神秘のオガサワラオカモノアラガイ

ビーグル号の航海日誌 2010年12月27日 00:45

小笠原諸島の生態系の中で最も不思議な存在は陸産貝類の仲間の多様性にあると言えます。一度も大陸と陸続きとなったことのない、東京から1000kmと遠く、山手線の内側の面積ほどしかない島嶼群にあって、陸産貝類に限って著しい適応放散が見られるということです。その種類は、記録されているものだけで約100種、固有率は約90%と報告されています。固有属も5属を数えます。しかもまだまだ分類整理されていない個体もあるようです。
100910オガサワラアラモンガイB@乳房山.JPG
今年9月に「母島の植生回復ツアー」で乳房山山頂付近で猛威をふるっている外来種オオバナセンダングサを駆除しました。道すがらの生態観察で、タコヅル、オガサワラビロウ、シマオオタニワタリなどの葉裏で小笠原固有種であるオガサワラオカモノアラガイとテンスジオカモノアラガイの生体を確認しました。数日前まで天気が悪く雨模様だったのです。ラッキーでした。

オガサワラオカモノアラガイ(小笠原陸物洗貝、学名:Boninosuccinea ogasawarae Pilsbry)は軟体動物マキガイ網マイマイ目オカモノアラガイ科で、テンスジオカモノアラガイとともに2種でテンスジオカモノアラガイ属を構成します。母島の固有種として考えられ、乳房山などの雲霧がかかる山の稜線の樹上で生活しています。テンスジオカモノアラガイ(点筋陸物洗貝、学名:em>Boninosuccinea punctulispira Pilsbry)は1980年代には母島と父島に分布していたようだが、近年、父島では確認されず、絶滅したと考えられています。したがって、生息はオガサワラオカモノアラガイと環境を共にしていることになります。どちらも環境省レッドリストで絶滅危惧種U類(VU)です。
100910テンスジC@乳房山.JPG両者とも3cmと小さく、半透明のゼリー状の物質に包まれています。両者の見分けは、貝殻の形態のほか、軟体部の外部形態、生殖器の形態の相違で容易であるそうです。しろうとには、テンスジオカモノアラガイの殻は大きめであることと殻に明瞭で殻表面に刻点をつづる螺状脈が走っているので違いは直ぐにわかります。

両者とも形態からみると、不要になりつつある殻がゼリー状の体内に吸収され、退化していく途上にあるように思えます。これは島嶼において、種が進化過程にあって防除能力を低下させることがあるとする特徴を私たちに見せてくれているのだと考えられます。しからば、オガサワラオカモノアラガイのほうが進化(退化)が先行していると言えるのですね!!

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この記事へのコメント
行ってきます
Posted by 小笠原小学校 at 2013年10月07日 15:01
オガサワラオカモノアラガイ love you--!!!
カワイイ--!!
Posted by オガサワラオカモノアラガイ love ☆ at 2013年10月10日 08:43
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