テリハハマボウ(照葉浜朴)の不思議

ビーグル号の航海日誌 2010年12月30日 05:26

IMG_8715.JPG小笠原諸島には広域種のオオハマボウ似ているが小笠原固有種のテリハマボウという植物があります。島では海岸近くから山の稜線まで広く自生しているのでモンテンボクと呼んでいます。写真は5月のエコツアーのさいに父島長崎展望台付近で撮影しました。

テリハハマボウ(照葉浜朴、学名:Hibiscus glaber (Matsum. ex Hatt.) Matsum. ex Nakai)はアオイ目アオイ科フヨウ属の常緑高木。父島や母島ではよく見かけます。花は一年中見ることができるが、一日花であり、黄色い花は夕方には橙色となりしぼんで落ちてしまいます。IMG_8714.JPG発芽率高いため、頑張っている固有種のひとつと言えます。葉も花もオオハマボウのより小さく、葉は両面とも無毛で、花外蜜腺は退化して失われています。しかも、進化の過程で、種子は浮揚性を失い、海流散布の能力がないといいます。一方、蕾は花托に守られています。これらは進化における島嶼効果のひとつと考えられています。100507テリハハマボウ(托葉と若葉)@長崎展望台.JPG

テリハハマボウはオオハマボウの先祖種が漂着し、競争者の少ないニッチに積極的に進出しながら種分化させていったものと考えられています。最近のDNA分析による系統的分類の研究(高山)によると現在のテリハハマボウはオオハマボウとは系統的に異なり、各島の個体からも小笠原には何度かに分けて漂着した個体群が存在しているといいます。とても興味深いですね。

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◎テリハハマボウの橙色の花[2012年1月1日9時27分撮影:旭山南峰の展望台付近@山崎]
テリハハマボウのオレンジ色の花.JPG 








◎旭山尾根筋で見たテリハハマボウの花[2012年1月1日撮影:お正月の旅小笠原2011年度@吉岡明良]120101テリハハマボウ花@エコカフェ.JPG

 2012.12.23追記





◎父島の長崎展望台の右側に群生する台風で樹上がやられたテリハハマボウ[2006年7月22日撮影:長崎展望台@山崎]060722テリハハマボウ@エコカフェ.jpg

 テリハハマボウの樹高は3mから10mほどであるが、長崎展望台の風衝地にあたる場所では人の背丈以下にとどまっています。 

 2013.1.5追記


◎父島北袋沢から西海岸へのルート途中と辰崎へ伸びる尾根筋終点で見たテリハハマボウ[2014年4月28日:未開の森と南島をめぐる父島満喫の旅@山崎]
140428テリハハマボウ低木@エコカフェ.JPG140428テリハハマボウ@エコカフェ.JPG
 島ではヤマイチビとも呼んでいます。イチビとは「一日」。昨日の咲いた花がひとつ残っていました。

 2014.5.6追記
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