黒島研究所を訪問して

ビーグル号の航海日誌 2014年05月19日 21:27

140313黒島研究所若月さん@エコカフェ .JPG黒島研究所はNPO法人日本ウミガメ協議会の附属機関ですが、前身は1973年に設立された財団法人海中公園センター附属八重山海中公園研究所です。2002年にセンター閉鎖に伴い、2004年に名称を変え協議会が活動を継承したという。所長の若月さんのお話では、現在は調査研究活動に加え、教育普及活動にも力を入れているそうです。[2014年3月13日撮影:八重山群島黒島@山崎]

130413黒島研究所看板@エコカフェ.JPG140313アオウミガメ@エコカフェ.JPG黒島の砂浜に上陸・産卵するのはアカウミガメタイマイアオウミガメの3種だそうです。かつてはアカウミガメが優占種であったが、1989年に初めてアオウミガメの上陸・産卵があり、1994年以降は継続・定着、一方、アカウミガメについてはめっきり減少してしまったそうですまた、黒島におけるウミガメの上陸・産卵そのものが全体として減少傾向にあるそうです。その理由のひとつとして、黒島の西の浜に港が整備されたため南側で砂が流出し、上陸・産卵場所である砂浜が減少してしまっていることが明らかにされています

施設内には、かーみーかけ(亀かけ)の道具、民具、H2Aロケットの破片なども展示してあります。伺った時には戸外の飼育池を増設中であって、今後は多様なナマコの飼育・研究にも力を入れていくということでした。


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ツルアダンは支配的な植物とも

ビーグル号の航海日誌 2014年05月18日 15:42

140315ツルアダン@エコカフェ.JPG八重山諸島の亜熱帯照葉樹林の森に入ると、アダンによく似たつる性の植物を見かけます。樹木を這い上がっています。ツルアダンです。頼られた樹木は樹幹まですっぽりと覆い尽くされて枯死してしまうこともあると言います。八重山諸島では生存競争が厳しいようです。[2014年3月15日撮影:石垣島於茂登岳@山崎]

ツルアダン(学名:Freycinetia formosana Hemsley)はタコノキ科ツルアダン属のつる性常緑低木。分布は八重山群島(石垣島・西表島)、国外では台湾、フィリピンなどに及び、低地から山地までの森林内に自生。樹高は10m以上、幹径2、3pほど、幹はよく分枝し、多数の気根をだしながら樹木や岩に張り付きながら登拳、先端部は樹木から離れ空中に突き出ます。葉は茎先端部に集生し柔らかく光沢、基部は鞘状、葉身40pから60pほどの細長線形、葉縁に鋸状の棘がつき葉先は尖ります。葉裏主脈上にも棘がつきます。花期は5月から7月頃、雌雄異株、枝先端に数個の長さ8p前後の肉穂花序を傘状に束生、多数の雄花又は雌花を密生。花序の花軸には葉状の黄白色の苞がつきます。果実は長さ8pから13pほどの円筒形の集合果、赤く熟します。

小笠原諸島父島を先日訪ねたときに、森の案内人の松原さんからの説明で、小笠原固有種とされる近縁のタコヅルは頼った樹木の半ばほどまでしか攀じ登ることはないそうです。小笠原に固有の植物たちは共に不思議なことに生きる戦略を取っているのだそうですよ


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備中松山城(高梁城)は雲霧に

140318備中松山城@青柳_n.jpg中国地方は中国山地を背骨に山陰と山陽に分かれ、いくつかのなだらか地点が往来に適していた。稲作に適した平野も広いわけではなかった。古くから敵の侵入を見張る意味で山城が築かれたという。標高430mの臥牛山(小松山、大松山、天神の丸、前山)に高橋城が展開し、城郭構造は連郭式山城、天守構造は複合式望楼型2重2階という。[2014年4月18日撮影:高梁市@青柳]

築城は1240年(仁治元年)、秋葉重信が大松山に城を築いたのが起源。城主は上野氏、庄氏、三村氏と変遷。1574年(天正2年)、三村元親は毛利氏から離反し織田信長に寝返ったため、毛利氏との間に備中兵乱が起こり、小早川隆景により落城、毛利氏の手中。140318備中松山城@青柳n.jpg近世(江戸時代)に入って、城主は池田氏、水谷氏、安藤氏、石川氏と移り、板倉氏が最後となり、明治を迎えることになったという。明治6年の廃城令の公布により翌年に廃城・放置、昭和に入り国宝保存法等の制定により現重要文化財に指定、国の史跡にも指定され、今は高梁市が管理しているそうです。

高梁城は戦国時代から現在に至るまで城主が変遷しながらもよく保存されてきたほうであろう。この城は初冬の季節には、雲霧に包まれることが多く、幻想的な姿を見せてくれるそうだ


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アマドコロ(甘野老)は生活の中で

140504アマドコロ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内、路傍の植物コーナーでは林縁などに自生する身近な植物群が植栽展示されています。アマドコロもそんなひとつです。茎や根茎に甘味があり山菜として利用。根茎を乾燥させたものは滋養強壮に効果があるとされ生薬とするという。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

アマドコロ(甘野老、学名: Polygonatum odoratum(Mill.) Druce var.pluriflorum (Miq.) Ohwi)はクサスギカズラ科(キジカクシ科)アマドコロ属の多年草。140504アマドコロ@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山地の草原などに自生。草丈は30pから80pほど、根茎は黄白色の円柱形で横に伸び、地下茎から真っ直ぐに伸びる茎が6稜である点が瓜二つのナルコユリと異なります。葉は互生しやや厚く平滑、葉身5pから15pほどの長楕円形、全縁で先は尖ります。葉表はやや堅く、葉裏は粉白色です。花期は4月から6月頃、葉脇から緑白色の長さ15oから20oほどの筒状の花を1、2個下垂します。果実は球形の液果、黒く熟します。

アマドコロの仲間は北半球温帯域に約58種、うち日本には13種ほどが自生するという。名前の由来は地中の根茎がヤマイモ科のオニドコロ(鬼野老)に似ていること、甘みがあること、にあるそうです。


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シマツユクサ(島露草)は南方系

ビーグル号の航海日誌 2014年05月17日 19:17

120722シマツユクサ@エコカフェ.JPG琉球王国最高の聖地である久高島のヤグルガーへ向かう断崖途中、アダンモクビャッコウウコンハイマツクサトベラツワブキソナレムグラなどの海浜植物群の中で撮影した一輪のシマツユクサ。ピンボケでしたので仕舞い込んだままでしたが、どうも気になるので紹介します。[2012年7月20日撮影:久高島@山崎]

シマツユクサ(島露草、学名:Commelina diffusa Burm. fil.)はツユクサ科ツユクサ属の多年草。分布は九州南部、南西諸島、国外では熱帯・亜熱帯アジアに広く、日当たりの良い湿り気のある草地や水田の畔などに自生。愛知県、徳島県、静岡県でも自生の情報あり。草丈は20pから50pほど、茎基部でよく分枝し、地面を這って斜上。茎には節があり、節のある所から根を出します。葉は互生し茎を抱き、葉身5pから8pほどの披針形から卵状披針形、葉縁はやや波打ち、先は尖ります。平行脈が目立つ。花期は3月から8月頃、苞葉から1p突き出して淡青色の花を咲かせます。花径10oから15oほど、花弁3枚は同じ大きさです。また、地中に無開の「閉鎖花」つけ、自家受粉し、結実します。

ツユクサ(露草)との違いは、花が小ぶりだが花弁3枚とも同じ大きさであること、苞葉がツユクサよりやや大きく尖ること、果実は3室(ツユクサは2室)あること、で見分けるのは容易そうですね。


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ミツバ(三つ葉)は香り高い

140504ミツバ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の路傍植物コーナーからミツバを紹介します。山に入ると比較的よく見られるようですが、スーパーや八百屋の店頭で一年中売られているものは、農家によるハウス水耕栽培によります。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

ミツバ(三つ葉、学名:Cryptotaenia canadensis (L.) DC. subsp. japonica (Hassk.) Hand.-Mazz.)はセリ科ミツバ属の多年草。分布は日本全土、国外では台湾、朝鮮半島、中国、サハリンなどに広く、山地の日陰の湿地に自生。草丈は30pから50pほど、茎は直立しよく分枝、根生葉は有長柄で茎を抱き、茎葉は互生し有柄で3出複葉、小葉は無柄で卵形、欠刻状鋸歯、先は尖ります。全草が無毛で平滑。花期は6月から8月頃、枝先に散形花序をだし、径約2oの白色の5弁花を咲かせます。果実は長径約5oの線状楕円形の2分果、隆条は低く縦線が入ります。

日本で食されるようになったのは室町時代以降、江戸時代に入り、貝原益軒による大和本草に取り上げられると、1697年(元禄10年)に栽培が推奨されたようです。香り成分はクリプトテーネンとミツバエン。和風ハーブとして人気があり、吸い物やなべ物、丼物の添え具、おひたしや和え物などにも使われます。


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カントウタンポポ(関東蒲公英)は

140504カントウタンポポ花@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の路傍植物コーナーからカントウタンポポを紹介します。今日、道端や空地、公園などで私たちの身近で目にしているタンポポの殆どがセイヨウタンポポ(西洋蒲公英)であると言われています。セイヨウタンポポは無性生殖で増殖するので繁殖力が旺盛です。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

カントウタンポポ(関東蒲公英、学名: Taraxacum platycarpum Dahlst)はキク科タンポポ属の多年草、ニホンタンポポの一種。日本固有種。140504カントウタンポポ@エコカフェ.JPG分布は本州関東地方から中部地方に限り、日当たりの良い野原や丘陵地、道端、草地、人家近くなどに自生。草丈は5pから40pほど、陽光を求め長楕円形の切れ込みのある根生葉(ロゼット葉)を広げます。花期は3月から6月頃、中空の花茎を伸ばし、茎頂に径約3pから4pの黄色い舌状花からなる頭花を咲かせます。舌状花1つに花弁5枚が合着、中央に雌蕊1本、5本の雄蕊は合着。総苞片の外側は内側の1/2以下で密着し、先端に小さな角状突起がつくのが特徴です。果実は長さ2、3oの痩果で冠毛がつき、熟すと風散布します。

日本にはカントウタンポポの他、地域に固有変異のエゾタンポポ、シナノタンポトウカイタンポポ、カンサイタンポポなど約22種が知られています。分布域が重なると自然交雑種も誕生するので、予想以上にややこしいです。


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水主神社は神代から

140505水主神社@廣瀬n.jpg香川県大内町(現、東かがわ市)に「水主(みずし)」という地名があり、由緒ある水主神社がある。古くから大水主大明神が鎮座し、大水主御社として人びとの信仰を集めていた。創建は、文武・元明天皇の時代。現祭神は倭迹迹日百襲姫(日本書記)(夜麻登々母々曽毘売命(古事記))で大水主大明神の化身。神社本殿真後ろには孝霊神社、左右には熊野三社と国玉神社があります。[2014年5月5日撮影:香川県@広瀬]

社伝によると、弥生時代後期、西暦168年、倭迹迹日百襲姫は大和の黒田宮で孝霊天皇皇女として誕生。140505水主神社A@廣瀬n.jpg140505水主神社B@廣瀬n.jpg171年、女王卑弥呼の死後の度重なる争乱を避けるため、孝霊天皇の伯耆国への派遣にあわせ讃岐国に派遣、水主の里宮で成人を迎えるまで住んだとされる。姫は呪術に優れ、人びとに弥生米を与え、水源を教え、水路を整備し、雨祈で雨を降らせ、文化を興隆したとされます。成人になると高松の船山神社に移り、孝霊天皇のほうは吉備国平定のため吉備中山に移られたという。140505水主神社C@廣瀬n.jpg孝霊天皇を祀った孝霊神社があるのは姫が皇女であり、孝霊天皇もこの地を訪問しているためでしょう。

山上には姫の御陵といわれる古墳があり、境内の付近からは縄文時代の石器、弥生・古墳時代の土器が多数発見されています。時代は下り、室町時代に入ると、与田寺の増吽(ぞううん)僧正が熊野三社を勧請、水主三山(虎丸山・那智山・本宮山)と称するもその頃からであろう。


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エイザンスミレ(叡山菫)は茶目っ気

140511大岳山@中村.jpg140511エイザンスミレ@中村(大岳山).jpg奥多摩三山のひとつ大岳山(標高1267m)は、古くから農業の神、盗難の守護神として山岳信仰の対象であったという。花言葉は「茶目っ気」、エイザンスミレを紹介します。別名にエゾスミレともいいます。[2014年5月11日撮影:大岳山@中村敏之]

エイザンスミレ(叡山菫、学名:Viola eizanensis Makino)はスミレ科スミレ属の多年草。日本固有種。分布は北海道南西部、本州、四国、九州に及び、低山の道端や落葉樹林内に自生。草丈は5pから15pほど、根茎は短く、地上茎はない。根生葉は基部が葉柄状、葉身3pから6pほどの3深裂、各裂片はさらに細裂。花期は4月から5月頃、花柄をだし、径約1.5pから2pほどの花を横向き咲かせます。花の色は淡赤紫色から白色まで多様。唇弁は紫色の条が入り、先端中央に切れ込み、縁が波打ち、距の先がやや膨らむのが特徴です。果実は刮ハで熟すと下部が裂け、種子が散布されます。

スミレの仲間のうち葉が裂片なのは、エイザンスミレとヒゴスミレ、ナンザンスミレ、アカバナスミレなどが知られます。


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ヤエムグラ(八重葎)はひっつき虫とも

ビーグル号の航海日誌 2014年05月16日 22:28

140504ヤエムグラ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の路傍植物コーナーからヤエムグラを紹介します。この草の茎や葉、種子には棘があり、衣服などにひっつきます。「ひっつき虫」と言われる由縁でもあります。時に、種子は動物の体毛などにひっついて動物散布します。花言葉は「拮抗」です。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

ヤエムグラ(八重葎、学名:Galium spurium L.var. echinospermon (Wallr.)Hayek)はアカネ科ヤエムグラ属の越年草。史前帰化植物。分布は日本全土、国外では中国、アフリカ、ユーラシア、地中海沿岸に広く、道端や畦道、荒地などに自生。草丈は60pから90pほど、茎の断面は四角形、下向きの棘が生えます。茎には節があり、葉6枚から8枚が輪生、実際は2枚が対生し残りは托葉が変形したもの、葉身5oから40oほどの狭倒披針形から狭楕円状披針形、先端は針状でやや下向きに尖ります。葉縁と葉裏脈上にも鉤状の棘が生えます。花期は4月から6月頃、茎先や葉脇から総状花序をだし、径約1oの微小な黄緑色の花を咲かせます。花冠4裂、雄蕊4本。果実は約1.5oの腎形の分果、鉤状棘が生えます。

ひっつき虫」と呼ばれるものの仕組みには、鉤を持つもの(キンミズヒキなど)、細かい鉤を密生させるもの(ヤエムグラなど)、逆さ棘を持つもの(センダングサの仲間、チカラシバなど)、鉤になるもの(イノコヅチなど)、粘液を出すもの(チヂミザサなど)に整理されます。


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湿生植物、ナガボノシロワレモコウ(長穂の白吾亦紅)

140504ナガボノシロワレモコウ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の水生植物園の池畔に群生しているナガボノシロワレモコウを紹介します。氷河期の生き残り(氷河遺存種)だそうです。残念ながら花の時期ではないので葉の様子を確認してください。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

ナガボノシロワレモコウ(長穂の白吾亦紅、学名:Sanguisorba tenuifolia Fisch. ex Link var. alba Trautv. et Mey./Sanguisorba tenuifolia Fisch)はバラ科ワレモコウ属の多年草。分布は北海道、本州関東地方以北と中国地方に隔離、国外では朝鮮半島、中国東北部、樺太に及び、低地から亜高山帯の湿原や湿生の草原に自生。草丈は80pから130pほど、根茎は太く、茎は直立し上部でよく分枝、無毛です。葉は互生し有長柄、奇数羽状複葉、小葉は11対から15対、葉身2pから8pほどの線形か線状長楕円形、葉縁に三角形の鋸歯、葉先は鈍頭。花期は7月から8月頃、分枝した枝先に円錐状花穂を8pから9pほど伸ばし、先端から順に白色の径1p前後の小花を密に咲かせます。花弁は無く、萼片4裂、雄蕊4本、葯は暗紫色です。果実は卵形の痩果で翼があります。

この仲間には、北海道の亜高山帯・高山帯のチシマワレモコウ、白花に対して赤花のナガボノアカワレモコウ、本州関東以西のコバノワレモコウ、北海道から九州まで自生のワレモコウなどが知られます。


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有毒植物、ヤマブキソウ(山吹草)

ビーグル号の航海日誌 2014年05月15日 08:11

140504ヤマブキソウ花@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の路傍植物コーナーからヤマブキソウの紹介です。名前の由来は花の色と雰囲気がバラ科のヤマブキ(山吹:5弁花)に似ていることにあります。なるほどと頷けます。花言葉は「すがすがしい明るさ」だそうです。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

ヤマブキソウ(山吹草、学名:Hylomecon japonica (Thunb.) Prantl et Kündig)はケシ科ヤマブキソウ属(/クサノオウ属)の多年草。分布は本州、四国、九州、国外では中国に及び、山野の林縁や疎林内に自生。140504ヤマブキソウ@エコカフェ.JPG草丈は30pから40pほど、根出葉は奇数羽状複葉、小葉は5枚から7枚、葉身1.5pから5pほどの広卵形か楕円形、細鋸歯で葉先は尖ります。茎葉は茎上部につき、小葉は3枚という。花期は4月から6月頃、茎上部の葉腋から花柄を5p前後だし、黄色い花を1、2個咲かせます。花弁4枚、萼片2枚、雄蕊多数、雌蕊柱頭は2裂。果実は長さ4p前後の円柱形の刮ハ、中には種子が沢山入っています。

ヤマブキソウはケシ科でもあり全草にアルカロイド系毒成分を含み、摂取することは極めて危険です。また、茎を折ると白黄色の乳液がでるので取扱いに注意が必要ですね。実は植物には毒を持っているものは実に多いのです。


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湿生植物、コウヤワラビ(高野蕨)

ビーグル号の航海日誌 2014年05月14日 19:37

140504コウヤワラビ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の水生植物園の畔に群生するコウヤワラビを紹介します。名前の由来は紀州高野山で発見されたことにあります。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

コウヤワラビ(学名:Omoclea sensibilis L. var.interrupta Maxim.)はイワデンダ科コウヤワラビ属の夏緑性シダ植物。分布は北海道、本州、九州、国外では朝鮮半島、中国、ロシア東部に広く、半日陰の水田の畔や溜池畔、湿地などに自生。140504コウヤワラビ新芽@エコカフェ.JPG草丈は20pから60pほど、根茎は長く横走し、初め鱗片つくが脱落、葉は草質で無毛の二形。栄養葉は葉柄8pから30pほど、葉身8pから30pほどの広卵形か三角状楕円形の二回羽状浅裂か中裂、羽片は5対から11対くらい、披針形で鈍頭、上部の羽片は中軸に流れ連続した翼をつくります。葉脈は網状脈。胞子葉は栄養葉よりやや短めで2回羽状複葉、小羽片は内側に強く巻き込み球状(径約数o)、中に胞子嚢群(ソーラス)がつきます

コウヤワラビの系統種は、始新世(約5500万年前から3800万年前)における石炭(羊歯化石)から発見されており、古い時代からあまり形状変化が見られないと考えられているそうです。へえ、でしょう。


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「生物多様性への配慮で環境省指針作り」との記事が

ビーグル号の航海日誌 2014年05月13日 07:10

100710のり面@エコカフェ.JPG環境省は自然公園内の初有洞などの法面の緑化に向けた指針作りを検討しているとの報道があった。報道記事からはこの問題の本質が見えてこないので少しだけコメントします。

これまでは、コンクリート製や鋼鉄条網製の法面に、美観配慮の観点から、芽生えと持久性のある外来種の植栽や種子吹付による緑化を進めてきた。ところが、生物多様性の観点からは、本来の植生に大きな影響が出かねないという懸念があるためなのだろう。当たり前のことであって、今更何をとの感は否めないが、遅きに失したとしてもやるべきことはやるということが大切と理解されます。ところが、国が指針をつくり実行せしめるには、国の予算をどうつけるかが避けて通れないのも現実である。従って、指針を実行に移す段階での方法論が気になるところである。持続的に維持管理をしようとしても弾力的に物事を考えておかないと、単にコストばかりがかかることになりかねません。例えば、現在の道路中央帯や道路沿いの緑化も定期的に手を入れないと樹木はどんどん成長し、交通の障害になりかねないように。特に、在来種の維持は手を抜けば、すでに移入した外来種の多くが過酷な環境下でも適応できる戦略を持っているため、本質的に在来種に置き換わって行ってしまうだろう現実をしっかり押さえないと、元の木阿弥になりかねないと考えます。

自然が相手、自然は変化を好み、留まることを知らない。持続可能な仕組み作りが人間側に課された最も大事なポイントであることを肝に銘じたいと思います。

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岡山城天守閣は復元

ビーグル号の航海日誌 2014年05月12日 07:45

140318岡山城@青柳_n.jpg戦国時代、正平年間(1346年から1369年)に築かれた石山城が岡山城の起源、時は下り1597年に大きく増改築、城郭構造は梯郭式平山城、天守構造は複合式望楼型4重6階に。残念ながら天守閣は1966年(昭和41年)に復元、鉄筋コンクリート製。[2014年4月18日撮影:岡山市@青柳]

岡山城も例外ではなく築城当時から城主が変遷するたびに改築が重ねられているという。築城は上神高直、その後に宇喜多氏が備前西武から美作、備中に勢力拡大した頃に城郭の基礎が確立、小早川氏、池田氏と引き継がれていった。当時、旭川河口域デルタ地帯には3つの小高い丘(石山、岡山、天満山)があり、宇喜多氏が石山城の城主となると隣の岡山に本丸を築き、140318後楽園@青柳n.jpg石山城を取り囲むように城郭が造り、岡山城と称するにようになったという。

下見板が黒漆塗りの外観であるから別名に烏城ともいう。岡山城は立地からして北側から東側にかけて城郭が築けず防御が手薄になるため、旭川の流路を変えて緩衝に後楽園を整備し、文武両道としたとも考えられています。


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湿生植物、カサスゲ(笠菅)

ビーグル号の航海日誌 2014年05月11日 11:45

140504カサスゲ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の水生植物園の水辺ではカサスゲが植栽展示されています。小さな子供たちの背丈を超えるほどもあるので、カサスゲ群落に木道があったら楽しいでしょう。青い草の匂いが漂いますし。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

カサスゲ(笠菅、学名:Carex dispalata Boott ex A. Gray)はカヤツリグサ科スゲ属の大多年草、大型のスゲ。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国、サハリンに及び、溜池の畔や水田の畔、平地の湿地の浅い所に自生。草丈は50pから1mほど、地下茎を横に這わせ群落を形成。葉は硬く、幅4oから8oほどの細長い線形で根元の鞘は糸網。花期は4月から7月頃、花茎を真っ直ぐに伸ばし、先端に灰褐色で細長い棒状の雄小穂(時に基部に第二雄小穂を伴う)をつけ、その下に数個の緑色の細長い雌小穂を複数つけ、穂先を重みでやや垂らします。

昔はカサスゲで菅笠や蓑をつくったそうです。近年では河川改修や水田の水路整備で生息環境が失われ、減少する傾向にあるといいます。身近な植物であって、生活に役立つ植物でもあったのです。今は昔です。


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イトアオスゲ(糸青菅)と言われても

140504イトアオスゲ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の水生植物園の池のほとりにイトアオスゲが植栽展示されています。名前の由来は茎や葉がアオスゲよりも細く糸に見立てたことにあります。確かに優しい風合いです。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

イトアオスゲ(糸青菅、学名:Carex puberula Boott/Carex breviculmis R. Br. forma filiculmis Kiuekenth.)はカヤツリグサ科スゲ属ヌカスゲ節の半常緑多年草。分布は北海道、本州、九州、対馬に及び、山地(シイ帯からブナ帯)の林縁や草地などに自生。140504イトアオスゲ看板@得おカフェ.JPG草丈は20pから30p(稀に50p)、匐枝は出さず、葉はやや緩やかに叢生し直立、葉身20pから30pほどで幅約1、2mmの線形、緑色で基部に褐色の鞘がつく。花期は4月から6月頃、花茎を10pから30p(稀に50p)伸ばし、頂小穂(雄小穂)は長さ5oから20oほどの線形、側小穂(雌小穂)も長さは同じで2、3個つき、花数は10個以下、雌鱗片の苞は短いという。

イトアオスゲはアオスゲ類の中ではメアオスゲと同様に小型で全体が柔らかいとされるが、花や形や付き方などで分類するので、花がない時の同定は不可能です。スゲ属そのものが分類上喧々諤々あるらしいし。従って、自然教育園のように名札があると助かります。


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タグ:自然教育園
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海浜植物、ノシラン(熨斗蘭)

140504ノシラン@エコカフェ.JPG国立博物館附属自然教育園内の路傍の植物のコーナーからノシランを紹介します。前にも書きましたが、この仲間は世界に東アジアからインドにかけて約65種、うち日本にはノシラン、ジャノヒゲ、オオバジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲの4種が知られます。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

ノシラン(熨斗蘭、学名:Ophiopogon jaburan)はユリ科ジャノヒゲ属の常緑多年草。分布は本州千葉県以西、四国、九州、南西諸島、国外では済州島に及び、温暖な海岸近くのやや湿った林下に自生。草丈は60pから80pほど、葉は叢生し深緑色で光沢、葉身はヤブランに似るがより長くより幅広の線形、葉縁は平滑で先は下垂します。花期は7月から9月頃、花茎を長さ30pから50pほど伸ばし、茎頂に総状花序をつけ白色から淡紫色の小花を幾つも咲かせます。小花は花被片6枚、雄蕊6本、花糸は短い。花茎の断面は扁平で同じ幅の翼を伴い、果実がつくと倒れてしまう。果実は長径約10oのやや楕円形、コバルト色に熟します。

名前の由来は、花茎も葉も平たく火熨斗で伸ばしたように見えることにあります。ちなみに火熨斗とは昔のアイロンのことです。花茎が平たいのは、強い潮風にも折れることのないような戦略を取っているためでしょう。


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ナキリスゲ(菜切菅)のお話し

ビーグル号の航海日誌 2014年05月10日 10:18

140504ナキリスゲ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の路傍の植物コーナーでみたナキリスゲを紹介します。名前の由来は葉が硬くざらつくことから葉を切ることに喩えたことにあります。スゲ属は世界に約2000種、うち日本では約200種、年を追うごとに新種の発見が報告されるなど、分化・進化が進行していると考えられているようです。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

ナキリスゲ(菜切菅、学名:Carex lenta D.Don ex Spreng.)はカヤツリグサ科スゲ属真正スゲ亜属ナキリスゲ節の常緑多年草、単子葉植物。分布は本州関東地方・北陸地方以西、四国、九州、南西諸島トカラ列島以北、国外では朝鮮半島南部、中国、インドシナ半島、ネパール、ヒマラヤなどに及び、山地から海岸までの林内から乾燥した道端など多様な環境下で広く自生。草丈は40pから80pほど、根茎はごく短く、葉は叢生し暗緑色で硬く根元に鞘、葉身30pから40pほどで幅2、3oの線形、葉縁がざらつき、葉先は垂れる。花期は9月から10月頃、花茎を50pほど伸ばし、中程から上に節ごとに1個から3個の小穂を長く細い柄の先にやや下垂する。小穂は長さ1cm から3pほどの円柱形、全て雄雌性(基部に雌花がつき先端部に雄花がつく)です。苞には鞘と長い葉状部があります。果胞は長さ約3oの広卵形、表面い多数の毛が生えます。嘴は鋭く先端が2裂、果実は卵形です。

ナキリスゲ列はスゲ属の中では、何れも、秋に花を咲かせ、全ての小穂が雌雄性(基部に雄花がつく)、花茎の節から時に複数の小穂が出ること、花茎の苞に鞘があること、果胞が扁平で嘴があること、柱頭が2裂すること、が共通的な特徴になるそうです。


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タイマイ(玳瑁)はより希少

111231タイマイ@エコカフェ.JPG父島製氷海岸にある小笠原海洋センターの水槽に保護飼育されているもう1種の海亀はタイマイです。名前は「こうたくん」といいます。[平成23年12月31日撮影:お正月の旅 小笠原2011年度@吉岡明良]

タイマイ(玳瑁、学名:Eretmochelys imbricata(Linnaeus))はカメ目ウミガメ科タイマイ属のカメ、1属1種。IUCNレッドリストで絶滅危惧TA類(CR)、ワシントン条約附属書Tに記載。111231タイマイ全体@エコカフェ.JPG分布はインド洋、大西洋、太平洋に及び、日本では石垣島、黒島で産卵。小笠原諸島での産卵は記録されていないそうです。甲長は53pから114pほど、体重は30sから70sほど、肋甲板は左右各4枚、背甲の色彩は黄色で黒褐色の斑紋が入ります。食性は肉食性ですが、カイメン、柔らかいサンゴ、甲殻類を食することから、頭部は細長く吻端が尖ります

タイマイの甲羅は「鼈甲(べっこう)」として重用されたためかつては乱獲された悲しい歴史があります。現在は丁重に保護されています。


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