ユズリハ(譲り葉)は一斉に

ビーグル号の航海日誌 2013年12月04日 22:32

120624ユズリハ@エコカフェ.JPG一口に常緑樹といっても一生を同一の葉がついているわけではなく、適当な時期に適当なタイミングで少しずつ新旧が入れ替わるものが多いが、中には若葉が生えそろうと一斉に古い葉が落ちるものもあります。ユズリハは典型的に後者に属します。子孫繁栄を暗示し縁起の良い木とされます。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

ユズリハ(楪、譲葉、学名Daphniphyllum macropodum Miq.)はユキノシタ目ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。120624ユズリハ樹皮@エコカフェ.JPG分布は本州福島県以南、四国、九州、南西諸島、国外では朝鮮半島南部、中国に及び、暖温帯から亜熱帯の山地に自生。樹高は15mほど、葉は濃緑色で光沢があり、枝先に螺旋状にまとまります。葉柄は赤く、葉身10pから20pほどの長楕円形で葉縁が波打ち、葉先は尖ります。葉裏は白緑色です。花期は4月から5月頃、雌雄異株、昨年の葉腋から総状花序を何本もだし、萼と花弁の欠いた小花を咲かせます。雄花は多く、蕾が赤く、開くと雄蕊の褐色の葯が目立ちます。雌花は疎らで、花柱は先が2裂、子房基部に緑色の退化した雄蕊(仮雄蕊)がつきます。果実は長径約6oから10oほどの卵状楕円形の核果、秋に黒藍色に熟し表面に粉をふきます。

ユズリハは枝葉や種子に毒成分であるユズリハアルカロイドを含むことから家畜などは食すると中毒にかかります。しかし、ヒヨドリ、アオバト、カケスなどは好んで摂食し、種子を散布してくれるのです。不思議ですね。


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ホソバシャリンバイ(細葉車輪梅)は貴重染料

120504ホソバシャリンバイ@エコカフェ.JPG小石川植物園内の林内に気になる樹木がある。本来こんな所に自生するはずがないことから、どなたかが寄贈したか、コレクションしたかの何れなのであろう。主はホソバシャリンバイであります。オキナワシャリンバイともいいます。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

ホソバシャリンバイ(細葉車輪梅、学名:Rhaphiolepis umbellata var. liukiuensis Koidz.)はバラ科シャリンバイ属の常緑小高木。沖縄固有変種。分布は南西諸島(奄美大島から沖縄諸島)に限り、沿岸や低地の林内や林縁に自生。樹高は5mから10mほど、幹は直立、葉は互生し有短柄、葉身はシャリンバイより細く、狭倒卵状長楕円形で葉縁に粗鋸歯、葉先は尖ります。若葉は錆色の毛を密生、やがて脱落し、クチクラ層が発達し光沢を有します。花期は3月から5月頃、枝先に円錐花序をだし、径1pから1.5pほどの白色の5弁花を多数咲かせます。果実は径10o前後の球形、秋に黒紫色に熟します。

樹皮や根に「タンニン」を多く含むことから、染料として用いられます。奄美大島では大島紬を染めるのにホソバシャリンバイ(島名「テーチキ」)の樹皮から染料を採取しています。芭蕉布、久米島紬も同様だそうですよ。


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ナンキンハゼ(南京黄櫨)は蝋採取を

ビーグル号の航海日誌 2013年12月03日 23:22

120504ナンキンハゼを覆うキヅタ@エコカフェ.JPG小石川植物園の林内で見られる樹木のうち外来種のひとつ、ナンキンハゼを紹介します。江戸時代に移入し、蝋を採取するために積極的に栽培されていた。今は昔、電気のない時代のこと、今日では紅葉が美しく街路樹に利用されています。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

ナンキンハゼ(南京黄櫨、学名:Triadica sebifera (L.) Small)はキントラノオ目トウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木。原産地は中国。樹高は15mほど、樹皮は灰褐色で縦裂、若枝は淡緑色。葉は互生し有長柄、葉身4pから9pほどの菱形状広卵形で全縁、葉先は尾状に尖ります。葉両面とも無毛、葉表基部に1対の腺点があります。花期は6月から7月頃、雌雄異花、枝先や葉脇に長さ6pから18pほどの総状花序をだし、黄色い小花を多数咲かせます。雄花は花序上部に多数、雌花は基部に数個つきます。雄花の萼は皿状で3裂、雄蕊2本、雌花の萼も3裂、花柱3本。果実は長径約1.5pの扁球形の刮ハ、秋に褐色に熟し、裂開。種子は3個、各径約7oの広卵形で白い蝋質の仮種皮に包まれます。

名前の由来は中国原産、蝋を採取するハゼノキと同じように利用することにあります。種子は果実が裂開しても落下することなく、ムクドリなどが摂食するそうです。要するに鳥散布により拡散します。野生化しているものも見られるといいます。


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ノグルミ(野胡桃)は松毬のよう

120504ノグルミ@エコカフェ.JPG小石川植物園内の森からノグルミを紹介します。果実は見た目が棘状の松毬のようですが、食用にならないという。今回は季節的に果実を確認することはできませんでしたが。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

ノグルミ(野胡桃、学名:Platycarya strobilacea Sieb. et Zucc.)はクルミ科クルミ属の落葉高木。分布は本州神奈川県以西、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、中国、朝鮮半島に及び、山地の日当たりのよい場所に自生。120504ノグルミ樹皮@エコカフェ.JPG樹高は5mから10m、時に30mほど、樹皮は灰褐色で縦裂、若枝に軟毛が密生するがやがて脱落。葉は互生し、奇数羽状複葉で葉柄と葉軸に軟毛が生え、小葉は5対から7対。小葉はほぼ無柄、葉身5pから10pほどの披針形で葉縁に尖鋭鋸歯、葉先は鋭尖。葉裏は脈上に軟毛が散生し、油点が散在。花期は6月から7月頃、雌雄異花、本年枝先に穂状花序を数本直立、頂生の1個が雌花序、周囲は雄花序。雌花序の先端につく雄花序は脱落。雄花は苞長役2.5oの卵状披針形で雄蕊9本前後、雌花は苞長役3oの卵形で先が尾状に尖り、子房が苞下部と合着、子房周囲に小苞がつき、花柱は太く2裂

果実は松毬のように苞の間に1個ずつでき、径約5oの扁平な広倒卵形で先が尖り、小苞が発達した翼をもち、熟すと落下します。典型亭な風散布のようです。果穂は松毬に似て、長さ2、3pの卵状楕円形、苞が密に重なり棘状になります。不思議ですね。


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オニモミジ(鬼紅葉)はカジカエデ(梶楓)とも

120504オニモミジ@エコカフェ.JPG名前に「鬼」がつくとはなんとも荒々しい気がするが、葉が粗大であるためについたという。本来は黄葉のとても美しい楓です。葉がカジノキに似ることから別名にカジカエデ(梶楓)ともいいます。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

オニモミジ(鬼紅葉、学名:Acer diabolicum Blume ex C. Koch)はカエデ科カエデ属の落葉高木。日本固有種。分布は本州宮城県以南、四国、九州中部地方以北に及び、温暖な山地の肥沃な谷間や傾斜地に自生。120504オニモミジ樹皮@エコカフェ.JPG樹高は10mから20mほど、葉は対生し厚く、葉柄4pから11p、葉身7pから15pほどの掌状で5中裂、裂片縁には粗鋸歯がつきます。葉表の葉脈上や葉裏に短伏毛が、葉柄にも短毛が生えます。花期は4月から5月頃、雌雄異株、葉の展開前に前年枝の側芽から散房花序をだし、暗紅色の花を咲かせます。雄花序は5個から15個ほどの萼片と花弁が合着した釣鐘状の雄花を下垂、雌花序は3個から9個の合着しない4、5弁花を上向きにつけます。果実は長さ3pほどの分果からなる翼果で鋭角に開きます。剛毛がつきます。

カエデの仲間は本ブログでも何種類か取り上げていますが、世界の北半球の温帯を中心に約160種が知られ、ほとんどが美しい紅葉を見せてくれ、心を和ませてくれるのです。名前なんかあまり気にする必要はないですね。


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タラヨウ(多羅葉)は郵便局の木

ビーグル号の航海日誌 2013年12月02日 22:06

120504タラヨウ雌木@エコカフェ.JPGモチノキの仲間には広く世界に4属約450種、日本には1属23種が分布するという。そのうち、タラヨウは葉に文字を書くことができ文代わりにできることから「葉書の木」「郵便局の木」として郵便局前に植栽されたりしていることがあります。葉に含まれるタンニンが酸化して黒色化するのだそうですよ。[2013年5月4日撮影:小石川植物園@阿部]

タラヨウ(多羅葉、学名:Ilex latifolia Thunb.)はモチノキ科モチノキ属の常緑高木。120504タラヨウ雌木の花@エコカフェ.JPG分布は本州静岡県以西の太平洋側、四国、九州、国外では中国に及び、温暖な山地の日当たりのよい場所に自生、実際は寺社仏閣の周辺などに生育し自然林は少ないという。樹高は10mから20mほど、樹皮は灰褐色、葉は互生し光沢があり肉厚、葉身約20pの長楕円形、葉縁は細鋸歯、葉先は短く尖ります。花期は4月から5月頃、雌雄異株、葉脇から集散花序をだし、径約7oの淡黄緑色の小さな4弁花をたくさん咲かせます。果実は径約8oの球形の核果、秋に赤く熟します。

名前の由来はインドで経文を書くのに使われた「多羅樹」に文字を書くことができる性質が似ていることにあるらしい。日本でもお寺の境内などによく植えられたといいます。


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ナナミノキ(七実の木)は陽樹性

120504ナナミノキ@エコカフェ.JPG東京大学附属小石川植物園内の常緑樹の森でなんとナナミノキを観察することができます。名前の由来はたくさんの美しい実がなることにあるという。果実がやや長いことから「長実の木」と転化して別名にナナメノキともいう。本来、関東地方では自生していないのでわざわざ植栽されたものなのでしょう。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

ナナミノキ(七実の木、学名:Ilex chinensis Sims.)はニシキギ目モチノキ科モチノキ属の陽樹性の強い常緑高木。120504ナナミノキ樹皮@エコカフェ.JPG分布は本州静岡県以西、四国、九州、南西諸島、国外では中国に及び、温暖な沿岸部低地から山地までのアカマツ、コナラ、ソヨゴ、クロバイなどの二次林によく自生。樹高は10mから15mほど、樹幹は直立し、樹皮は灰褐色で平滑、葉は互生ししなやかな革質、葉身7pから12pほどの長楕円形か倒披針形、葉縁に低鋸歯(時に先端が棘状)で葉先は細く尖ります。花期は6月頃、雌雄異株、本年枝の葉腋に散房花序をだし、薄紫色の径約5oの花をたくさん咲かせます。雄花は雌蕊が退化、雌花は雄蕊が退化、稀に両性花もみられるという。果実は長径約1pの楕円形の核果、秋に赤く熟します。

種子は発芽が悪く、陽樹性が強いので松枯れのニッチなどで多く進出するようです。ナナミノキはクロガネモチなどと同じように秋になると葉をかなり落とし、少ない日光を我慢強く求めるかのようです。


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晴れた日には

ビーグル号の航海日誌 2013年12月01日 12:35

DSC_0674.jpg 風のない穏やかな日差しのなか、増上寺へお散歩。

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ホオズキカメムシ(酸漿亀虫)は害虫

ビーグル号の航海日誌 2013年11月30日 15:34

120624ホオズキカメムシ@エコカフェ.JPG小石川植物園内の森の林縁のシダの若葉に何やら動く物体。もちろん昆虫です。調べて分かったのですがホオズキカメムシらしいです。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

ホオズキカメムシ(酸漿亀虫、学名:Acanthocoris sordidus (Thunberg))はカメムシ目ヘリカメムシ科の草食性の亀虫。分布は本州、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、朝鮮半島、に及び、平地や海岸の雑草や畑など食草のある場所に生息。体長は10oから13oほど、体色は灰黒褐色で光沢がなく、細かな微毛が密生。胸部の前縁に細かい鋸歯状のぎざぎざがあり、後脚の腿節は太い。出現時期は5月から6月頃と8月、食性は草食性でアサガオ、ヒルガオ、サツマイモなどのヒルガオ科やホオズキ、トウガラシ、シシトウなどのナス科のほかサトウキビなどを食します。成虫で越冬します。

ヒルガオ科やナス科など多くの種類からなる野菜を食することから厄介者の害虫として嫌われています。ただし、クサギカメムシなど多くのカメムシが臭いのにホオズキカメムシは臭くはないですよ。


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オオシラタマカズラ(大白玉蔓)はニ型花柱性

120504オオシラタマカズラ花序@エコカフェ.JPG小石川植物園の温室で保護展示されているオオシラタマカズラを紹介します。起源は南西諸島などに自生するシマタマカズラであると考えられ、小笠原諸島で独自に分化・進化を遂げつつあり、最近の研究で二型花柱性である可能性が指摘されています。[2012年5月4日・6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

オオシラタマカズラ(大白玉蔓、学名:Psychotria boninensis Nakai.)はアカネ科ボジョウジ属のつる性の常緑小低木。120504オオシラタマカズラ果実@エコカフェ.JPG小笠原固有種。分布は父島、兄島、弟島、母島、向島に限り、山地疎林帯や台地のやや乾燥気味の風通しの良い明るい林床に自生。茎から気根をだし、岩や木に絡みついて這うように伸びます。全株無毛、茎には葉痕が目立ち、若枝や茎は黄緑色を帯びる。葉は対生し厚く、倒披針形で全縁、葉先は尖ります。葉表の主脈のみが目立つのが特徴です。花期は5月から6月頃、枝先に散房花序をだし、淡白緑色の小さな花を多数咲かせます。果実は倒卵形、12月から翌年1月頃に白色に熟します。

小笠原諸島の固有植物の多くは、元々雌雄同株で両性花であったものが、遺伝的脆弱性を回避するといった島嶼効果により、雌雄異株であったり、雌雄異花であったり、その雌雄分化途上のものであったりしていて実に興味深いものがあります。


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ムニンカラスウリ(無人烏瓜)も独自路線

120504ムニンカラスウリ葉@エコカフェ.JPG小石川植物園の温室には小笠原固有種で絶滅の危機に瀕している貴重な植物が保護展示されています。ムニンカラスウリもそんなひとつです。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

ムニンカラスウリ(無人烏瓜、学名:Trichosanthes boninensis Nakai ex Tuyama)はスミレ目ウリ科カラスウリ属のつる性の常緑多年草。小笠原固有種で絶滅危惧TA類。分布は父島、弟島、母島に限り、やや湿潤な日当たりのよい林縁の樹木などに巻きつく。根は塊状で分枝し、茎は5稜があって巻ひげで絡みながら伸び、葉は互生しやや薄い、葉身10cmから20pほどの広卵状心臓形で3裂から5裂、裂片の先は尖ります。茎と葉表脈上、葉裏には短毛が密生、巻ひげが2から4分枝するのが特徴です。花期は6月から8月頃、雌雄異株、葉脇から雄株では長さ7cmから12cmほどの雄花序をだし、白色の雄花を咲かせます。雄花は雄蕊3本、花筒は萼筒に合着、花冠が5全裂して外側に短毛を密生、萼片の縁は糸状に細裂し短腺毛を密生。雌花は葉腋に単生し雄蕊が退化。果実は先が尖った楕円形で秋に朱赤色に熟します。塊根を形成し栄養繁殖で増えることができます。

カラスウリ属は東アジアや東南アジア、オーストラリアに約50種、うち日本には5種が知られます。ムニンカラスウリは九州南部や南西諸島、熱帯アジアに自生するケカラスウリが近縁だと考えられています。


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ムニンシュスラン(無人繻子蘭)は元気!?

ビーグル号の航海日誌 2013年11月29日 23:07

120504ムニンシュスラン@エコカフェ.JPG小笠原諸島の森で比較的観察しやすいと言われているランのひとつにムニンシュスランがあります。小石川植物園の温室で保護展示されています。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

ムニンシュスラン(無人繻子蘭、学名:Goodyera boninensis Nakai)はラン科シュスラン属の常緑多年草。小笠原固有種。分布は父島と母島に限り、山地の谷筋などのやや薄暗く湿った場所に自生。特に、高木層をシマホルトノキ、亜高木層をモクタチバナが生茂るような林床を好むようです。草丈は10pから20pほど、茎は基部が匍匐し斜上、葉は互生し基部で茎を抱き、粗毛がつきます。葉は茎の基部を抱き、葉身4pから10pほどの長楕円状披針形で葉先は尖ります。主脈と両側に2条の側脈が平行に走ります。花期は10月から翌年1月頃、花茎を伸ばし総状花序をだし、小さな花を多数咲かせます。萼片は僅かに褐色を帯びた淡緑色、側弁花と唇花は白色、距は黄色です。

伊豆諸島固有種のハチジョウシュスランが近縁でその変種とする説がある。母島に自生する個体のほうがやや大きく、花もやや早く咲くそうです。父島では乾燥化が進んでいるため個体数が激減しているようです。また、南硫黄島には固有種のナンカイシュスランが知られています。


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ハハジマホザキラン(母島穂咲蘭)はひっそり

ビーグル号の航海日誌 2013年11月28日 21:05

120624ハハジマホザキラン@エコカフェ.JPG東京大学附属小石川植物園の温室で大切に保護展示されているハハジマホザキラン。小笠原諸島の比較的湿潤な森には地上性や樹上生のランの仲間が自生しています。そのほとんどが独自に進化・分化した小笠原固有種ですが、森林ができてからの移入のため種内多様性は低いと考えられます。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

ハハジマホザキラン(母島穂咲蘭、学名:Malaxis hahajimensis S.Kobayashi)はラン科ヤチラン属の地上性の常緑多年草。小笠原固有種で絶滅危惧TB類。分布は母島に限り、標高300mから400mの湿潤な岩場やヒメツバキ−モクタチバナ群落、モクタチバナ−シマシャリンバイ群落の林床半陰地に自生。草丈は20pから30cmほど、偽鱗茎の基部は横走し、全株無毛、葉は薄い肉質で3枚から5枚ほど、葉身は卵状長楕円形から広楕円形、葉先は尖ります。花期は10月から11月頃、総状花序を伸ばし、疎に20個から30個の花を咲かせます。唇弁は紫色で中央に1溝のある舟形、萼片と側被片は淡緑色で反り返ります。果実は楕円状の刮ハです。

この属には世界で約300種、日本ではハハジマホザキランの他に父島の森に自生するシマホザキランやヤチラン、ホザキイチヨウラン、ホザキヒメラン、イリオモテヒメラン、カンダヒメラン、オキナワヒメランの8種が知られています。


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ムニンベニシダ(無人紅羊歯)

120624ムニンベニシダ@エコカフェ.JPG東京大学附属小石川植物園の温室で保護展示しているムニンベニシダ。別名をオオバノイタチシダという。小笠原諸島のシダ植物の種類こそ多くはないが、大洋島のため独自に進化・分化を遂げているものが多く極めて固有率が高くなっています。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

ムニンベニシダ(無人紅羊歯、学名:Dryopteris insularis Kodama)はオシダ科オシダ属ベニシダ類の常緑性シダ植物。ハチィジョウベニシダの変種、小笠原固有種、環境省レッドリストで絶滅危惧U類(VU)。分布は小笠原諸島に限り、山地のやや乾いた林床に自生。草丈は50pから80pほど、根茎は短く斜上し褐色か黒褐色の鱗片がつく。葉は3回羽状複葉深裂し濃緑色で革質、葉身30pから45pほど、ベニシダ類に共通で最下羽片が内向き第一小羽片がやや小さいという特徴があります。胞子嚢群(ソーラス)は葉裏上部につき、ついた羽片は縮んだようになる。包膜辺縁に腺状突起がつきます。

小笠原諸島父島には近縁種で父島固有変種のチチジマベニシダ(父島紅羊歯)が知られるが、胞子嚢群は葉裏前面につき、縮れることもないようです。胞子嚢群がついている固体を注意して観察するとよいでしょう。


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キンギンソウ(金銀草)は変色

120504キンギンソウ花序部分@エコカフェ.JPGキンギンソウ、自生地の小笠原でもなかなか目にすることのできないランのひとつだとおもう。もっとも奄美大島の森でも自生しているというから絶滅危惧種保護センターの視察に併せて森に入っていつかは出逢ってみたいと思う。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

キンギンソウ(金銀草、学名:Goodyera procera (Ker-Gawl.) Hook.)はラン科シュスラン属の多年草。分布は南西諸島、小笠原諸島、国外では台湾、中国南部、マレーシア、インドに及び、山地の林縁などに自生。120504キンギンソウ@エコカフェ.JPG草丈は30pから70pほど、茎は太く肉質で基部から多数の根をだし、葉は茎下半部に叢生し柔らかくやや肉質、葉身8pから15pほどの長楕円形で先は尖ります。花期は3月から5月頃、茎先に穂状の総状花序をだし、有柄の白色の小さな花をたくさん密に咲かせます。花は下部から順次咲き、唇弁の色も白色から黄色に変化します。白を銀、黄色を金とし、名前の由来としたそうですよ。小花は100個超にもなり、1月ほど楽しむことができるそうです。

この仲間は世界のヨーロッパ、アジア、北アメリカに約40種、日本には小笠原固有種のムニンシュスラン、伊豆七島固有種のハチジョウシュスランやオオシマシュスラン、北海道から奄美大島に自生する広域種のアケボノシュスランなど19種ほどが知られています。


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ムニンボウラン(無人棒蘭)は稀有

ビーグル号の航海日誌 2013年11月27日 23:00

120624ムニンボウラン@エコカフェ.JPG小笠原の森では未だ見たことがない近い将来に絶滅の危険性が高い種とされるムニンボウラン。東京大学附属小石川植物園の温室で大切に保護展示されているので紹介します。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

ムニンボウラン(無人棒蘭、学名:Luisia boninensis Schlecht.)はラン科ボウラン属の多年草。小笠原固有種で環境省レッドリストの絶滅危惧TB類(EN)。分布は小笠原諸島に限り、森の中の樹幹や岸壁に着生。草丈は10pから20pほど、茎は褐色で盛り上がった節をもち、葉は互生し多肉質、葉身約7p、径約3oの円柱形(棒状)、青緑色で先が尖ります。花期は6月から7月頃、葉腋から花柄を短く伸ばし、淡黄緑色の径約4oの花を数個咲かせます。花は半開し、唇弁は2中裂で紅紫色の斑紋があって距がないのが特徴です。

ボウラン属は旧熱帯区を中心に約40種、日本にはムニンボウランのほかに本州中部地方以西に自生する広域種のボウランの併せて2種のみが知られます。生育地では都レンジャーにより見回りをしていますが、蘭趣向家などの盗掘に対する徹底した対策が必要です。


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幻のホシツルラン(星鶴蘭)

ビーグル号の航海日誌 2013年11月26日 21:49

120624ホシツルラン@エコカフェ.JPG東京大学附属小石川植物園の温室にホシツルランが保護展示されています。ホシツルランは1983年に母島在住の星さんにより母島の森で発見され、発見当時すでに数が少なく、今日では幻の蘭とも言えます。平成16年11月19日、農林水産省と環境省により保護増殖計画が策定、人工増殖や自然状態で安定的に存続できる状態にする取り組みが続けられています。[2012年6月24日撮影:小石川植物園視察@山崎]

ホシツルラン(星鶴蘭、学名:Calanthe hoshii S. Kobayashi)はラン科エビネ属の多年草。小笠原固有種で絶滅危惧IA類(CR)。分布は小笠原諸島母島に限り、湿生高木林床に自生。草丈は50pから100pほど、葉は根生し葉身30pから60pほどの長楕円形で平行脈が走ります。花期は8月から10月頃、花茎を伸ばし茎先に総状花序をだし、径約2pの白色の蝶型の花をたくさん咲かせます。長い距をもちます。果実は刮ハです。

近縁の父島と兄島に自生するアサヒエビネは花の色が黄色です。アサヒエビネもホシツルランも独自進化したものであるが、起源は東南アジアを中心に広く分布するツルランと考えられます。ツルランは日本では九州南部と南西諸島に自生します。


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ハラビロカマキリ(腹広蟷螂)は樹上のハンター

111222ハラビロカマキリ@エコカフェ(宮古島分室).PNG宮古島池間湿原のブッシュで腹の広いカマキリがいたそうな。もうずいぶん前の話です。宮古島分室の村上遥(玉城由里子)さんの記録です。ハラビロカマキリというそうです。[2011年12月22日撮影:池間湿原@村上]

ハラビロカマキリ(腹広蟷螂、学名:Hierodula patellifera Serville)カマキリ目カマキリ科ハラビロカマキリ属の昆虫。ハラビロは割と森林性のカマキリ。分布は本州、四国、対馬、南西諸島、国外では東南アジアに広く、林縁の草原などの日当たりのよい樹上に生息。体長は50oから70oほど、雌のほうがやや大きく、体色は緑色(少ないが褐色も)、胸の幅が広く、前翅縁の中間付近に白紋、前脚の基部に数個の黄色いイボ状突起がつく。出現時期は8月から11月頃、肉食性で他の昆虫などを捕食します。産卵時期は11月頃、木の枝やブロック塀などに産卵し、卵鞘は緑茶色で平滑、卵で越冬します。

幼虫期には腹を上げるのがハラビロカマキリの特徴だそうです。腹を上げるのは威嚇行動なのでしょうか、大きく見えます。不思議ですね。


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小さな明月院の物語り

ビーグル号の航海日誌 2013年11月25日 23:59

111119明月院参道@エコカフェ.JPG111119明月院方丈@エコカフェ.JPG氷雨に濡れる明月院、臨済宗建長寺派寺院で山号を福源山、あじさい寺としても知られます。1380年(康暦2年)の禅興寺中興の命を足利氏満から受けた上杉憲方が創建・開基、開山を密室守厳、本尊は聖観音という。[2011年11月19日撮影:第11回自然観察会@阿部]

111119北条時頼公墓所@エコカフェ.JPG明月院には前身としての明月庵が伝えられ、平治の乱で敗れた山内首藤俊通の菩提供養として1160年(永暦元年)に建てられたそうです。関東十刹にまで数えられた禅興寺も明治初期に廃寺となり、塔頭であった明月院のみが残り今日に至ります。北条から眺める庭園も風情があって素晴らしい。境内には北条時頼公の墓所があり、立派な宝篋印塔が存在感を伴って建ち、境内奥には岸壁を掘りぬいた「明月院やぐら」には上杉憲方墓(宝篋印塔)などが安置されています。

雨模様だったせいか訪れる人は少なく、この小さな寺にまつわる栄枯盛衰の物語を想像するにはちょうどよかったような気がします。


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雨に洗われる銭洗弁財天宇賀福神社

111119宇賀福神社@エコカフェ.JPG111119銭洗弁財天入口@エコカフェ.JPGひどい雨だったことを思い出す。鎌倉を訪れた時のこと、北鎌倉駅に降り立った時は本降りではなかったので迷わず決行。ところが浄智寺に差しかかる頃から本降りに、山間に入るといよいよ足元に雨水が勢いよく流れるほどの土砂降りとなってしまった。銭洗弁財天に着く頃にはずぶ濡れになってしまった。[2011年11月19日撮影:第11回自然観察会@阿部]

111119宇賀福神社境内@エコカフェ.JPG巳の年の1185年(文治元年)の巳の月の巳の日の巳の刻に、戦乱の世を治め、天下泰平を願う源頼朝の夢見に宇賀福神からのお告げがあった。お告げに従い西北の仙境、佐助ヶ谷の岸壁に湧く霊水を見つけ、洞を掘り、社を建て、宇賀福神を祀ったという。これが宇賀神社の始まり。また、巳の年の1257年(正嘉元年)に北条時頼が霊水で銭を洗って一族の繁栄を願ったのが銭洗の始まりという。これが習合して銭洗弁財天宇賀福神社として親しまれたそうだ。明治の神仏分離令により、祭神を市杵島姫命とし今日に至るそうです。

岸壁に開けられた隧道を抜けると鳥居をくぐり、本宮に市杵島姫命、奥宮(洞窟)に銭洗水が湧き弁財天が祀られ、境内には上之水神社、下之水神社、七福神社も鎮座します。


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