうしいのか。
草亀なのか、石亀なのか。
親子の亀もはいるのか。
水面に周囲の木々の緑が映えている。
お天気さえ良ければ切る日も来る日も同じ風景が繰り広げられている。

今日から人間界では大型連休明けです。こちらも静かだった都心の交通機関や道路など雑踏という日常の風景が戻ってきます。


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ラショウモンカズラ(羅生門葛)は花盛り

ビーグル号の航海日誌 2013年05月06日 18:55

130505ラショウモンカズラ花@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーで見事に群落をつくっていました。ラショウモンカズラです。ちょうど花の時期でしたのでパチリとさせていただきました。ところが色合いがいま一つでした。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ラショウモンカズラ(羅生門葛、学名:Meehania urticifolia (Miq.) Makino)はシソ科ラショウモンカズラ属の多年草。分布は本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山地の湿気のあるやや日当たりのよい林内などに自生。130505ラショウモンカズラ@エコカフェ.JPG草丈は15pから30pほど、茎は直立し、葉は対生し茎上部のものは無柄で下部のものは有柄、葉身2pから5pほどの卵状心形で葉縁に粗鋸歯、葉先は尖ります。花期は5月から6月頃、花茎を伸ばし何段にもわたり、格段の苞葉腋から長さ4、5pもある唇形の青紫色の花を数個咲かせます。内部には白い毛が生え、下唇が大きく、濃紫色の誘導斑紋が入ります。果実は4つの部屋からなる分果です。花が終わると地上を這う走出枝(ランナー)を出して増殖します。 

名前の由来は花の形を平安時代に京都の羅生門で武将渡辺綱が切り落とした鬼女の腕に見立てたことにあるそうです。何ともとおどろおどろしい話ですが、花は林下で萌える緑によく目立つのではないでしょうか。


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タグ:広域種
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チドリノキ(千鳥木)は孤高の人

130505チドリノキ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーで見られるチドリノキ。新葉はすっかり展開していますがプロペラ状の若い果実がついていません。どうやら雄株であるため雄花はすでに脱落してしまったのでしょう。チドリノキはちょと孤独な変わりものです。他のカエデの仲間の葉が蛙手に裂状かメグスリノキのように3出複葉なのに対してサワシバに似た一葉であるのです。プロペラ状の果実ができて初めてカエデの仲間だと分かるのです。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

130505チドリノキ葉@エコカフェ.JPGチドリノキ(千鳥木、学名:Acer carpinifolium Siebold et Zucc.)はムクロジ目カエデ科カエデ属の落葉小高木。日本固有種。分布は本州岩手県以南、四国、九州に及び、温帯域の山地の沢筋などに自生。樹高は8mから10mほど、暗褐色から灰色で細縦裂。葉は対生し、葉身8pから12pほどの卵状楕円形か卵状長楕円形で葉縁に鋭い重鋸歯、葉先は鋭く尖ります。葉は平行脈が目立ち、葉表は緑色、葉裏は淡緑色。若葉表には伏軟毛が生えるが、脈状の除きじきに脱落。花期は4月下旬から5月上旬、雌雄異株、葉の展開とと同時に、雄株は枝先から長さ10pもの総状花序を下垂させ、10個前後の淡黄色の雄花を咲かせます。雄花は径約1p、萼片4枚、花弁4枚(又は無)、雄蕊は8本ほど。雌株は枝先に散形状に雌花序をだし幾つかの雌花を咲かせます。雌花は径約1pで雄蕊が退化、雌蕊花柱の先が2裂。果実は翼果、秋に熟すと風散布します。

名前の由来は翼果が風に舞う様子を千鳥が飛ぶ様子にたとえたことにあります。別名にヤマシバカエデとあり、こちらは山で焚き火をするためのカエデということらしい。そういえば「サワシバ」も沢に生える薪ということでしたね。クエスチョン、雌雄異株ではなく、雄花両性花異株との考えもあるようですが....。


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子供の日、カルガモの親子にほっこり

ビーグル号の航海日誌 2013年05月05日 22:12

130505カルガモ親子@エコカフェ.JPG今日は子供の日、カルガモ親子に出会った。
目黒の自然教育園は武蔵野の雑木林がよく保存されています。
かつて大名下屋敷だった園内にはひょうたん池や小川、湿地があります。
真っ先に視界に入ってきたのは池から続く湿原でひときわ目立つアヤメやカキツバタの花です。
スゲの新緑に紫色の高貴なアクセントをつけています。
手前の小さな流れにはメダカたちが静かに競争しています。
やがてここはヒキガエルのおたまじゃくしたちの黒い塊が占有することでしょう。
せき立てられるようにひょうたん池の片隅で水面にせりでた木陰の草の茂みに目をやります。
130505カルガモ親子@エコカフェ.JPGやはりそこには何か動くもがいるがいます。
目を凝らしているとカルガモの親子であると分かります。
子供たちは全部で何羽かなと、1羽、2羽、3羽、・・・。
親の動きに導かれ右へ左へと勢いよく動きまわり、波紋が重なり、陽光でうーんうまく数えられないです。
水面の倒木に日向ぼっこするイシガメやクサガメの静寂とは対照的な動き。
それでもしばらく数えることに集中、というより格闘、全部で10羽。
何とも大家族です。
少し家族にお節介心が湧きます。
お父さんもお母さんも子育て大変だろうな、なんて。
天敵のハシブトカラスはこの森をねぐらにしているし、カラスは都会の餌事情がよいから余程でなければ大丈夫だろうな。
かつてこの森の住人であったタヌキはまだいるのだろうか。夜行性だよな。
ノネコは大丈夫だろうか....。
都会の小さな自然の中で厳しくもすくすく育ってほしいと思います。


by トノサマガエル

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コゴメウツギ(小米空木)

130505コゴメウツギ花@エコカフェ.JPGしろがねの森、路傍の植物のコーナには所狭しといろいろな植物が植栽展示されています。コゴメウツギもそのひとつです。これは薔薇の仲間。「ウツギ(空木)」名前のつく樹木はいろいろありましたよね。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

コゴメウツギ(小米空木、学名:Stephanandra incisa (Thunb.) Zabel)はバラ科コゴメウツギ属の落葉低木。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山地の日当たりのよい所などに自生。130505コゴメウツギ@エコカフェ.JPG樹高は1mから2mほど、よく株立ち枝も分枝し、主幹がたわみます。樹皮は灰褐色で縦裂し若枝は赤味を帯びます。葉は互生し有柄、葉身2pから6pほどの三角状広卵形、葉縁は羽状に浅裂し欠刻状鋸歯がつき、葉先は尾状に尖ります。花期は5月から6月頃、本年枝の枝先か葉腋から円錐花序をだし、淡黄白色の5弁花をたくさん咲かせます。花は径約5o、雌蕊1本、雄蕊10本、淡黄白色の萼片5枚は花弁より短い。果実は径約3oの球状の袋果です。

「空木」ばかりは木の芯が中空になっているようですが、他の「空木」がつく樹木は多くの場合は芯には髄が詰まっています。何となく花が似ていたりするんですね。それで「空木」と名前につけられたのでしょう。まあ大雑把なわけです。


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タグ:広域種
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ナルコユリ(鳴子百合)の花は清楚

100505ナルコユリ@エコカフェ.JPGしろがねの森の路傍植物、続いてはナルコユリです。ナルコユリの仲間は世界に58種、うち日本にはアマドコロ、ミヤマナルコユなど10種ほどが知られています。この仲間はチゴユリの仲間と花被片が離弁なのに対して合着しているのが特徴です。一見両者の外見は似ていますが、よく花を観察する必要がありそうです。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ナルコユリ(鳴子百合、学名:Polygonatum falcatum A.Gray)はユリ科アマドコロ属の多年草。分布は本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国東北部に及び、山地の明るい林内や林縁、草原などに自生。草丈は50pから90cmほど、茎の断面は円形で上部でしなり、葉は互生し無毛、葉身8pから15pほどの披針形で全縁、葉先は尖ります。花期は5月から6月頃、葉腋から細い花柄を伸ばし青白色の花を1個から5個ほど咲かせます。花は花被片が筒状に合着し長さ約2o先が浅6裂します。雄蕊6本の花糸は無毛で葯は黄色です。果実は径7oから10oほどの球形の液果で黒紫色に熟します。

名前の由来は花や果実のつく様子が「鳴子」(長い縄に板と竹を結びつけ、それを沢山並べぶら下げて、風で揺れると音がなり、稲を荒らす鳥などを追い払う目的や、侵入者を知る目的などに使用した道具)に似ていることにあるそうです。なるほど、なるほどです。


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タグ:広域種
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シモバシラ(霜柱)の名前は

130505シモバシラ@エコカフェ.JPG今日は子どもの日、端午の節句です。天気も良いので「しろがねの森」に草花教室のための事前散策に行ってきました。自然教育園を入ると散策路の両側には路傍の草木が植栽展示してあります。ここではシモバシラを紹介します。冬期に枯れた茎に霜柱が良くできるのが名前の由来、冬の高尾山でもよく見られます。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

シモバシラ(霜柱、学名:Keiskea japonica Miq.)はシソ科シモバシラ属の宿根性の多年草。日本固有種。分布は本州関東地方以南、四国、九州に及び、低山の林内や渓流沿いなどに自生。草丈は40pから70cmほど、茎の断面はシソ科特有で四角形、葉は茎節ごとに対生し薄く、葉身8pから20pほどの楕円形で葉縁に粗鋸歯、葉先は尖ります。葉表の脈上に細毛が生えます。花期は9月から10月頃、水平にたわんだ茎上部の葉腋から総状花序を垂直に伸ばし、白色の小花をたくさん咲かせます。小花は釣鐘状で花冠の長さ約7o、雄蕊が突出します。果実は径約2oの球形の分果、褐色に熟します。

シモバシラは名前の通り、冬季でも地下茎(根)は生きていて枯れた地上部の茎(導管)から水分が蒸散し、冷気に触れて氷結することで背の高い霜柱ができるんですよ。面白いですね。


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タグ:日本固有種
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ナガレヒキガエル(流れ蟇蛙)

ビーグル号の航海日誌 2013年05月04日 02:04

110723ナガレヒキガエル@エコカフェ.JPG京都大学芦生研究林は通称「芦生の森」と呼ばれており、エコカフェも時どきフィールドワークに活用させてもらっています。そこは懐の深い新緑が美しい豊かな森のです。この森には多くの生き物たちが暮らしています。ここではナガレヒキガエルを紹介します。アズマヒキガエルに似ていますが鼓膜が目立たないので区別がつきます。[2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011「今,森から考える−森のめぐみ−」@阿部]

ナガレヒキガエル(流れ蟇蛙、学名:Bufo torrenticola Matsui)はヒキガエル科ヒキガエル属の大型の蛙。日本固有種。分布は本州中部地方西部・近畿地方に限り、山地の渓流周辺の森林内や草原などに生息。体長は7pから17cm(メスが一回り大きい)で皮膚に疣状の突起があり、体色は緑褐色や黒褐色、四肢がアズマヒキガエルより長く、鼓膜は小さく不明瞭、趾間に小さな水掻きがあるそうです。食性は動物食でミミズ、昆虫類、節足動物などを食します。繁殖期は4月から5月頃、渓流や滝壺などの水底に産卵、ひも状の卵塊は2500個もの卵が入っているという。この繁殖期、メスの体表には赤や橙の斑紋が入り、オスは突起が消えるという。

日本には関西の基亜種ニホンヒキガエルと関東に亜種アズマヒキガエル、宮古島に固有亜種のミヤコヒキガエル、本州中部に渓流産のナガレヒキガエルが生息していることになります。いずれも後頭部の耳線から白乳色の毒成分ブフォトキシンを出して外敵から身を守ります。素手で触るのは気をつけましょう。


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鳩森八幡神社富士塚は

ビーグル号の航海日誌 2013年05月01日 20:07

090419富士塚奥宮@エコカフェ.JPG富士山が世界文化遺産とのニュースがあったので少し書こう。
そもそも千駄ヶ谷鳩森八幡神社とは。社伝縁起によると、古くこの地には吉兆の瑞雲がたびたび現れ、ある日、村人が白雲の降下を不思議に思い分け入ると多数の白鳩が西方に飛び去った。神様が宿る小さな祠をつくり、「鳩森」と名付けた。貞観2年(860年)、慈覚大師(円仁)が巡礼中に正八幡宮と奉ったのが結局は始まりという。[2009年4月19日撮影:鳩森八幡神社@山崎]

この境内にはちょっと見慣れぬ富士塚がある。都指定有形民俗文化財とか。聞けば寛政元年(1789年)の増築、都内最古とか。円墳形に土盛りをし、高さは6mほどか。狭い登山道を50歩ほどで山頂だ。山頂付近にゃ富士山から運んだ溶岩が配さ、山腹にはクマザサがいやに茂る。090419鳩森神社能舞台@エコカフェ.JPG090419鳩森神社@エコカフェ.JPG5合目には里宮(浅間神社)、7合目の洞窟には身祿行者さんが安置。烏帽子岩、釈迦の割れ石、山頂に奥宮までが再現とくる。手前の池は富士五湖かと。こりゃ有り難いと庶民が集まるわけだ。

富士塚とは江戸時代に盛んになった富士信仰に基づき、霊峰富士山登山を身近で体験できるようにと造られたものらしい。信仰の対象そのもので、江戸の庶民の粋な計らいでは。たいしたもんだと頷くばかり。江戸を中心に関東各地に富士信仰は根付き、当の富士山はそのお陰で世界文化遺産登録が当確とか。


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富士山が世界文化遺産へ

100710富士山9合目@エコカフェ.JPG100710富士山下山途中@エコカフェ.JPG「富士山、世界文化遺産登録へ」とのニュースが流れた。当初、世界自然遺産への登録を目指したが断念。文化遺産に切り替えてのチャレンジだった。[2010年7月11日撮影:第7回自然観察会@山田]

エコカフェでも富士山は自然観察会フィールドのひとつ。最終氷期の後に噴火してできた山であるため、他の高山に植生するような多様な高山植物やハイマツを欠き、森林限界の手前にはダケカンバが矮生低木となって這いつくばっている。そんな富士山は日本では特異な生態を有しているが諸外国から見たら珍しいものではないのである。
一方、「霊峰富士」と呼ばれるように信仰対象の山でもあった。戦国時代から江戸時代初期に始まったと考えられている「富士講」という熱心な富士信仰、富士山詣でが江戸時代を通じて全国各地に広まった。そんな「富士講」にちなむ遺跡や北口本宮冨士浅間神などの建築物も残されている。これがユネスコによる「世界文化遺産」登録勧告の理由という。時期は6月頃。

3年前、エコカフェで第7回自然観察会に富士山に行った時も登頂を目指す雑踏の波に驚いた。ただひたすら一歩一歩上へ上へと登る大勢のアリの群れにびっくりした。もちろん、景色の素晴らしさに感嘆している姿をよく目にした。わたしたちと言えば加えて植生にも目をやる。森林限界を超えると火山礫の中に蘚苔類や地衣類が目立つようになる。そんな様子を観察するのも面白い。


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南三陸町とチリを繋ぐモアイ像とは

ビーグル号の航海日誌 2013年04月30日 22:58

120311モアイ像@エコカフェ(志津川).JPGこの5月下旬、南三陸町の人びとにチリ政府から新造のモアイ像が寄贈されるそうだ。その像はチリ沖西4000kmの絶海の孤島、イースターに産する凝灰岩から造られたという。何故に南三陸町とチリが。本来モアイ像はイースター島の巨石像群であって7世紀から1千年の年月の間に造られたものだ。像にはマヌ(霊力)が宿ると言われているそうだ。

時は53年前の昭和35年(1960年)、チリ地震津波により南三陸町では53名が犠牲になった。30周年追悼を祈念して、南三陸町(当時:志津川町)は「復興と友好」のシンボルとしてモアイ像をチリから輸入。そのモアイ像も残念なことに先の大津波で頭部損壊。昨年、南三陸町を訪れたチリのピニェラ大統領はそのことを知って、東日本大震災からの復興に必死に立ち上がり、心一つに合わせて懸命に努力している町の人びとの姿に感銘し、寄贈を申し出たのだそうだ。

私たちにとってモアイ像は遠く太平洋を挟んだ両国の「復興と友好」への願いを超え、「私たち人類と自然との共生」を訴えるシンボルでもあって欲しいと思う。かつて、緑豊かな椰子の生い茂る森があったイースター島、伐採による自然破壊が原因で人びとまでもが1千年の後に滅んでしまった。そんな歴史を繰り返さないためにも。幸い、南三陸沿岸は山が海に迫り、古くから山は「魚付き森」といって、漁師たちは豊かな漁場を維持するために、植林をし下草を刈り、森を守ってきた。森は雨水にミネラルを加え、豊穣な海を育てる働きがあることを生きる知恵として代々受け継いでいる。何とも素晴らしいことではありませんか。何とも。


by トノサマガエル

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過去の延長線上にある現在、未来

100821唐桑湾@エコカフェ森里海学びツアー 055.jpgあらからどれくらいの月日が経過したというのだろう。
東日本大震災に直面した私たちは、何を考え、どのような行動をしたのだろうか。

私たちにとって、過去の記憶が時間とともに曖昧に薄れるのは生命を維持するための重要な機構のような気もするが。不快なこと、嫌なことは脳に備わった忘却機構により一方的な蓄積から回避され深い無意識の世界に断片となって崩れていく。
もしも、忘却機構がなかったならば、常にリアルな記憶としていつでも再現され、脳の電気的回路は輻輳状態に陥り、ホルモン分泌も異常をきたして精神的なパニック状態になってしまうだろう。
幸い遠い記憶は、一度学習プロセスを経て生きる知恵となった後に、朦朧として脳の片隅に残存している断片、かけらに過ぎない。ある瞬間よぎる恐怖心だったり、不快感であったり。喜びや楽しみだって忘却機構の例外ではないようだ。
すべてが過去の朦朧と化し、新しい記憶に重畳的に塗り替えられていく。複数の記憶は互いに融合しあい、新しい刺激とともに未来に向けて新たな物語を紡いでいくに違いない。

あの時の津波に揉まれ海底の汚泥をかぶった茶碗や瓶を洗った地下から汲み上げられた澄んだ地下水の冷たさを。おお、真っ直ぐに櫂をこごう。大海をどこまでも、どこまでも。


by トノサマガエル

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ホンシュウジカ(本州鹿)は地域亜種

130415ホンシュウジカ@エコカフェ(中村).jpgこの大型連休中に登山や山スキーを楽しんでいる方がたも多いようだ。残雪が深い高山では緩み雪崩を起こしやすい季節であり注意が必要である。お手軽なところでは身近な低山では木々が新芽を展開し、若葉があちこちで萌えていて結構楽しいかもしれません。ここでは塔の岳から丹沢山に至る尾根筋をトレッキングしたときに出逢ったホンシュウジカを紹介します。[2013年4月15日撮影:丹沢山@中村敏之]

ホンシュウジカ(本州鹿、学名:Cervus nippon centralis (Kishida))はウシ亜目シカ科シカ属のニホンジカ亜種。軽度懸念(LC)。分布は本州、山地の森林や草原などに生息。体長は130pから160cm、体重は50kgから85kgほど、体色は夏は赤茶色に白斑、冬は黒褐色、雄にのみ角が生え、毎年生え替わります。 食性は草食性で全国的に森林や下草などの食害が問題になっています。ちなみに奈良公園に生息するホンシュウジカは「奈良の鹿」とよばれ、国の天然記念物に指定され厳重に守られています。奈良では鹿は神に仕える特別なものなのですよ。

前にも書きましたが、日本に生息するニホンジカはエゾジカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカ、ツシマジカ、マゲシカ、ヤクシカ、ケラマジカの地域的に7亜種が知られています。また、にニホンジカはロシア沿海州、中国、朝鮮半島、台湾に広く分布し、全部で16の地域亜種が知られ、ベルクマンの法則で北方地域の個体ほど体が大きいといいます。クマも同じでしたね。


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