ホクリクイノデ(北陸猪手)は種間雑種

ビーグル号の航海日誌 2013年11月02日 16:42

ホクリクイノデ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属実験植物園のシダ植物コレクションから種間雑種のホクリクイノデを紹介します。イノデの仲間の交雑雑種が起こりやすいようです。[2009年7月11日撮影:第46回草花教室@阿部]

ホクリクイノデ(北陸猪手、学名:Polystichum x hokurikuense Kurata)はオシダ科オシダ属の常緑性シダ植物、サカゲイノデとアイアスカイノデの交雑雑種。分布は本州関東地方以北の日本海側に限り、低山帯下部の両親の混生する林内などに稀に自生。草丈は60pから100pほど、2回羽状複葉、葉柄の鱗片は暗褐色でアイアスカイノデのように縁に小突起を生じ、基部のものは先端が黒色化。葉軸上部の鱗片は小さくアスカイノデのように毛状(糸状とも)になります。

イノデの仲間は山間に分け入ると林下や林縁のあらゆる場所で見かけることになるでしょうが、素人には同定が極めて難しいのが難ですね。植物園のような場所で保護展示されていることは嬉しいですよね。


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タニヘゴモドキ(谷桫擬き)は

ビーグル号の航海日誌 2013年11月01日 23:55

タニヘゴモドキエコカフェ.JPG国立科学博物館附属筑波実験植物園のシダ植物コレクションからタニヘゴモドキを紹介します。このシダ植物もご多分に漏れず雑種です。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@阿部]

タニヘゴモドキ(谷桫擬き、学名:Dryopteris × kominatoensis Tagawa)はオシダ科オシダ属の夏緑性シダ植物、ミヤマベニシダとタニヘゴの雑種。分布は本州の中部地方以北に限り、山地の林下の両親の混生する場所に稀に自生。草丈は不詳、根茎は横向き、葉は2回羽状複葉、葉身は倒披針形状長楕円形です。下部の羽片はタニヘゴほどには短くないが、ミヤマベニシダに比べるとしだいに短くなるという。葉柄の鱗片は淡褐色、全縁。ソーラス(胞子嚢群)は比較的大きく、タニヘゴと同じように上部羽片の中肋の両側に1列から3列に並ぶそうです。

なんともシダ植物の地球上に出現してからの長い歴史を考えると柔軟性と多様性に富んでいるのは当たり前のことなのでしょう。


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テンリュウカナワラビ(天竜鉄蕨)はハーフ

ビーグル号の航海日誌 2013年10月31日 01:26

テンリュウカナワラビ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属筑波実験植物園のシダ植物コレクションからテンリュウカナワラビの紹介です。先に説明したようにシダ植物は自然界においてしばしば雑種の出現が報告されています。テンリュウカナワラブもそんなひとつでオオカナワラビ×コバノカナワラビの雑種とされています。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@阿部]

テンリュウカナワラビ(天竜鉄蕨、学名:Arachniodes × kurosawae Shimura et Kurata)はオシダ科カナワラビ属の常緑性シダ植物。分布は本州中部地方以西、四国、九州に及び、低山の陰湿な林床や沢沿いに自生。外見上はオオカナワラビに似ているという。草丈は50p以上、根茎は短く這い、葉柄は藁色で基部に褐色で披針形の鱗片がつく。葉は紙質で光沢のある濃緑色、2回羽状複葉、最下位後側の小羽片は著しく伸び、次の後側と前側の小羽片も長く、先端の羽片は急に短くなり頂羽片を形成。胞子嚢群(ソーラス)は小羽片の辺縁寄りにつき、胞子は不定形だそうです。

野外で出逢っても同定することはほとんど困難と思われます。カナワラビの仲間にはオオカナワラビ、ホソバカナワラビ、ハダカシダ、オニカナワラビ、コバノカナワラビ、ミドリカナワラビが知られています。見分けは頂羽片の有無、小羽片の切れ込み、胞子嚢群のつき方、根茎の長さ、がポイントだそうですよ。


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ジンムジカナワラビ(神武寺鉄蕨)は交雑雑種

ビーグル号の航海日誌 2013年10月30日 22:11

ジンムジカナワラビ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属筑波実験植物園のシダ植物コレクションから続いてジンムジカナワラビを紹介します。このシダ植物も雑種でホソバカナワラビ×リョウメンシダの雑種だそうです。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@阿部]

ジンムジカナワラビ(学名:Arachniodes aristata x standishiii)はオシダ科カナワラビ属のホソバカナワラビとリョウメンシダの交雑雑種。分布は本州神奈川県逗子市に限り、両親の混生する場所でごく稀に自生するに過ぎないという。葉は堅く光沢のある濃緑色です。それ以上のことはなんともです。

ちなみにリョウメンシダはカナワラビの仲間の一部とは交雑雑種を生じることが知られているそうです。例えば、カワズカナワラビはリョウメンシダとコバノカナワラビとの雑種ということです。


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高山植物の魅力(105)/タテヤマリンドウ(立山竜胆)

ビーグル号の航海日誌 2013年10月29日 22:42

130706タテヤマリンドウ@エコカフェ.JPG北アルプス白馬三山の前衝山にあたる小日向山(標高1907m)は高山植物の宝庫でもあります。ここでは登山道脇の草地で隠れるように花を咲かせていたタテヤマリンドウを紹介します。実際に林道脇で見られたのは残念ながら1か所のみでした。[2013年7月12日撮影:第16回自然観察会@阿部]

タテヤマリンドウ(立山竜胆、学名:Gentiana thunbergii (G. Don) Griseb. var. minor Maxim.)はリンドウ目リンドウ科リンドウ属の越年草。ハルリンドウの高山型変種。130706タテヤマリンドウ花@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州中部地方以北日本海側に及び、亜高山から高山の湿原やその周辺などに自生。草丈は10pほど、茎は束生、根生葉はロゼット状で葉身1pから3pほどの卵形から広卵形、茎葉は対生し葉身7oほどの披針形で茎に寄り添います。花期は6月から8月頃、茎の頂端に上向きに1個の淡青紫色の花を咲かせます。花は漏斗状で花冠は長さ約1、2p、先は5裂。晴れた日のみ開花します。

花の色が白色のものをシロバナタテヤマリンドウ(学名:Gentiana thunbergii var. minor f. ochroleuca )というそうです。また、近縁種にはハルリンドウ、フデリンドウ、コケリンドウ、ミヤマリンドウが知られます。


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ツルリンドウ(蔓竜胆)は秋の到来を告げる

071012ツルリンドウ@エコカフェ(白神山地).jpg白神山地十二湖の落葉広葉樹林の森で見つけた小さな赤い実。なんだろうと思ったがそのまま忘却の彼方に。最近になって別の機会にツルリンドウについて学んだ際に、突然に記憶がフラッシュバックしました。あの時のあの赤い実は何ということでツルリンドウです。[2007年10月12日撮影:白神山地エコツアー@阿部]

ツルリンドウ(蔓竜胆、学名:Tripterospermum japonicum (Sieb. et Zucc.) Maxim.)はリンドウ目リンドウ科ツルリンドウ属のつる性多年草。日本固有種。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、山地の木陰などに自生。草丈は40pから80pほど、茎は紫色を帯びつる性で細く、地面を這ったり草木に絡みついたりしながら伸びます。葉は対生で有柄、葉身3pから5pほどの卵状披針形、葉は3脈が目立ち、葉裏は紫色を帯びます。つるは冬に枯れ、地表面にロゼット状の根出葉をつくります。花期は8月から10月頃、葉脇に1個から数個の淡紫色の径約1pの花を咲かせます。萼片は針状線形、花冠は狭漏斗状で先が5裂、やや開きます。果実は長径約1、2pの液果、残存した花冠の上に突き出し、紅紫色に熟します。液果頂には花柱が残ります。

日本には近縁種に屋久島固有種で準絶滅危惧(NT)に指定されているハナヤマツルリンドウ、同じく屋久島固有種のヤクシマツルリンドウ、広域種であるが絶滅危惧U類(VU)に指定されているホソバツルリンドウが知られています。


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トチバニンジン(栃葉人参)は生薬に

ビーグル号の航海日誌 2013年10月28日 23:10

071012トチバニンジン@エコカフェ(白神山地).jpg白神山地の落葉広葉樹林下で線香花火のように果実をつけた山野草を見つけました。名前が分からず放っておいたのですが、ひょんなことで知ることになりました。トチバニンジンのようです。生薬として別名にチクセツニンジン(竹節人参)と呼ばれ、根茎を利用して去痰、解熱、健胃藥にするそうです。[2007年10月12日撮影:白神山地エコツアー@阿部]

トチバニンジン(栃葉人参、学名:Panax japonicus (T.Nees) C.A.Mey.)はセリ目ウコギ科トチバニンジン属の多年草。日本固有種。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、山地の落葉広葉樹林などの明るい林下に自生。草丈は50pから80pほど、根茎は白色で太く横に這い、地上茎は直立、葉は茎頂端に輪生、3枚から5枚の掌状複葉で無毛、小葉は倒卵形で葉先は尖ります。花期は6月から8月頃、茎頂の葉脇から花茎をのばし先端に球状の散形花序をつけ、淡緑色の径約3oの小花を多数咲かせます。花弁と萼片は5枚、雄蕊5本。果実は径約6oの球形の核果、夏に赤色に熟します。  

名前の由来は薬用ニンジンの仲間であって葉がトチノキの葉に似ていることにあります。両者は生育環境が似ていることからトチノキの幼樹とトチバニンジンは見間違えることがあるといいます。


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イボセイヨウショウロ(トリュフ)に遭遇か

ビーグル号の航海日誌 2013年10月27日 21:38

071117トリュフ@エコカフェ自然体験健康プログラム 028.jpgエコカフェはしばしばフィールドとする八ヶ岳南麓に広がる清里。四季折々の自然の営みをオールシーズン楽しむことができます。常宿はオーチャードハウスです。宿主人は森の案内人の出口さんです。何故だか世界三大珍味のひとつトリュフを見つけたことが有ります。イボセイヨウショウロかクロアミメセイヨウショウロのどちらか明確ではありませんが、後者は殆んど報告事例がなく前者のような気がします。[2017年11月17日撮影:自然体験健康プログラム@阿部]

イボセイヨウショウロ(疣西洋松露、学名:Tuber indicum Cooke et Massee)は盤菌網塊菌目(チャワンダケ目)セイヨウショウロ科セイヨウショウロ属の子蓑菌。071117トリュフとナマハム@エコカフェ自然体験健康プログラム 018.jpgトリュフの一種。分布は日本、中国、インド北部に及び、ブナ科の広葉樹林下で公園など身近な場所に自生。出現時期は秋から冬、子実体は初め地中で成長しやがて地表に一部を現し、大きさは径2pから4pほどの歪な球形、表面は黒色でピラミッド状疣状突起に覆われます。内部には無数の子蓑が形成され、子蓑胞子をつくります。子蓑胞子は子蓑壁が溶解し崩れることで分散するという。子実体断面は黒褐色の地に淡黄白色の大理石模様が入ります。熟すと香り、海苔の佃煮のようだといいます。

クロアミメセイヨウショウロ(黒網目西洋松露、学名:Tuber aestivum Vitt.)は外見こそイボセイヨウショウロとそっくりであるが、子実体内部の子蓑胞子の形状が異なるそうです。黒トリュフ、白トリュフはフランス料理、イタリア料理にはかかせません。何れも貴重です。


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タグ:清里 広域種
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湿生植物、ヒメシダ(姫羊歯)は美しい

ビーグル号の航海日誌 2013年10月25日 23:03

120504ヒメカナワラビ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属筑波実験植物園のシダコレクションからヒメシダを紹介します。シダ植物は車軸藻類を起源とし、苔類、蘚類、ツノゴケ類の順に陸上生活で進化、小葉シダ類と大葉シダ類が続きます。小葉シダ類からはヒカゲノカズラ植物部門、大葉シダ類からシダ植物部門が今日まで生き残り、大葉シダ類を起源とした種子植物が出現したと考えられています。エコカフェ草花教室を指導してくださっている小山博滋先生にいろいろと教えていただいております。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@阿部]

ヒメシダ(姫羊歯、学名:Thelypteris palustris (Salisb.) Schott)はヒメシダ科ヒメシダ属の夏緑性シダ。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、水田や湿地、溜池畔やその周辺に自生。草丈は40pから85pほど、根茎は地下を横走し群生。葉は栄養葉と胞子葉に二葉。栄養葉は25pほどの直立した葉柄をもち、1回羽状複葉で広披針形、葉身15pから60pほど、湿地で小さい。羽片は披針形で羽状深裂、裂片はほぼ全縁、側脈は二叉し縁に達します。胞子葉は9月から10月頃に伸び、ソーラス(胞子蓑群)を裂片の裏、中肋と辺縁の中間につけ、裂片は内側に巻き込みます。包膜は円腎形で縁に毛が生えます。

近縁種にヤワラシダ、ハシゴシダ、コハシゴシダが知られます。シダ植物の特徴は@維管束を形成、A種子を生産しない、B配偶体と胞子体の2つを世代交代、C胞子体は生活史中心で散布手段を兼ねる、D配偶体(前葉体)は胞子体から独立して生活、ということだそうです。


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湖面を叩く雨滴のざわめきに

ビーグル号の航海日誌 2013年10月24日 22:14

131025宍道湖@エコカフェ (2).JPG宍道湖は台風に刺激された前線による厚い雨雲から落ちてくる雨滴が湖面をひっきりなしに叩いていました。ここ数日の雨続きで水位はかなり上昇しているといいます。

ぼーっと見ていると不思議な感じになってきます。瞬間瞬間の映像が微妙に変化しながら連続し、繰り返される様子が単純な色彩のなかに閉じ込められていくように思える。

今年は10月に入っても台風の発生がやまない。例年にないというが来年もこの傾向は続くのではないかと思われてしまう。海水温度が高いためというが、私たちができることはないのでしょうか。

131025宍道湖@エコカフェ.JPG一粒一粒の雨滴は大したことがないのに、たくさんが短時間のうちに集まると雨滴は姿をすっかり変えてしまう。とうとうと流れる濁流は岩をも砕き、低き、弱気を目指す。水の掟は単純である。

さてさて、エコカフェのフィールドともなっている小笠原諸島、猛烈な台風28号レキマーが南南東の海上から接近しつつある。小笠原海洋センターで保護飼育しているアオウミガメたちは大丈夫だろうか。

強い台風27号フランシスコの影響下にある奄美大島。エコカフェの絶滅危惧種保護センターで保護飼育しているマダガスカルホシガメたちのことも心配でならない。勝島さんにお任せするよりほかないが。


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ヤマウルシ(山漆)は身近に

ビーグル号の航海日誌 2013年10月23日 20:00

ヤマウルシ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属筑波実験植物園内には豊かな植生が保存されています。かつては周囲を丘陵地に囲まれは谷戸が形成される豊かな里であったようです。草花教室で出掛けた初夏、ヤマウルシがたわわと果実をつけていました。秋の紅葉はひときわ美しいそうです。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@阿部]

ヤマウルシ(山漆、学名: Toxicodendron trichocarpum (Miq.) Kuntze)はムクロジ目ウルシ科ウルシ属の落葉低木。分布は北海道、本州、四国、九州、南千島、朝鮮、中国に及び、山地から低地丘陵かけて普通に自生。樹高は2mから3m(時に8m)ほど、樹皮は灰色で若木は褐色の縦長の皮目が目立ち、あまり分枝しない。葉は25pから40pほどの奇数羽状複葉で輪生状に互生、小葉は5対から8対ほどで卵形か楕円形、全縁(若木では粗鋸歯)、葉先は尖ります。葉裏表ともに毛が密生、葉柄や葉軸は毛が生え赤味を帯びます。花期は5月から6月頃、雌雄異株、枝先の葉脇から円錐花序をだし黄緑色の花を咲かせます。果実は扁球形の核果で短剛毛が生え、熟すと淡褐色になります。この実をツグミやアオゲラ、ヤマドリ、キジは好んで食べるというから驚きです。

名前の由来は山に生える漆の取れる木にあります。樹液は白く、やがて黒紫色に変色、毒成分は多くないが触れたりすると被れます。よく似たヤマハゼは葉が長楕円形で側脈の多く、より温暖な地を好むようです。 


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タカノツメ(鷹の爪)は黄葉が美しい

ビーグル号の航海日誌 2013年10月22日 21:26

061112タカノツメ@エコカフェ(エコの寺子屋).jpgエコカフェが初めて京都大学フィールド科学教育研究センターと共催で市民環境教育講座「エコの寺子屋」を実施したのが日本最古の小学校のひとつ、立誠小学校でした。フィールド学習は上賀茂試験地、見事に黄葉したタカノツメを目にしたのを覚えています。残念ながら写真には記録されていません。別名に枝が脆いことからイモノキともいいますよ。[2006年11月12日撮影:第1回エコの寺子屋@阿部]

タカノツメ(鷹の爪、学名:Gamblea innovans (Siebold & Zucc.) C.B.Shang_ Lowry & Frodin)はセリ目ウコギ科タカノツメ属の落葉小高木。日本固有種。分布は北海道南部、本州、四国、九州に及び、丘陵地から山地にかけての林内に自生。樹高は5mから5mほど、樹皮は灰白色で丸い皮目が多く平滑、葉は互生(多くは短枝の先端に集生)、3出複葉(時に単葉、2小葉が混生)で葉柄4pから15pと長い。小葉の葉身は5pから15pほどの卵状楕円形、葉縁に芒状の微細鋸歯、葉先は細く尖ります。花期は5月から6月頃、雌雄異株、短枝先に散形花序をだし、淡緑色の小花をたくさん咲かせます。小花は径約5o、柄が1pと長く、花弁4枚、雄花は雄蕊4本、雌花は雌蕊花柱は先が2裂。果実は径約8oの球形の液果、秋に黒く熟します。

名前の由来は冬芽が鷹の爪に似ていることにあります。若芽は美味で山菜として重用、材は薪炭、箸、楊枝、マッチ棒など多用されます。特に年輪が不明瞭であるため、コシアブラ同様に経木として利用されているそうです。


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時代に流される「かずら橋」の憂鬱

ビーグル号の航海日誌 2013年10月21日 22:53

131020かずら橋@エコカフェ.jpgここは徳島県三好市西祖谷山村善徳の奥の奥、菅生地区は秘境の地。吉野川の上流、祖谷川が刻む渓谷に「かずら橋」が架かっている。かずら橋はこの地域に自生するサルナシ(しらくちかずら)を編み重ねて造るそうだ。古くから人びとの渓谷を挟んでの命を繋ぐ生活路の一端を担ってきたという。コンクリートの近代的な道路が整備される中、西祖谷山村と東祖谷の二か所を残すのみだそうです。[2013年10月20日撮影:徳島県@竹則辰秋]

131020かずら橋@エコカフェ(竹則).jpg今から800年前頃、平家の落人が追手を逃れるため、切り落とせるように山野に自生するサルナシで編んだのが始まりという。「雄橋雌橋(おばしめばし)」とか「夫婦橋」などとも呼ばれているそうです。渓谷深くから吹き上がる風はとてもひんやりしていて、夏場には涼しく心地よいといいます。

かつては渓谷にたくさんの「かずら橋」が架かていたという。時代は変わり、人工的なコンクート製の橋や道路に取って代わっれしまっている。この時季に訪れるのも観光客も少なく、自然の佇まいぬ埋もれる古の分化に触れるのもなかなか情緒深く面白いと思います。


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ヤドリギ(宿木)は冬目立つ

ビーグル号の航海日誌 2013年10月19日 20:00

ヤドリギ全景@エコカフェ.JPG松山城跡の壕に沿った土塁には照葉樹や落葉樹が保存されている。そんな落葉樹の中にはたくさんのヤドリギを寄生させているエノキの大木が多く見られる。寄生と言っても自ら光合成を行うこともできるので半寄生、宿主を枯死させることまではないそうです。[2010年10月19日撮影:松山城@青山]

ヤドリギ(宿木、学名:Viscum album subsp. coloratum Komar)はビャクダン目ヤドリギ科ヤドリギ属の半寄生性の常緑小低木。セイヨウヤドリギの亜種。ヤドリギ@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国などに及び、エノキ、ブナミズナラクリなどの落葉高木に寄生。樹高は30pから100cmほどで球状、根を幹の中に侵入させ水分と栄養分を吸収、枝は叉状に分枝を繰り返す。葉はふくれた節に対生し黄緑色を帯び肉厚で革質、葉身3pから5cmほどの楕円状倒披針形、全縁で先は鈍頭。花期は2月から3月頃、雌雄異株、茎の頂端の対生する葉間に無花梗、雄花は3個から5個、雌花は1個から3個ほどが咲きます。果実は径約8mmの球形の液果、10月から12月頃に淡黄色く熟します。種子は粘液質の果肉に包まれます。もちろん、鳥散布で増えてゆきます。

ヤドリギの仲間は多様性が高く、収斂進化の一例として取り上げられるように、オオバヤドリギ科のいくつかの植物は遺伝的関連性が低いにもかかわらず外見はよく似ているそうですよ。鳥の羽や昆虫の翅は似ているが、発生の仕組みは全く異なっているのは目的を同じくすることによる収斂進化の結果なのです。


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台風26号の痕跡が

ビーグル号の航海日誌 2013年10月16日 12:29

131016_0849~01.jpg131016_0855~01.jpgアカメガシワの大枝がやられていました。
よほど風が強かったのでしょう。
小枝や木の葉がたくさん路上に散っています!

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桧枝岐の高層湿原に伸びる木道を

ビーグル号の航海日誌 2013年10月15日 06:44

130908道のり@エコカフェ.JPGもうすっかり高い山では秋が訪れて木々の葉も赤く染まり始めている
つい9月は残暑の名残を残し秋から冬への準備を初めていたが
湿原に伸びる木道はそんな自然の変化を
あれやこれや考えながら進むにちょうどよい

のんびりと確実な自然の変化をしっかり感じながら
一歩一歩歩くのは面白い
あれやこれやと想像をめぐらし
日常の生活をちょっとだけ改めようかと130908キアゲハ芋虫@エコカフェ.JPG130908ナナカマドの色づきを@エコカフェ.JPG
部屋に草花でも飾ろうかと
湿原を渡る風と対話したり
小さな虫を見つけてはおまえは何をしているんだと
七竈の色づきは鳥たちのご馳走かと
あちこちに種を撒いてもらうためなのに
生き物たちの知恵比べが面白い

やがて湿原の蒼々は黄金色となり大地に別れを告げよう
たまにのんびり湿原に伸びる木道を歩くのもよい


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コウヤコケシノブ(高野苔忍)は忍耐強い

ビーグル号の航海日誌 2013年10月14日 13:30

130720コウヤコケシノブ@エコカフェ.JPGこの季節、身近な低山は魅力満点です。何しろ日帰りができ澄んだ空気と森林浴、都会の喧騒から隔絶した非日常が待っています。棒ノ折山(標高969m)の白谷コースは渓流沿いの岩場を辿るのでカエデ類も豊富で紅葉も素晴らしいでしょう。足元の岩場などにもシダ植物や蘚苔類が展開しています。コウヤコケシノブもそんなひとつです。[2013年7月20日撮影:棒ノ折山視察@阿部]

コウヤコケシノブ(高野苔忍、学名:Hymenophyllum barbatum (v.d.B.) Baker)はコケシノブ科コケシノブ属の小型の常緑性シダ植物。130720コウヤコケシノブ@エコカフェ (2).JPG分布は本州、四国、九州、南西諸島、国外では東アジアに広く、丘陵地から山地の谷間のうす暗い湿度の高い岩上や樹上に着生。草丈は5cmから10cmほど、根茎は暗褐色の硬い糸状、ひげ根をだしよく葡匐します。葉は根茎に疎らにつき有柄、葉身3pから10cmほどの長楕円形か披針形で2、3回羽状複葉、薄い膜質で暗緑色、中肋に狭翼があり先端は時に伸びます。羽片は卵形、小羽片は倒卵形、縁に不規則な鋸歯、先は鈍頭。乾燥時には葉が縮れて耐えるようです。胞子蓑群(ソーラス)は葉身上部の裂片先端に生じ、苞膜はニ弁状、中央で深く裂けます。

名前の由来は高野山で発見されこと、苔に似たシダ(=シノブ)ということにあります。この仲間は国内にはコケシノブ、ホソバコケシノブ、キヨスミコケシノブ、ヒエコケシノブ、アオホラゴケ、ハイホラゴケなどが知られています。何れも裂片の織りなす様子が何とも美しいです。


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ヤマトアザミテントウ(大和薊天道虫)は山地に

ビーグル号の航海日誌 2013年10月13日 18:42

130720ヤマトアザミテントウ@エコカフェ.JPG秩父山塊の南東端に位置する棒ノ折山(標高969m)へ向かう白谷コースの林縁のヤブマオの葉についていたテントウムシ。オオニジュウヤホシテントウかなと思っていたのだが、今回調べてみると星の付き方からヤマトアザミテントウのようです。[2013年7月20日撮影:棒ノ折山視察@阿部]

ヤマトアザミテントウ(大和薊天道虫、学名:Epilachna miponica Lewis)はカブトムシ亜目テントウムシ科マダラテントウムシ亜科マダラテントウ族の草食系の天道虫。130720ヤマトアザミテントウ拡大@エコカフェ .JPG日本固有種。分布は北海道南部、本州に及び、山地の食草のある林縁や草原などに生息。成虫の体長は5.5mmから8.5mmほど、赤橙色地に黒班がシンメトリーに入り、上翅会合部前半の黒紋2個は左右が融合してより大きな一紋となります。出現時期は4月から9月頃、幼虫、成虫とも草食性でアザミ類を食します。越冬は成虫で冬眠するという。

似ているオオニジュウヤホシテントウ(大二十八星天道虫)は黒紋がやや小さく、融合することもないようです。ヤマトアザミテントウのなかにもジャガイモなどのナス科植物を食べるものがいるなど交雑の可能性があるようです。


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ハリガネワラビ(針金蕨)のソーラスは

120708ハリガネワラビ@エコカフェ.JPG120708ハリガネワラビ@エコカフェ (2).JPG奥鬼怒温泉郷日光沢温泉の近くの登山道脇の林下でみた多様なシダ植物群。イタチシダの仲間かなと思っていたのだが、調べてみるとヤワラシダかハリガネワラビのようです。羽片の間隔が狭いことからハリガネワラビでしょう。[2012年7月8日撮影:奥鬼怒視察@阿部]

120708ハリガネワラビ胞子蓑群@エコカフェ.JPGハリガネワラビ(針金蕨、学名:Thelypteris japonica (Bak.) Ching)はヒメシダ科ヒメシダ属の大型の夏緑性シダ植物。分布は本州、四国、九州、国外では朝鮮半島南部、中国に及び、丘陵から山地の林縁や林下などに自生。草丈は90cmから110cmほど、根茎は短く葡匐し鱗片、葉は三角状長楕円形の2回羽状複葉(深裂)で叢生、葉柄30pから50cmほど、羽片は接近してつき、最下部の羽片は下向きにハの字につきます。軸には茶褐色の毛が、裂片は長さ8mmほどの長楕円形の鈍頭で両面に白い短毛が生え、葉脈は縁まで達することはないという。胞子蓑群(ソーラス)は腎円形で全縁、裂片のやや片縁寄りにつきます。

ハリガネワラビは地上生であるが、やや小型で岩上生のイワハリガネワラビ、葉柄が長く葉軸とともに淡緑色で湿地生のアオハリガネワラビ(シロジクハリガネワラビとも)が生育環境を違えて棲み分けているようです。 


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イワガネゼンマイ(岩ヶ根薇)は美しい

120708イワガネゼンマイ@エコカフェ.JPG奥鬼怒温泉郷日光沢温泉から鬼怒沼へ向かう登山道脇の陰湿な林縁でみたシダ植物。最初はオオバイノモトソウかなと思ったが、小葉の付き方が対生ではないので違うことまで確認して後回しにしていた。調べたところイワガネソウかと悩んだが、葉裏の写真が決め手となりイワガネゼンマイと整理です。[2012年7月8日撮影:奥鬼怒視察@阿部]

イワガネゼンマイ(岩ヶ根薇、学名:Coniogramme intermedia Hieron.)はホウライシダ科イワガネゼンマイ属のやや大型の常緑性シダ植物。120708イワガネゼンマイ葉裏@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島、小笠原諸島硫黄島、南千島、樺太、東アジア、東南アジア、ヒマラヤに広く、低地や山地の林下などに自生。草丈は60cmから110cmほど、根茎は葡匐し鱗片、葉はやや厚い革質で1回・2回羽状複葉、葉柄は20cmから50cmほどで無毛、葉身40cmから60cmほどの卵状長楕円形、羽片や小羽片は狭長楕円形で片縁には鋭鋸歯、先は尾状に尖ります。葉裏の側脈は1、2回分枝し並行に辺縁まで伸びます。胞子蓑群(ソーラス)は葉脈に沿ってつくるそうです。

外形が極めて似ているイワガネソウの葉裏は側脈が中肋近くで網状、途中で交差し、辺縁まで伸びないという。また、葉裏に毛のあるものをウラゲイワガネ、両面に毛があるものをチチブイワガネとし、無毛のイワガネゼンマイと区別するそうです。葉裏が決め手だったのです。葉裏の写真を撮ったことはラッキーだったのですね。


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