ヤツデ(八手)は賢い!

ビーグル号の航海日誌 2008年05月06日 19:59

071205qcfヤツデは生存競争を勝ち抜く知恵を持っている。
それは花の少ない時期における開花戦略と花の雌雄性転換戦略である
ヤツデは日本の固有種で、和名は葉が掌状に深く切れ込んでいることに由来。
ウコギ科ヤツデ属の常緑低木で沿岸林内・周辺など温暖な場所に多く自生。
陰樹性があり丈夫で「魔よけ」「人招き」など縁起よいとされ庭木としてもポピュラーだ。
葉は乾燥させ生薬として去痰などに用いられるが、過剰摂取はヤツデサポニン物質が下痢や嘔吐、溶血を引き起こすため注意が必要。
この仲間は約60属900種、分類途上のものも多いが、本木、大型の草木、つる性の植物からなる。

学名:Fastia japonica
別名:テングノハウチワ(天狗の葉団扇)
分布:本州東北地方南部以南の本州から南西諸島
花期:11〜12月
樹高:1〜3m
特徴:
@花は両性花、花弁は黄白色5枚、雄しべも本、雌しべは先端が5裂、大きさは4cm程。
A小さな放房花序が集まって全体として円錐花序を形成し、枝先端の放房花序から咲き始め、内側に向かって順次咲く。
Bひとつの花が日経過に伴い雄しべが成熟した雄花から雄しべと花びらが散り、雌しべが成熟した雌花に性転換し、他の花の花粉により受粉することで近親交配を避ける戦略をとる。
C最後の小花序は受粉の可能性もなく雄花のまま一生を終える。
D葉は掌状で5〜9裂、大きさは30cm程。
E根元から分岐した幹はあまり太くならずに高さが増し、葉の数もあまり変わらず、つる性植物に類似。

写真はヤツデ(鎌倉鷲峰山付近で昨年12月に撮影)

付録:近縁種に小笠原固有種のムニンヤツデ(絶滅危惧種U)
目



◎ヤツデの芽吹き、果実は淡緑色から黒紫色に熟す[2011年4月6日撮影:新宿御苑@山崎]
ヤツデ芽吹き@エコカフェ.JPGヤツデの果実@エコカフェ.JPG







◎高尾山の山中で見たヤツデの果実[2011年2月26日撮影:第8回自然観察会@阿部]ヤツデの花序@エコカフェ.JPG

 2012.6.14追記






◎明治神宮の照葉樹林(常緑広葉樹林)と落葉広葉樹林の混交林の森の林下のヤツデ[2012年11月11日撮影:明治神宮@山崎]121111ヤツデ@エコカフェ(明治神宮).JPG

 特に落葉広葉樹林が多い森の林下で多く見ることができます。

 2012.11.25追記



◎離宮恩賜庭園のクスノキ根元で繁茂するヤツデ[2013年5月12日撮影:浜離宮庭園@阿部]130512ヤツデ@エコカフェ.jpg

 2013.5.18追記


 




◎千葉市大草谷津田のスギ二次林縁でみた毒草としてのヤツデ[2014年3月16日撮影:第19回自然観察会@山崎]
140316ヤツデ@エコカフェ.JPG
 指導員の山岸さんの説明では、ヤツデをトイレ近くによく植えたのは、この実に毒成分が含まれ、蛆殺しに使うためだったそうです。調べると葉には毒成分であるサポニン、α-ファトシン、β-ファトシンなどが含まれるようです。

 2013.3.21追記

◎国立科学博物館附属自然教育園内の路傍の植物コーナーで植栽されているヤツデ[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]
140504ヤツデ@エコカフェ.JPG140504ヤツデ新芽@エコカフェ.JPG
 2014.5.10追記






◎真鶴半島先端にある魚付き保安林(照葉樹林)の林床や林縁でよく見られるヤツデ[2014年5月31日撮影:第20回自然観察会@阿部]
140531ヤツデ@エコカフェ.JPG140531ヤツデ新葉@エコカフェ.JPG
 2014.6.2追記
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(1) | TrackBack(0)
この記事へのコメント
ほんとうに凄いやつですね!
Posted by トウホクウサギ at 2012年02月23日 07:03
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