クサコアカソ(草小赤麻)の摩訶不思議

ビーグル号の航海日誌 2013年09月25日 21:56

120927クサコアカソ果実@エコカフェ.JPGこの季節は晴天に恵まれることも多く絶好の登山シーズン。夏山や紅葉狩りほどの賑わいはないが、静かな山行を楽しむことができます。瑞牆山や金峰山、鳳凰三山、千丈岳、北岳などの花崗岩からなる山肌は真っ白で無心を誘います。ここでは瑞牆山山頂でみたクサコアカソを紹介します。別名はマルバアカソ。誰かが種を運んできたものでしょうか。[2012年9月27日撮影:瑞牆山@山崎]

クサコアカソ(草小赤麻、Boehmeria tricuspis (Hance) Makino var. unicuspis Makino)はイラクサ科カラムシ属の多年草。120927クサコアカソ@エコカフェ.JPG分布は本州、四国、九州、国外では中国大陸に及び、やや湿った山野、国内では内陸から太平洋側の山地を中心に藪や道端などに自生。草丈は50pから80pほど、茎も葉柄も赤く、葉は対生し葉脈が目立ち、葉身5pから10pほどの卵形から卵状楕円形、葉縁に9対以上の粗鋸歯、葉先は尾状に鋭く尖ります。花期は7月から9月頃、雌雄異花、上部葉脇には穂状の雌花序を伸ばし無数の白い雌蕊柱頭が目立ち、下部葉脇には穂状の雄花序を伸ばし黄色白色の花被片と雄蕊4本がたくさんの小花がつきます。果実は径約4oで球状に集まってつきます。

この仲間で茎が赤くなるものに、木本で西日本に多い低木のコアカソ、草本で日本海側に多い葉先が3裂するアカソがあります。カラムシ属の植物は、古来より、茎を蒸して皮を剥ぎ、繊維を採取し、織った布が上布です。今日でも越後(越後上布・小千谷縮布)、宮古(宮古上布)や石垣(八重山上布)が知られます。


関連記事(メヤブマオ(姫藪苧麻)は多兄弟)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

オクトリカブト(奥鳥兜)はのっぽ

130908オクトリカブト@エコカフェ .JPG秋晴れですね。檜枝岐村から尾瀬ヶ原に向かう燧裏林道の途中には幾つもの田代があってそれぞれ微妙に異なる表情を見せてくれるという。主役は田代を彩る希少な高山植物たち、脇役は周辺から田代に攻め込む樹林たちやケルミやシュレンケなど田代形成の遠い記憶そのものであるような気がする。ここでは田代の彩のひとつ、オクトリカブトを紹介しよう。[2013年9月8日撮影:檜枝岐歌舞伎視察@山崎]

130908オクトリカブト花@エコカフェ.JPGオクトリカブト(奥鳥兜、学名:Aconitum japonicum Thunb. subsp. subcuneatum (Nakai) Kadota)はキンポウゲ科トリカブト属の多年草。日本固有種。分布は北海道南西部、本州中部地方以北に限り、低山から高山までの林縁や草原などに自生。草丈は1mから2m、時に3mほど、茎は無毛で斜上か直立し、葉はやや厚く、葉身7pから20pほどの丸味を帯びた掌状、3、中裂し、裂片には粗鋸歯がつきます。花期は8月から10月頃、茎頂や葉腋に散房状の花序をだし、上部から順次、紫色の花を咲かせます。花は長さ約3、4pの烏帽子型、花弁に見えるのは萼片で頂萼片1枚、円形の側萼片2枚と楕円形の下萼片2枚からなり、本来の花弁は雄蕊多数、雌蕊3、5本の後ろにある蜜腺に退化し、距は細く短いです。なお、花柄に屈毛、雄蕊の花糸に散毛が生えます。

トリカブトの仲間は地域的な変異が大きく、日本全体で約70種、尾瀬では本種と葉脇にムカゴがつくジョウシュウトリカブト、やや小型で茎上部が枝分かれするオゼトリカブトの3種が知られています。花粉や蜜をはじめ全草にジテンペルアルカロイド系毒成分のアコニチン(aconitine)を含み、摂取すると嘔吐、呼吸困難、心臓発作を引き起こすので注意が必要です。


関連記事(ミチノクモジゴケ(陸奥文字苔)を奥山で)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ

続きを読む
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ