ブナ(橅)の深い森で

ビーグル号の航海日誌 2013年07月13日 13:44

130706ブナ若い果実@エコカフェ.JPG北アルプス白馬三山の前衝の山である小日向山(標高1907m)にある小日向のコルはミズ芭蕉の群生地。猿倉から登山道に入り、白馬岳方面との分岐を広葉樹林帯に入っていく。そこはブナ(シロブナ)を中心とした落葉広葉樹の森が広がっていました。深呼吸をするととても清々しい。[2013年7月6日撮影:第16回自然観察会@阿部]

ブナ(橅、学名:Fagus crenata Blume)はブナ目ブナ科ブナ属の落葉高木。分布は北海道南部、奥尻島、本州、四国、九州に及び、低山の照葉樹林帯と亜高山帯の針葉樹林帯の間の肥沃な落葉広葉樹林帯(関東周辺では標高800m以上)に多く自生。130706シロブナ@エコカフェ(小日向山).JPG130706シロブナ兄弟@エコカフェ(小日向山).JPG白神山地のブナ帯が有名。日本固有種。樹高は30mほど、樹皮は灰白色で平滑、本年枝は暗紫色で光沢があります。地衣類がよく着生。葉は互生し薄い洋紙質、葉身4cmから9cmほどの卵形か菱状卵形で葉縁に波状鈍鋸歯、葉先は尖ります。側脈は7対から11対ほどで葉縁に及びます。花期は5月頃、葉の展開と同時に、雄花序は本年枝の下部の葉腋に4、5個ほど頭状に下垂、雌花序は本年枝の上部の葉腋に1、2個を上向きにつけます。果実は径約2cmの漏斗で秋に熟すと4裂、中には3稜ある種子2個ほど入っています。種子はオニグルミに次ぎ栄養豊富なためツキノワグマ、ノネズミなど森の動物たちの食料になります。しかし、なぜか5年から7年で結実豊凶を繰り返すため、森の営みには撹乱が起こるようです

ブナは陰樹で成長が遅いもののやがて極相林となり純林を形成していきます。また、保水力に優れ、林床に豊かな植生を創出し、水源涵養の重要な役割を果たし、川を下り豊かな海までをつくる水循環のなかで重要な役割を果たします。森里海連関学の基礎のようなものです。


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◎白神岳(標高1235m)へ向かうマテ山コースの途中のブナ帯[2007年7月13日撮影:白神山地エコツアー@阿部]071013ブナ樹皮爪痕@エコカフェ(白神山地).JPG071013ブナ帯@エコカフェ(白神山地).JPG

 ブナの樹皮にはツキノワグマの爪痕がありました。





071013ブナ帯@エコカフェ.JPG071013ブナ黄葉@エコカフェ.JPG
標高780m地点ではブナが黄葉し始めていました。





071014マザーツリー@エコカフェ(白神山地).jpg071014マザーツリー@エコカフェ白神山地 148.jpg071014マザーツリー案内板@エコカフェ白神山地 142.jpg
 白神山地高倉の森にあるブナ巨木「マザーツリー」です。

                  人影が小さい!⇒
 2013.7.13追記

◎鳩待峠(標高1591m)から200m下の尾瀬ヶ原へ向かう木道沿いで見たシロブナ[2008年10月25日撮影:第3回自然観察会@阿部]081025シロブナ@エコカフェ(尾瀬ヶ原) (2).JPG081025シロブナ@エコカフェ(尾瀬ヶ原).JPG

 冬期の雪深い厳しい生育環境が見てとれます。

 2013.7.13追記





◎奥秩父山塊の東南の端に位置する棒ノ峰(標高969m)に向かう白谷沢コースでは見られなかったブナ[2013年7月20日撮影:棒ノ折山視察@山崎]130720名栗の植物@エコカフェ.JPG

 ブナはクロモジウリハダカエデとともに「名栗の植物」だそうです。しかし残念ながら標高の低いこの地域ではブナは消えゆく存在なのでしょう。

 2013.7.22追記

◎奥多摩の三頭山(標高1531m)の山頂手前の「ブナの路」周辺に広がるシロブナ林[2008年9月27日撮影:第2回自然観察会@山崎]
080927シロブナ@エコカフェ第2回自然観察会(三頭山) 055.jpg080927シロブナ@エコカフェ第2回自然観察会(三頭山) 061.jpg080927ブナ看板@エコカフェ第2回自然観察会(三頭山) 068.jpg
 2014.4.23追記








◎京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林内でみつけたブナの果実と落葉、幼樹[2011年7月22日撮影:芦生公開講座2011「今,森から考える−森のめぐみ−」@阿部]]
110722ブナ果実@エコカフェ(芦生公開講座).jpg110722ブナ果実@エコカフェ(芦生公開講座) 067.jpg
 若葉には軟毛が生えますが、成葉では脱落します。

 2014.6.18追記



110722ブナ幼樹@エコカフェ(芦生公開講座).jpg110722ブナ葉@エコカフェ(芦生公開講座).jpg







◎南アルプス北端に位置する前衝山である入笠山(標高1955m)山中で見られるシロブナ[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]
140913シロブナ@エコカフェ.JPG140913シロブナ樹幹@エコカフェ.JPG
 樹肌にはびっしり地衣類や蘚苔類が着生しています。

 2014.9.26追記




◎京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林内の由良川源流域のシロブナの葉[2010年5月29日撮影:第5回エコの寺子屋@山崎]
100529モリアオガエルの卵は@エコカフェ.JPG100529ブナの葉裏@エコカフェ.JPG 
 若葉のうちは葉の両面に絹毛が生えるが夏を迎える頃にはすっかり脱落し、葉裏の葉脈上にわずかに残るばかりです。白い卵塊はモリアオガエルのものです。

 2014.10.13追記
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