オガサワラビロウ(小笠原枇榔)

ビーグル号の航海日誌 2010年12月26日 15:38

IMG_3099.JPG小笠原の亜熱帯の森にはノヤシのほかにオガサワラビロウがあります。こちらは森の中で比較的よく見かけますが、アカガシラカラスバトの保護区であるサンクチュアリーの森ではオガサワラビロウの群生が広がっています。

オガサワラビロウ(小笠原枇榔、学名:Livistona chinensis (Jacq.) R.Br. ex Mart. var. boninensis Becc.)は単子葉植物ヤシ目ヤシ科ビロウ属の常緑高木で小笠原固有種、環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)。NTとは「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種」ということです。分布は小笠原諸島全域で海岸近くから山頂までふつうにみられます。樹高は生育環境によるが5mから10m、雰囲気は本土で植栽されているシュロ(シュロ属)に似ているが、九州南部から南西諸島に自生するビロウ(ビロウ属)の変種とされています。

P5070227.JPGは1mを超える長い葉柄の先に1mから2mの掌状深裂し葉が展開し、各小葉の先端は二裂し垂れ下るのが特徴です。また、葉柄は逆三角形で堅く基部近くの葉縁に内側に向いた棘が並びます。ただし母島などでは棘が退化した個体もあるそうです。葉柄痕はマルハチと違って、鉢巻き状の不規則な帯を茎に刻んでいます。頭頂部には頂芽が長刀のように伸び、その中に葉身が折り畳まれ、成長に従って折り畳んだ箇所が展開します。

両性花で、4月から5月頃に葉柄の基部から穂状花序が伸び、僅かに開いた黄白色の小さな花をたくさんつけます。甘い芳香に誘われ小さな虫が訪れるのでしょう。翌年1月には長径2cmほどの深緑色の楕円形の果実をつけます。

小笠原の島の人たちはオガサワラビロウを「シュロ」と呼んで、この葉を昔から生活に利用してきたそうです。家の屋根を葺いたり、壁材にしたのだそうです。明治とともに島に開拓のために入植した人びとは、この小さな島の自然とどう向き合って暮らしていたのでしょうか。

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◎父島長崎展望台の右側断崖科に展開するオガサワラビロウの純林[2010年5月7日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@阿部]100507オガサワラビロウ(林と花)@長崎展望台.JPG

 いずれも葉柄基部から穂状花序がのびたくさんの花が咲いています

 2012.7.16追記



◎小笠原諸島の父島北袋沢の橋下の谷合に広がるオガサワラビロウ[2012年1月1日撮影:お正月の旅 小笠原@山崎]120101オガサワラビロウ林@エコカフェ.JPG120101オガサワラビロウ@エコカフェ.JPG

 2013.4.23追記





◎父島北袋沢から西海岸へのルート山中でみたオガサワラビロウ[2014年4月28日:未開の森と南島をめぐる父島満喫の旅@山崎]
140428オガサワラビロウ@エコカフェ.JPG140428林内オガサワラビロウ@エコカフェ.JPG
山中の深いところや西海岸への風衝斜面地ではオガサワラビロウとムニンヒメツバキの森がパッチ状になっていました。タコヅルも見られます。

 2014.5.6追記
140428オガサワラビロウとタコヅル@エコカフェ.JPG140428オガサワラビロウ枯葉@エコカフェ.JPG







◎父島境浦近くの海岸道路沿いでみ花を一杯つけるオガサワラビロウ[2014年4月30日:未開の森と南島をめぐる父島満喫の旅@山崎]
140430オガサワラビロウ花@エコカフェ (2).JPG140430オガサワラビロウ花@エコカフェ.JPG
 2014.5.11追記
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