海洋管理という対症療法の限界を

ビーグル号の航海日誌 2010年01月29日 23:55

080821|P[~ 081.jpg先日、岡山県農林水産部水産課長の田中丈裕氏の講演を聞いた。タイトルは「生態系に着目した海洋管理への取組み」。岡山県沿岸域のアマモ場の分布の経年推移の減少は、沿岸域における上流域由来の水質汚染、干拓や海運事故などによる水質汚染が原因と推定され、そのアマモ場の減少が魚種及び漁獲高の激減に影響しているとの仮説のもとに、海洋管理の方法を提案し、実証し、その効果を検証したという内容であった。

具体的には1979年から2002年までを7期に分け、カキ殻を海底にまき、アマモ場といった漁場造成に利用することで魚種と漁量の変化で有効性を検証しようというものである。カキ殻はシルト質の海底を波衝から安定化しアマモの苗床の作用を保つなどの一定の効果があり、結果として稚魚、幼魚の生育場になったと結論できるそうだ。

このプロジェクトは次のステップがすごい。魚は成長とともに異なる生育環境を選択し、移動することで海洋生態系を構成する。その結果から音響による獲付けを始めに、魚の成長に対応した生態系を整える「海洋牧場パイロット事業」を現在継続中とのことであった。

このパイロット事業は、海洋の食物連鎖など生物多様性からなる生態系全体を管理しようとする試みであるが、山の森からのミネラル豊かな淡水の供給がアマモ場の栄養源になっている視点が十分に考慮されていないこと、実施のためのエネルギーの投入と生産高の収支差の評価に問題があると思われることから一定の限界があるような気がしました。

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