湿生植物、カサスゲ(笠菅)

ビーグル号の航海日誌 2014年05月11日 11:45

140504カサスゲ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の水生植物園の水辺ではカサスゲが植栽展示されています。小さな子供たちの背丈を超えるほどもあるので、カサスゲ群落に木道があったら楽しいでしょう。青い草の匂いが漂いますし。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

カサスゲ(笠菅、学名:Carex dispalata Boott ex A. Gray)はカヤツリグサ科スゲ属の大多年草、大型のスゲ。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国、サハリンに及び、溜池の畔や水田の畔、平地の湿地の浅い所に自生。草丈は50pから1mほど、地下茎を横に這わせ群落を形成。葉は硬く、幅4oから8oほどの細長い線形で根元の鞘は糸網。花期は4月から7月頃、花茎を真っ直ぐに伸ばし、先端に灰褐色で細長い棒状の雄小穂(時に基部に第二雄小穂を伴う)をつけ、その下に数個の緑色の細長い雌小穂を複数つけ、穂先を重みでやや垂らします。

昔はカサスゲで菅笠や蓑をつくったそうです。近年では河川改修や水田の水路整備で生息環境が失われ、減少する傾向にあるといいます。身近な植物であって、生活に役立つ植物でもあったのです。今は昔です。


関連記事(お伽話「かさじぞう(笠地蔵)」)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

イトアオスゲ(糸青菅)と言われても

140504イトアオスゲ@エコカフェ.JPG国立科学博物館附属自然教育園内の水生植物園の池のほとりにイトアオスゲが植栽展示されています。名前の由来は茎や葉がアオスゲよりも細く糸に見立てたことにあります。確かに優しい風合いです。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

イトアオスゲ(糸青菅、学名:Carex puberula Boott/Carex breviculmis R. Br. forma filiculmis Kiuekenth.)はカヤツリグサ科スゲ属ヌカスゲ節の半常緑多年草。分布は北海道、本州、九州、対馬に及び、山地(シイ帯からブナ帯)の林縁や草地などに自生。140504イトアオスゲ看板@得おカフェ.JPG草丈は20pから30p(稀に50p)、匐枝は出さず、葉はやや緩やかに叢生し直立、葉身20pから30pほどで幅約1、2mmの線形、緑色で基部に褐色の鞘がつく。花期は4月から6月頃、花茎を10pから30p(稀に50p)伸ばし、頂小穂(雄小穂)は長さ5oから20oほどの線形、側小穂(雌小穂)も長さは同じで2、3個つき、花数は10個以下、雌鱗片の苞は短いという。

イトアオスゲはアオスゲ類の中ではメアオスゲと同様に小型で全体が柔らかいとされるが、花や形や付き方などで分類するので、花がない時の同定は不可能です。スゲ属そのものが分類上喧々諤々あるらしいし。従って、自然教育園のように名札があると助かります。


関連記事(ナキリスゲ(菜切菅)のお話し)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


タグ:自然教育園
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

海浜植物、ノシラン(熨斗蘭)

140504ノシラン@エコカフェ.JPG国立博物館附属自然教育園内の路傍の植物のコーナーからノシランを紹介します。前にも書きましたが、この仲間は世界に東アジアからインドにかけて約65種、うち日本にはノシラン、ジャノヒゲ、オオバジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲの4種が知られます。[2014年5月4日撮影:自然教育園@山崎]

ノシラン(熨斗蘭、学名:Ophiopogon jaburan)はユリ科ジャノヒゲ属の常緑多年草。分布は本州千葉県以西、四国、九州、南西諸島、国外では済州島に及び、温暖な海岸近くのやや湿った林下に自生。草丈は60pから80pほど、葉は叢生し深緑色で光沢、葉身はヤブランに似るがより長くより幅広の線形、葉縁は平滑で先は下垂します。花期は7月から9月頃、花茎を長さ30pから50pほど伸ばし、茎頂に総状花序をつけ白色から淡紫色の小花を幾つも咲かせます。小花は花被片6枚、雄蕊6本、花糸は短い。花茎の断面は扁平で同じ幅の翼を伴い、果実がつくと倒れてしまう。果実は長径約10oのやや楕円形、コバルト色に熟します。

名前の由来は、花茎も葉も平たく火熨斗で伸ばしたように見えることにあります。ちなみに火熨斗とは昔のアイロンのことです。花茎が平たいのは、強い潮風にも折れることのないような戦略を取っているためでしょう。


関連記事(非日常を)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ