生態系全体で考える、ヒグマと私たち

ビーグル号の航海日誌 2012年10月20日 16:02

ヒグマ@エコカフェ(芦別市).jpg北海道に生息するヒグマの個体数は約2000頭といわれています。昔はもっと棲息していたと言います。
知床半島では国立公園のため禁猟区であって、地球温暖化の影響で積雪量が近年減っているため冬季におけるエゾシカの食料事情が良くなったことからエゾジカが増え、ヒグマも頭数が増え続けていると思われます。しかし、この夏は天候不順のため山の恵みは少なく食糧事情が悪かったこと、秋口のカラフトマスの遡上が遅れていること、などから食糧条件の悪い生息地のヒグマは激やせしてしまったと考えられます。9月頃に流れたニュースはそんなことが背景にあったのではないでしょうか。

そもそも世界自然遺産登録により観光客が増え人と遭遇する機会が増えたこと、猟師が減りヒグマにとって身の危険を感じる機会が減ったこと、から人を恐れることのないヒグマが増えたこと、さらに少なからず観光客などの忘れゴミを餌とすることを覚えてしまった可能性があること、なども食糧事情の悪化にあいまって人里に出没し、人と遭遇し、結果として人を襲ってしまうと考えられます。
ひとたび味をしめたヒグマは本能として再犯を繰り返すことになるので、私たちにとっては害獣となります。結局は殺害される運命にある訳です。[2012年6月21日撮影:巨大ヒグマ@芦別市内]

本州に生息するツキノワグマにおいては、上述の環境変化に加えて、ニホンジカの増加により山森があれていること、里山が崩壊し人里と縄張りとの間のバッファーゾーンが消滅したことからより人里へのアクセスが容易になったことが上げられます。何れにしても人とクマとの関係はクマが生息する自然の有り様、つまりは冬眠するクマにとっての春、夏、秋の各シーズンにおける食糧事情、森の生産活動をどう考えるか、という視点が大切であるように思われます。加えて、狩猟のほかにも人を恐れることを学習させることや接触そのものの機会を絶ったり、減らすことを地域ごとにどう考えていくかといったプロセスも必要でしょう。多様な自然のクマ対人で考えるのではなく、生態系全体で捉えることが解決のための一番の近道のような気がします


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posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(1) | TrackBack(0)
この記事へのコメント
ヒグマはしばしばエゾジカを襲って食べますが、ツキノワグマはニホンジカの死体か子ジカを食べることはあるようです。
シカが増えるとクマが大好きなドングリ、もっとも落下したものは競合することになります。
下草などシカが食べつくすことで蜜の供給が減ってミツバチが減り、大好物の蜂蜜も激減しています。
やっぱり、シカが増えることは生態系を大きくマイナスの方向に撹乱していることは事実のようです。
Posted by マタギの小僧 at 2012年10月23日 08:07
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