オオトラノオゴケ(大虎尾苔)は広域に

ビーグル号の航海日誌 2013年09月16日 17:35

110723オオトラノオゴケ@エコカフェ(芦生研究林).JPG京都大学フィールド科学教育研究センター附属芦生研究林は由良川源流域の自然豊かな森です。京都大学主催「芦生公開講座」が開催、エコカフェは後援しています。源流域谷筋では多様な蘚苔類が観察できますが、ここでは岩上に着生するオオトラノオゴケを紹介します。[2011年7月23日撮影:芦生公開講座2011@山崎]

オオトラノオゴケ(大虎尾苔、学名:Thamnobryum subseriatum (Mitt. ex Sande Lac.) B. C. Tan)はヒラゴケ科(オオトラノオゴケ科と独立)オオトラノオゴケ属の大型の蘚類。分布は日本、南千島、サハリン、ロシア、中国、東南アジア、インド、ヒマラヤに広く、谷間や沢筋の岩上に着生。110723枡上谷@エコカフェ.JPG草丈は5cmから10cmほど、二次茎は立ち上がり、上部で分枝。乾燥すると枝を巻き込むように軽く縮れます。茎葉は葉身1,2mmほどの仁藤g辺三角形、枝葉は平滑で枝に平たくつき、葉身3mmほど卵形か長卵形で枝中央部が大きいという。葉には1本中肋があります。胞子体は上部の枝の途中に複数付き、柄2pほどで赤褐色、凾ヘ斜上し、蓋に長い嘴がつきます。

ヒラゴケ科には日本産10属約30種、セイナンヒラゴオケ、トサヒラゴケ、ヤマトヒラゴケ、エゾヒラゴケ、キブリハネゴケ、広域種のリボンゴケ、キダチヒラゴケなどが知られています。


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ミチノクモジゴケ(陸奥文字苔)を奥山で

130908ミチノクモジゴケ@エコカフェ.JPG檜枝岐村御池ロッジ登山口から燧ヶ岳の裾野を巻いて尾瀬ヶ原見晴へ至るコース。紅葉が素晴らしいそうです。先般、姫田代まで小雨模様、雲間が切れた中、散策をしました。この森は地衣類や蘚苔類が比較的多く観察することができそうです。木道脇の樹幹に固着地衣が、一目瞭然、モジゴケの仲間と分かった。日本にはモジゴケ科は7属40種が知られ、子器の様子からモジゴケ属のミチノクモジゴケとしておきます。良い名前ですね。[2013年9月8日撮影:檜枝岐歌舞伎視察@山崎]

130908ミチノクモジゴケ子器@エコカフェ.JPGミチノクモジゴケ(陸奥文字苔、学名:Graphis rikuzensis (Vain) M.Nakan.)はモジゴケ科モジゴケ属の固着地衣(痂状地衣とも)。日本固有種。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、低山を中心に樹皮上に着生。地衣体細胞内の共生藻はスミレも属の気生藻類として世界中に分布するTrentepohlia lagenifera(L型)の糸状藻類だそうです。子器はリレラ型で地衣体から突出し、細長く伸びてまれに分枝、文字を書いたように見える。黒色の果殻は下部が茶褐色になり、両脇に沿って溝を持つという。

ミチノクモジゴケはモジゴケ(学名:Graphis scripta)に酷似しており、基本的には果殻の下部が淡褐色となることで同定できるそうです。写真のものは子器の果殻基部を確認していないので後者かもしれません。この世界も新種発見も相次いでいるようで、似ていて非なるものが多く、外見(形態)では判断できず極めて奥が深いですね。


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エゾスナゴケ(蝦夷砂苔)が足元に

130908エゾスナゴケ@エコカフェ.JPG檜枝岐村ミニ尾瀬公園を訪問した時に管理棟の手前の組み石上に小さな苔の群落がありました。一見するとスギゴケの仲間かと思えるが、小型であって明らかに日当たりのよいポジションに群落を構えている。標高が1000m弱に過ぎないこと、余り分枝していないようであることから、コバノスナゴケではなくエゾスナゴケとしてよいだろう。[2013年9月8日撮影:檜枝岐歌舞伎視察@山崎]

エゾスナゴケ(蝦夷砂苔、学名:Racomitrium japonicum (Dozy et Molk.) Dozy et Molk.)はギボウシゴケ科シモフリゴケ属の小型の蘚類。130908エゾスナゴケ胞子体@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、北半球に広く、河川などの低地から亜高山帯の日当たりが良く、やや湿った砂地や岩上に自生。草丈は2pから3pほど、茎は黄緑色で不規則に枝を出し、葉を密にらせん状につけます。葉身2.5mmほどの卵状披針形、中肋を軸に折り畳まれ、葉先は透明です。胞子体は余り作らず、写真でも僅かに数本を確認するに過ぎません。

ギボウシゴケ科には日本産6属約50種、このうちスナゴケの近縁種にはチョウセンスナゴケ、ミヤマスナゴケ、ハイスナゴケ、ナガエノスナゴケ、キスナゴケ、ヒメスナゴケ、シモフリゴケなどが知られています。エゾスナゴケは成長が早く乾燥に強いことから屋上緑化などに利用されているそうですよ。


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