湿原をわたる秋風

ビーグル号の航海日誌 2014年10月17日 22:43

湿原をわたる秋風

140913ヤナギラン花後@エコカフェ.JPG湿原をわたるあなたの存在に気づくとしたら
ヤナギランの白い綿毛がわずかばかり震え舞い上がるから
森を抜けたあなたは重たさと冷たさを伴うようで
私の頬はやけに敏感に反応している

さーっと澄まして通り過ぎたにすぎないあなたが
少しだけ微笑みかけたように思えたのは
頬へのあたりが冷やりと心地よく暫く波状の余韻を残したから
それとも遠い私の感情を揺さぶったからか

たちまちにこころの奥に燈った灯が身体中を内から包むように照らすと
どことなくこころ軽く嬉しくなるのは
遠い感情の目覚めがすべてを受け入れようとしているから
遠足の笑い声に子供たちの騒ぐ声 

あなたが運ぶ透明な物質にも微かな香りがあることに
私の鼻は僅かに反応している
綿菓子を焦がしたような香ばしい桂の芳香のお伴が
見えぬものの世界を拓き

野鳥の山を越える遠鳴きも一瞬のアクセントに過ぎないが
煌めく流れや岩に砕ける飛沫さえ
多くの生き物たちの棲息の痕跡 息づかいさえ
湿原をとりまく豊かな森の営みがあるに違いないと

湿原をわたるあなたはいつしか息を潜めてしまい
夕暮れが近づいていることを私に教えてくれた
疲れが癒された少年のように満たされた私のこころは
灯を伴って人びとの暮らしを照らすことに


by 青山しゅん
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ヤマドリゼンマイ(山鳥薇)は若芽を山菜に

140913ヤマドリゼンマイ@エコカフェ (3).JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)山麓の広がる入笠湿原大阿原湿原ではヤマドリゼンマイが群落を形成しています。別名にヤマドリシダともいう。アメリカに分布する者を標準種、アジアのものを亜種や変種とすることもあるそうです。埼玉県、東京都、神奈川県など地域によっては絶滅危惧に指定されています。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

ヤマドリゼンマイ(山鳥薇、山鳥銭巻、学名:Osmunda cinnamomea L. (basionym) / Osmunda cinnamomea L. var. fokiensis Copel.)はゼンマイ科ヤマドリゼンマイ属の夏緑性シダ植物。140913ヤマドリゼンマイ葉柄@エコカフェ (2).JPG140913ヤマドリゼンマイ葉裏@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島以北、国外ではタイ、ベトナム、台湾、朝鮮半島、中国、アムール、北米東部、南米に及び、山地から亜高山帯の草地や湿原に自生。草丈は70pから100pほど、根茎は短く這うか斜上、葉は2形。栄養葉は放射状に束生、柔らかい紙質で黄緑色、葉身30pから80pほどの卵状披針形の単羽状複葉。羽片は無柄、20対以上、中裂から深裂で裂片は全縁で丸頭。若芽は赤褐色の綿毛に覆われ、山菜として食されます。胞子葉は赤褐色で短く、2回羽状複葉、5月頃に芽吹き、盛夏には枯れて消えます

近年の村上氏の研究成果によると、オニゼンマイとともにゼンマイ亜属とされていたヤマドリゼンマイは、ヤマドリゼンマイ属に1属1種として系統独立、オニゼンマイもオニゼンマイ亜属とされたそうです。


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