ウラジロコムラサキ(裏白小紫)は独自進化

ビーグル号の航海日誌 2012年12月12日 06:27

100507ウラジロコムラサキ@エコカフェ.JPG小笠原諸島に生息する植物の多くは、このブログでも紹介したように、雌雄異株であったり、雄性両全性異株など両性株から雌雄異株への分化途上(進化の過程)にあったりしていることが知られています。このことは島嶼効果といって興味深い現象のひとつです。ウラジロコムラサキは乾性低木林のかわいい主役、強い日差しと極度の乾燥化に適応し、葉は厚く毛を密生させています。[2010年5月7日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@十川雅彦]

ウラジロコムラサキ(裏白小紫、学名:Callicarpa nishimurae Koidz)はクマツヅラ科ムラサキシキブ属の常緑低木。小笠原固有種。分布は小笠原諸島父島列島の父島と兄島に限り、風衝帯の岩場などの乾燥した場所に自生。野生ヤギの食害により激減し、絶滅危惧TA類(CR)、国内希少野生動植物種に指定。樹高は1m未満、葉は互生し有短柄で厚く、葉身は0.6cmから1.2pほどの小さな楕円形で葉縁に鈍鋸歯、葉先は鈍頭です。葉表は銀白色の細かな星状毛が密生するため銀緑色、葉裏は銀白色に綿毛が密生するため白緑色に見えます。若枝や葉柄にも銀白色の綿毛を密生するのが特徴です。花期は6月頃、雌雄異株、枝先の葉腋から集散花序をだし、桃紫色の小花をたくさん咲かせます。小花の花冠は4裂、雄花の子房は不稔で雌蕊花柱は短く雄蕊が長い。雌花は雄蕊が短く退化。果実は径約3mmの球形の核果で11月頃に紫紅色に熟します。

ウラジロコムラサキの仲間は、林縁の当たりのよい場所に自生するオオバシマムラサキ、やや湿性化した林内に自生するシマムラサキの2種が知られ、いずれも小笠原固有種であり、もともと同一の種が小笠原で適応放散したものと考えられています。


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◎小石川植物園温室で保護栽培されている花が咲きかけたウラジロコムラサキ[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]120624ウラジロコムラサキ花@エコカフェ .JPG120624ウラジロコムラサキ@エコカフェ.JPG

 生育環境がよいため星状毛や綿毛がやや少なくなっています。

 2012.12.12追記
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