湿生植物、アブラガヤ(油萱)の侵入

ビーグル号の航海日誌 2014年10月08日 20:58

140913 アブラガヤ@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する入笠山(標高1955m)北東山麓の入笠湿原では多様な湿生植物が共生しています。それらは種を残すため、毎年、花を咲かせ沢山の種子を散布します。しかし、湿原は留まることを知らず、土砂流入に伴い年々に姿を変えます。入笠湿原では遷移の初期段階に侵入し、繁茂することが知られているアブラガヤをよく観察することができます。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

アブラガヤ(油萱、学名:Scirpus wichurae Boeklr)はカヤツリグサ科ホタルイ属の田戦争、単子葉類。日本固有種。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、山野の鉱物質土壌が流れ込む湿地周辺や湿った草地に自生。草丈は1mから1.5mほど、根茎は太く株立ちし、茎も太く節があり鈍い三稜形。根出葉と茎葉が数枚、濃緑色で表面には光沢、葉身40pほどの線形、葉縁はざらつき、断面は丸みを帯びた逆W字型、葉先は尖ります。花期は7月から8月頃、茎先や葉腋に花序を出し、花序は数回分枝し、小穂をつける。果実は長さ約1oの三稜形の痩果、秋に茶褐色に熟し刺針状花被片が糸状に伸び、全体として頭を垂れます。

名前の由来は花序が油光りし、油臭いことにあるそうです。アブラガヤは小穂のつき方に変異が多く、変種としてシデアブラガヤ、アイバソウ、エゾアブラガヤなどが知られます。分類上は狭義のアブラガヤと広義のものがあるが、ここでは広義として整理しています。


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ズミ(酸実)はコナシ(小梨)とも

140913ズミ@エコカフェ.JPG入笠山(標高1955m)の南東山麓にある大阿原湿原(標高1810m)は中間湿原、周辺の土壌の深い所ではカラマツが植林されています。湿原近くの岩石が露出しているような場所では原生的な森が局所的に残っています。ズミはそんなひとつで、陸域化する湿原にシラカンバトウヒ、レンゲツツジと同様に積極的に進出してきています。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

ズミ(酸実、桷、学名:Malus toringo (Sieb.) Sieb.)はバラ科リンゴ属の落葉小高木。分布は北海道、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山野の荒地や湿地に広く自生。樹高は10mほど、樹皮は灰褐色で縦裂し剥離、小枝は暗紫色で堅く、しばしば棘状、若枝には毛が生えます。葉は互生し、葉身4pから8pほどの楕円形から卵状長楕円形で鋸歯、先は尖ります。花期は4月から6月頃、短い新枝の先から散形花序をだし、径約3pの白色(稀に淡紅白色)の5弁花を幾つか咲かせます。果実は契約1pの球形のナシ状果、9〜10月に橙黄色に成熟する。

名前の由来は果実が酸っぱいこと、または、樹皮から黄色の染料(染み)を煮て搾取することにあります。別名にコナシ、ミツバカイドウなど。取材は櫛、器具材などに利用され、樹木は庭木としても用いられます。


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ヤマモミジ(山紅葉)は日本海側に

140927ヤマモミジ@エコカフェ.JPG軽井沢長倉芹ヶ沢にあるセゾン現代美術館の敷地の建物の裏手にモミジの大きな木が植栽されていた。たぶん、植栽されたものであろう。株立ちだが、大きな枝ぶりで見応えがあります。[2014年9月27日撮影:セゾン現代美術館@山崎]

ヤマモミジ(山紅葉、学名:Acer palmatum var. matsumurae (Koidz) Ogata)はムクロジ目カエデ科カエデ属の落葉高木。イロハモミジの亜種(オオモミジの変種とも)、日本固有種。分布は北海道、本州鳥取県以西の日本海側に限り、山地の谷間や斜面地に自生。140927ヤマモミジ樹皮@エコカフェ.JPG樹高は10mから15mほど、樹皮は暗灰褐色で平滑、成木では縦浅裂。葉は対生し、葉身5pから10pほど、掌状に5裂から9裂、裂片の辺縁に欠刻状の重鋸歯、先は尾状に尖ります。葉表は無毛、葉裏主脈の基部や脈腋に僅かに毛が生えます。葉柄の上面に溝のあるものが多いという。花期は4月から5月頃、葉腋から複散房花序をだし、淡黄色から淡紅色の径5o前後の5弁花を咲かせます。一つの花序に雄花(雄蕊8本)と両性花が両方つきます。果実は長さ約2pの翼果で鋭角から鈍角に開き、風散布します。

近縁種のイロハモミジは葉の大きさが小さく、オオモミジは葉の大きさは同じだが細かな単鋸歯と重鋸歯が混ざること、どちらも葉柄の上面に溝がないことなどから区別することできるそうです。園芸品種も多く流通しているので植栽されたものの同定には注意が必要です。


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