ヒメフトモモ(姫蒲桃)は種分化の途上

ビーグル号の航海日誌 2012年01月29日 12:25

ヒメフトモモ@エコカフェ.JPG父島初寝遊歩道は初寝浦まで延びていますが、急な坂で足元も悪いため一般には途中の休息舎までを往復するコースがお勧めです。遊歩道の右側にはヤギ柵が続いています。お正月に訪ねた時に小笠原ビジターセンターでいただいたプリントを片手に植生観察をしました。遊歩道沿いのマルハチの脇で「ヒメフトモモ」の果実を見つけました。花の季節ではないのが残念でした。[2012年1月1日撮影:初寝遊歩道脇@吉岡明良]

ヒメフトモモ(姫蒲桃、学名:Syzygium chleyeraefolium (Yatabe) Makino)はフトモモ科フトモモ属の常緑小低木。小笠原固有種。絶滅危惧U類(VU)。東南アジア系。分布は小笠原群島、山地中腹の台地状の日当たりのよい所を好むが、風衝帯の矮性乾性低木林内、谷筋の湿った斜面などにも自生。
ヒメフトモモ果実@エコカフェ.JPG樹高は台地では1mから4m、風衝帯で20pから50pで地面を這い、谷筋で10m超と変化に富む。枝はよく分かれ、葉は対生し、長楕円形で先が丸いものと尖るものがあるが基部はくさび形、全縁で主脈は裏面に突出し、葉表はクチクラ層が発達し光沢があります。
花期は7月頃で枝先に集散花序を伸ばし、淡いピンク色の小花を咲かせる。小花は花弁が無くたくさんの雄蕊が目立つようです。まだ花を見たことはありません。果実は液果で11月から12月頃に黒紫色に熟し、甘くて美味しいそうです。昔、島も子どもたちのおやつになったとか。 

小笠原には九州南部から南西諸島などに分布する常緑高木のアデク(アカテツ)も自生していますが、アデクがヒメフトモモの近縁種と考えられています。小笠原諸島に古くやってきたアデクがヒメフトモモに分化し、後からやってきたアデクと棲み分け共生しているということですね。しかし、ヒメフトモモ自身、生育環境に対応して形態的変化を示すように現在でも種分化が進行しつつあると考えられるのです

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◎ヒメフトモモの新芽は鮮やかな赤色[2010年9月10日撮影:乳房山山頂付近@松崎哲也]
ヒメフトモモの新芽@エコカフェ.JPG 







◎小石川植物園で保護増殖しているヒメフトモモ[2012年5月4日撮影:小石川植物園視察@山崎]ヒメフトモモ@エコカフェ.JPGヒメフトモモ葉裏@エコカフェ.JPG

 2012.8.14追記






◎小石川植物園で見た保護栽培されているヒメフトモモの蕾[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]120624ヒメフトモモ花序@エコカフェ(小石川植物園).JPG

 2012.10.14追記
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