ハハジマホザキラン(母島穂咲蘭)はひっそり

ビーグル号の航海日誌 2013年11月28日 21:05

120624ハハジマホザキラン@エコカフェ.JPG東京大学附属小石川植物園の温室で大切に保護展示されているハハジマホザキラン。小笠原諸島の比較的湿潤な森には地上性や樹上生のランの仲間が自生しています。そのほとんどが独自に進化・分化した小笠原固有種ですが、森林ができてからの移入のため種内多様性は低いと考えられます。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

ハハジマホザキラン(母島穂咲蘭、学名:Malaxis hahajimensis S.Kobayashi)はラン科ヤチラン属の地上性の常緑多年草。小笠原固有種で絶滅危惧TB類。分布は母島に限り、標高300mから400mの湿潤な岩場やヒメツバキ−モクタチバナ群落、モクタチバナ−シマシャリンバイ群落の林床半陰地に自生。草丈は20pから30cmほど、偽鱗茎の基部は横走し、全株無毛、葉は薄い肉質で3枚から5枚ほど、葉身は卵状長楕円形から広楕円形、葉先は尖ります。花期は10月から11月頃、総状花序を伸ばし、疎に20個から30個の花を咲かせます。唇弁は紫色で中央に1溝のある舟形、萼片と側被片は淡緑色で反り返ります。果実は楕円状の刮ハです。

この属には世界で約300種、日本ではハハジマホザキランの他に父島の森に自生するシマホザキランやヤチラン、ホザキイチヨウラン、ホザキヒメラン、イリオモテヒメラン、カンダヒメラン、オキナワヒメランの8種が知られています。


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ムニンベニシダ(無人紅羊歯)

120624ムニンベニシダ@エコカフェ.JPG東京大学附属小石川植物園の温室で保護展示しているムニンベニシダ。別名をオオバノイタチシダという。小笠原諸島のシダ植物の種類こそ多くはないが、大洋島のため独自に進化・分化を遂げているものが多く極めて固有率が高くなっています。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

ムニンベニシダ(無人紅羊歯、学名:Dryopteris insularis Kodama)はオシダ科オシダ属ベニシダ類の常緑性シダ植物。ハチィジョウベニシダの変種、小笠原固有種、環境省レッドリストで絶滅危惧U類(VU)。分布は小笠原諸島に限り、山地のやや乾いた林床に自生。草丈は50pから80pほど、根茎は短く斜上し褐色か黒褐色の鱗片がつく。葉は3回羽状複葉深裂し濃緑色で革質、葉身30pから45pほど、ベニシダ類に共通で最下羽片が内向き第一小羽片がやや小さいという特徴があります。胞子嚢群(ソーラス)は葉裏上部につき、ついた羽片は縮んだようになる。包膜辺縁に腺状突起がつきます。

小笠原諸島父島には近縁種で父島固有変種のチチジマベニシダ(父島紅羊歯)が知られるが、胞子嚢群は葉裏前面につき、縮れることもないようです。胞子嚢群がついている固体を注意して観察するとよいでしょう。


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キンギンソウ(金銀草)は変色

120504キンギンソウ花序部分@エコカフェ.JPGキンギンソウ、自生地の小笠原でもなかなか目にすることのできないランのひとつだとおもう。もっとも奄美大島の森でも自生しているというから絶滅危惧種保護センターの視察に併せて森に入っていつかは出逢ってみたいと思う。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

キンギンソウ(金銀草、学名:Goodyera procera (Ker-Gawl.) Hook.)はラン科シュスラン属の多年草。分布は南西諸島、小笠原諸島、国外では台湾、中国南部、マレーシア、インドに及び、山地の林縁などに自生。120504キンギンソウ@エコカフェ.JPG草丈は30pから70pほど、茎は太く肉質で基部から多数の根をだし、葉は茎下半部に叢生し柔らかくやや肉質、葉身8pから15pほどの長楕円形で先は尖ります。花期は3月から5月頃、茎先に穂状の総状花序をだし、有柄の白色の小さな花をたくさん密に咲かせます。花は下部から順次咲き、唇弁の色も白色から黄色に変化します。白を銀、黄色を金とし、名前の由来としたそうですよ。小花は100個超にもなり、1月ほど楽しむことができるそうです。

この仲間は世界のヨーロッパ、アジア、北アメリカに約40種、日本には小笠原固有種のムニンシュスラン、伊豆七島固有種のハチジョウシュスランやオオシマシュスラン、北海道から奄美大島に自生する広域種のアケボノシュスランなど19種ほどが知られています。


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