ツルワダン(蔓海菜)

ビーグル号の航海日誌 2012年02月05日 18:18

母島南崎くぼ地@エコカフェ.JPG母島の南崎遊歩道の途中に自然に土砂流出した痛々しい赤土が剥き出しの窪地があります。窪地上部は草地が広がっていてロープが張られています。ツルワダンが細々と保護されています。[2011年9月19日撮影:母島南崎@中村敏之・阿部]

ツルワダン(蔓海菜、学名:Ixeris longirostra (Hayata) Nakai)はキク科タカサゴソウ属の多年草。小笠原固有種絶滅危惧U類(VU)。草丈は20pから30pほど、細い根は匍匐茎を伸ばし、その先に根を下ろす。分布は小笠原諸島で海岸近くの岩場や砂地・草地に自生。母島南崎くぼ地上部草地@エコカフェ.JPGツルワダン2@エコカフェ.JPG花茎が伸びる前は根際にロゼット状に根出葉が輪生し、長倒卵形で葉先が鈍頭。花茎が伸びると茎葉は互生し、葉脚は茎を抱き、葉身は3pから8pほどで葉の先がやや尖る。何れも粉をふいたように白緑色、全縁(まれにわずかな鋸歯)、やや肉厚で無毛。花茎を伸ばすとともに匍匐茎を伸ばし、根を下ろし新たな株をつくります。これを繰り返し、ファミリーを増やします
花期は3月から5月頃で、花茎の茎頂に散形花序をつけ、5個から10個ほどの黄色い多数の舌状花からなる小花(頭状花)を咲かせます。舌状花の中央部に雌蕊と雄蕊があるはずですが確認できませんでした。花が終わるとやがて綿毛(冠毛)をつけた種子ができ、風散布します。
自力(匍匐茎)と他力(風散布)で種を紡いでいるすごいやつなのですね

ツルワダンはニガナの仲間が特異的に分化したと考えられており、島毎に花の大きさ、葉の形状、色合いなどに違いがみられるそうです。父島などで個体数は激減、何れにしてもノヤギの好物といいますから、地域個体の保存が待ったなしといえましょう。

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◎父島南島の扇池に面した砂浜で咲くツルワダンの黄色い花[2006年7月22日撮影:南島@阿部]
2006ツルワダン@エコカフェ(南島).jpg
 砂浜といった厳しい環境下ですからごく小さな数個の個体が岩陰の砂が動かないところで耐えています。一緒にロゼット状に生えているのは熱帯性のウスベニニガナ(薄紅苦菜)でしょうか。




◎小石川植物園の温室で保護栽培されているツルワダン[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]ツルワダン花@エコカフェ.JPGツルワダン綿毛@エコカフェ.JPG
 鉢植えですが蔓のように伸びた花茎の先に散形花序ををつけ黄色い花を咲かせ、同じ株の別の花茎ではすでに花が散り綿毛(刮ハの冠毛)をつけていました。

 2012.5.5追記

◎小石川植物園で保護栽培されているツルワダン(2)[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]ツルワダン茎葉@エコカフェ.JPGツルワダン抱葉@エコカフェ.JPG

 葉が互生し、葉脚が茎を抱いて、葉や茎は白粉をふいたような感じなのがよくわかりますね。


 2012.5.5追記


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