小笠原固有種のシマムロ

ビーグル号の航海日誌 2010年12月26日 18:20

IMG_3128.JPG小笠原の植生のうち唯一針葉樹なのがシマムロです。裸子植物の多くは重力散布であり、海流散布には向いておりませんが、この種子には鳥の好む付属体があることから、鳥散布によって島に稀有にもたらされたと考えられています。分類学上はオキナワハイネズ(沖縄這杜松、学名:Juniperus taxifolia var. lutchuensis)がシマムロの変種とされ、沖縄以外の伊豆七島などに自生するものは「オオシマハイネズ」と区別することがあるとされています。このブログでは地域での扱いを重要視することから区別しています。また、「ネズミサシ属」と「ビャクシン属」は同じなので、今後は混乱を避けるために「ビャクシン属」に統一します。

IMG_8730.JPGシマムロ(島榁、学名:Juniperus taxifolio Hook. et Arn.)は裸子植物ヒノキ科ビヤクシン属の常緑小高木、雌雄異株、環境省レッドリストで絶滅危惧U類(VU)。「絶滅の危機が増大している種」とされています。東南アジア系。樹高は20cmから3mと生育環境で異なります。分布は父島列島、母島列島、聟島で、海岸から山地まで広く自生しています。たとえば、初寝遊歩道の休憩場所付近(写真上)や傘山登山道沿い(写真下)などで見られます。前者は乾性低木林の中で直立し繁茂しています。後者は山頂近くの風衝帯にあり背丈が低く這うようにしています。生育環境によって姿形を変幻させるので同じものかと戸惑ってしまうかもしれません。

枝はしなやかで下垂し、葉質は柔らかく、同じ所から3つの葉がでる針葉3輪生。葉は先端が鈍く、気孔帯が2条あるのが特徴です。葉を擦ると心地よい芳香が立ちます。花は1月から4月にかけて咲きますが、雄花、雌花ともに小さいそうです。残念ながら見たことはありません。風媒花だそうですからグリーンアノールの影響はないでしょう。球果は12月から4月頃にあずき色に熟し、鳥のえさになります。

昔から島の人たちはこの木を「ヒデノキ(火出の木)」と呼んで、薪木に利用してきたそうです。材が堅く、精油成分を多く含んでいます。特に、明治時代のカツオ漁の最盛期には、燻蒸用材として乱伐したため個体数が激減したのだそうです。傘山などで実生から生えた幼樹が育っているのは嬉しいですね!!

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◎父島旭山南峰やせ尾根に自生するシマムロ[2012年1月1日撮影:旭山@山崎]
シマムロ@エコカフェ.JPG
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