ヤシャゼンマイ(夜叉銭巻)は渓流植物

ビーグル号の航海日誌 2013年12月09日 23:03

120922ヤシャゼンマイ@エコカフェ.JPG小石川植物園のシダ植物コレクションからヤシャゼンマイを紹介します。広域種のゼンマイに外見はよく似ているが、水を好み小型で葉が細いのが特徴です。両者は棲み分けしているので間違えることはないでしょう。ただし、両者の野生交雑種としてオオバヤシャゼンマイ(オクタマゼンマイ)が知られるので注意が必要です。[2012年9月22日撮影:小石川植物園@阿部]

ヤシャゼンマイ(夜叉銭巻、夜叉薇、学名:Osmunda lancea Thunb.)はゼンマイ科ゼンマイ属の夏緑性シダ植物。日本固有種。分布は北海道南部、本州、四国、九州東部に限り、渓流沿いの冠水するような岩場などに自生。草丈は30pから80pほど、根茎は直立か斜上、葉は叢生しやや硬く、2回羽状複葉で二型。胞子葉は栄養葉に先立ち4月頃に成長し、羽片は線形で胞子嚢を密につけ、胞子放出後に枯れます。栄養葉は葉身20pから45pほど、羽片と狭披針形の小羽片は全縁で軸とほぼ50°角につくという。ちなみにゼンマイではもっときつい角度になるそうです。

名前の由来は「ヤシャ」が「痩せ」の転訛説、「ゼンマイ」は若芽の渦巻きが古銭に似ることにあるとする説と「千巻き」が転訛とする説があるそうです。ゼンマイ属は世界に20数種、うち日本には5種が知られています。


関連記事(ゼンマイ(薇)は山菜の代表)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

ノコギリヘラシダ(鋸箆羊歯)は野生交雑種

120922ノコギリヘラシダ胞子蓑群@エコカフェ.JPG小石川植物園のシダ植物コレクションからノコギリヘラシダを紹介します。本種はヘラシダとナチシケシダとの自然交雑種と考えられています。[2012年9月22日撮影:小石川植物園@阿部]

ノコギリヘラシダ(鋸箆羊歯、学名:Deparia ×tomitaroanum)はイワデンタ科オオシケシダ属の常緑性シダ植物。野生交雑種。分布は本州千葉県以南、四国、九州、南西諸島、国外では台湾に及び、山地の林内や沢沿いの岩場などに自生。草丈は15pから50pほど、根茎は長く這い茶褐色の鱗片がつく。120922ノコギリヘラシダ@エコカフェ.JPG葉は単葉、葉身10pから30pほどの披針形から線形、葉丙は針金状、葉身はヘラシダに似るが縁が切れ込み、基部に近いほど羽片は小さく、より深く切れ込む特徴があります。胞子嚢群(ソーラス)は線状、裂片の中肋近くから辺縁に至ります。

自然界のなかでは同一先祖種から種分化したものが、野生交雑して種を代々紡いでいく例は多くあると考えられる。そして、分類学的にはやがて交雑雑種としてではなく、独立した単独種として取り扱われるものもあるのだろうと思います。


関連記事(ヘラシダ(箆羊歯)は南方系)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ



posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ