アブラヤッコ(油奴)は性転換を

ビーグル号の航海日誌 2014年10月28日 21:17

101011アブラヤッコ@エコカフェ.JPG宮古島本島から北東方向に船で15分の距離に大神島があります。周囲はサンゴ礁の浅瀬が広がり熱帯魚が見られます。アブラヤッコもそんなひとつです。和歌山県串本周辺が越冬の北限とのことです。[2010年10月11日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

アブラヤッコ(油奴、学名:Centropyge tibicen (Cuvier))はスズキ目キンチャクダイ科アブラヤッコ属の海水魚。分布は伊豆以南、西太平洋に広く、水深50m以下の浅い岩礁やサンゴ礁(特に枝状サンゴ)に棲息。101011大神島@エコカフェ (2).JPG体長は約20p、体色は黒色、臀鰭縁と腹鰭が黄色、体中央に大きな白斑が入ります。雌性先熟だが、群れの中で一番大きな個体が雄に性転換し、雄1尾に雌が数尾からなるハーレムを形成。雌雄と幼魚の斑紋は似ているという。食性は雑食性だが、付着藻類を主に食します。

性的二形を示し、雌だけの群れの中で大型の個体が雄に性転換するのは、キンチャクダイ科に共通する特徴だそうです。ユニークですね。


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ルリスズメダイ(瑠璃雀鯛)は体色変化を

101011ルリスズメダイ@エコカフェ.JPG宮古島本当から北東方向に船で15分の海上に大神島があります。神聖な島です。周囲の浅瀬はサンゴ礁でキノコ岩と呼ばれる奇岩が見られます。そんな浅瀬は熱帯魚の宝庫でもあります。ここではルリスズメダイを紹介します。別名にコバルトスズメダイともいいます。[2010年10月11日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

ルリスズメダイ(瑠璃雀鯛、学名:Chrysiptera cyanea (Quoy and Gaimard))はスズキ目スズメダイ科ルリスズメダイ属の小型の海水魚。分布は本州和歌山県以南から南西諸島、太平洋、インド洋に広く、水深10m以下の浅場の岩礁やサンゴ礁、タイドプールなどに棲息。101011大神島島内散策@エコカフェ.JPG体長は約8p、体色は瑠璃色、口から眼にかけて四本の暗色の線、鰭に2つの黒い斑点が入ります。メスは尾鰭が透明、オスは瑠璃色。体色は体表面の「虹色素胞」細胞が青色光を反射することによるもので、色調を変化させることでコミュニケーションをとっていると考えられています。食性は雑食性、動物性プランクトンや藻類。オスは縄張りを持ち、5、6匹のメスからなるハーレムを形成するという。産卵期は夏、枝サンゴや二枚貝の空き殻内に産卵します。

似ているソラスズメダイ(空雀鯛)は腹から尾鰭にかけ黄色いので、見間違わないよう注意が必要です。ボディが美しいため、観賞魚として親しまれています。ドン・キホーテ店にいくと大きな水槽に展示飼育されていたりします。


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オヤビッチャ(親美姫)は美しい

ビーグル号の航海日誌 2014年10月27日 22:06

111126オヤビッチャ@エコカフェ.JPG三宅島の埠頭で釣り三昧。植林や下草刈りボランティアに参加した時に自由時間を使って海釣りをするメンバーもいらっしゃる。ムロアジ釣りが目的だが、地元ではネコマンマ(猫飯(ねこまんま))と呼ばれているオヤビッチャがよく釣れてしまう。美しいボディだが、雑魚として扱われ、猫に食わせる程度の魚という。[2011年11月26日撮影:第3回エコカフェみんなの森づくり@阿部]

オヤビッチャ(親美姫、学名:Abudefduf vaigiensis (Linnaeus))はスズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属の海水魚。111126今村君@エコカフェ.JPG分布は千葉県以南、インド洋から西太平洋にかけての温暖な地域に広く、水深20mまでの沿岸の岩礁やサンゴ礁などに棲息。体長は約20p、体色は灰色の地に背中が黄色を帯び、体側に黒色の縦縞5本が入ります。食性は雑食性、動物質を好む。求愛期には地色は青色を帯びます。産卵は垂直の岸壁で行い、雄が卵を守るという。幼魚は流れ藻について表層で暮らします。

名前の由来は、成魚(親)になっても赤ん坊を意味する「びっちゃ」にように小さいからとする説、沖縄方言の綾が走るを意味する「アヤビッチ」が転訛したとする説などがある。三宅島では雑魚扱いですが、九州や沖縄地方では惣菜魚として、煮付けやフライにして食するそうです。地方によって名前もいろいろあるという。


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シロヤマゼンマイ(城山薇)は南方系

130411シロヤマゼンマイ@奄美大島エコツアー_525s.jpg奄美大島金作原原生林内で見られるシダ植物にシロヤマゼンマイがあります。単葉ですがとても大きいので印象的です。名前の由来は鹿児島県城山町で発見されたことにあります。[2013年4月13日:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

シロヤマゼンマイ(城山薇、城山銭巻、学名:Osmunda banksiaefolia (C. Presl) Kuhn)はゼンマイ科ゼンマイ属の大型の常緑性シダ植物。分布は本州(静岡県、和歌山県)、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、フィリピン、中国南部、インドシナなど熱帯アジアに広く、山地林内の湿った場所や渓流沿いの崖地などに自生。根茎は太く斜上、葉柄基部には僅かに鱗片がまとわりつき、葉は革質で光沢のある深緑色、葉身2mほどの単羽状複葉、羽片は線形、縁に大きな鋸歯、柄は短い。裏面の側脈は分岐するが隣の脈と交差はしない。葉の最下羽片の数対が胞子嚢群(ソーラス)をつける部分的二形、胞子嚢のつく羽片は縮んで細く、長さも短く、上向きに展開します

ゼンマイ属にはゼンマイヤシャゼンマイヤマドリゼンマイ、オニゼンマイ、シロヤマゼンマイの5種が知られますが、シロヤマゼンマイを除き全てが葉は二形(栄養葉、胞子葉)です。ただし、シロヤマゼンマイは胞子嚢群(ソーラス)のつき方には変異があって、葉の最下羽片だけのものや全ての羽片につくものまであるようです。


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カマツカ(鎌柄)は牛殺し

ビーグル号の航海日誌 2014年10月25日 21:08

070929カマツカ@エコカフェ森林セラピー 014.jpg山梨県三富村(現山梨市)で森林セラピー体験に参加した際、西沢渓谷入口手前でみた紅葉したカマツカ、赤い実もつけていました。別名にコバノカマツカという。本種は葉の形状や花序の毛の有無などによる変異が多く、ワタゲカマカツやケカマカツなどの変種が知られます。[2007年9月29日撮影:西沢渓谷@阿部]

カマツカ(鎌柄、学名::Pourthiaea villosa (Thunb.)Decne. var. laevis (Thunb.) Stapf.)はバラ科カマツカ属の落葉小高木。分布は本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国、タイに及び、山地などに自生。樹高は5mから7mほど、樹皮は暗灰色で縦皺、葉は長枝で互生、短枝で輪生し洋紙質、葉身倒卵状長楕円形、縁に微鋸歯、先は尖ります。花期は4月から5月頃、新葉の展開と同時に、枝先に複散形花序をだし、白色の5弁花をたくさん咲かせます。雄蕊20本、雌蕊柱頭は先が3裂。果実は長径約8oの楕円形の梨果、赤く熟し先に萼片が残ります。

名前の由来は、材が硬く折れにくいため、鎌の柄に使われたことにあります。また、「牛殺し」とは牛が枝の間に角を入れると抜くことができず死に至るほどに強靭であるといいます。


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代々木八幡遺跡が語るものは

ビーグル号の航海日誌 2014年10月24日 23:33

141018代々木八幡遺跡出土品@エコカフェ .JPG現渋谷区周辺は、縄文時代の頃、幡ヶ谷丘陵、渋谷川が谷をつくり、豊かな照葉樹林と葦原、その先には広大な干潟が広がり、渡り鳥や多くの生き物が暮らしていたようです。今日のアスファルトにコンクリートジャングルの姿からはとても想像ができない世界が広がっていたのです。[2014年10月18日撮影:代々木八幡神社@山崎]

そもそも渋谷区内には、埋蔵文化財の存在が推定されている遺跡包蔵地102ヶ所が確認されています。アスファルトやビル、造成跡を取り除くと、丘陵地を刻む渋谷川など幾筋かの川と谷、海進海退を繰り返した海蝕段丘跡や古の住居跡などが眠っていることになります。恵比寿地区には縄文後期・晩期の豊沢貝塚、代々木八幡神宮内(標高32m)には縄文中期(約4500年前)の竪穴式住居跡、鶯谷町には旧石器時代(約2万年前)の石ナイフ出土、縄文中期(約4600年から4000年前)竪穴式住居70棟と弥生後期(約1800年前)竪穴式住居25棟もの大規模集落跡、猿楽町には弥生時代の住居跡や古墳時代の円墳などが確認されています。代々木八幡遺跡では復元住居や出土品が展示されています。

当時の住居周辺は海岸性照葉樹林のこんもりとした森が迫っていたに違いありません。森にはイノシシやシカ、草原ではノウサギが暮らし、河川にはシャケ(鮭)が遡上していたでしょうし、海岸の岩礁域ではサザエ(栄螺)やカキ(蛎)なども豊富にとれたことでしょう。


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ヤマフジ(山藤)の蔓は左巻き

ビーグル号の航海日誌 2014年10月23日 22:18

100529トチノキに寄り添うヤマフジ@エコカフェ.JPG京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内では、由良川源流域の谷底の平坦地などに自生する大木に絡みつく圧倒的な存在感を誇るヤマフジに時として出会うことができます。[2010年5月29日撮影:第5回エコの寺子屋@阿部]

ヤマフジ(山藤、学名:Wisteria brachybotrys Sieb. et Zucc.)はマメ科フジ属のつる性高木。日本固有種。分布は本州近畿地方以西、四国、九州に及び、山野の日当たりの良い場所に自生。100529ヤマフジ@エコカフェ.JPGつるは最大長で30m以上、フジと逆で左巻き。葉は互生し有柄、葉身5pから25pほどの奇数羽状複葉、小葉は4対から6対、葉身4pから7pほどの長楕円形で全縁、葉先は尖ります。葉裏に細毛が生え、葉表のものはやがて脱落。花期は4月から5月頃、枝先にフジより短く長さ10pから20pほどの総状花序を下垂、フジより濃い淡紫色の蝶形花をたくさん咲かせます。萼片は5個で毛が生えます。果実は長さ15pから20pほどの豆果、短毛が生え、熟すと捩れ、径約13oの扁平な円形の種子を飛散させます。

近縁種につるが右巻きのノダフジ(野田藤)、ヤマフジの品種で花が白色のシラフジ(白藤)、中国原産で花序の長いシナフジ(支那藤)が知られます。


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オオモミジ(大紅葉)は葉が大きい

ビーグル号の航海日誌 2014年10月22日 07:38

100529オオモミジ@エコカフェ.JPG紅葉の季節到来ですね。京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内で見られるモミジのひとつにオオモミジがあります。写真は季節違いで残念ですが。[2010年5月29日撮影:第5回エコ尾の寺子屋@阿部]

オオモミジ(大紅葉、学名:Acer palmatum Thunb. subsp. amoenum (Carriere) H. Hara /Acer amoenum Carr.)はカエデ科カエデ属の落葉小高木。イロハモミジの変種。分布は北海道中部以南、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山地ブナ帯の谷沿いや尾根筋に自生。樹高は10mほど、樹皮は淡灰褐色の平滑で縦浅裂、葉は対生し有柄、イロハモミジに似るが大型で厚く、葉身5pから15pほどの掌状に7裂から9裂、裂片は楕円形から長楕円状披針形で縁には細かな単鋸歯、先は尾状に尖ります。花期は4月から5月頃、葉腋から散房状に花序をだし、紅色の雄花と両性花を咲かせます。果実は翼果、翼は鈍角に開き、初めのうちは薄紅色です。

近縁種で似ているイロハモミジやヤマモミジの裂片縁には重鋸歯がつくことから区別は容易であるといいます。なお、葉が深裂するものをフカギレオオモミジ、浅裂のものをヒロハモミジとも呼ぶそうです。


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コムラサキシキブ(小紫式部)は小さい

ビーグル号の航海日誌 2014年10月21日 22:30

141013コムラサキシキブ@エコカフェ.JPG八王子の丘陵地の石垣脇に植栽されたムラサキシキブ。よく見ると葉の鋸歯が上部半分にしかついていないこと、果実が小さめなこと、からコムラサキシキブとします。別名にコムラサキ、コシキブともいうが、園芸品種かもしれません。[2014年10月13日撮影:八王子@山崎]

コムラサキシキブ(小紫式部、学名:Callicarpa dichotoma (Lour.) K.Koch)はシソ目クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。分布は本州岩手県以南、四国南部、九州南部、沖縄、国外では台湾、朝鮮半島、中国南部、ベトナムに及び、山麓の湿地や湿った草原に自生。樹高は1mから2mほど、枝が弧を描くように伸び、星状毛が生えるがやがて脱落。葉は十字対生し、葉身は倒卵状楕円形、ムラサキシキブと異なり葉縁の上部半分にのみ鋸歯、葉先は尾状に尖ります。葉両面ともに無毛です。花期は6月から8月頃、葉腋よりやや上部から集散花序をだし、淡紅紫色の花をたくさん(10個から20個)咲かせます。花冠は4裂、雄蕊4本、雌蕊1本、共に花冠の外に突き出るのが特徴です。果実は径約3oの球形の核果、紫色に熟します。

コムラサキシキブは、概して、ムラサキシキブより小型であるといえます。他にもオオムラサキシキブ、コバノムラサキシキブ、シロシキブが知られます。興味深いことに、小笠原諸島でシマムラサキウラジロムコラサキオオバシマムラサキの3種に種分化し、それぞれ見事に環境適応しています。


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高山植物の魅力(139)、アオチャセンシダ(青茶筌羊歯)

110723アオチャセンシダ@エコカフェ.JPG京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内の崖地に着生するシダ植物。標高は低いものの、豪雪地帯でもあることから、チャセンシダの高山・亜高山型であるアオチャセンシダのようです。[2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011@阿部]

アオチャセンシダ(青茶筌羊歯、学名:Asplenium viride Huds./ Asplenium trichomanes-ramosum L.)はチャセンシダ科チャセンシダ属の夏緑性シダ植物。分布は北海道、本州、四国、国外では台湾、中国、インド、ネパール、ヨーロッパ、北アメリカに及び、亜高山帯から高山帯の林下や岩陰に着生。草丈は8pから15pほど、根茎は短く直立か斜上、黒色で狭三角形の鱗片がつく。葉は叢生、葉柄は緑色で下部では帯赤褐色か帯栗色、ほぼ無毛か僅かに暗褐色の狭い鱗片、中軸は緑色で上部では浅い溝ができ両側に狭い翼がつく。葉身6pから13pほどの線状披針形、単羽状浅・中裂、羽片は14対から20対。胞子嚢群(ソーラス)は中肋寄りに2個から8個、長さ1.5oほどの長楕円形、包膜は緑白色。無性芽は付かない。

近縁種のチャセンシダは中軸が紫褐色から黒褐色、イヌチャセンシダは中軸の両側と裏面にそれぞれ翼がつくという。チャセンシダの仲間も奥が深いのです。


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郷土料理、へぎそば(片木蕎麦)は

141019彦根@エコカフェ.JPG越後そば、へぎそばの美味に魅せられ、「弥彦」さんへ。屋号は新潟出身、長岡市と弥彦村の境に位置する弥彦山、弥彦神社に因んだものでしょう。小千谷産の高品質の玄そばに加え、「挽きたて」「打ち立て」「茹でたて」の三たて、三条件にこだわっています。[2014年10月19日撮影:八王子@山崎]

さて、へぎそばは越後魚沼地方が発祥。へぎそばは「へぎ(片木)」と呼ばれる杉の剥ぎ板で作った四角い器に一口ほどに丸めて盛り付けられたたそばのこと。141019へぎそば@エコカフェ.JPG美しく織模様のように一口大に盛り付けたそばは「手振り」「手びれ」と呼ばれ、元々は織物に使う糸を撚り紡ぐ「かせぐり」といった手ぐりの動作のことを意味する。古くから、魚沼地方(現在の魚沼市、小千谷市の大部分、長岡市や十日町市の一部などを含む)は、カラムシを原料とする麻織物やそば栽培も盛んであったという。結婚式の祝い膳や大晦日、庚申様、節句、盂蘭盆の時には、各農家は自家用に作ったそばを、石臼で挽き、つなぎに工夫を凝らして味自慢をしながら振る舞ったという。

つなぎにふのり(布海苔)が使われるようになったのは江戸時代後期頃、元来、山ごぼうの葉や自然薯が使われたが、麻織物用の糸にふのりを用いていたことから、その活用に行きついた。へぎそばには魚沼地方の織物文化の知恵や美的感性が活かされているのです


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クマシデ(熊四手)も仲間入り

ビーグル号の航海日誌 2014年10月20日 23:40

110723クマシデ@エコカフェ(芦生公開講座) 203.jpg京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内では山地上部から谷部に向かってアシウスギ、中部から下部にブナミズメ、谷部にミズナラトチノキサワグルミと出現頻度が高く変化するのを確認することができます。ここではクマシデを紹介します。名前の由来はシデの仲間で果穂が最も大きいことにあります。別名にカタシデ、オオソネ、などとも呼ぶようです。[2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011@阿部]

クマシデ(熊四手、学名:Carpinus japonica Blume)はカバノキ科クマシデ属の落葉高木。110723クマシデ@エコカフェ(芦生公開講座) (2).jpg分布は本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、丘陵地から山地の谷沿いなどに自生。樹高は10mから15mほど、樹皮は黒褐色で皮目が縦に並び、古木では浅縦裂(若木は平滑)、葉は互生(2列互生)し、葉身5pから10pほどの狭卵状から卵状長楕円形で縁に重鋸歯、基部は円形(やや心形)、葉先は尖ります。花期は4月から5月頃、雌雄異花、雄花序は前年枝に雄花序は尾状に下垂し束生、雌花序は本年枝に頂生。果穂は太く、長さ5pから10p、堅果を抱いた果苞が房状、緑色から茶色に熟すと、苞のついた種子が風散布します。

材は堅いため、家具や建築材、農具の柄などに用いられます。葉が似ているものに、近縁種のイヌシデサワシバ、カバノキ属のヒメヤシャブシが知られ、葉の形状や側脈の数、鋸歯の様子で区別するというが、フィールドでは熟練を要します。


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イヌシデ(犬四手)の果穂は目立たず

110723イヌシデ@エコカフェ(芦生公開講座).jpg京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内の長治谷小屋に近い場所でみたクマシデの仲間。調べると果苞が開いていること、葉縁の重鋸歯が鋭いこと、葉脈の数が多くはないこと、からイヌシデのようです。別名にシロシデ、ソロ、ソネなどといいます。[2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011@阿部]

イヌシデ(犬四手、犬垂、学名:Carpinus tschonoskii Maxim.)はカバノキ科クマシデ属の落葉高木。分布は本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山野に自生。110723イヌシデ果穂@エコカフェ(芦生公開講座) .jpg樹高は15mから20mほど、樹皮は灰白色で平滑、縦に網目模様が入ります。葉は互生(2列互生)し、葉身4pから8pほどの卵形から狭卵形、基部は円形から楔形、葉縁に細かく鋭い重鋸歯、葉先が尖ります。葉両面に伏せた白毛が疎らに生え、葉表には褐色毛が密生、側脈は12対から15対の範囲です。花期は4月から5月頃、雌雄異花、新芽展開と同時に、前年枝脇から長さ4、5pほどの穂状の黄褐色の雄花序を下垂、本年枝先に雌花序を下垂します。果穂(果序)は葉の色と同じで目立たず、果苞の数は少なく開き、果苞には各1つの果実が付きます。果実は堅果、熟すと苞が翼となり風散布します。

クマシデ属は世界に北半球の温帯地域に約40種、日本にはイヌシデをはじめアカシデ、日本固有種のクマシデ、サワシバ、イワシバの5種が知られます。


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気温が上がり活動が活発に!

ビーグル号の航海日誌 2014年10月19日 22:38

140804マダガスカルホシガメ@エコカフェ.jpg絶滅危惧種保護センターからの2014年度8月のリクガメレポートです。奄美大島はマングローブの北限でもあり、山に入れば亜熱帯照葉樹林が広がっています。今年の夏も秋も大きな台風が襲来し、そのたびに大変でした。遅れ気味のレポートです。[8月24日詳細レポートはこちら⇒

マダガスカルホシガメたちは気温26℃から30℃ではよく食べ活発に活動をします。交尾する個体も見られます。暑い日中は木陰で休むのが日課でもあります。140804コキサカオウム@エコカフェ.jpg
コキサカオウムも盛んに大きな声でおしゃべりするようになっています。ルリカケスやリュウキュウアカショウビンの鳴きまねもしてくれます。

by 絶滅危惧種保護センター長 勝島


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モリアオガエル(森青蛙)は工夫者だが

100529モリアオガエルの卵は@エコカフェ.JPG京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内の由良川源流域に広がる谷間には流れに沿って水たまりが幾つもできています。そんな水たまりの樹上の小枝などには、繁殖期になるとモリアオガエルの白い卵塊が幾つも観察されます。[2010年5月29日撮影:第5回エコの寺子屋、2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011@阿部]

モリアオガエル(森青蛙、学名:Rhacophorus arboreus (Okada et Kawano))はアオガエル科アオガエル属の両生類。日本固有種で経度懸念(LC)。分布は本州、佐渡島に限り、山地の森林に棲息。110723モリアオガエル卵塊@エコカフェ(芦生公開講座) 128.jpg体長はオスで42oから62oほど、メスで59oから82oほど、体色は緑色で全身に褐色の斑、指先に丸い吸盤(第3指が長く、吸盤も大きい)、指間には水かきが発達。繁殖期は4月から7月頃、オスが先行して湖沼や湿地などに集結し、咽頭下の鳴嚢を膨らませて鳴き求愛。産卵行動は樹上で行われ、1匹のメスの背中に多くのオスが負ぶさり、受精。この時に粘液が分泌され、径10pから15pほどの白い卵塊が形成され、卵は300個から800個ほど。卵塊に守られ、卵は1週間ほどで孵化、幼生(オタマジャクシ)は腹部に卵黄を持ち、雨を待って水中に落下。幼生は最大全長51o、変態後の体長は15oから22oです。食性は生体で肉食性、昆虫やクモの仲間を捕食します。幼体は藻や死骸などを削りとって食します。

樹上で産卵することで、卵を外敵から守る戦略を取っていますが、落下したオタマジャクシのほとんどは、水中に棲息するアカハライモリやヤゴ、ゲンゴロウ、タイコウチなどの犠牲になってしまうのも厳しい現実のようです。


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山梨の郷土料理、ほうとう

141005ほうとう@エコカフェ.JPG山梨の郷土料理に生平麺を味噌で煮込んだ「ほうとう」がある。群馬では「おっきりこみ」、埼玉の深谷では「煮ぼうとう」と呼ばれるが、いずれも醤油仕立てである点が異なる。いずれもうどんのように腰を求めることなく、野菜と一緒に生地を煮込むのでとろみがあり、身体が芯から温まり、寒い季節には最高の御馳走となります。[2014年10月5日撮影:甲州市勝沼@山崎]

山梨の甲州勝沼にある「皆吉(みなき)」さんによると、ほうとうの由来は次のように解説されています。

141005皆吉@エコカフェ.JPG中国の唐宋時代の「餺飩(はくたく)」又は、「不托(ほうち、ぷーとー)」、「不餅(ぽーとう)」という言葉が語源と言われている。日本には平安時代遣唐使により伝えられ、清少納言の枕草子に「前の木立高ふっ熱瓜(ほぞち)はうとう最らせんなど、とどむるを・・・」と読まれている。山梨には、戦国時代幼少時代から中国の古代思想に憧れ孔子、孟子に学び、孫子呉子の平方を身に付けて戦いに望んでいた武田信玄が出入りの高僧より教えられ、広く普及したのは江戸時代中期元禄文化の時、柳沢吉保が故郷甲斐国の大名となり、その前後将軍綱吉の好みにより上方中心の文化から江戸中心の文化に変わった頃と言われている。


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コシアブラ(漉油)は越油とも

ビーグル号の航海日誌 2014年10月18日 16:45

110723コシアブラ@エコカフェ(芦生公開講座) .jpg京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内を散策中にコシアブラを教えていただいた。若い芽は樹木系の山菜としてはタラノキと双璧をなします。名前の由来は幹から樹脂を採取して漉したものを油塗料「金漆」として利用したことにあるというが、「越油」とする異説もあるようです。[2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011@阿部]

コシアブラ(漉油、学名:Eleutherococcus sciadophylloides (Franch. et Sav.) H.Ohashi)はウコギ科ウコギ属の落葉高木。日本固有種。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、山地の林内に自生。樹高は5mから20mほど、樹皮は灰褐色か灰白色で楕円形の皮目が散在、葉は互生しやや薄く、葉柄は長く、葉身20pから40pほどの掌状複葉で小葉5枚、小葉は倒卵状楕円形で芒状鋸歯、葉先は細く尖り、頂小葉はとりわけ大きい。葉表は光沢があり、葉裏は帯白で脈腋に縮毛が残ります。花期は8月から9月頃、本年枝の先に集散花序をだし、黄緑色の小花をたくさん咲かせます。花弁5枚は反り返り、雄蕊5本、雌蕊花柱は短く2浅裂。果実は径4oほどの扁平な球形の液果、秋に黒紫色に熟します。

秋の落葉前に、葉の葉緑素が抜けて、半透明のような白色になるそうです。森は不思議が一杯で実に飽きませんね。


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イワトラノオ(岩虎の尾)はしっとり

141013イワトラノオ@エコカフェ.JPG西八王子の丘陵地の石積みに着生する小型のチャセンシダの仲間。台風19号による雨風が強まっていました。調べるとイワトラノオではないかと思います。[2014年10月13日撮影:八王子@山崎]

イワトラノオ(岩虎の尾、学名:Asplenium tenuicaule Hayata)はチャセンシダ科チャセンシダ属の小型の常緑性シダ植物(高緯度では冬枯れる)。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では台湾、朝鮮半島、中国、ロシア、ヒマラヤに及び、山中の日陰の湿った岩上や樹幹などに着生。141013イワトラノオ胞子のう群@エコカフェ.JPG草丈は5pから15pほど、根茎は短く斜上し叢生。葉柄は短く、中軸とも細く、緑色で無鱗片。葉は柔らかく薄い草質、葉身は広披針形の2回羽状複葉、羽片は倒卵状楔形、羽状に幾つか深裂か少数の鋸歯がつき、脈が流れ込む。下部羽片は僅かに短縮。中軸の溝の中央は盛り上がらない。ソーラス(胞子嚢群)は脈上に1から3個に生じ、苞膜は黄白色。

間違えやすいものに、葉柄の裏側が帯褐色で下部羽片が小さいトラノオシダ、中軸の溝の中央が盛り上がるコバノヒノキシダの小さな個体があげられます。無性芽をつけるヒメトラノオも似ているそうです。


関連記事(トラノオシダ(虎の尾羊歯)は無性芽で)⇒
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湿原をわたる秋風

ビーグル号の航海日誌 2014年10月17日 22:43

湿原をわたる秋風

140913ヤナギラン花後@エコカフェ.JPG湿原をわたるあなたの存在に気づくとしたら
ヤナギランの白い綿毛がわずかばかり震え舞い上がるから
森を抜けたあなたは重たさと冷たさを伴うようで
私の頬はやけに敏感に反応している

さーっと澄まして通り過ぎたにすぎないあなたが
少しだけ微笑みかけたように思えたのは
頬へのあたりが冷やりと心地よく暫く波状の余韻を残したから
それとも遠い私の感情を揺さぶったからか

たちまちにこころの奥に燈った灯が身体中を内から包むように照らすと
どことなくこころ軽く嬉しくなるのは
遠い感情の目覚めがすべてを受け入れようとしているから
遠足の笑い声に子供たちの騒ぐ声 

あなたが運ぶ透明な物質にも微かな香りがあることに
私の鼻は僅かに反応している
綿菓子を焦がしたような香ばしい桂の芳香のお伴が
見えぬものの世界を拓き

野鳥の山を越える遠鳴きも一瞬のアクセントに過ぎないが
煌めく流れや岩に砕ける飛沫さえ
多くの生き物たちの棲息の痕跡 息づかいさえ
湿原をとりまく豊かな森の営みがあるに違いないと

湿原をわたるあなたはいつしか息を潜めてしまい
夕暮れが近づいていることを私に教えてくれた
疲れが癒された少年のように満たされた私のこころは
灯を伴って人びとの暮らしを照らすことに


by 青山しゅん
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ヤマドリゼンマイ(山鳥薇)は若芽を山菜に

140913ヤマドリゼンマイ@エコカフェ (3).JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)山麓の広がる入笠湿原大阿原湿原ではヤマドリゼンマイが群落を形成しています。別名にヤマドリシダともいう。アメリカに分布する者を標準種、アジアのものを亜種や変種とすることもあるそうです。埼玉県、東京都、神奈川県など地域によっては絶滅危惧に指定されています。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

ヤマドリゼンマイ(山鳥薇、山鳥銭巻、学名:Osmunda cinnamomea L. (basionym) / Osmunda cinnamomea L. var. fokiensis Copel.)はゼンマイ科ヤマドリゼンマイ属の夏緑性シダ植物。140913ヤマドリゼンマイ葉柄@エコカフェ (2).JPG140913ヤマドリゼンマイ葉裏@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島以北、国外ではタイ、ベトナム、台湾、朝鮮半島、中国、アムール、北米東部、南米に及び、山地から亜高山帯の草地や湿原に自生。草丈は70pから100pほど、根茎は短く這うか斜上、葉は2形。栄養葉は放射状に束生、柔らかい紙質で黄緑色、葉身30pから80pほどの卵状披針形の単羽状複葉。羽片は無柄、20対以上、中裂から深裂で裂片は全縁で丸頭。若芽は赤褐色の綿毛に覆われ、山菜として食されます。胞子葉は赤褐色で短く、2回羽状複葉、5月頃に芽吹き、盛夏には枯れて消えます

近年の村上氏の研究成果によると、オニゼンマイとともにゼンマイ亜属とされていたヤマドリゼンマイは、ヤマドリゼンマイ属に1属1種として系統独立、オニゼンマイもオニゼンマイ亜属とされたそうです。


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