トウヒ(唐檜)は遺存種

ビーグル号の航海日誌 2012年09月18日 01:46

120708トウヒ@エコカフェ.JPG日本の亜高山帯の植生の主役のひとつにトウヒがあります。かつて東大台ケ原一帯はウラジロモミとトウヒの鬱蒼とした森があったが、伊勢湾台風の直撃を受け一夜のうちに森の一部が消えたそうです。その後も植生回復せず今でもミヤコザサ原が広がっています。奥鬼怒登山道、ヒナタオソロシノ滝分岐を過ぎ混合樹林帯を進むとやがて針葉樹が多くなりコメツガやウラジロモミ、トウヒ、林下にアズマシャクナゲなどが見られます。[2012年7月8日撮影:鬼怒沼湿原調査@山崎]

針葉樹林@エコカフェ.JPG120708トウヒ樹皮@エコカフェ.JPGトウヒ(唐檜、学名:Picea jezoensis (Sieb. & Zucc.) Carriére)はマツ科トウヒ属の常緑針葉樹で高木。エゾマツの変種で日本固有種、軽度懸念。分布は本州関東地方・中部地方・和歌山県に隔離し、亜高山帯に自生。樹高は約40m、樹幹は直立、暗赤褐色か灰褐色で薄い鱗片状に剥離し、枝を水平に張り、葉はらせん状に密生し、葉身は7oから15oほどの扁平な線形で先端は鋭頭(成木で鈍頭も)。葉に茶色の葉柄に見える葉枕(ようちん)がつくのが特徴です。葉裏には軸の両側に1本ずつ白色の気孔帯が目立ちます。果実は枝頂に垂れさがり、長径約3pから6pの細い円柱状の球果で熟すと種子だけを飛散させます。

トウヒもハイマツと同じように、最終氷期が終り山岳地に取り残された遺存種種のひとつと考えられています。したがって富士山では見られません。ハイマツが多積雪に耐えるのにトウヒは耐えられないが、寿命を長くし倒木更新することで競合するモミの仲間との生存競争に耐えているようです。トウヒの純林は東大台ケ原の一部にのみ見られるそうです。なんとも。


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◎小石川植物園の針葉樹の森で見たトウヒの樹皮と葉裏と葉表堰m2012年6月24日撮影@小石川植物園@山崎]120624トウヒ樹皮@エコカフェ.JPG120624トウヒ@エコカフェ.JPG

 2012.11.2追記






120624トウヒ葉表@エコカフェ.JPG120624トウヒ葉裏@エコカフェ.JPG







◎南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)東南山麓にある大阿原湿原に侵入するトウヒ[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]
140913侵入するトウヒ@エコカフェ.JPG140913トウヒの低木@エコカフェ.JPG
 シラカンバ、レンゲツツジ、ズミ、ヤマドリゼンマイなども侵入し乾燥化が進んでいることがわかります。

 2014.10.8追記
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