湿原をわたる秋風

ビーグル号の航海日誌 2014年10月17日 22:43

湿原をわたる秋風

140913ヤナギラン花後@エコカフェ.JPG湿原をわたるあなたの存在に気づくとしたら
ヤナギランの白い綿毛がわずかばかり震え舞い上がるから
森を抜けたあなたは重たさと冷たさを伴うようで
私の頬はやけに敏感に反応している

さーっと澄まして通り過ぎたにすぎないあなたが
少しだけ微笑みかけたように思えたのは
頬へのあたりが冷やりと心地よく暫く波状の余韻を残したから
それとも遠い私の感情を揺さぶったからか

たちまちにこころの奥に燈った灯が身体中を内から包むように照らすと
どことなくこころ軽く嬉しくなるのは
遠い感情の目覚めがすべてを受け入れようとしているから
遠足の笑い声に子供たちの騒ぐ声 

あなたが運ぶ透明な物質にも微かな香りがあることに
私の鼻は僅かに反応している
綿菓子を焦がしたような香ばしい桂の芳香のお伴が
見えぬものの世界を拓き

野鳥の山を越える遠鳴きも一瞬のアクセントに過ぎないが
煌めく流れや岩に砕ける飛沫さえ
多くの生き物たちの棲息の痕跡 息づかいさえ
湿原をとりまく豊かな森の営みがあるに違いないと

湿原をわたるあなたはいつしか息を潜めてしまい
夕暮れが近づいていることを私に教えてくれた
疲れが癒された少年のように満たされた私のこころは
灯を伴って人びとの暮らしを照らすことに


by 青山しゅん
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