ムニンアオガンピ(無人青雁皮)

ビーグル号の航海日誌 2011年12月22日 17:40

100508ムニンアオガンピ雄花@エコカフェ.JPG世界自然遺産登録された小笠原諸島。そこにはそこでしか見られない生き物たちが多くいます。島嶼での厳しい環境下のため絶滅の危機に瀕しているものも少なくはありません。ムニンアオガンピもそのひとつ。現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種とされています。[2010年5月8日撮影:雄花@旭山、2010年1月1日撮影:雌花@中央山]


100101ムニンアオガンピ雌花@エコカフェ.JPGムニンアオガンピ(無人青雁皮、学名: Wikstroemia pseudoretusa Koidz)はジンチョウゲ科アオガンピ属の常緑小低木。東南アジア系、小笠原固有種分布は父島列島、母島列島、聟島などの乾燥した日当たりのよい尾根筋や岩場などに自生。樹高は1mから2mほど(風衝帯では矮小化)、葉は対生し、枝先に密生。葉柄は短く、倒卵形で基部も先端も丸く、分厚く全縁で葉身は約4cm。葉の表面は濃緑色で粉白色を帯びます。
花期は4月から5月頃と10月から12月頃と断続的。枝頂に花柄を伸ばし黄色い小さい花を複数つける。雌雄異株とされるが、花は雌花、雄花、両性花の性表現が知られています。雌花には葯はあるが花粉の発芽力はない。雄花には柱頭がない。雌花と両性花は結実し、核果は冬に結実します。これらの分化は小笠原において起こったと考えられています。

別名にサクラコウゾと呼ばれるように、戦前には樹皮を紙の原料にしたそうです。南西諸島に分布する近縁種のアオガンピは両性花のみです。これは島嶼では送粉昆虫の飛翔力が乏しいことから自家受粉による遺伝的リスクがあるための防御戦略であると考えられています。なお、雌花の無発芽性の葯は送粉昆虫へのご褒美ということになりそうです。

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◎小笠原諸島母島の御幸之浜へ下りる歩道脇で見た花をつけるアオガンピ[2011年9月18日撮影:祝世界自然遺産登録・エコカフェ小笠原諸島ツアー@十川雅彦]110918ムニンアオガンピ@エコカフェ(母島).JPG110918ムニンアオガンピ花@エコカフェ.JPG

 花の筒状の基部が膨らんでいないことから雄花かもしれません。

 2012.10.8追記



◎父島の旭山南峰に続く尾根筋に繁茂する乾性低木林を構成するムニンアオガンピの雄花[2012年1月1日:お正月の旅小笠原2011年度@山崎]120101ムニンアオガンピ雄花2@エコカフェ.JPG120101ムニンアオガンピ雄花@エコカフェ.JPG

 2012.12.10追記






◎父島初寝遊歩道の途中に生える花を咲かすムニンアオガンピ[2012年1月1日撮影:お正月の旅 小笠原2011年度@山崎]120101ムニンアオガンピ@エコカフェ.JPG

 尾根筋の風衝帯で見る個体よりも背がずっと高く「あれ」という感じがしますね。

 2013.1.3追記
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