ヤマハッカ(山薄荷)の小さな花に

ビーグル号の航海日誌 2013年06月05日 07:19

130505ヤマハッカ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの草木層を構成する樹種のひとつにヤマハッカが植栽されています。花が可愛いので覚えやすいですね。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ヤマハッカ(山薄荷、学名:Rabdosia inflexa (Thunb.) Hara)はシソ科ヤマハッカ属の多年草(ときに低木)。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、暖温帯から冷温対の里山の林縁や草原などに自生。草丈は40pから80cmほど、木質化した塊状の地下茎をもち、茎は断面が四角形でよく分枝します。葉は対生し有柄で翼をもち、葉身3cmから6cmほどの卵形で葉縁に鋸歯、葉先は尖ります。葉表には毛が散在、葉裏の脈上にも毛が生えます。花期は8月から10月頃、枝先に花序を伸ばし青紫色の花をたくさん咲かせます。花は筒状で長さ8mm前後、花冠が上下に二唇、上唇は立ち上がり4裂、濃青紫色の斑紋が入り、下唇は前に突出します。雄蕊4本のうち2本が長い。果実は卵形の分果です。

ヤマハッカの仲間は東南アジア、東アジアを中心に世界で約150種、日本には7種が知られています。種の間の雑種も多いそうですですが、どこからどこまでが自然交雑種であって、独立種なのか不思議ですよね。草花教室では、種を残すための構造、生殖器官のつくりの違いによるのが基本だと学んだことがあります。


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アワブキ(泡吹)の不思議さ

ビーグル号の航海日誌 2013年06月04日 22:51

130505アワブキ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの亜高木層を構成する樹種のひとつにアワブキがあります。名前の由来はこの木の枝を燃やすと切り口からさかんに泡がでることにあるという。水分が多いようです。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

アワブキ(泡吹、学名:Meliosma Myriantha Sieb. et. Zucc.)はアワブキ科アワブキ属の南方系の小高木。分布は本州、四国、九州、朝鮮半島に及び、丘陵から山地に広く自生。130505アワブキ樹皮@エコカフェ.JPG樹高は10mほど、樹皮は帯紫暗灰色で小さな皮目が目立ち、若枝は褐色です。葉は互生し薄く、葉身10cmから25cmほどの倒卵状楕円形か長楕円形で葉縁に浅鋸歯、葉先は尖ります。葉表は濃緑色で平行脈が目立ち、葉裏は淡緑色で脈上に褐色毛が生えます。花期は6月頃、本年枝先の葉腋から最大長25cmもの大きな円錐花序をのばし、淡黄白色の5弁花をたくさん咲かせます。小花は雄蕊5本のうち内側の2本が完全です。果実は径約5mmの球形の核果で秋に赤く熟します。種子は鳥散布します。

アワブキ属はアジアやアフリカの熱帯を中心に約50種、日本にはアワブキのほかにアオキカズラなどが知られています。材は水分が多く狂いを生じ易いのであまり役に立たないようです。


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田んぼの生き物N、コシマゲンゴロウ(小縞源五郎)

090524コシマゲンゴロウ@エコカフェ.JPG梅雨空のもと田植えの季節です。無農薬で頑張る田んぼには生き物たちがたくさん暮らしています。観察するには絶好ですよね。ここではコシマゲンゴロウを紹介します。[2009年5月24日撮影:田植え&ふれあいサッカーin日立@阿部]

コシマゲンゴロウ(小縞源五郎、学名:Hydaticus grammicus (Germer))はオサムシ亜目ゲンゴロウ科の中型のゲンゴロウ。分布は北海道、本州、四国、九州(いずれも島嶼部を除く。)、国外は朝鮮半島、中国、中央アジア、ヨーロッパに広く、山地や平地、都市部などの池沼や水田、湿地、学校のプール、公園の池などに生息。090524小雨の中の田植え@エコカフェ.JPG体長は10o前後、上翅は黄褐色で黒色の縦縞があり、上翅の周縁は黄褐色で縁取られます。一年中見られるが冬季は少ないか、成虫で越冬。飛翔力に優れ夜行性。食性は成虫、幼虫とも肉食性で魚類、両生類の幼虫、水生昆虫などを捕食します。

放棄水田、溜池の水質悪化など生息環境は劇的に悪化しているため、ゲンゴロウの仲間は数を減らしているそうです。コシマゲンゴロウやヒメゲンゴロウは都市部でも生息していることから比較的よく見られるほうであるという。


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シマナガバヤブマオ(島長葉藪苧麻)も雌花ばかり

ビーグル号の航海日誌 2013年06月02日 22:15

120902シマナガバヤブマオ花序@エコカフェ.JPGヤブマオの仲間には変異が多いことは前に説明したとおりです。ここでは三宅島の森の小さな谷筋で出会ったシマナガバヤブマオを紹介しよう。[2012年9月2日撮影:第5回エコカフェみんなの森づくり@阿部]

シマナガバヤブマオ(島長葉藪苧麻、学名:Boehmeria egregia Satake)はイラクサ科カラムシ属の多年草。ナガバヤブマオの海岸型で伊豆諸島固有亜種。分布は伊豆諸島と千葉県に限り、やや湿り気のある林縁や道端などに自生。草丈は1mほど、葉は対生し厚く、長楕円形で葉縁に細鋸歯、葉先は尾状に尖ります。120902シマナガバヤブマオ@エコカフェ.JPG葉脈がラセイタソウほどではないが凹んでいるのが特徴です。花期は8月から9月頃、雌雄異花、葉腋から雌花序を穂状に伸ばしたくさんの雌花を咲かせます。

雄花序はほとんど見られないというから、ゲノムは3倍体で無性生殖で増殖するのでしょう。雄花に生じ有性生殖する中でこの仲間は変異を生じるのでしょう。三宅島ではこの植物の茎から皮を剥いで糸を紡ぎ「ものし織」という布をつくったそうです。

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シロモジ(白文字)は生活の中に

130505シロモジ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」にひょうたん池の近くでシロモジの木を見かけました。名前の由来は同じ属のクロモジに対して樹皮が白っぽいのことによるそうだ。クロモジは爪楊枝や民間薬などとして利用されるが、シロモジも材が強靭であることから杖に使われたり、かつては果実から油を採取し行燈などに用いたそうです。昔の人は森の木々の特性を理解し生活に役立てていたのですね。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

130505シロモジ樹幹@エコカフェ.JPGシロモジ(白文字、学名:Parabenzoin trilobum (Sieb. & Zucc.) Nakai)はクスノキ科クロモジ属の落葉低木。分布は本州中部地方以西、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山地の谷筋などに自生。樹高は4mから7mほど、根元から株立ちし、樹皮は褐色で小さな皮目が多く、枝は総じて細い。葉は互生し、枝の基部近くでは小さく楕円形、枝先のものは葉身7pから12cmほどの三角状広倒卵形で3裂から5裂。葉表は淡緑色で無毛、葉裏は灰白色で脈沿いに直角に毛が生えます。葉は秋には黄葉します。花期は4月頃、雌雄異株、葉の展開と同時に、前年枝の葉腋から散形花序をだし黄緑色の花を咲かせます。果実は径約1pの球形の液果、秋に黄色く熟します。


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ハリギリ(針桐)の花は八つ手似

130505ハリギリ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」の谷戸(谷津とも)周囲にはこんもりとした常緑照葉樹と落葉広葉樹の混合林が展開しています。ハリギリ(別名にセンノキ)はミツデカエデ、ムクロジ、ハゼノキなどとともに後者です。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ハリギリ(針桐、学名:Kalopanax pictus (Thunb.) Nakai)はセリ目ウコギ科ハリギリ属の落葉高木。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では樺太、朝鮮半島、中国に及び、丘陵から山地の落葉広葉樹林に自生。130505ハリギリ樹皮@エコカフェ.JPG樹高は25mほど、樹幹は直立、樹皮は黒褐色で深く縦裂、若木では棘が残り、枝は帯灰色で棘と皮目がつきます。葉は枝先に互生し、葉柄10pから30pの先に葉身10pから25pほどの5裂から9裂に掌状、葉縁に不整の細鋸歯がつきます。葉表は無毛、葉裏の脈状に毛が生えます。花期は7月から8月頃、新枝の先に球状の産経花序をだし、淡黄緑色の小花を多数咲かせます。果実は径約5oの球形の液果、赤褐色から秋に黒色に熟します。

ハリギリはウコギ科であり、タラノキヤマウドの若葉と同じように山菜として食することができるそうです。食べたことがありませんが、灰汁が強いそうで美味しいかは分かりません。


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ハゼノキ(櫨の木)は蝋燭を

130505ハゼノキ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの高木層を構成するもう一つの樹種にハゼノキがあります。それまでの在来のヤマウルシ、ヤマハゼに取って代わって、江戸時代頃にハゼノキは果実から木蝋を採取するために琉球王国から本土に持ち込まれたものだそうです。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ハゼノキ(櫨の木、学名:Toxicodendron succedaneum (L.) Kuntze)はムクロジ目ウルシ科ウルシ属の落葉小高木。130505ハゼノキ樹皮@エコカフェ.JPG分布は東アジア、東南アジアに広く、温暖な土地に自生。日本では関東地方で野生化。樹高は10mほど、樹皮は灰褐色で平滑、小さな皮目がつきます。葉は互生し無毛、奇数羽状複葉、小葉は4対から7対ほど、葉身5pから12pほどの被針形、全縁で葉先は尖ります。花期は5月から6月頃、雌雄異株、葉腋から円錐花序をだし、黄緑色の小花をたくさん咲かせます。小花は5弁、雄花は雄蕊5本、雌花は雌蕊花柱が3裂します。果実は径約1.5pの扁球形の核果、中に種子1個、秋に緑色から褐色に熟します。

ハゼノキは日本在来のヤマハゼの近縁種ですが、ハゼノキの葉は無毛なのにヤマハゼは脈状に毛が多く生えることで見分けることができるそうです。


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ムクロジ(無患子)は石鹸に

130505ムクロジ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの高木層を構成する樹種のひとつにムクロジがあります。この木は果実を石鹸として利用したことから古くから屋敷林や寺社境内林として植えられることも多かったといいます。この木の自然分布やこの地が四国高松藩主松平讃岐守の江戸下屋敷跡であったことを考えると恐らくは植栽されたものでしょう。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

130505ムクロジ樹皮@エコカフェ.JPGムクロジ(無患子、学名:Sapindus mukurossi Gaertn.)はムクロジ科ムクロジ属の落葉高木。分布は本州中部地方以西、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、済州島、中国、インドなどに及び、丘陵や低地に自生。樹高は15mから25mほど、樹皮は灰褐色で平滑(老木では不規則に剥離)、葉は互生し偶数羽状複葉です。小葉は革質で4対から8対ほど、葉身7pから17cmほどの広被針形、全縁で葉先が尖ります。花期は6月から7月頃、枝先に円錐花序をだし、淡緑色の小花をたくさん咲かせます。果実は径約2pの球形の核果、中に黒い種子があって11月頃に黄色く熟します。

果皮にはムクロジサポニンを含むことから泡立ち、平安時代から公家社会で石鹸として利用されてきたそうです。学名の「Sapindus」はインドの石鹸を意味する。また、黒い種子は数珠や羽根突きの玉に利用されたそうです。有用樹なのです。   


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ミツデカエデ(三手楓)は深緑に萌え

ビーグル号の航海日誌 2013年06月01日 15:39

130505ミツカエデ@エコカフェ .JPG「しろがねの森」のかっての谷戸の終点にあたる「ひょうたん池」の畔にミツデカエデの木があります。紅葉を愛でるために植えたものでしょう。葉が3出複葉でメグスリノキと同じです。果実を見れば一目瞭然カエデの仲間と分かるのですが花も果実もないと見分けにくいですね。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ミツデカエデ(三手楓、学名:Acer cissifolium (Siebold et Zucc.) K.Koch)はムクロジ目カエデ科カエテ属の落葉高木。日本固有種。130505ミツカエデ樹皮@エコカフェ.JPG分布は北海道南部、本州、四国、九州に及び、暖温帯上部から冷温帯下部の山地の湿気のある肥沃な場所などに自生。樹高は20mほど、樹皮は灰褐色で平滑、小枝は細く紫褐色です。葉は対生し、3出複葉、小葉は長楕円形から卵状楕円形、葉縁の粗鋸歯(変異が多い)、葉先は尾状に尖ります。花期は4月から5月頃、雌雄異株、前年枝の上部に総状花序をだし、黄色い小花をたくさん咲かせます。小花は萼片・花弁とも4枚、雄蕊4本。雌花では雄蕊がない。果実は翼果で夏から秋に熟し、風散布します。

ミツデカエデの果実は果序にたわわと実るとそうです。花期であるにもかかわらず、出会った個体には蕾や花を確認することができませんでした。こんどぜひ機会をつくり観察したいものです。


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アカガシ(赤樫)の老木に

130505アカガシ樹幹@エコカフェ.JPG「しろがねの森」は台地に細長い谷戸が入り込んで湿地(池)があるような土地であったという。なるほど説明を受ければ納得できるであろう。直ぐ脇を首都高速道路が通り、コンクリートジャングルに囲まれてしまっていては想像するも難しいでしょう。そんな森にアカガシの老木が寂しそうである。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

アカガシ(赤樫、学名:Quercus acuta Thunb.)はブナ科コナラ属の常緑高木。分布は本州宮城県・新潟県以南、四国、九州、国外では台湾、朝鮮半島南部、中国に及び、カシ類では最も標高の高い山地の暖帯上部からブナ帯までに自生。130505アカガシ@エコカフェ.JPGスギ・ヒノキ植林の適地と重なり数を減らし、一方で屋敷林や寺社境内林とされてきたという。樹高は20mから25mほど、樹皮は小木では灰緑色で平滑、老木で帯黄暗赤色で鱗片状に剥離します。葉は互生し有長柄、枝先によくつき、葉身7pから13cmほどの長楕円形、全縁(まれに上部が波状)で先が尾状に尖ります。葉表は濃緑色でクチクラ層が発達し光沢、若葉では両面に褐色軟毛が生えるがやがて脱落します。花期は5月から6月頃、雌雄異花、新枝の基部の葉腋から雄花序を下垂したくさんの黄褐色の雄花、新枝の先の葉腋に雌花序を直立させ2個から6個の雌花を咲かせます。果実は長径2.5cmほどの楕円形の堅果(どんぐり)で殻斗に横線約10本が入り、横線翌年秋に熟します。 

材は強靭で農具や楽器、船舶、車両などに利用されてきたという。カシ類の仲間で樹皮が剥がれやすいものにアカガシのほかにイチイガシやツクバネガシがあります。


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アサザ(浅沙、阿佐佐)は象徴的

130505アサザ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」にある「ひょうたん池」へ連なる小さな水溜まりのような浅瀬にアサザの小群落がみられます。アサザは霞ヶ浦の水質保全運動で一躍有名になった植物、アサザ基金が設立され地域ぐるみの保護活動が成功を収め、絶滅危惧U類(VU)から2007年には準絶滅危惧(NT)までに改善しています。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

アサザ(浅沙、阿佐佐、学名:Nymphoides peltata (S.G.Gmel.) Kuntze)はアカメガシワ科アサザ属の多年生水草。130505アサザ@エコカフェ (2).JPG環境省レッドリストで準絶滅危惧(NT)。分布は本州、四国、九州、国外ではユーラシア大陸に広く、浅い水辺に自生。草丈は5cmから20cmほど、根を泥中に下ろし、細長い茎を伸ばします。葉は長い柄を伸ばし水面に浮き、葉身2.5cmから10cmほどの広卵形から円形で厚く、葉縁に波状の刻み、基部が大きく2深裂します。花期は6月から9月頃、花は3cmから12cmほどの花柄をのばし、径約3cmの淡黄色の花を咲かせます。花は長花柱花と短花柱花、等花柱花の3タイプあり、花弁5枚、萼片は5裂、天気のよい日に朝から咲く一日花です。

アサザは地下茎を伸ばし増殖し、1個体で大きな群落と形成するといいます。種子は水に浮き水流散布したり、鳥の羽毛に付着して鳥散布したりするそうです。ただし食べられると消化され、被食散布はありえないようです。名前の由来は朝早く咲く「朝咲き」や「浅く咲く」にあるということらしい。別名にハナジュンサイ(花蓴菜)とあるように若葉は食することができるそうです。


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メヤブマオ(姫藪苧麻)は多兄弟

ビーグル号の航海日誌 2013年05月31日 22:57

130505メヤブマオ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの林床でヤブマオの近くにメヤブマオが植栽展示されています。ただ見ているだけでは両者の違いが分かりませんね。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

メヤブマオ(姫藪苧麻、学名:Boehmeria platanifolia (Maxim.) Franch. et Sav. ex C.H.Wright)はバラ目イラクサ科カラムシ属の多年草。分布はヤブマオと同じで北海道、本州、四国、九州、国外では中国、台湾に及び、山野の林内に自生。草丈は1mほど、葉は対生し、ヤブマオに似るが葉先が深く3裂するものが多いという。葉の両面に短毛が生えます花期は8月から10月頃、ヤブマオに比べて雌花序は細く、雌花の塊りが離散するそうです。

ヤブナオの仲間は変異が多いそうで、カタバヤブマオ、マルバヤブマオ、オニヤブナオ、ニオウヤブマオ、ラセイタソウ、アカソ、クサコアカソ、コアカソなどが知られています。 ヤブマオの仲間は無性生殖(単為生殖)により増殖するらしくメヤブマオもそのようです。


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ヤブマオ(藪苧麻)はいつから

ビーグル号の航海日誌 2013年05月30日 20:52

130505ヤブマオ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの林床は実にさまざまな草本植物を見ることができます。カラムシの近縁であるヤブマオもそのひとつです。古くは繊維から糸を紡いで布を織ったといいます。「マオ」とは「カラムシ」の別称だそうです。[[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ヤブマオ(藪苧麻、学名:Boehmeria japonica (L.f.) Miq.)はバラ目イラクサ科カラムシ属の多年草。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では中国、台湾に及び、山地から人里まで至る所で普通に自生。草丈は80cmから100pほどで茎は直立分枝しない。葉は対生し厚くざらつき、葉身10cmから15cmほどの卵状長楕円形で葉縁に鋸歯、(ときに重鋸歯)、葉先ほど粗く、葉先端は尾状に尖ります。葉裏の主脈に短毛が密生します。花期は8月から10月頃、茎上部の葉腋から雌花序、茎下部の葉腋から雄花序、を穂状につけます。花は淡緑色で小さく目立たないようです。

配偶子の染色体は3倍体であり、雄花をつけない個体も多く、無性生殖によって種子を生産して増殖するといいます。


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サイハイラン(采配欄)は進化途上!?

130505サイハイラン@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの林床でサイハイランを見ることができました。栽培や移植が極めて難しい植物だそうです。まだ蕾の状態で花を見ることはできませんでした。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

サイハイラン(采配欄、学名:Cremastra appendiculata (D.Don) Makino.)はラン科サイハイラン属の多年草。分布は南千島、北海道、本州、四国、九州、国外では樺太南部、朝鮮半島南部、中国、ヒマラヤに及び、山地の林床に自生。草丈は30cmから50cmほど偽球茎は卵形、越冬性の葉は1葉で革質、葉身15cmから35pほどの狭長楕円形で先が尖ります。花期は5月から6月頃、総状花序をだし、淡紫褐色の花をたくさん下向きに咲かせます。萼片と側弁花は長さ3cmほどの線状披針形、

サイハイランは光合成のみで自活することができず、土中の共生するラン菌根菌からの栄養分提供に依存する混合栄養性の植物だそうです。腐生植物(菌従属栄養植物とも)は省略型の進化の究極の姿であるとすると、サイハイランは途上にあると考えられるのではないでしょうか。


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ホウチャクソウ(宝鐸草)の花は風鐸に

130505ホウチャクソウ@エコカフェ.JPG130505ホウチャクソウ花@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの林下で点在するホウチャクソウ。ちょうど不思議な白い花をつけていました。名前の由来は下垂する花の様子が五重塔などの四隅に下がる風鐸に似ていることにあるという。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

130505ホウチャクソウ花@エコカフェ.JPGホウチャクソウ(宝鐸草、学名:Disporum sessile D.Don ex J.A. et J.H.Schult.)はユリ科チゴユリ属の多年草、疑似一年草とも。分布は日本全土、極東ロシア、東南アジアに広く、丘陵の林内の開けた場所に自生。根茎の栄養を花と果実に全て使い、走出枝で増殖するためよく群生。草丈は30cmから60cmほど、茎は直立し上部で分枝します。葉は互生し、長楕円形で並行脈が目立ち、葉先は尖ります。花期は5月から6月頃、茎先端の葉腋から花柄をだし、長さ約2cmの筒状の先端が帯緑色の白い花を数個咲かせます。筒状に見えるのは花弁と萼片各3枚が離生するが重なり合うため。花披片の基部は袋状のになり蜜が貯まるという。果実は径約1cmの球形の液果、黒紫色に熟します。

ホウチャクソウは若葉に毒成分を含むことから、山菜として利用する葉が似ているアマドコロやナルコユリとの誤認に注意が必要といいます。


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カラムシ(苧蒸)は自然の恵み

ビーグル号の航海日誌 2013年05月29日 23:43

130505カラムシ@エコカフェ.JPG[「しろがねの森」路傍の植物コーナーの林下で地味ではあるが何となく目立つのがカラムシです。元来、繊維を取るために大陸から持ち込まれた史前帰化植物でないかとの推察もあるように、茎(から)を蒸して繊維を取るために栽培し、人為的に各地に広まったと考えられます。この繊維で織られた越後縮、小千谷縮は有名。名前の由来も推して知るべしですね。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

カラムシ(苧蒸、枲、学名:Boehmeria nivea (L.) Gaudich. var. nipononivea (Koidz.) W.T.Wang )はイラクサ科カラムシ属の多年草。ナンバンカラムシの変種。分布は本州以南の日本全土、東アジアから南アジアまで広く、林縁や道端、石垣、土手や河原などのやや湿った場所を好んで自生。草丈は1mから1.5mほど、地下茎を伸ばし増殖し、茎をほぼ直立させます。葉は互生し、葉身8cmほどの広卵形で葉縁に鋸歯、葉先は尾状に尖ります。葉裏は綿毛が密生し白色を帯びます。花期は8月から10月頃、雌雄異花、茎中ほど上部の葉腋から雌花序、株の葉腋から雄花序を房状にだします。花は黄緑色で目立たないようです。

カラムシ属は茎に鋭い刺を持つがカラムシの刺は触っても痛くないという。人の手で育てられているうちに防御機能を失ったのではないでしょうか。アカタテハ、フクラスズメ、ラリーカミキリなどの食草になっています。


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チョウジソウ(丁字草)は意外な

130505チョウジソウ@エコカフェ.JPG目黒の「しろがねの森」にあるひょうたん池の湖畔の湿地で咲き誇るチョウジソウ。名前の由来はこの花がフトモモ科の常緑高木のチョウジ(丁香)の花に似ていることにあるそうです。もっともチョウジの名前と言えば、蕾が釘の形に似ていて、乾燥させたものをスパイス(香料)に使うことにあるようです。なんと2段階です。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

チョウジソウ(丁字草、学名:Amsonia elliptica (Thunb.) Roem. et Schult.)はリンドウ目キョウチクトウ科チョウジソウ属の多年草。準絶滅危惧(NT)。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、湖沼周辺、河川敷などのやや湿った草地に自生。草丈は40cmから80cmほど、葉は互生し水平に展開、葉身8cmから12cmほどの披針形で全縁、葉先は尖ります。花期は5月頃、茎頂から集散花序をだし薄青色の5弁花をたくさん咲かせます。花は径約15mm、萼は5深裂、花冠は平開し、中心部に微細な毛が密生します。果実は長径5cmの円柱状の袋果です。

チョウジソウはキョウチクトウの仲間であり、防御機能として全草にβ‐ヨヒンビンなどのアルカロイド系の毒成分を含むという。まさか口にするとは思いませんが注意が必要ですね。


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アヤメ(文目)の花に誘われて

ビーグル号の航海日誌 2013年05月28日 08:24

130505アヤメ@エコカフェ.JPG日本列島は南から梅雨入り。目黒自然教育園内のひょうたん池の畔にはなぜかアヤメが植栽されています。最初は水辺の湿地を好むショウブやカキツバタかな思ったのですが、案内板によるとアヤメということです。確かに姿形からもそのようですね。梅雨空に似合うものにアジサイハナショウブがあります。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

アヤメ(菖蒲、文目、綾目、学名:Iris sanguinea Hornem.)はキジカクシ目アヤメ科アヤメ属の多年草。130505アヤメ遠景@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、国外ではシベリア、中国東北部、朝鮮半島に及び、山地の草地などに自生。草丈は40pから60cmほど、茎が直立し、葉は剣状で葉先は尖り、2平列し稜をなすことから文目模様にも見えます。花期は5月から6月頃、花茎を直に伸ばし先に苞葉で分枝し数個の径約4pの青紫色の花を咲かせます。花は内花被片3枚、外花被3枚うち1枚が垂れ下り、基部の黄色の部分く綾目模様が入るのが特徴です。名前の由来は葉のつく様子、外花被片の模様の様子の2説あるようです。

この仲間はハナショウブとカキツバタがあり、どちらも湿地に自生します。自生地のほかに、アヤメとの違いについては、ハナショウブは外花被片の基部が黄色で目型模様、カキツバタは外花被片の基部が白色で目型模様が入ることにあるようです。皆さんも観察してみてください。


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イヌザクラ(犬桜)は

ビーグル号の航海日誌 2013年05月27日 22:29

130505イヌザクラ@エコカフェ.JPG130505イヌザクラ樹皮@エコカフェ.JPG目黒区にある「しろがねの森」は四国高松藩主松平讃岐守の下屋敷があったところだそうです。土塁が築かれているが、中世に「白金長者」といわれる豪族によるものと伝えられてるという。スダジイクロマツの古木のほかイヌザクラの大木も残っている。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

イヌザクラ(犬桜、学名:Prunus buergeriana Miq.)はバラ科サクラ属の落葉高木。分布は本州、四国、九州、国外では朝鮮半島の済州島に及び、丘陵から山地にかけて自生。樹高は10mから15mほど、樹皮は暗灰色でやや光沢、小さな皮目が点在します。葉は互生し有柄、葉身5pから10pほどの倒卵状長楕円形から長楕円形、葉縁に細鋸歯、葉先は尖ります。葉表裏とも無毛、まれに中脈に毛が生えます。花期は4月から5月頃、前年枝下部に総状花序を互生し、径6o前後の白い小花をたくさん咲かせます。小花弁、萼片とも5枚、たくさんの雄蕊が長く目立つ。果実は径7o前後の球形の液果、6月には赤色から黒色に熟します。

イヌザクラの花はウワミズザクラの花とブラシ状の総状花序に咲くことで瓜二つです。違いはイヌザクラの花序枝には葉がなく、ウワミズザクラの花序枝には葉がつきます。


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ヤドリフカノキ(宿り鱶の木)らしき

ビーグル号の航海日誌 2013年05月26日 10:45

130411ヤドリフカノキ@エコカフェ奄美大島エコツアー_40_s.jpg奄美大島にあるエコカフェ絶滅危惧種保護センターの裏手にはヤギ牧場があります。在来種のシバヤギをはじめ何種類かのヤギが飼育されています。自然に生える草木が餌となっています。周囲に林縁で黄色い果実をたわわと実らす樹がありました。調べてみると観葉植物として移入したヤドリフカノキではないでしょうか。奄美の森に多く自生する亜熱帯性のフカノキに似ているのですが果実のつき方などが異なるようです。[2013年5月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

130411ヤドリフカノキ@エコカフェ奄美大島エコツアー_42_s.jpgヤドリフカノキ(宿り鱶の木、学名:Schefflera arboricola (Hayata) Kanehira)はセリ目ウコギ科フカノキ属の陰性に強い常緑低木。原産は台湾、中国南部であるが、日本に観賞用等で移入されものが海岸や道端などに野生化。樹高は2mから7mほど、若い茎は緑色、他の樹木に着生したり寄り掛かったりする。名前の由来はそこにある。葉は革質で光沢があり有柄、9枚の小葉がつく掌状複葉、小葉8pから10pほどの倒卵状長楕円形、全縁で葉先は鈍頭。花期は11月から翌1月頃、枝先や葉腋から総円錐花序をだし、淡緑色の小花を多数咲かせます。小花の花弁5枚から7枚。果実は径約5oの球形の稜のある液果状の石果、黄色、赤色から黒色に熟します。鳥散布します。

ヤドリフカノキは観賞用として扱われる場合、シェフラレカボックと呼称されるようです。シェフラレはフカノキ属の総称、カボックはパンヤ科ワタノキ属に呼称されるものがあるそうです。名前だけで判断しようとするとミスリードすることもあり、結構厄介なのですね。


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