シシウド(猪独活)は生薬に

ビーグル号の航海日誌 2014年09月22日 23:38

140913シシウド@エコカフェ.JPG入笠湿原から入笠山(標高1955m)に向かう「花園」など湿原周辺でもたくさんの高山植物の花をめでることができます。そんな中にシシウドも点在していたりします。もっとも山中林縁でも目にすることができますが、特徴からオオバセンキュウと見違えることはないでしょう。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

シシウド(猪独活、学名:Angelica pubescens Maxim.)はセリ科シシウド属の大型の一稔性多年草。日本固有種。分布は本州(関東・中部・近畿・中国地方)、四国、九州に及び、山地の斜面ややや湿った場所に自生。140913シシウド花@エコカフェ.JPG草丈は1mから2mほど、茎は太く直立し、中空で有毛、上部で分枝します。葉は互生し、2、3回羽状複葉、小葉は葉両面に毛が生え、葉身5pから10pほどの長楕円形で葉縁に鋸歯、先は急に尖ります。頂小葉の基部は翼状に流れるのが特徴。葉柄基部の鞘は袋状で茎を抱き、小枝の先では若い花序を包む。花期は8月から11月頃、茎先や枝先に複散形花序をだし、白色の花弁が内側に曲がった5弁花をたくさん咲かせます。雄蕊5本、雌蕊花柱1本。花序の柄の長さは3pから18pと不揃いで、総苞片も小総苞片もつかないのが特徴果実は長径6oから10oほどの広楕円形で2個の分果が向き合い、両側に広く薄い翼がつきます。開花までに数年を要し開花すると枯れます。

名前の由来はウドに似ているが猪の餌になるしかないことにあるそうです。太くごつごつした直根を乾燥させたものを生薬「独活(どくかつ)」として頭痛やリューマチ、神経痛、冷え症に効くとしています。


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高山植物の魅力(135)、オオバセンキュウ(大葉川弓)

140913オオバセンキュウ@エコカフェ.JPG南アルプス北端の前衝山である入笠山(標高1955m)の北東山麓にある入笠湿原(標高1734m)を抜けて渓流沿いで見かけたオオバセンキュウ。ピンク色のツリフネソウの花が遺書に咲いていました。湿原や林縁ではシシウドも見られるのですが、葉の形で見分けるのがよいでしょう。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

オオバセンキュウ(大葉川弓、学名:Angelica genuflexa Nutt.)はセリ科シシウド属の多年草。分布は北海道、本州中部地方以北、国外では中国、ロシア、北アメリカに及び、深山から亜高山帯の渓谷沿いなどに自生。140913オオバセンキュウ花@エコカフェ.JPG草丈は60pから150pほど、茎は中空で無毛、節ごとに葉がつく反対側に屈曲し上伸。葉は1、2回羽状複葉、小葉は表裏とも脈上に毛が生え、葉身3pから8pほど、鋸歯に突起状の毛がつく。上部葉柄の基部の鞘は袋状。花期は7月から9月頃、複散形花序、総苞片は無く、小総苞片は数個が目立ち、白色から帯紫色の5弁花をたくさん咲かせます。花弁は外側のほうがやや大きく、先が内曲。雄蕊5本で葯は白色、雌蕊花柱2本。果実は長径4、5oほどの楕円形の分果で幅広の翼がつきます。

近縁種で同じように茎が節ごとに屈曲するものにシラネセンキュウがあるが、全体に小型で小葉の縁が不規則に切れ込み重鋸歯がつき、低地に自生するそうです。高山帯には小型のミヤマセンキュウが知られます。間違えることはないでしょう。


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高山植物の魅力(134)、ウメバチソウ(梅鉢草)

140913ウメバチソウ@エコカフェ.JPG南アルプス北端に位置する前衝山である入笠山(標高1955m)の北東山麓に展開する小さな湿原。入笠湿原は地元の人たちによりよく保護保存の取組がなされている。この季節、湿原上部斜面地でウメバチソウの花を見ることができます。[2014年9月13日撮影:入笠山事前調査@山崎]

ウメバチソウ(梅鉢草、学名:Parnassia palustris L.)はニシキギ目ウメバチソウ科ウメバチソウ属の多年草。140913ウメバチソウ花@エコカフェ .JPG分布は北海道、本州、四国、九州、国外では台湾、東アジア北部、樺太など広く、高山帯から亜高山帯下部の日当たりの良い湿った草原に自生。草丈は10pから40pほど、根出葉は数枚で有柄、葉身2pから4pほどのハート形、花茎を伸ばし、茎を抱く茎葉1枚をつけます。花期は8月から10月頃、茎頂に径約2pの白い5弁花を1個咲かせます。雄蕊5本、一日1本が立ち上がり、花粉をだす。雄蕊の外側には仮雄蕊が多数つく。果実は刮ハ、熟すと下部が裂け重力散布します。

ウメバチソウ属は世界(北半球)に約50種、日本にはウメバチソウの高山型で仮雄蕊の細裂数が少ないコウメバチソウ、高山型で仮雄蕊が細裂せず腺体がないヒメウメバチソウ、山地型で花弁の辺縁が細裂するシラゲソウが知られます。


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アイアスカイノデも逞しい

110206アイアスカイノデ@エコカフェ.JPG自然観察会に関八州見晴台に行くことに決めたので、まだまだ冬が残るなか時期に事前調査にでかけたときのことです。イノデに似たちょっと小さめのシダ植物、調べるとアイアスカイノデのようです。[2011年2月6日撮影:関八州見晴台事前調査@阿部]

アイアスカイノデ(学名:Polystichum longifrons Kurata)はオシダ科イノデ属の常緑性シダ植物。日本固有種。分布は本州岩手県以南、四国、九州に及び、平地や低山の林縁や林内などに自生。110206アイアスカイノデ胞子のう群@エコカフェ.JPG110206アイアスカイノデ鱗片@エコカフェ.JPG草丈は30pから60pほど、根茎は塊状、葉を放射状に斜上か直立。葉柄は長く、基部鱗片は褐色に中央部が暗褐色、披針形でほぼ全縁、葉身は狭披針形の2回羽状複葉、葉先は細る。中軸鱗片は糸状で辺毛がつく。ソーラス(胞子嚢群)は小羽片の辺縁寄り、耳垂れ下側に優先的につくのが特徴です。

近縁種で似ているアスカイノデはソーラスが辺縁と中肋の中間につき、イノデは葉柄が短く基部鱗片は明褐色、ソーラスは中間につくことで区別は容易といいます。


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