封印された太古の足跡が波浪に洗われ

ビーグル号の航海日誌 2014年01月05日 19:18

2006珊瑚礁の島@エコカフェ小笠原データ 126.jpg小笠原諸島父島列島南島沈水カルスト地形からなる珍しい景観を見せてくれています。第3紀頃(260万年前頃)にもっと南の海で成長した珊瑚礁が起源とされます。一度、隆起し雨水に溶解した石灰岩が沈降してできたものです。
この南島は、最終氷期(ヴィルム氷期:7万年前頃から1万年前頃)には、兄島や弟島などの属島とともに巨大な一つの父島をつくっていたと考えられています。この頃、南島の向かい側にある父島の南端のジョンビーチやジニービーチ、南崎の周辺は広大なカルスト台地を形成。2006南島@エコカフェ小笠原データ 107.jpgカルスト台地は雨水、地下川の浸食を受けて地上にドリーネや地下に鍾乳洞をつくっていたはずです。今は海面下です。
最終氷期後に海水面が最寒冷期に比べて130mも上昇すると、両地の間には現在のような浅い珊瑚礁からなる瀬が広がることになりました。南島では、白い砂浜の上に1万年前頃から1千年前頃まで生きていたとされるヒロベソカタマイマイの半化石が大量に散乱しています。もちろん他にも両地に共通のニュウドウカタマイマイなどの化石も見られます。
ただただ美しい造形美を見せてくれるだけではなく、そこには深く思いも及ばぬ地球のドラマが隠されているようです。宮古島の下地島にも素晴らしい沈水カルストがあります。ぜひに。


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風渡る絶海の孤島に悠久の時の流れを

120101父島旭山方面@エコカフェ.jpg小笠原諸島父島列島は東京から南に1000kmの太平洋上に小さく点在します。プレートテクトニクスの働きにより爆発的な海底火山の噴火の繰り返しにより誕生した大洋島です。
島の至る所でそそり立つ奇岩など古い溶岩脈の跡が残っています。そんな草木ひとつない不毛の地に辿りついたパイオニア植物群が悠久の時を経て眼前の森にまで遷移と遂げてきたのです。
その多くは交流の無い長い年月の中で、絶海の大洋島の環境に適応しながら、独自に分化、進化を遂げているのです。
父島列島の森の特徴は亜熱帯気候に属しながら降水量が少ないため地中海性気候にも近似し、植生は他に例のない亜熱帯性の乾性厚葉低木樹林(乾性低木林)をつくっているのです。
すっと伸びるノヤシや葉が屈曲するオガサワラビロウの淡緑色がムニンヒメツバキ、シマシャリンバイなどの濃緑色のなかに点在するようすがとても美しいのです。
そんな森に生息する昆虫たちも当然に独自分化、進化したものが多く、世界中でそこでしか見られないものが多いのです。しかも、植物と1対1対応と考えられるものも少なくなく、絶滅の危機に瀕している固有植物の保護には固有昆虫の保護も不可欠と考えられます。生態系全体の保全をどのような手順ですべきかの議論が必要です。


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