タニヘゴ(谷桫欏)は強靭

ビーグル号の航海日誌 2013年09月05日 20:21

110611タニヘゴ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属筑波実験植物園のシダ植物コレクションからタニヘゴを紹介します。名前の由来は東京道灌山の湿地で発見されたことと葉柄が強靭なイワヘゴに似ていることにあるという。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@山崎]

タニヘゴ(谷桫欏、学名:Dryopteris tokyoensis (Matsum. ex Makino) C.Chr)はオシダ科オシダ属の夏緑性シダ植物。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、開けた谷や明るい湿地などに自生。草丈は100pから150pほど、根茎は太く直立し、葉は叢生。葉柄基部の鱗片は暗褐色から淡褐色でやや密、葉身は倒披針形の1回羽状複葉、羽片は下部で著しく短く(1/6程度)、最下裂片が耳状に張出します。胞子蓑群(ソーラス)は中肋寄りにつき、包膜は縁腎形、胞子蓑が大きく目立つのが特徴です。

近縁種のオオクジャクシダは下部羽片がタニヘゴほど小さくならず1/2程度でソーラスは縁寄りにつくという。また、イワヘゴは下部の羽片はほとんど小さくなることはないという。区別は容易そうです。


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ヤマイヌワラビ(山犬蕨)は小群落を

120927ヤマイヌワラビ葉@エコカフェ.JPG120927ヤマイヌワラビ@エコカフェ.JPG奥秩父山海最北部の主峰瑞牆山(標高2230m)は花崗岩でできた山です。アズマシャクナゲの群生があることでも有名ですが、晴れている日の山頂からの富士山の眺望は格別でしょう。山頂部は花崗岩が露岩していてわずかな土壌に草木が生えています。ヤマイヌワラビもその一つです。[2012年9月27日撮影:瑞牆山@山崎]

120927ヤマイヌワラビ葉裏@エコカフェ.JPGヤマイヌワラビ(山犬蕨、学名:Athyrium vidalii (Fr. et Sav.) Nakai)はイワデンダ科メシダ属のシダ植物。分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島、国外では台湾、朝鮮半島、中国に及び、丘陵から山地、人里の湿った林縁や林床などに自生。草丈は40pから80pほど、根茎は斜上し、葉は叢生しやや硬い革質、葉柄は葉身と同じ長さ、三角状卵形で2回羽状複葉、羽片は披針形から広披針形、先は尖ります。小羽片は三角状楕円形、円頭、辺縁に不規則な鋸歯がつきます。葉柄や中軸は赤褐色、葉柄基部に茶色から褐色の鱗片が密生します。胞子蓑群(ソーラス)は中肋寄りにつき、包膜は三日月形か鉤形、馬蹄形であって全縁です

近縁種にタニイヌワラビ、カラクサイヌワラビ、 ヒロハイヌワラビ、 イヌワラビ、 ホソバイヌワラビ、 ヘビノネゴザ、サトメシダ などが知られています。フィールドで見分けるのはかなり難しいです。


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貨幣石は巨大な単細胞生物

ビーグル号の航海日誌 2013年09月04日 23:04

100911貨幣石@エコカフェ(御幸之浜).JPG小笠原諸島母島の御幸之浜の高波に洗われるような砂岩質石灰岩の崖地には「貨幣石」という化石がたくさん堆積しています。少なからず「貨幣石」は新生代古第三紀(6500万年前から2500万年前頃)に繁栄を極めていた原生動物の仲間なのです。[2010年9月10日撮影:2010年9月11日撮影:第3回エコロジー・カフェの母島の自然を守る旅@山崎]

貨幣石(ヌンムリテス)は、アメーバと同じ単細胞の原生動物で古生代のフズリナや現代のバキュロジプシナ(星の砂)と同じ海で生活する有孔虫の仲間です100911貨幣石のある断崖@エコカフェ(御幸之浜).JPG100911砂岩質石灰岩@エコカフェ(御幸之浜).JPG形状はコイン型、石灰質の殻をもち、化石では分かりにくいですが内部はらせん状に規則正しく並んだ多数の不完全な壁で仕切られた小部屋があり、殻には仮足をだす穴がたくさん空いています。単細胞でありながら最大径約10pと巨大であるのが特徴です。日本では小笠原諸島母島と八重山諸島石垣島、熊本県天草地方などから産出するという。

秩父石灰岩などはさらに時代が古く、古生代の示準化石として知られているフズリナ(紡錘虫)がよく含まれています。貨幣石は新生代第三紀の漸新世後記には絶滅したと考えられています。


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タグ:小笠原 母島
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スジクロハギ(筋黒剥)はわが物顔で

ビーグル号の航海日誌 2013年09月03日 22:12

080621スジクロハギ@エコカフェ(南島).jpg小笠原の海、その蒼さはボニンブルーと言われる。父島や母島の周辺には石灰岩が溶け込んでいるためやや乳白な優しさが加わっています。父島二見港にもサンゴが広がり、熱帯性の綺麗な魚たちが泳いでします。ここでは小笠原諸島でよく見られるスジクロハギを紹介します。[2008年6月19日撮影:地球温暖化最前線!小笠原エコツアー@虻川伸也]

スジクロハギ(筋黒剥、学名:Acanthurus leucopareius (Jenkins, 1903))は スズキ目ニザダイ科クロハギ属の海水魚。080621スジクロハギ@エコカフェ(南島) (2).jpg分布は和歌山県以南、四国、南西諸島、八丈島、小笠原諸島、国外ではハワイ諸島、マーカス島、イースター島、マリアナ諸島に広く、岩礁域や珊瑚群落に生息。全長は20cmから50pほど、体色は灰褐色、眼の後ろに白と黒の縦縞が並び、尾鰭の付け根に淡白色斑が入ります。草食性で藻類を食します。

群れをなしていることが多く、人を余り恐れず、群れ全体が人を避けることなく悠然とわが物顔で通過していきます。小笠原諸島の生き物は鳥も魚も人を恐れることがない、不思議な体験をすることができるでしょう


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侵入者、キバンジロウ(黄蕃石榴)

080619キバンジロウ@エコカフェ(小笠原 )371.jpg080619キバンジロウ@エコカフェ(小笠原) 372.jpg小笠原諸島父島の森の厄介者、キバンジロウです。陰樹で種子生産量が多く稔性が高いため繁殖力が旺盛であり、よく大群落を形成し、小笠原固有種を圧迫しています。世界の侵略的外来種ワースト100リスト選定種のひとつ、特定外来生物法(平成16年法律第78号)で要注意外来生物種に指定されているすごいやつです。島ではバンジャクロと呼んでいます。[2008年6月19日撮影:地球温暖化最前線!小笠原エコツアー@虻川伸也]

キバンジロウ(黄蕃石榴、学名:Psidium littorale Raddi)はフトモモ科バンジロウ属の熱帯性の常緑小高木。ブラジル原産で小笠原父島・母島には明治時代後半に食料として移入、兄島、弟島などに進出、沖縄でも栽培。樹高は1mから5mほど、樹皮は赤っぽく平滑、葉は対生し厚く光沢があり、葉身5pから10pほどの長楕円形、全縁、葉先は尖ります。花期は4月から5月頃、枝先近くの葉脇から黄白色の花を咲かせます。花は径2、3pほど、多数の黄色い雄蕊が目立ちます。自家受粉します。果実は長径4、5pほど楕円球の液果、黄色く熟します。果肉は柔らかく甘くて食せます。鳥散布します。

単に「グァバ」とい呼ばれることもあるが、これはバンジロウ(グァバ)とは別種だが、果肉の色以外が同じであることに起因します。小笠原父島の森を散策しているとムニンヒメツバキの森の低木層を無数の細いキバンジロウの若木が攻めているのを見かけることがあります。

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パイプウニは夜行性

ビーグル号の航海日誌 2013年09月02日 23:36

080619パイプウニ@エコカフェ(小笠原) 280.jpg小笠原諸島父島二見港にはサンゴ由来の砂浜だけではなく枕状溶岩の岩礁域が広がっています。なぎさの岩礁域には潮間帯といって潮の満ち引きにより海没したり、陸上になったりするような場所があります。そんな潮間帯には多くの海の生き物たちが棲息しています。パイプウニもそんなひとつです。[2008年6月19日撮影:地球温暖化最前線!小笠原エコツアー@虻川伸也]

パイプウニ(学名:Heterocentrotus mammillatus (Linnaeus, 1758))はホンウニ目ナガウニ科パイプウニ属の棘皮動物。080619パイプウニ子供@エコカフェ小笠原 283.jpg分布は紀伊半島以南、インド洋から太平洋に広く、火山島などの岩礁域や珊瑚礁などの潮間帯に生息。殻径約8p、棘は太く長いパイプ状、先端部は尖らずに平たいため、刺さることはないが、身を守る効果は発揮している。体色は暗紫色、棘の先端に淡色の帯がいくつか入ります。夜行性のため、日中は珊瑚礁の隙間で動かず、夜になると岩礁表面の小型藻類を食します。

パイプウニの最大の特徴は、太く長いパイプ状の棘だが、ハンマーで叩いても壊れないほどに硬いため捕食者の鋭い歯から身を守っているようです。また、棘は突っ張り棒として身を固定し、荒波にすくわれぬよう身を守っているともいえます。ウニの仲間でもムラサキウニやバフウニが鋭い棘で身を守るのとは大違いですね。う固定するのに役立っています。

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サイゴクベニシダ(西国紅羊歯)

ビーグル号の航海日誌 2013年08月30日 08:10

110611サイゴクベニシダ@エコカフェ.JPG国立科学博物館・筑波実験植物園(つくば植物園)のシダ植物コレクションからサイゴクベニシダを紹介します。[平成2011年6月11日撮影:第46回草花教室@山崎]

サイゴクベニシダ(西国紅羊歯、学名:Dryopteris championii (Benth.) C. Chr. ex Ching)はオシダ科オシダ属の常緑性シダ植物。分布は本州(宮城県、新潟県、関東地方以西)、四国、九州に及び、低山や丘陵、里山の林床の乾いた場所などに自生。草丈は低く、根茎は塊状で小さく、葉は叢生し科和室で厚く光沢があります。葉柄は20pから30pほど、基部の鱗片は赤褐色など変異、2回羽状複葉、羽片は線状披針形、最下はね片の第1小羽片は小さい。小羽片は卵形から卵状長楕円形、葉先は丸く、基部は耳状になります。胞子蓑群(ソーラス)はやや片縁寄りにつき、包膜は全縁です。

近縁のベニシダとの違いは、新芽の鱗片がベニシダは赤褐色なのに対して白色であること、葉質が柔らかくないことだそうです。


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オオシロモンセセリ(大白紋挵)も森の忍者

101011オオシロモンセセリ@エコカフェ.JPG宮古島来間島の亜熱帯性照葉樹林が広がる来間ガー周辺は神秘的な場所。鬱蒼とした照葉樹林の森で多くの生き物たちがひしめきあっている。昆虫や蝶も例外ではありません。ここではオオシロモンセセリを紹介しましょう。[2010年10月11日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

オオシロモンセセリ(大白紋挵、学名:Udaspes folus (Cramer))はチョウ目セセリチョウ科の大形のセセリ。分布は南西諸島奄美大島以南、国外では熱帯・亜熱帯アジアに広く、海岸近くの林縁や草原などに生息。出現時期は3月から11月頃、開張は33oから40o、前翅長22oから26o、で先端は丸く、焦茶色の地に大きな白斑が入ります。触覚先端がやや太く、折れ曲がるのが特徴です。食性は成虫では雑食性で花の蜜や獣糞、幼虫では草食性でゲットウ、ハナミョウガ、アオノクマタケランなどのショウガ科の植物の葉です。朝と夕に活動、越冬は蛹でします。

名前の由来は、大きな白色の紋様のある「セセリチョウ」ということ、「セセリ」とは「ひっかいてほじくる」という意味があるそうです。本種と近縁のクロセセリは小型であることと触角の形状が異なることで区別が可能です。


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チャイロヒダリマキマイマイ(茶色左巻蝸牛)はでっかい

130706チャイロヒダリマキマイマイ@エコカフェ.JPG北アルプス小日向山(標高1907m)も7月に見た登山道周辺の残雪もすっかり消え夏真っ盛りです。登山道脇の林下の地上に黒っぽい大きな蝸牛がいたのを覚えています。漸くの事で調べてみるとチャイロヒダリマキマイマイのようです。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

チャイロヒダリマキマイマイ(茶色左巻蝸牛、学名:Euhadra quaesita montium (Martens,1879)はマイマイ目オナジマイマイ科の半樹上性の大型蝸牛。ヒダリマキマイマイの亜種。分布は関東地方と中部地方に限り、山地の森林内や草原などの明るい湿った場所などに生息。成貝は殻高33o、殻径50mm前後、殻色は濃茶褐色、周縁帯の上下に濃褐色の雲状帯、成長線は色が抜けて火焔彩が見られるという。生活は半樹上性で湿った場所を好み、食性は草食性で枯葉、キノコ、藻類などを食します。繁殖期は5月から9月頃、雌雄同体、他個体との交尾で精莢を交換した後に30個から40個を産卵します。卵殻は30日から40日で孵化するが、秋に産卵のものはそのまま越冬し、翌春に孵化するそうです。

基亜種ヒダリマキマイマイは本州中部・北陸地方以北と伊豆半島、周辺離島の低地に分布し、体色が黄白色から淡茶褐色です。色帯パターンのあるものとないものがいるという。また、能登半島(舳倉島・七ツ島)のみに分布する固有亜種で準絶滅危惧(NT)のヘグラマイマイが知られています。 


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ヤリノホゴケ(槍穂苔)は

ビーグル号の航海日誌 2013年08月29日 20:00

130202ヤリノホゴケ@エコカフェ.JPG奥鬼怒温泉郷の加仁湯温泉から日光沢温泉へ辿る途中の倒木上に着生する地衣類の仲間。今回調べてみるとどうもヤリノホゴケらしいです。葉状体にニョキニョキと尖がった子器が生えています。[2013年2月2日撮影:奥鬼怒視察@阿部]

ヤリノホゴケ(学名:Cladonia coniocraea (Flörke) Spreng.)はハナゴケ科ハナゴケ属の葉状地衣(痂状地衣)。分布は日本のほか世界中に及び、内陸の山地の日陰の場所で倒木上などに自生。子柄は長さ1pから3pほどの尖頭状でやや湾曲、枝はなく、粉芽をつけます。

ものの紹介によると稀であったりするようですが、世界中の広い範囲で分布しているようです。ただし、沿岸地では希少となるようです。


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古代植物、メタセコイアの歴史

ビーグル号の航海日誌 2013年08月28日 23:19

061112メタセコイア@エコカフェ・エコの寺子屋 フィールド 056.jpg061112メタセコイア@エコカフェ・エコの寺子屋 フィールド 057.jpg京都大学フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地内の山地にはメタセコイアが植栽されています。1950年に渡来した種子からの実生を植えたもので、年月を重ね立派な大木になっています。メタセコイアもラクウショウと並んで古代植物と考えられています。別名にアケボノスギ(曙杉)とかイチイスギとも呼ぶそうです。[2006年11月12日撮影:第1回エコの寺子屋@山崎]

メタセコイア(学名:Metasequoia glyptostroboides Hu et W.C.Cheng)はスギ科メタセコイア属の落葉針葉高木。IUCNレッドリストで絶滅危惧T類(CR)。1属1種。分布は中国四川省の一部に限り、肥沃で適湿地などを好んで自生。樹高は30mから40mほど、樹幹は垂直、樹皮は赤褐色で縦裂に剥離、葉は羽状に対生、葉身は1pから2pほどの線形、枝と葉の間に分離層がないため枝ごと落葉します。花期は2月から3月頃、雌雄異花、雄花は枝先に長い穂状花序を下垂し、雌花は枝に頂生。果実は球形の果鱗、褐色に熟し、乾燥すると翼のある種子が散布されます。

メタセコイアは中生代白亜紀から新生代第三紀にかけて北半球に広く分布し、日本でも各地から化石として発見されています。日本でも300万年前から100万年前頃(新生代第三紀)に繁栄。形態的にほとんど進化せず今日に至っているといわれています。


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古代植物、ラクウショウ(落羽松)は気根お化け

061112ラクウショウ気根@エコカフェ・エコの寺子屋 フィールド 064.jpg京都大学フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地に訪ねたことのある人ならば必ず目にしている植物です。北アメリカ原産のラクウショウと中国原産のメタセコイアです。どちらも存在感は抜群です。まず、ラクウショウを紹介します。別名にヌマスギ(沼杉)というくらいあって、気根がニョキニョキと沼地を占領している様子は奇妙です。[2006年11月12日撮影:第1回エコの寺子屋@山崎]

ラクウショウ(落羽松、学名:Taxodium distichum (L.) Rich.)はスギ科ヌマスギ属の落葉針葉高木。IUCNレッドリストで経度懸念(LC)。061112ラクウショウ紅葉@エコカフェ・エコの寺子屋 フィールド 063.jpg分布は北アメリカ大陸東南部からメキシコに及び、雨期になると沼沢地などになる湿潤地などに自生。樹高は30m超、樹皮は灰褐色で縦裂に剥離、湿潤地では狭円錐状の膝根と呼ばれる呼吸根(気根)を形成し、長期間の水没にも耐えます。ただし、適潤地や乾燥地では膝根を生じることはなく、メタセコイアに似た樹姿となるという。葉は緑色の短枝に葉が互生し、葉身1pから2pほどの線形、葉と枝の間に離層を生じないので、黄色く紅葉して枝ごと落葉するのが特徴です。花期は4月頃、雌雄異花、果実は径2、3pの球形の果鱗、緑白色から褐色に熟します。

材は精油を含む一方、大きな気室を持つ細胞構造であるため、高い耐水性を有し軽量なことから土木や枕木、船舶材などに利用されているそうです。


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スズフリホンゴウソウは森の待ち針

130629スズフリホンゴウソウ@エコカフェ(塚田).JPG父島中央山の登山道わきに点在するムニンシラガゴケのパッチ。朽木にできたパッチの中から待ち針状の植物。広域種のホンゴウソウではなく小笠原固有種のスズフリホンゴウソウです。何度も小笠原を訪ねているのになかなか見る機会に恵まれなかった植物のひとつです。[2013年6月29日撮影:小笠原父島@塚田]

スズフリホンゴウソウ(鈴振本郷草、学名;Sciaphila ramosa Fukuy. & T. Suzuki)はホンゴウソウ科ホンゴウソウ属の一年生の腐生植物。小笠原固有種、環境省レッドリストで絶滅危惧U類(VU)。分布は小笠原諸島父島と母島に限り、やや暗い湿った林内の朽木の上などに自生。地上部の出現時期は5月から6月頃と9月から10月頃に多く、茎は赤紫色で中部から上部で枝分かれし、花期の終わりころには多数枝分かれします。草丈7pほど、茎の径約5o、托葉の長さ20oから25o、幅は5oの針状。花期は6月と9月頃、茎の上部に白色の雄花、径1.5o、花被5、6裂、雄蕊3本、葯状付属突起はないという。下部に雌花、花被5、6裂、多数の雄蕊が球状に集生。果実は径2oほどの球状の集合果です。

ホンゴウソウの仲間は日本には他にホンゴウソウ、ウエマツソウ、タカクマソウ、イシガキソウが知られています。スズフリホンゴウソウは台湾固有種のササキソウと同種との考えもあり、研究成果を待ちたいです。


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高山植物の魅力(103)/アカミノイヌツゲ(赤実犬黄楊)

ビーグル号の航海日誌 2013年08月27日 21:22

130706アカミノイヌツゲ果実@エコカフェ.JPG130706アカミノイヌツゲ花@エコカフェ.JPG北アルプス小日向山(標高1907m)の登山道脇の湿った場所でわずかに見られたアカミノイヌツゲ。ちょうど小さな花と赤い実を同時につけていました。恐らく山中の湿原や湿地に点々と自生しているのでしょうが。[2013年7月6日撮影:第16回自然観察会@阿部]

130706アカミノイヌツゲ@エコカフェ.JPGアカミノイヌツゲ(赤実犬黄楊、学名:Ilex sugerokii Maxim. var. brevipedunculata (Maxim.) S.Y.Hu)はモチノキ科モチノキ属の常緑低木。クロソヨゴの変種で日本固有種。分布は北海道、本州中部地方以北に限り、高山帯や亜高山帯の蛇紋岩帯や湿地などに自生。岡山県無毛山に隔離分布。樹高は1mから3mほど、枝はよく分枝、葉は密に互生し光沢のある革質で有柄。葉身2pから3pほどの長楕円形から長卵形、葉縁に僅かに低鋸歯、葉先は短く尖ります。花期は6月から月頃、雌雄異株、葉脇に雄花は数個、雌花は1個、白色の花を咲かせます。花は径約5o、花弁4枚、雌花は雄蕊4本が小さく退化、雄花は雌蕊柱頭1本が退化。果実は径約6o前後の球形の核果、秋に赤く熟します。

名前の由来は赤い実をつけるイヌツゲということです。似ているものに、黒色の果実をつけるハイイヌツゲ、つる状にのびるツルツゲがあります。岡山の隔離分布は、ミヤマハンノキと同じように氷河時代の生き残りであることを意味しています。ものすごいことなのです。

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ヤクシマダケ(屋久島竹)の草原を

081106ヤクシマダケ@エコカフェ(屋久島エコツアー).jpg081106ヤクザサ草原@エコカフェ屋久島エコツアー2 051.jpg屋久島の標高の高い尾根筋や斜面地には一面にヤクシマダケが繁茂している場所があります。栗生岳に向かう登山道口周辺もそのひとつです。ヤクザサ(屋久笹)とも呼びます。竹と笹の違いと言えば、在来種の多くは笹で草本、地域的変異が多いのが特徴です。これに対して竹は木本で中国渡来のものがほとんどです。[2008年11月7日撮影:屋久島エコツアー@阿部]

131109ヤクシマダケ@エコカフェ.JPGヤクシマダケ(屋久島竹、学名:Pseudosasa owatarii Makino)はイネ科ヤダケ属の常緑多年生の小型の笹。屋久島固有種。分布は屋久島に限り、標高1700m以上の高山帯に密生、しばしば草原を形成。草丈は50pから100pほど、地下茎は横に伸び、棹(茎)は径3o前後と細く、節は膨らまずに間隔5pほどで節から伸びる枝は径約1oに過ぎない。茎を包む鞘は剥がれず残るのも特徴です。葉は両面とも無毛、葉身6pから12pほど、幅8oから12oほど長披針形で先は尖り、平行脈が幾筋も走ります。花期は4月から5月頃、50年に一度一斉に開花し枯れ、世代交代をします。山頂付近の風衝帯では多くの植物と同じように矮小化し、ヤクシマダケの場合は草丈数p足らずになります。

ヤクシマダケに限らず、クマザサなどの葉には葉緑素、多糖類のバンフォリン(banfoline)、各種ビタミンやミネラル、安息香酸、カルシウム、リグニンなどが含まれ、脱臭効果、抗菌作用があるほか、貧血予防、高血圧予防にも期待できるとされています。特に、バンフォリンは制癌成分として注目されているそうです。

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ヤクシマホウオウゴケ(屋久島鳳凰苔)は何故に

081106ヤクシマホウオウゴケ@エコカフェ(屋久島エコツアー).jpg屋久島の大株歩道沿いには仁王杉など屋久杉の巨木が多く見られます。もちろん、そんな山側の崖地には水が滴り、苔が繁茂しています。ここでは熱帯アジアに広く分布しながら、日本では屋久島の高山でしか見られないヤクシマホウオウゴケを紹介します。先に紹介したサクラジマホウオウゴケナガサキホウオウゴケの仲間でもあります。[2010年11月9日撮影:屋久島エコツアー@阿部]

ヤクシマホウオウゴケ(屋久島鳳凰苔、学名:Fissidens areolatus Griff.)はシッポゴケ目ホウオウゴケ科ホウオウゴケ属の蘚類。081111仁王杉@エコカフェ屋久島エコツアー2 124.jpg分布はフィリピン、マレー半島、インドネシア、パプアニューギニアなど熱帯アジア、オーストラリアに広く、日本では屋久島に限り高地のみに自生。葉は茎にニ列に並び、羽状のよう。茎の先端部では葉が極小さいか無いように見えます。なお、葉の基部に折り畳まれ重なる副翼という構造があるのがホウオウゴケ属に共通の特徴です

ヤクシマホウオウゴケのほかにもう1種、熱帯アジアに分布しながら日本では屋久島の高山に自生するヤクホウオウゴケが知られています。こちらは同じ高山でも常に水の流れ、滴りがある崖地に自生するそうです。何とも不思議ですね!


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セマルハコガメ(背丸箱亀)の真夏の夜の夢

ビーグル号の航海日誌 2013年08月26日 21:10

101010セマルハコガメ@エコカフェ.JPG8月24日ネット配信「台湾から中国本土に密輸される直前に希少なカメが保護」と危機一髪のセマルハコガメたちが救済といったところ。氷山の一角ではないことを祈りたい。エコカフェ宮古島分室では迷いセマルハコガメを保護飼育しています。セマルハコガメには八重山諸島固有亜種ヤエヤマセマルハコガメのほかに、日本では外来種で基亜種のチュウゴクセマルハコガメが知られ、沖縄本島、久米島、宮古島、黒島に亜種不明の個体が移入しています。[2010年10月11日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

本来、チョウゴクセマルハコガメ(中国背丸箱亀、学名:Cuora flavomarginata flavomarginata (Gray, 1863))は中国大陸南東部と台湾、ヤエヤマセマルハコガメ(八重山背丸箱亀、学名:Cuora flavomarginata evelynae(Ernst & Lovich,1990))は八重山諸島(石垣島、西表島)に分布します。広葉樹林床やその周辺の河川や沼沢地、湿原などの湿度の高い環境を好みます。背甲長は17pほど、体重は500gほど.甲はドーム状、背甲に3本の弱い甲条、腹甲中央部の蝶番で甲をほぼ完全に閉じることが可能です。行動は昼行性で行動範囲が広く、雑食性でミミズ、昆虫、陸産貝類、クモなどの小動物、動物の死骸、シイカシ、フトモモ、アダンなどの果実を食します。

繁殖期は3月下旬から6月上旬頃、一度の産卵に2個から6個、数回行う。孵化に2、3ヵ月ほど、アオウミガメなどと同じように発生時の温度が一定温度より高いとメスになります。このような温度依存性決定はカメとワニに一般的で、数回に時期を分けて産卵するのですべてがオスだったりメスだったり、結果としては性比は1:1になるようです。不思議ですね。


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タグ:宮古島
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クロゴケ(黒苔)の南限は

ビーグル号の航海日誌 2013年08月25日 11:53

081109クロゴケ@エコカフェ.JPG屋久島の花之江河は日本最南端の高層湿原として有名です。花之江河や湿地に流れ込む表層に幾筋も流れがあり、多様な蘚苔類や地衣類を観察することができます。ここではクロゴケを紹介します。激しい雨の後、岩上のクロゴケの巨大マットはすっかり濡れていました。[2008年11月10日撮影:屋久島エコツアー〜洋上のアルプスを訪ねて〜@山崎]

クロゴケ(黒苔、学名:Andreaea rupestris Hedw. var. fauriei (Besch.) Takaki)はクロゴケ科クロゴケ属の高山性の小型の蘚類。分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島、国外では北半球の寒冷帯に広く、高山帯の日当たりのよい乾いた岩場(花崗岩や安山岩などの賛成岩類)にマット状群落。草丈は5mmから10mmほど、茎は数本が束に直立、葉は濃黒褐色で密、葉身0.7mm前後の狭卵形で中央脈を欠きます。胞子体は茎が伸びその頂から短い剳ソをだし、胞子蓑は卵状楕円形で蓋も剋浮烽ネいのが特徴です。熟すと中央部が縦に4裂し胞子を放出するという。

この仲間は日本には北半球高緯度タイプの広域種のガッサンクロゴケ(月山黒苔、学名:Andreaea nivalis Hook.)が中部地方以北の高山帯の湿った岩上に知られています。


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オオミズゴケ(大水苔)の紅葉は

081109オオミズゴケの紅葉化@エコカフェ.JPG日本最南端にある高層湿原は屋久島にある花之江河です。エコカフェでも深まる晩秋に観察ツアーを組んだことがあります。花之江河や湿地に流れ込む表層に幾筋も流れがあり、多様な蘚苔類や地衣類を観察することができます。ここではオオミズゴケを紹介します。[2008年11月10日撮影:屋久島エコツアー〜洋上のアルプスを訪ねて〜@山崎]

オオミズゴケ(大水苔、学名:Sphagnum palustre L.)はミズゴケ目ミズゴケ科ミズゴケ属の大型の蘚類。環境省レッドリストで準絶滅危惧(NT)。分布は北海道、本州、四国、九州、南西諸島(魚釣島)、国外では台湾、中国南部をはじめ暖温帯から寒冷帯まで広く、湿原やその周辺、森林内の湿潤な林床などに自生。ハリミズゴケなどとよく同居。草丈は5cmから10cmほど、茎葉は舌形で先端は鱗状、枝葉は透明細胞(貯水細胞とも)と葉緑細胞で構成、葉は白緑色だが秋になると赤褐色に紅葉します。雌雄異株、凾ェつくられることはなぜか殆んどないそうです。

同属のイボミズゴケに形態は似ており、フィールド下ではほぼ同定は困難であるという。ただし、イボミズゴケは顕微鏡で観察すると透明細胞と葉緑細胞の間の膜上に細かなイボを形成していること、秋になっても淡緑色のままであること、から判別できよう。


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ハチジョウシダ(八丈羊歯)は現役組

ビーグル号の航海日誌 2013年08月24日 20:53

100910ハチジョウシダ@エコカフェ.JPG小笠原諸島母島の最高峰乳房山(標高462.6m)へ登山途中に林縁でみたシダ植物。広域種のハチジョウシダです。小笠原諸島にはハチジョウシダが独自に進化をした小笠原固有種のオガサワラハチジョウシダが自生していましたね。ハチジョウシダは長い時間の中で何度となく島にたどり着いているのです。新しきものと古きものから何か学びとることができますか。[2010年9月10日撮影:第3回エコロジー・カフェの母島の自然を守る旅@山崎]

ハチジョウシダ(八丈羊歯、学名:Pteris fauriei Hieron.)はイノモトソウ科イノモトソウ属の常緑性シダ植物。分布は本州(伊豆諸島、紀伊半島以南)、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、中国、インドシナなどに及び、海岸近くの山地の林下や林縁などに自生。草丈は1mほど、根茎は太く短く斜上し赤褐色の鱗片を伴います。葉は束生で光沢があり革質、葉身は葉柄より短く40cmほどの卵状三角形の奇数2回羽状複葉、羽片は3対から12対ほどです。羽片につく小羽片は細長い線形で全縁、先は鈍頭です。胞子蓑(ソーラス)は葉裏の縁につき、最下羽片の下向きの第一小羽片が極端に大きくなるのが特徴という。

エコカフェではこの9月に小笠原諸島父島と南島を訪ねることにしています。誕生してから一度も大陸と陸続きになったことのない大洋島である小笠原諸島の島々の植生や生態系と私たちの影響から学ぶことは多いようです。


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