アラゲハンゴンソウ(粗毛反魂草)は侵入者

ビーグル号の航海日誌 2014年10月16日 20:29

140913アラゲハンゴンソウ@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)に取り付くゴンドラの山頂駅に近い崖下の植栽地でみたキク科の植物。植えたものか、どこからか飛んできたのか、アラゲハンゴンソウのようです。花言葉は「正義」、別名にキヌガサギク(衣笠菊)ともいう。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

アラゲハンゴンソウ(粗毛反魂草、学名:Rudbeckia hirta L. var. pulcherrima Farwell)はキク科オオハンゴンソウ属の多年草。帰化植物。原産地は北アメリカ、日本へは大正時代に北海道にまず移入、野生化し、本州関東地方以西、四国で帰化。草丈は30pから100pほど、茎葉直立し疎らに分枝、葉は互生し基部で有柄(上部でほぼ無柄)、葉身2pから5pほどの長楕円形で縁に不揃いの低鋸歯、葉先は尖るか鈍い。全草に硬く粗い毛が生えます。花期は6月から9月頃、茎頂から長い花柄を伸ばし、径4pから7pほどの頭状花を咲かせます。中央の筒状花は黒紫色で円錐形、周囲に橙黄色の舌状花が8枚から14枚ほどつきます。果実は黒色のヒマワリに似た痩果、熟しても冠毛も裂開しません。

オオハンゴンソウ属は北アメリカに約30種が分布、種間交配による園芸品種も多く、ルドベキアの総称で販売されています。特に、筒状花が黄色のオオハンゴンソウについては、特定外来生物被害防止法による特定外来生物(植物)に指定され、取引等が規制されています。


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コスモスはオオハルシャギク(大春車菊)と

140913コスモス@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)に取り付くゴンドラの麓駅の手前で目につくのがコスモス。アキザクラ(秋桜)ともいうが、コスモスとはコスモス属の総称、日本各地で植栽されているのは、ほとんどがオオハルシャギクとその園芸品種という。 [2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

オオハルシャギク(大春車菊、大春斯菊、学名:Cosmos bipinnatus Cav.)はキク科コスモス属の一年草。原産地はメキシコの高原地帯、18世紀末にヨーロッパに渡来、日本には明治20年(1887年)頃に移入、各地で栽培、一部が野生化。草丈は1mから2mほど、茎は太くまっすぐ伸び、茎頂で分枝、葉は対生し有柄、2、3回羽状細裂、裂片は線状。花期は6月から10月頃、茎頂や枝先に径約7pの白色から淡紅色の頭状花を咲かせます。中央の筒状花は黄色で多数、周囲の舌状花は10枚前後、先端が浅く3裂。果実は径6oから18oほどの痩果で嘴がつきます。

花の少なくなる初秋、秋風に揺れる可憐な容姿と鮮やかなピンクの花をつけることからコスモスは人気です。ギリシャ語で整然と秩序だった世界、カオスの正反対を意味し、花言葉は「少女の純真」「真心」だそうです。なるほどです。


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サワグルミ(沢胡桃)は優れもの

ビーグル号の航海日誌 2014年10月15日 00:56

110722サワグルミ果実エコカフェ(芦生公開講座).jpg京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内の沢筋でトチノキとともによく見られるのがサワグルミです。胡桃といっても果実は食べられないそうです。生育環境や花の咲く姿、材の特徴から別名にカワグルミ、フジグルミ、ヤマギリともいう。[2010年5月29日撮影:第5回エコの寺子屋、2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011@阿部]

サワグルミ(沢胡桃、学名:Pterocarya rhoifolia Sieb. et Zucc.)はクルミ科サワグルミ属の落葉高木。分布は北海道渡島半島、本州、四国、九州に及び、山地のブナ帯などの沢など湿った場所に自生。100529サワグルミ双葉@エコカフェ.JPG樹高は30mほど、樹幹は直立、樹皮は暗灰色で深く縦裂(古木では剥離)。葉は互生し洋紙質で無柄、奇数羽状複葉、小葉は5対から10対、縁に細鋸歯、葉先は鋭く尖ります。芽生えに特徴があり、双葉は熊手形、次の本葉は単葉、次からはやや羽状複葉になります。花期は4月から5月頃、雌雄異花、新枝の先に雄花序、枝基部に雌花序を尾状に多数下垂させ、淡黄緑色の小花を密生。果穂の長さは20pから40pほど、果実は径約8oの円錐形の堅果、2枚の小さな翼がつきます。

材は桐に似て淡黄白色で柔らかく加工しやすいことから、建築材や下駄、桶、経木、マッチの軸木など幅広く使われます。外来種にシナサワグルミが知られるが、樹形が良いことから公園樹などに使われます。


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パイオニア植物、メマツヨイグサ(雌待宵草)

140913メマツヨイグサ花@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)北東山麓の入笠湿原から「花園」に向かうために保護柵を出たところで黄色い花に出逢いました。なんと帰化植物が入り込んでいるようです。湿原の保護対策上の課題の一端を垣間見た気がします。メマツヨイグサ、花言葉は「無言の恋」だそうです。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

メマツヨイグサ(雌待宵草、学名:Oenothera biennis L.)はフトモモ目アカバナ科マツヨイグサ属の越年草(2年草)。帰化植物。原産地は北米、日本には明治時代に移入し、全国の道端や荒地などで野生化。草丈は50pから150pほど、茎は直立、根生葉は中央葉脈が帯赤色、茎葉は互生し、葉身5pから20pほどの長楕円状披針形で波状の浅鋸歯、葉先は尖ります。花期は7月から9月頃、径4pほどの黄色い4弁花を咲かせます。花托筒が長いのが特徴、萼片4枚は反り返り、雄蕊8本(葯に粘性)、雌蕊花柱1本は先が4裂。一日花で萎むとやや赤色を帯びる。果実は長径3p前後の刮ハ、熟すと下部が裂け種子が散布されます。果実にも茎と同じように上向きの長い毛が生えるのが特徴です。

越年草の多くは、競合する植物の少ない秋に芽生え、冬の間にロゼット状の根生葉を広げ日光を浴び、翌年夏に花を咲かせる戦略を取っていることです。野生化している近縁種に、園芸品種で花が大型のオオマチツヨイグサ、花弁に間隔のあるアレチマツイグサ、萎んだ花が赤くなるマツヨイグサなどが知られます。


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マツムシソウ(松虫草)は儚くも

ビーグル号の航海日誌 2014年10月14日 21:57

140913マツムシソウ花@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)北東山麓にある入笠湿原へのアプローチ斜面地でワレモコウと共に咲く山野草。マツムシソウを紹介します。花屋さんで売っているものは近縁種のセイヨウマツムシソウです。マツムシソウの花言葉は「不幸な恋」だそうです。淡い感じの色がそう印象付けているのでしょう。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

マツムシソウ(松虫草、学名:Scabiosa japonica Miq. var. littoralis Nakai)はマツムシソウ科マツムシソウ属の越年草。140913マツムシソウ@エコカフェ.JPG日本固有種。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、山地のブナ帯などの草原に自生。草丈は60pから90pほど、直根が深く、根生葉はロゼット状、茎葉は対生し厚く、羽状深裂、裂片の先は鈍頭。葉表と縁、葉裏脈上には長毛が疎生、葉裏には短毛が密生。花期は8月から10月頃、真っ直ぐに伸びた茎頂に径4p前後の青紫色の頭花(頭状花序)をつけます。中央に密生する花は筒状で花冠が5裂、周囲の舌状で3浅裂した大きな唇形、総苞片は線状、雄蕊4本、葯は濃青色がつきます。

名前の由来はマツムシ(スズムシ)の鳴く頃に花を咲かせることにあります。国内では白花のシロバナマツムシソウ、海岸型のソナレマツムシソウ、エゾマツムシソウ、高山型のタカネマツムシソウ、高山型で白花のシロバナタカネマツムシソウが知られます。


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梅雨明けが遅れ気味で

ビーグル号の航海日誌 2014年10月13日 04:45

140630マダガスカルホシガメ@エコカフェ.jpg絶滅危惧種保護センターからの2014年度6月のリクガメレポートです。奄美大島では今年の梅雨入りは5月5日頃で平年より6日早く、梅雨明けは7月4日頃と平年より5日ほど遅く、梅雨が長かったということになります。相変わらずブログへのアップが遅れていてすみません。[6月30日詳細レポートはこちら⇒

梅雨が明けると観光客が増え島は賑やかになります。

梅雨空が続き、マダガスカルホシガメは雨の日は余り動かずに過ごしています。140630コキサカオウム@エコカフェ.jpgお天気次第、仕方ありません。観光客も少なく、島は静かな時間が流れています。
コキサカオウムも、相変わらず大人しく過ごしています。こちらから声をかけると返事をしてくれるのですが。

by 絶滅危惧種保護センター 勝島


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中山間地域の灯明に

ビーグル号の航海日誌 2014年10月12日 04:13

中山間地域の灯明に

070512風薫五月@エコカフェ(伊那谷).jpg多くの若者が都会に流出していった
国の成長経済を支え、都市を魅力あるものにするために
幸せな生活は本当にあったろうか
気づいたら多くの若者たちが都市の闇に吸い込まれていった
健康的な活気あるかと思えば、突然、不安の稲妻が走り、
もしくは真綿で締め付けるように、多くの夢と希望が砕かれてゆく
それが都市の姿だ

帰るところは本当にあるのだろうか
若者の出て行った中山間地域の集落の多くは
超高齢化と少子化の流れに飲み込まれ
荒廃する里山に嘆き悲しむ暇もなく
獣害対策の柵の中で、必死に米を作り、野菜を作り、果樹を楽しみが
ひとつ、ひとつ、またひとつと、皺深い知恵と笑顔が消えてゆく
そんな土地に魅力を感じる者はいるか

先祖の土地を守ってきた誇りと行く末の空しさが入り交じるが
話を聞く者はおるか

自然を畏怖し、その恵みに感謝し
季節の巡りを知り、その営みに働きかけ、労を惜しまない
あたかも山野草が美しい花、香り高き花を忽然と現すように
その純粋で柔軟な精神は時代を紡いできた
というのに

by 青山しゅん

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高山植物の魅力(137)、イワノガリヤス(岩野刈安)

ビーグル号の航海日誌 2014年10月11日 14:34

140913イワノガリヤス@エコカフェ (2).JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)南東山麓にある大阿原湿原。「長野県版レッドリスト(植物群落)2014」で「イワノガリヤス群落・ミズゴケ群落複合」に指定されています。ここではイワノガリヤスを紹介します。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

イワノガリヤス(岩野刈安、学名:Calamagrostis langsdorffii (Link) Trin./ Calamagrostis purpurea ( Trin.) Trin. subsp. langsdorfii (Link) Tzvelev.)はイネ科ノガリヤス属の多年草、単子葉類。140913イワノガリヤス@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州中部地方以北、四国、国外では東北アジア、カムチャッカ半島に及び、高山や亜高山、北方の寒冷地の湿地や草地に自生。草丈は80pから120pほど、根茎からランナー(走出枝)を出し、茎は直立しやや太く硬い。葉は灰緑色で葉裏がざらつき、葉身10pから25pほどの線形。花期は7月から9月頃、長さ10pから25pほどの楕円状の円錐花序をだし、淡緑色の長さ3oから5oほどの1小花からなる小穂を密生、小穂の護穎の芒は包穎外にはでず、包穎は微細な突起毛を密生させます。

ノガリヤス属には、世界に約150種、日本にはノガリヤスヒメノガリヤス、タカネノガリヤス、ヤマアワなど17種が知られます。


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ヤマアワ(山粟)は初秋の風に

140913ヤマアワとコバギボウシの果実@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)北東山麓にある入笠湿原に下る傾斜地でみたイネ科植物。調べると既に花は終わり、実りの姿になっていますが、ヤマアワのようです。細く硬い茎の先に細長い小穂をたくさんつけた花序をだしています。手前にはコバギボウシ、奥にはウバユリも若い果実をつけています。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

ヤマアワ(山粟、学名:Calamagrostis epigeios (L.) Roth.)イネ科ノガリヤス属の多年草。分布は北海道、本州、四国、九州、北半球の温帯に広く、平地や山地の草地や湿地、河川敷などに自生。草丈は45pから150pほど、根茎葉長く横に這い、茎は平滑、葉は両面ともざらつき、葉身20pから50pほどの線形、葉舌は長さ5o前後で厚い膜質。花期は7月から9月頃、茎先に円錐花序を真っ直ぐ伸ばし、白緑色の淡黄緑色の小穂を沢山つける。小穂は長さ7oの線状披針形の1小花。苞穎はほぼ同長か第1苞穎が時に長く、小花は著しく短く基部には2倍長の白毛が叢生します。果実は穎果、熟すと褐色を帯び、全体が棒状になります。

名前の由来は花序が粟に似ていること、山地に生えること、にあります。近縁種でよく似ている河原や砂地に自生するボッスガヤは小花の基部の白毛が目立ち、護穎に芒がつくという。


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先駆植物、イタドリ(痛取)は山菜や生薬に

ビーグル号の航海日誌 2014年10月10日 21:41

140913イタドリ花@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)山中や渓流沿いでみたイタドリ。地域によっては別名にスカンポ、イタンポ、エッタン、カッポン、古くはタジヒ、サイタヅマとも呼び、人びとに親しまれてきたようです。在来種ですが世界の侵略的外来種ワースト100に指定されています(2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎)

イタドリ(虎杖、痛取、学名:Fallopia japonica (Houtt.) Ronse Decr.)はタデ科ソバカズラ属の多年草。分布は北海道西部、本州、四国、九州、国外では台湾、朝鮮半島、中国に及び、海岸や山野の日当たりの良い荒れ地や斜面に自生。140913イタドリ@エコカフェ.JPG草丈は50pから200pほど、地下茎はよく分枝、地下1mにも達し、茎は直立し太く中空でよく分枝(根茎でも増殖)、節に褐色のオクレア(葉靴:膜質の莢)がつく。若茎は柔らかくたけのこ状、古茎は木質化。葉は互生し、葉身6pから15pほどの卵状楕円形で葉縁はやや波打ち、葉先は急に尖ります。托葉鞘は小さく早期脱落。花期は8月から10月頃、雌雄異株、葉腋や枝頂に大きな円錐花序をつけ、白色か帯紅色の径約3oの小花を沢山咲かせます。花被片5裂、外花被3個は大きく背面に稜。雄花には雄蕊8本で雄蕊は退化、雌花には花柱3本で柱頭は細裂、雄蕊は退化。果実は2、3oの三稜形の痩果、風散布します。

イタドリの若茎は甘酸っぱく山菜に、根茎を乾燥させたもは生薬「虎杖根(こじょうこん)」として利尿薬、便秘薬、膀胱炎などに用いるという。近縁種にオオイタドリ、花が紅色のメイゲツソウ(ベニイタドリ)、矮小化したオノエイタドリ、毛深いケイタドリが知られます。


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チダケサシ(乳茸刺)は耐陰性

ビーグル号の航海日誌 2014年10月09日 07:17

140913チダケサシ@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)山麓にある「花園」という妨獣柵に囲まれ管理されたお花畑では多様な湿生植物や草原植物をみることができます。花には季節遅れですが、チダケサシは果実を実らせつつありました。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

チダケサシ(乳茸刺、学名:Astilbe microphylla Knoll)はユキノシタ科チダケサシ属の多年草。日本固有種。分布は本州、四国、九州に及び、暖温帯中部から冷温帯のやや栄養分の多い湿地や林縁、水田の畔、溜池畔、湿った草地などに自生。草丈は40pから80pほど、根茎は太く斜上、根出葉や僅かに互生する茎葉は、2回奇数羽状複葉から4回奇数羽状深裂、小葉は葉身2pから4pほどの楕円形か倒卵形で不揃いの重鋸歯、葉先は鈍頭(稀に鋭頭)。花期は6月から8月頃、花茎を伸ばし、茎頂に細長い円錐状の花序(複総状花序)をつけ、花序分枝の間隔が開き、側枝は短く、白色の小花を密に咲かせます。茎や伸びた花軸、葉柄などには淡褐色の腺毛が密生、花は径6oから10oほど、萼裂片5枚は緑白色で楕円形、花弁5枚は帯淡紫色で線状さじ形。雄蕊10本は花弁より短く、葯は成熟に従い淡紅色から青紫色に変化、雌蕊は先が2裂。果実は長径3、4oの刮ハです。

名前の由来は長い花茎にチチタケ(乳茸)というキノコを刺して持ち帰ったことにあります。近縁種にアカショウマハナチダケサシトリアンショウマなどが知られます。



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湿生植物、アブラガヤ(油萱)の侵入

ビーグル号の航海日誌 2014年10月08日 20:58

140913 アブラガヤ@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)北東山麓の入笠湿原では多様な湿生植物が共生しています。それらは種を残すため、毎年、花を咲かせ沢山の種子を散布します。しかし、湿原は留まることを知らず、土砂流入に伴い年々に姿を変えます。入笠湿原では遷移の初期段階に侵入し、繁茂することが知られているアブラガヤをよく観察することができます。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

アブラガヤ(油萱、学名:Scirpus wichurae Boeklr)はカヤツリグサ科ホタルイ属の田戦争、単子葉類。日本固有種。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、山野の鉱物質土壌が流れ込む湿地周辺や湿った草地に自生。草丈は1mから1.5mほど、根茎は太く株立ちし、茎も太く節があり鈍い三稜形。根出葉と茎葉が数枚、濃緑色で表面には光沢、葉身40pほどの線形、葉縁はざらつき、断面は丸みを帯びた逆W字型、葉先は尖ります。花期は7月から8月頃、茎先や葉腋に花序を出し、花序は数回分枝し、小穂をつける。果実は長さ約1oの三稜形の痩果、秋に茶褐色に熟し刺針状花被片が糸状に伸び、全体として頭を垂れます。

名前の由来は花序が油光りし、油臭いことにあるそうです。アブラガヤは小穂のつき方に変異が多く、変種としてシデアブラガヤ、アイバソウ、エゾアブラガヤなどが知られます。分類上は狭義のアブラガヤと広義のものがあるが、ここでは広義として整理しています。


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ズミ(酸実)はコナシ(小梨)とも

140913ズミ@エコカフェ.JPG入笠山(標高1955m)の南東山麓にある大阿原湿原(標高1810m)は中間湿原、周辺の土壌の深い所ではカラマツが植林されています。湿原近くの岩石が露出しているような場所では原生的な森が局所的に残っています。ズミはそんなひとつで、陸域化する湿原にシラカンバトウヒ、レンゲツツジと同様に積極的に進出してきています。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

ズミ(酸実、桷、学名:Malus toringo (Sieb.) Sieb.)はバラ科リンゴ属の落葉小高木。分布は北海道、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山野の荒地や湿地に広く自生。樹高は10mほど、樹皮は灰褐色で縦裂し剥離、小枝は暗紫色で堅く、しばしば棘状、若枝には毛が生えます。葉は互生し、葉身4pから8pほどの楕円形から卵状長楕円形で鋸歯、先は尖ります。花期は4月から6月頃、短い新枝の先から散形花序をだし、径約3pの白色(稀に淡紅白色)の5弁花を幾つか咲かせます。果実は契約1pの球形のナシ状果、9〜10月に橙黄色に成熟する。

名前の由来は果実が酸っぱいこと、または、樹皮から黄色の染料(染み)を煮て搾取することにあります。別名にコナシ、ミツバカイドウなど。取材は櫛、器具材などに利用され、樹木は庭木としても用いられます。


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ヤマモミジ(山紅葉)は日本海側に

140927ヤマモミジ@エコカフェ.JPG軽井沢長倉芹ヶ沢にあるセゾン現代美術館の敷地の建物の裏手にモミジの大きな木が植栽されていた。たぶん、植栽されたものであろう。株立ちだが、大きな枝ぶりで見応えがあります。[2014年9月27日撮影:セゾン現代美術館@山崎]

ヤマモミジ(山紅葉、学名:Acer palmatum var. matsumurae (Koidz) Ogata)はムクロジ目カエデ科カエデ属の落葉高木。イロハモミジの亜種(オオモミジの変種とも)、日本固有種。分布は北海道、本州鳥取県以西の日本海側に限り、山地の谷間や斜面地に自生。140927ヤマモミジ樹皮@エコカフェ.JPG樹高は10mから15mほど、樹皮は暗灰褐色で平滑、成木では縦浅裂。葉は対生し、葉身5pから10pほど、掌状に5裂から9裂、裂片の辺縁に欠刻状の重鋸歯、先は尾状に尖ります。葉表は無毛、葉裏主脈の基部や脈腋に僅かに毛が生えます。葉柄の上面に溝のあるものが多いという。花期は4月から5月頃、葉腋から複散房花序をだし、淡黄色から淡紅色の径5o前後の5弁花を咲かせます。一つの花序に雄花(雄蕊8本)と両性花が両方つきます。果実は長さ約2pの翼果で鋭角から鈍角に開き、風散布します。

近縁種のイロハモミジは葉の大きさが小さく、オオモミジは葉の大きさは同じだが細かな単鋸歯と重鋸歯が混ざること、どちらも葉柄の上面に溝がないことなどから区別することできるそうです。園芸品種も多く流通しているので植栽されたものの同定には注意が必要です。


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ツリガネニンジン(釣鐘人参)はかわゆい

ビーグル号の航海日誌 2014年10月07日 20:51

140913ツリガネニンジン花@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)北東山麓にある入笠湿原やその上部に広がるお花畑「花園」は鹿や猪の食害から守られているため、多様な植物の花を愛でることができます。ツリガネニンジンもそんなひとつです。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

ツリガネニンジン(釣鐘人参、学名:Adenophora triphylla (Thunb.) A.DC. var. japonica (Regel) H.Hara)はキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では樺太に及び、山地の草原や林縁、草刈管理された河川堤防などに自生。草丈は40pから100pほど、茎葉は3枚から5枚ほどが輪生、稀に互生や対生、葉身4pから8pほどの楕円形で葉縁に鋸歯。根出葉は長い柄を持ち心円形、花期には消えます。花期は8月から10月頃、淡紫色の鐘形の花を互生または輪生、細長い柄の先に下向きに咲きます。花冠は長さ15oから20oほど、先が5浅裂、花柱は花冠からよく突き出る。萼裂片は線形、辺縁に疎らに鋸歯。果実は刮ハ、わら色に熟し、上部が裂開し、種子を少しずつ散布させます。

変異の多い種であって、基本変種サイヨウシャジンのほか、変種に高山型のハクサンシャジン、四国の蛇紋岩地帯のオトメシャジンが、また近縁種としてはソバナやフクシマシャジンなどが知られます。


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イボタヒョウタンボク(蝋瓢箪木)の飴玉棒は

140913イボタノヒョウタンボク@エコカフェ.JPG南アルプス南端に位置する入笠山(標高1955m)の山中、カラマツ林縁で見た赤い飴玉棒をつけた樹木。調べると飴玉棒はひとつのものが多いのだが、イボタヒョウタンボクではないかと思います。赤い上に葉上に突き出しているのは、小鳥たちにアピールしているのです。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

イボタヒョウタンボク(蝋瓢箪木、学名:Lonicera demissa Rehd.)はスイカズラ科スイカズラ属の落葉低木。日本固有種でフォッサマグナ要素分布は本州(長野・山梨・静岡・埼玉)に限り、山地から亜高山帯の林内に自生。140913イボタヒョウタンボク@エコカフェ.JPG樹高は1mから4mほど、葉は対生し有柄、葉身2pから5pほどの長楕円形から菱状楕円形で全縁、葉先は鈍頭で短く尖る。両面とも軟毛が生え、葉裏全体に油点、葉裏脈上と葉柄には短く柔らかい開出毛が密生。花期は5月から6月頃、枝先の葉腋に淡黄色の唇花を2個ずつ咲かせます。果実は径6o前後の液果、上向きに2個並び、秋に赤く熟します。鳥散布します。

名前の由来はヒョウタンボクの仲間でイボタの葉に似ていることにあります。近縁種で液果2個が合着するヒョウタンボク(キンギンボク)と同じように、果実は有毒で人が食すると嘔吐、下痢、麻痺を引き起こします。


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クガイソウ(九蓋草)は微笑ましく

ビーグル号の航海日誌 2014年10月06日 22:21

140913クガイソウ@エコカフェ (2).JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)の北東山麓にある入笠湿原や「花園」で花後の姿をすーっと見せていたのはクガイソウです。名前の由来は葉が輪生する様子が多宝塔の屋根の九輪や仏像の天蓋に似ていることにあります。花言葉は「明るい家庭」、嬉しいですね。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

クガイソウ(九蓋草、九階草、学名:Veronicastrum japonicum (Nakai) T.Yamaz.)はシソ目オオバコ科クガイソウ属の多年草。日本固有種。分布は日本に広く、山地や高原の日当たりの良い林内や草地に自生。140913クガイソウ@エコカフェ.JPG草丈は80pから130cmほど、茎は直立し株立ち、葉は4枚から8枚が輪生、葉身5pから18pほどの長楕円状披針形で葉縁に細鋸歯、葉先は尖ります。花期は7月から8月頃、茎頂に長さ10pから25pほどの穂状の総状花序をだし、淡紫碧色の筒形の小花を密生させます。花序軸は短毛が散生。花冠は長さ約6oで先端が4浅裂し裂片先端は尖り、雄蕊2本は長く突き出ます。果実は長径2.5oの楕円状円錐形の刮ハ、熟すと下部が裂け中から種子が散布されます。

この仲間は世界に日本や中国を中心に約20種が知られ、日本にはトラノオスズカケ、キノキニスズカケ、スズカケソウ、リュウキュウスズカケ、クガイソウの変種であるイブキクガイソウ、ナンゴククガイソウ、シベリアクガイソウの変種であるツクシクガイソウなど約10種が知られます。


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カワラマツバ(河原松葉)は圧倒され

140913カワラマツバ@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する前衝立山である入笠山(標高1955m)の北東山麓に佇む入笠湿原やその上部にある「花園」と呼ばれるお花畑。多様な湿生植物や山野草が見られるが、ヒメシダなどに隠れるようにカワラマツバの小さな個体がたくさん蹲っていました。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

カワラマツバ(河原松葉、学名:Galium verum L. var. asiaticum Nakai f. nikkoense (Nakai) Ohwi)はアカネ科ヤエムグラ属の多年草。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国、ロシアに及び、山地の日当たりの良い草地や河原などに自生。草丈は50pから80pほど、茎は断面が円形で直立、白色の短い細毛が生え、上部で分枝。葉は車輪状に8枚から10枚ほどが対生、無柄、葉身2、3pほどの線形で全縁。実際は葉に見えるのが、葉は2本、他は托葉が変異したものです。花期は枝先に白い径2、3oの花が集合して咲きます。花冠は4裂し十字状に平開、雄蕊4本、子房は2つが合着様。花には特有の臭いがあるという。果実は1.5oほどの瓢箪形の分果で無毛、熟すと分裂します。

母種として花が黄色のキバナカワラマツバ、果実に毛があるエゾノカワラマツバとチョウセンカワラマツバが知られます。基本変種はヨーロッパからユーラシア大陸に分布。ヨーロッパでは、根を赤色染料、茎の搾り汁をチーズ製品の凝固に利用したという。地域が異なっても人びとの知恵が凝縮しているということです


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秋の行楽シーズン・・・

ビーグル号の航海日誌 2014年10月05日 13:33

IMG_0291.jpg秋の行楽シーズンですが、
皆様はいかがお過ごしでしょうか。

今年は例年に比べ残暑が厳しくなく、
紅葉に入るのが比較的に早いそうです。
楽しみですね。

とはいうものの、台風が日本列島に
接近しつつありますのでお気を付けください。

※写真は分かりにくいですが、江ノ電です。

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フウリンウメモドキ(風鈴梅擬)は愛らしく

ビーグル号の航海日誌 2014年10月04日 20:00

140913フウリンウメモドキ@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)の南東山麓にある大阿原湿原から山頂ゴンドラ駅に戻る登山道脇で見た愛らしい赤い実。調べるとフウリンウメモドキのようです。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

フウリンウメモドキ(風鈴梅擬、学名:Ilex geniculata Maxim.)はモチノキ科モチノキ属の落葉低木。日本固有種。分布は本州東北地方南部以南、四国、九州に及び、ブナ帯林縁や谷筋、湿地の周辺など明るい場所に自生。140913フウリンウメモドキ@エコカフェ@エコカフェ.JPG樹高は2mから4mほど、樹皮は灰褐色で平滑、横長の皮目が目立ちます。葉は互生し薄く柔らかで有柄、葉身4pから8pほどの卵状楕円形か長楕円形で葉縁に細鋸歯、葉先は伸びて尖る。葉脈は裏に突出し、主脈と側脈に軟毛、表には毛が散生。花期は6月から7月頃、雌雄異株、葉腋から長さ2,3pの柄のある花序をつけ、径約4oの白色の小花を咲かせます。雄花序は前年枝で雄花を数個、雌花序は本年枝で雌花を1個つけます。果実は径約6oの球形の核果、赤く熟します。

名前の由来は葉がウメモドキに似ていること、下垂した果実を風鈴に見立てたことにあります。近縁種に多雪条件に適応した日本海要素のあるオクノフウリンモドキが知られます。


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