コバノイシカグマ(小葉の石かぐま)は美しい

ビーグル号の航海日誌 2014年06月17日 22:34

110722コバノイシカグマ@エコカフェ(芦生公開講座) 119.jpg京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林内のトロッコ道脇の傾斜地で見た美しいシダ植物。名前はコバノイシカグマです。葉に停まっているのはオツネントンボでしょうか。[2011年7月22日撮影:芦生公開講座2011「今,森から考える−森のめぐみ−」@阿部]]

コバノイシカグマ(小葉の石かぐま、学名:Dennstaedtia scabra (Wall. ex Hook.) Moore)はコバノイシカグマ科コバノイシカグマ属の常緑性シダ植物。分布は本州東北地方南部以南、四国、九州、南西諸島、国外では東アジア、東南アジアからインドにかけて広く、山地の湿った林内や傾斜地に自生。草丈は50pから80cmほど、根茎は赤褐色でよく葡匐、葉柄は20pから35pほど、赤褐色で白毛が密生。葉はやや硬い革質で両面に粗い毛が生え、葉身20pから50pほどの三角状長楕円形、3、4回羽状複葉、羽片は14対から16対で最下羽片が最も大きい。小羽片は卵状長楕円形、中裂から深裂、裂片は長楕円形。胞子嚢群(ソーラス)は辺縁につき、包膜は灰緑色、コップ状で無毛です。

コバノイシカグマ属は世界に約60種、日本にはウスゲコバノイシカグマ、イヌシダ、オウレンシダ、イシカグマなどが知られるようです。


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高山植物の魅力(130)、ミヤマトウキ(深山当帰)

ビーグル号の航海日誌 2014年06月16日 20:54

130707ミヤマトウキ@エコカフェ.JPG姫川源流親海湿原でみたシシウドの仲間、調べてみるとミヤマトウキというらしい。別名をイワテトウキとかナンブトウキという。北海道の蛇紋岩帯には小葉が細いホソバトウキが自生します。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

ミヤマトウキ(深山当帰、学名:Angelica acutiloba (Siebold et Zucc.) Kitag. subsp. iwatensis (Kitag.) Kitag.)はセリ科シシウド属の多年草、トウキの高山型亜種。日本固有種。分布は北海道南西部、本州中部地方以北に限り、亜高山帯から高山帯の岩礫地や渓流沿いの岩上などに自生。130707ミヤマトウキ@エコカフェ.JPG草丈は20pから50pほど、茎は枝を広げ、葉は光沢があり、葉柄全体が鞘状に膨らみ基部で茎を抱き、葉身10cmから13cmほどの2、3回3出複葉、小葉は3裂し、重鋸歯、先が尖ります。基本種トウキより裂片の幅が広いのが特徴。花期は7月から8月頃、茎頂又は分枝の先端に径約10pの複散形花序をつけ、径約3oの白色の5弁花を咲かせます。花序の下に総苞片は普通付かないが、あっても1個です。小花序の下の小総苞片は線形で数個付きます。果実は長径5o前後の楕円形の分果、脈状背隆条と翼状側隆条が目立ちます。

シシウド属は花が似ていることから葉の形で見分けるのが良いとされます。ミヤマシシウド、アマニュウは葉の分裂が少なく、シラネニンジン、ミヤマウイキョウ、ミヤマセンキュウミヤマゼンコは細裂、ハクサンボウフウ、ミヤマトウキが中間とされます。


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キランソウ(金瘡小草)は地獄の釜の蓋とも

ビーグル号の航海日誌 2014年06月15日 08:06

120708キランソウ@エコカフェ.JPG奥鬼怒温泉郷日光沢温泉の近くの草むらで小さな紫色の唇花が咲いていました。シマカコソウに似た感じの雰囲気を持っている。調べるとキランソウらしい。起源が極めて近いので当然だと頷ける。根生葉が地面にぺったりと張り付くことからジゴクノカマノフタとも呼ばれているそうです。[2012年7月8日撮影:奥鬼怒視察@阿部]

キランソウ(金瘡小草、学名:Ajuga decumbens Thunb.)はシソ科キランソウ属の多年草。分布は本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、野山の明るい草地などに自生。120708キランソウ花@エコカフェ.JPG草丈は5pから15cmほど、茎は丸く地面を葡匐、根生葉はロゼット状、葉身4pから6cmほどの広披針形、波状の粗鋸歯、葉先は鈍頭。茎葉は互生し、葉身1.5cmから3pほどと小さい。全草に毛が生えます。花期は3月から6月頃、葉腋に濃紫色から淡紫色の唇形花が数個咲きます。萼片は5裂、毛が生え、花冠は長さ約1p、上唇は2浅裂、下唇は3裂し、中央裂片が大きく、さらに2浅裂。雄蕊4本は2本が長く、2本が短い。雌蕊柱頭は2裂。果実は長さ約1.7mmの分果です。

キランソウの仲間はユーラシア大陸に数十種、日本にニシキゴロモ、ツクバキンモウソウ、ジュウニヒトエなど十数種が知られているそうですよ。


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高山植物の魅力(129)、エーデルワイス

ビーグル号の航海日誌 2014年06月14日 13:24

130707エーデルワイス@エコカフェ.JPG130707エーデルワイス花@エコカフェ.JPG白山五竜高山植物園に植栽展示されているエーデルワイスを紹介します。スイスやオーストリアの国花、けなげな美しさです。ハヤチネウスユキソウが比較的よく似ているといわれています。花言葉は「愛をあなたに」「大切な思い出」「気高く毅然とした勇気」だそうです。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]   

セイヨウウスユキソウ(西洋薄雪草、学名:Leontopodium alpinum Cass.)はキク科ウスユキソウ属の多年草。分布はヨーロッパ、ヒマラヤ、シベリアに及び、高山帯(標高2000mから2900m)の石灰岩地を好んで自生。日本には大正時代以降に移入。草丈は10pから20pほど、葉はロゼット状に生え、葉身は披針形で先が尖ります。花期は7月から9月頃、苞葉は白い綿毛に覆われ、中心に球形の花がつきます。苞葉の綿毛は紫外線や強風、乾燥から守るための手段と考えられています。果実は痩果、熟しても裂開しない。

日本に自生する近縁種としては、ハヤチネウスユキソウ、コマウスユキソウ、ミネウスユキソウ、ウスユキソウ、ハッポウウスユキソウ、エゾウスユキソウなどが知られます。


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チヂミザサ(縮み笹)はたくさんに

ビーグル号の航海日誌 2014年06月13日 20:00

140531チヂミザサ@エコカフェ.JPG真鶴半島先端部にある魚付き保安林のやや渇いた林縁に群生しているのをよく見かけるチヂミザサです。名前の由来は葉が笹の葉に似ている上に縮み皺があることにあります。[2014年5月31日撮影:第20回自然観察会@阿部]

チヂミザサ(縮み笹、学名:Oplismenus undulatifolius (Arduino) Roem.et Schult)はイネ科キビ亜科チヂミザサ属の一年草。分布は日本全土を含む旧世界の温帯から熱帯にかけて広く、山野の林内や林縁に自生。草丈は10cmから30pほど、茎は細く長く、下部は走出枝状に葡匐し、疎らに枝分かれし、上部と枝は斜上。葉は互生し薄く鮮緑色、葉身3pから7cmほどの狭卵形か広披針形、縁は縮れて波打ち先は尖ります。花期は8月から10月頃、茎頂に長さ10cmほどの穂状花序をだし、花序の中軸の5節から9節に小穂が密生。小穂は緑色、長さ約3mmの狭卵形で短毛が生え、基部につく2個の苞穎の先には芒がつきます。

チヂミザサは毛の生え方に変異があり、広義には2変種に分かれ、葉や葉鞘、花軸に長い毛が多いタイプをケチヅミザサ、全体に毛が少なく花軸に毛がないタイプをコチヂミザサとし、どちらもチヂミザサの変異とします。


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高山植物の魅力(128)、シナノナデシコ(信濃撫子)

ビーグル号の航海日誌 2014年06月09日 05:11

130707シナノナデシコ@エコカフェ.JPG白山五竜高山植物園で見られる高山植物からシナノナデシコを紹介します。別名にミヤマナデシコ(深山撫子)ともいいます。残念ながら写真はハクサンフウロしか写っていませんね。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

シナノナデシコ(信濃撫子、学名:Dianthus shinanensis (Yatabe) Makino)はナデシコ科ナデシコ属の多年草。日本固有種。分布は本州中部地方に限り、山地から亜高山の河原や岩場などに自生。草丈は20pから40pほどと小型、茎は四角状で節が膨れ上部でよく分枝、葉は対生し基部で茎を抱き、葉身4pから7pほどの広線形。130707シナノナデシコ看板@エコカフェ.JPG花期は7月から8月頃、茎先に集散花序をだし、紅紫色の5弁花をたくさん咲かせます。花弁は先端が浅裂、雄蕊10本、雌蕊花柱2本です。果実は刮ハ、熟すと下部が裂け、種子が散布されます。

ナデシコ属は世界に北半球の温帯域を中心に約300種、日本にはシナノナデシコのほか、フジナデシコ、ヒメハマナデシコ、カワラナデシコの4種、カワラナデシコの変種としてエゾカワラナデシコタカネナデシコの2種が知られます。


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高山植物の魅力(127)、ノウゴウイチゴ(能郷苺)

ビーグル号の航海日誌 2014年06月06日 20:45

130707ノウゴウイチゴ@エコカフェ.JPG白山五竜高山植物園で見られる高山植物からノウゴウイチゴを紹介します。名前の由来は岐阜県本巣市(旧本巣群根尾村)能郷白山で発見されたことにあります。 [2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

ノウゴウイチゴ(能郷苺、学名:Fragaria iinumae Makino)はバラ科オランダイチゴ属の多年草。分布は北海道、本州(東北地方から日本海側鳥取県伯耆大山にかけ)、国外では樺太に及び、山地帯から亜高山帯の湿り気のある草地に自生。130707ノウゴウイチゴ看板@エコカフェ.JPG草丈は10cmから15cmほど、根茎は肥厚し、枝は長く匍匐します。葉は根生し有長柄、3出複葉、小葉身1.5pから3pほどの倒卵形、粗鋸歯。葉裏は粉白色を帯びます。葉裏、葉柄、花茎に伏毛が生えます。花期は6月から7月頃、花茎の先に花を数個咲かせます。花径2p前後、花弁7、8枚。果実は径約8oの卵形の偽果、熟すと赤くなります。シロバナノヘビイチゴ同様、果実は甘い果汁を含みとっても美味しいです。

オランダヘビイチゴ属は、世界に20種超、染色体の数により分類がされているようです。2倍体のほか4倍体、6倍体、8倍体、10倍体の存在が知られています。自然交雑もよくおこるようです。


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コオニユリ(小鬼百合)は派手な貴婦人

ビーグル号の航海日誌 2014年06月05日 22:35

130707コオニユリ@エコカフェ.JPG長野県安曇野の白馬村標高750mの「姫川源流自然探勝園」内に親海湿原が広がっています。江戸時代から昭和初期までは水田として利用されていた場所です。水田から湿原へと移行が進み、現在も植生遷移の過程にあると考えられます。約3haの湿原には350種以上もの植物が自生しているそうです。そんな中から、コオニユリを紹介します。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

コオニユリ(小鬼百合、学名:Lilium leichtlinii Hook. fil. var. maximowiczii (Regel) Baker)はユリ科ユリ属の多年草。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国、アムール地方に及び、山地のやや湿った場所や湿原周辺に自生。草丈は80pから100cmほど、葉は互生し基部で茎を抱き、葉身8pから15cmほどの線状披針形、葉先は尖ります。花期は7月から9月頃、茎先に総状花序をだし、黄赤色の花を下向きに2輪から10輪ほど咲かせます。花被片6枚、披針形で反り返り、内側に黒紫色の斑点がつきます。果実は刮ハ、熟すと下部が裂け種子が散布されます。

近縁種のオニユリとの相違は、コオニユリは花がやや小さいこと、ムカゴ(珠芽)ができないこと、だそうです。オニユリがムカゴから3年、コオニユリは実生から6年から8年も経たないと花が見られないのも違いといえば違いですね。


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高山植物の魅力(126)、タカネオトギリ(高嶺弟切)

ビーグル号の航海日誌 2014年05月30日 08:04

130803タカネオトギリ@エコカフェ.jpg四国第二峰の石鎚山の登山道脇で記録した黄色い花。調べるとタカネオトギリというらしいです。背が低いため他の植物からの圧迫が厳しいことや人的採取により減少傾向にあり、大分県では絶滅危惧1B類(EN)に指定という。[2013年8月3日撮影:石鎚山と別子銅山を巡るツアー@阿部]

タカネオトギリ(高嶺弟切、学名:Hypericum sikoku-montanum Makino.はオトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。分布は四国、九州(大分九重連山、祖母山)に限り、高山帯(1400m以上)の日当たりの良い草原などに自生。草丈は10pから30pほど、葉は対生し時に茎を僅かに抱き、葉身1pから2.5pほどの狭長楕円形から線状長楕円形、葉面には腺点がなく、縁に黒点が並びます。花期は7月から8月頃、径約2pの黄色い5弁花を咲かせます。花弁の縁に黒点が入り、雄蕊はオトギリソウより長くたくさんあるそうです。

オトギリソウ属は世界にユーラシア大陸の温帯から亜熱帯を中心に約300種、日本にはトモエソウ、オトギリソウイワオトギリハイオトギリなど23種ほどが知られます。タカネオトギリはそれらの中でも葉が小さい割に花が大きいのが特徴です。


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高山植物の魅力(125)、メコノプシス・ベトニキフォリア

ビーグル号の航海日誌 2014年05月29日 21:26

130707メコノプシス・グランディス@エコカフェ (2).jpg130707メコノプシス・グランディス@エコカフェ.jpg白山五竜高山植物園に植栽展示されている高山植物のひとつにヒマラヤの青いケシと呼ばれるものがあります。ブータンの国花とも、メコノプシス・ベトニキフォリアです。一般に栽培が難しいが、冷涼な気候の北海道や東北地方、中部地方の一部で栽培に成功。花言葉は「底知れぬ魅力」だそうです。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

メコノプシス・ベトニキフォリア(学名:Meconopsis betonicifolia Franch)はケシ科メコノプシス属の多年草。分布は中国雲南省北西部とビルマ北部に限り、高山帯(標高3000mから4000m)草地や灌木地に自生。草丈は60pから80cmほど、茎や葉には毛が生えます。葉は長楕円形。花期は5月から8月頃、花茎を伸ばし、茎頂に径約10cmの空色(ヒマラヤンブルー)の4弁花を1個咲かせます。果実は刮ハ、熟すと下部が裂け種子が散布されます。

メコノプシス属は世界に西ヨーロッパ、中央アジア、ヒマラヤ、ミャンマー北部、中国横断山脈を中心に約50種が隔離分布していることが知られ、花には、青、赤、黄の三原色の他に、ピンク、クリーム、紫などの色があるそうです。楽しめますね。


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高山植物の魅力(124)、シコタンソウ(色丹草)

130707シコタンソウ@エコカフェ.jpg白馬五竜高山植物園に植栽展示されている高山植物の中からシコタンソウを紹介します。名前の由来は千島列島の色丹島で初めて発見されたことにあります。別名にレブンクマモソウという。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

シコタンソウ(色丹草、学名:Saxifraga bronchialis L. subsp. funstonii (Small) Hultén var. rebunshirensis (Engl. et Irmsch.) H.Hara)はユキノシタ科ユキノシタ属の小型の常緑多年草。分布は北海道、本州中部以北、国外では樺太、シベリア、中国東北部、カムチャッカに及び、高山の岩場、砂礫地に自生。草丈は5pから15pほど、根茎は細く地表を這いよく分枝し、葉は疎らに互生し厚く、葉身6oから15oほどのさじ状披針形から線状披針形、縁に剛毛が生え、葉先は尖ります。花期は6月から7月頃、赤色の花茎を立上げ、茎頂に径約1pの白色の小花を数個咲かせます。雄蕊10本で葯は淡黄色、雌蕊花柱2本、花弁5枚で内側に黄色と赤色の斑点が多数入ります。果実は長径4、5oの広卵形の刮ハ、熟すと下部が裂け種子が散布されます。

ユキノシタ属は世界の北半球の温帯から亜寒帯にかけて約300種、日本にはシコタンソウの他、ユキノシタ、ダイモンジソウ、クモマグサなど16種が知られます。隔離分布的にアフリカ、熱帯アジア、南アメリカに数種が分布するといいます。


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水生植物、コウホネ(河骨)

ビーグル号の航海日誌 2014年05月28日 22:27

100605コウホネ@エコカフェ.JPG赤城自然園内のトンボの池にはコウホネが植栽されています。前に草花教室で訊ねたときには黄色い花を咲かせていました。止水の池のため藻が水面を覆い尽くしていたのが印象的でした。緑色に黄色、よく目立ちますね。[2010年6月5日撮影:第39回草花教室@阿部]

コウホネ(河骨、川骨、学名:Nuphar japonicum Nuphar)はスイレン科コウホネ属の水生植物。分布は北海道南部、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島に及び、浅い池沼、流れの緩い小川などに自生。地下茎は太く葉痕があり灰緑色で中は白色の多孔質、多数の根を出す。100605コウホネ花@エコカフェ.JPG葉は水上葉(時に浮葉、抽水葉)と水中葉の二葉、水上葉の葉身は20pから30pほどで長卵形から長楕円形、全縁で葉先は丸く、基部は矢尻形です。水中葉は膜質で細長く、流れがある場所では帯状になります。花期は6月から9月頃、花茎を水上に伸ばし、茎先に径4、5pほどの黄色い花を1個咲かせます。花弁に見えるのは萼片5枚、内側に多数の花弁、中心部に雄蕊と雌蕊。果実は径約3pの球形、緑色の漿果です。

コウホネの仲間は世界に北半球を中心に約20種、うち日本にオゼコウホネ、ネムロコウホネ、オグラコウホネ、ヒメコウホネが知られます。近年は開発や溜池の減少で数を減らしているそうです。根茎を縦割りにしたものを「川骨」と呼び、強壮、産後の出血や月経不順などの婦人病に、また、解熱、鎮痛のための配合生薬として、使われるそうです。


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マーガレットで恋を占う

ビーグル号の航海日誌 2014年05月26日 20:00

100605マーガレット花@エコカフェ.JPG赤城自然園の「四季の森」には野生種だけではなく様々な園芸品種も植栽されています。マーガレットもそんなひとつです。花言葉は「恋を占う」「心に秘めた愛」「貞節」「誠実」だそうです。和名にモクシュンギク(木春菊)という。[2010年6月5日撮影:第39回草花教室@阿部]

マーガレット(学名:Argyranthemum frutescens (L.) Sch.Bip.)はキク科モクシュンギク属の半耐寒性多年草。原産地はカナリア諸島、17世紀頃にヨーロッパに渡り、日本には明治時代末期頃に移入。高温多湿と寒さに弱い性質があります。草丈は60pから100pほど、茎は年数を経ると木質化、葉は互生し白色を帯びた緑色、葉身は2、3回羽状深裂。花期は3月から7月頃、茎先に径約4pの白色の頭状花1個を咲かせます。花は、一重、八重、丁字咲きとのほか、黄色やピンク色の花をつけるものもあります。果実は刮ハです。

花一輪を摘み、花弁を好き、嫌いと、一枚ずつ愛を占ったりした頃が懐かしいですね。しっかりしたインパクトの強い花だと思います。あなたも占ってみては。


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東京愛らんどフェア「島じまん2014」は

ビーグル号の航海日誌 2014年05月25日 21:29

140525東京愛らんどふぇあ2014会場風景@エコカフェ.JPG竹芝桟橋の竹芝旅客ターミナルを会場にして『東京愛らんどフェア「島じまん2014」』をのぞいてみました。松崎さんは「小笠原・硫黄島クルーズ」のためにっぽん丸に乗船して東京湾をゆっくり南下中です。

伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島の伊豆諸島、小笠原諸島を紹介するブースが所狭しと並んでいます。着いた時間が遅かったため、食べ物は完売状態でした。それにしても大賑わいです。島の特徴、要は違いをもう少し強調してPRされると、140525小笠原海運ブース@エコカフェ.JPG140525雑踏A@エコカフェ.JPGこっちも、そっちも、あっちも、行ってみたいとなるのではないでしょうか。

イベントで物質的欲求を満たすには、お出かけは午前中に限りますね。島出身の方と島民の方の交流の場にもなっているのはよいですね。次回は「島嶼物語り」を期待したいですね。いやはや。


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ホウビカンジュは緑の滝を

ビーグル号の航海日誌 2014年05月24日 21:44

140315ホウビカンジュ@エコカフェ.JPG石垣島の石垣市内にある権現堂を訪ねた時は訪れる観光客はおらず、ひっそりと静まり返っていた。境内右手の樹木に着生しているホウビカンジュに緑の流れをつくっていた。権現堂は隣には臨済宗妙心寺派の桃林寺があり、いずれもこの島の歴史、徳川幕府と琉球王国の攻防の証を静かに伝えているんですよ。[2014年3月15日撮影:石垣島@山崎]

ホウビカンジュ(学名:Nephrolepis biserrata (Sw.) Schott)はツルシダ科タマシダ属の常緑性シダ植物。140315ホウビカンジュ胞子のう群@エコカフェ.JPG分布は南西諸島トカラ列島以南、旧世界の熱帯地域に広く、岩や樹木に着生。根茎は短くやや斜上、多くの株が束生し、根は細く下垂。根茎と葉柄には赤褐色に鱗片が密生、鱗片は長さ5mmほどで尾状に尖ります。葉は1回羽状複葉で無毛、長く下垂、葉柄30pから60cほど、葉身60cmから200cmほど、側羽片は非常に多く、長さ15cmほど、中軸との間に関節を有し、線状披針形から披針形、基部は楔形か円形、先端はやや鎌形。胞子嚢群(ソーラス)は径約1.5mmの円形、羽片から中肋の1/3hどの位置に一列につく。新芽は食用になるそうです。

タマシダの仲間は世界に約30種、日本にはホウビカンジュとタマシダヤンバルタマシダの3種が知られています。これらの自然交雑種の存在も指摘されているようです。


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サカキカズラ(榊葛)はジャスミンの香り

ビーグル号の航海日誌 2014年05月22日 06:58

140315サカキカズラ@エコカフェ.JPG石垣島於茂登岳の山中で見たシイノキカズラでしょうか。亜熱帯照葉樹林の深い森に登山道は渓流沿い、といっても訪ねた時は枯れ川、を横切り山頂まで進みます。開けた場所では大きな石が転がり、豪雨の時の激しい爪痕を感じることができます。[2014年3月15日撮影:石垣島@山崎]

サカキカズラ(榊蔓、学名:Anodendron affine (Hook. et Arn.) Drucei)はキョウチクトウ科サカキカズラ属の常緑つる性低木。分布は本州千葉県以西、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、中国、ベトナム、インドに及び、山野の林内に自生。樹高は4mから10mほど、樹皮は暗紫色、葉は対生し厚く光沢、葉身8pから10pほどの長楕円状披針形、全縁で葉先は尖ります。花期は4月から6月頃、蔓丁や葉脇に集散花序をつけ、淡黄色の高盆状の小花をたくさん咲かせます。花径9o前後、筒部長約4oで先が5裂、裂片は捻じれ、筒部上部と内側に白い短毛が生えます。果実は長径8pから13pほどの長円錐形の袋果、2個が基部で水平に合着。種子は1.5pから2pほどの扁平で先端に長い種毛が生えます。

名前の由来は葉がサカキに似ている葛ということにあります。花はジャスミンの香りがするので気づきやすいでしょう。


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ランタナは七変化

ビーグル号の航海日誌 2014年05月21日 06:51

140313シチヘンゲ@エコカフェ.JPG八重山群島黒島の道路脇や海岸の草地で咲くカラフルな花。ランタナです。観賞用のものが野生化したものです。花の色がいろいろと変化するため、和名にシチヘンゲ(七変化)ともいいます。花言葉は「協力」「合意」です。なかなかですね。[2014年3月13日撮影:八重山群島黒島@山崎]

ランタナ(学名:Lantana camara)はシソ目クマツヅラ科シチヘンゲ属の常緑小高木。原産地は熱帯・亜熱帯アメリカ。日本には小笠原諸島、沖縄諸島に移入、野生化、世界中で帰化。樹高は30pから80pほど、茎は互生し、葉身2pから8pほどの卵形、葉縁に粗鋸歯、葉先は短く尖ります。葉表には硬い毛が生え、ざらつきます。花期は5月から11月頃、茎先に半球状の散形花序をだし、小花をたくさん咲かせます。小花の色は黄色から橙色、橙色から赤色、赤色から桃色、桃色からクリーム色など多様に変化します。果実は球形の液果、黒色に熟します。

原産地では約150種が知られ、うち2種(カマラ種とモンテビデンシス種)が園芸品種として世界に普及、浜で見たものはカマラ種を基本に改良された園芸品種なのかもしれません。小笠原父島でも野性化しているものをよくよく見かけますよ。


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タグ:黒島 外来種
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海浜植物、シロバナミヤコグサ(白花都草)

ビーグル号の航海日誌 2014年05月20日 22:50

140314シロバナミヤコグサ@エコカフェ.JPG八重山群島黒島の仲本海岸の琉球石灰岩地の砂浜でみた海浜植物にシロバナミヤコグサがあります。黄色い花をつける日本全国に自生するミヤコグサの仲間ですが、その白花品種ではなく別種とされています。[2014年3月14日撮影:八重山群島黒島@山崎]

シロバナミヤコグサ(白花都草、学名:Loutus australis Andr.))はマメ科ミヤコグサ属の多年草。分布は南西諸島喜界島以南、国外では熱帯アジアからオーストラリアに及び、海岸の砂浜に自生。140314シロバナミヤコグサ@エコカフェ.JPG草丈は20pから40pほど、茎は圧毛が生え、地表を匍匐します。葉は奇数羽状複葉、小葉は2対、葉身1.5pから2pほどの倒披針形、葉先はやや尖ります。花期は3月から4月頃、葉脇から散形花序をだし、長さ約1.2pの白色の花を4、5個咲かせます。果実は長さ4、5pほど、径約4oの円筒状の豆果です。

この仲間は根に共生根粒菌であるミヤコグサ根粒菌を共生させているため、厳しい環境下でも逞しく育つころができます。根粒菌に頼る植物のほとんどがフロンティア植物であるともされていますね。


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バリバリノキの戦略は

140315バリバリノキ@エコカフェ.JPG石垣島の於茂登岳山中でたびたび見かけた葉が細く特徴的な樹です。調べるとバリバリノキです。名前の由来は葉質が硬いため風で擦れるとバリバリと音がするとか、枝葉に油成分が多くバリバリとよく燃えることにあるようです。別名にアオカゴノキ(青籠の木)やアオガシ(青樫)ともいう。[2014年3月15日撮影:石垣島於茂登岳@山崎]

バリバリノキ(ばりばりの木、学名:Litsea acuminata (Blume) Kurata)はクスノキ科ハマビワ属の常緑高木。分布は本州千葉県以西、四国、九州、南西諸島に及び、常緑広葉樹林内(照葉樹林内)の適潤地に疎らに自生。樹高は15mほど、樹皮は灰褐色で皮目が点々、枝は余り分枝せず、葉は互生し枝先に集生します。葉は硬く無毛で有柄、葉身12pから25pほど、幅は15oから20oほどの披針形、全縁で波打ち葉先は尖ります。葉裏には褐色の細毛が散生、葉脈は隆起し、側脈は10対から15対もあります。花期は8月頃、雌雄異株、葉腋に散形花序をだし、淡黄色の小花をたくさん咲かせます。果実は長径約1.5pの長楕円形の漿果、翌年6月頃に黒紫色に熟します。

この樹は根元近くに細長いシュートをよく出して葉を展開させるのが特徴のようです。そのことは山地斜面の崩壊などがあっても親樹が倒れてもシュートの子樹が種を紡ぐ戦略を取っているからと考えられているのでしょう。


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黒島のインドクジャクたちは

ビーグル号の航海日誌 2014年05月19日 22:19

140313インドクジャク@エコカフェ(黒島).JPG1980年代に小浜島のリゾートホテルから寄贈されたインドクジャク。台風により飼育小屋が壊れ逃げ出した数羽が野生化し今や数百羽にもなり、蝶が激減するなど島の生態系に影響を与えてしまっているという。箱わなによる駆除活動が続けられているそうです。写真は黒島研究所で飼育されている雄です。[2014年3月13日撮影:八重山群島黒島@山崎]

インドクジャク(印度孔雀、学名:Pavo cristatus Linnaeus)はキジ科クジャク属の陸鳥。分布はインド、スリランカ、ネパール南部、バングラデシュ西部に及び、山地の落葉樹林の森内や周辺などの地表に群れをつくって棲息。日本には観賞用として移入、一部で野生化。最大全長は230p、体重は雄で4sから6s、雌で3sから4sほど。雄の成鳥は尾羽基部の上面被う飾り羽が発達し、雌にアピールするために使われる。頭部や頸部は濃青色、体側面は青緑色、腹部は黒緑色の羽毛で被われ、冠羽の先端は青緑色、翼は青い光沢のある岐路色、初列風切は赤褐色です。雌の成長は全身が褐色、顔や腹部が帯淡褐色の白色の羽毛で被われ、冠羽の先端も褐色です。食性は雑食性、昆虫、節足動物、小型爬虫類、両生類、植物葉、果実、種子などです。群れは雄1羽と雌数羽からなり、昼行性、夜間は樹上で休みます。繁殖期は5月から8月頃、雄は単独で行動し求愛、産卵は茂みの中の窪み、産卵期間は28日前後、雌のみが育雛をするという。

黒島に人が善意で持ち込まれたものの、意図せず起きた台風による飼育小屋の崩壊。飼育管理の放棄が年月を経て農作物への被害や生態系への圧迫問題を惹起。程度こそ異なるが、小笠原のノヤギ、伊豆大島のキョンなどと同じです。行きつくところ、人間こそが彼らにとって、唯一の天敵となってしまうのです。


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