オオバシマムラサキ(大葉島紫)は独自進化

ビーグル号の航海日誌 2013年01月04日 21:18

110918 オオバシマムラサキ@エコカフェ.JPG小笠原諸島は大洋島としてかつて一度も大陸と陸続きになったことがない。そのためこの島嶼では辿り着いた植物の中には、島の環境に適応しながら分化、進化したもの、またその途上にあるものが多いというのが実に興味深いではないか。オオバシマムラサキの仲間もそんなひとつで、他に父島と兄島のやや湿潤な林内に自生するシマムラサキと乾燥した岩石風衝帯に自生するウラジロコムラサキに分化しています。[2011年9月18日撮影:祝世界自然遺産登録・エコカフェ小笠原諸島ツアー@阿部]

110918オオバシマムラサキ果実@エコカフェ(母島).JPGオオバシマムラサキ(大葉島紫、学名:Callicarpa subpubescens Hook. et Arn.)はクマツヅラ科ムラサキシキブ属の常緑小高木。小笠原固有種。分布父島列島、母島列島に広く、日当たりの良い林縁などに自生。樹高は3、4m、時に7mほど、葉は対生し有柄、葉身7cmから15cmほどの広卵形、細鋸歯があり葉先は尖ります。葉表の葉脈は目立ち、葉裏には星状毛と腺毛が散生します。葉表、葉柄、若枝にも毛が一面に生えます。花期は5月から6月頃、雌雄異株、葉腋から集散花序をだし、淡桃紫色の小花をたくさん咲かせます。小花は筒状で花冠は4裂。雄花は2タイプ、雄蕊4本が長く、雌蕊が完全退化したものと雌蕊花柱が短く子房が不稔のものがあります。雌花は、雌蕊花柱が長く雄蕊4本には発芽力のない花粉がつきます。この花粉は訪花昆虫へのご褒美なのです。果実は径約4mmの球形の核果で秋に紅紫色に熟します。

シマムラサキとウラジロコムラサキは雌蕊が完全に退化した雄株は存在しないといいますから、オオバシマムラサキより前段階の雌雄分化途上に位置づけられそうですね。また、オガサワラシジミはオオバシマムラサキの葉に卵を産み付け、幼虫はこの花芽を食べて成長します。絶滅の機にあるオガサワラシジミにとってこの植物の存在は死活問題に直結します。何故に1対1の共進化関係を構築してしまったのか、実に不思議ですね。


関連記事(ウラジロコムラサキ(裏白小紫)は独自進化)⇒
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◎小笠原父島の北袋沢の森に自生するオオバシマムラサキ[2007年7月14日撮影:森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系を知る〜 @松崎哲哉]070714オオバシマムラサキ(手前の木)@エコカフェ.JPG070714オオバシマムラサキ@エコカフェ.JPG

 2013.1.4追記






◎父島の小笠原熱帯植物センターに保護展示している蕾をつけるオオバシマムラサキ[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@山崎]20100508オオバシマムラサキ蕾@エコカフェ.JPG

 この個体は葉が極めて大きいですね。

 2013.1.4追記




◎夢の島熱帯植物館で保護展示されているオオバシマムラサキ[2012年2月11日撮影:第49回草花教室@山崎]120211オオバシマムラサキ@エコカフェ.JPG120211オオバシマムラサキ葉裏@エコカフェ.JPG

 野生種でないためかよわよわしい感じがします。

 2013.1.5追記
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