オキナワキョウチクトウ(沖縄夾竹桃)は海流散布を

ビーグル号の航海日誌 2013年08月17日 22:10

100812オキナワキョウチクトウ@エコカフェ.JPG八重山列島西表島の浦内川にある船着き場の近くで本土のキョウチクトウに似た白い風車のような花を見たことがあります。奄美大島の植物を調べているとき、遠い記憶から突然蘇りました。あの時の白い花はオキナワキョウチクトウでは、ミフクギ(目膨ら木)ともいうようだ。[2010年8月12日撮影:西表島@山崎]

オキナワキョウチクトウ(沖縄夾竹桃、学名:Cerbera manghas L.)はリンドウ目キョウチクトウ科ミフクギ属の常緑亜高木。分布は南西諸島奄美大島以南、国外では熱帯から亜熱帯のアジアに広く、海岸沿いの森林内に自生。樹高は5mから9mほど、樹皮は灰褐色、ヤドリフカノキのように枝先は緑色で柔らかです。葉は輪生状に互生し枝先に集生、葉身10cmから20cmほどの長楕円状披針形、全縁で鈍頭。葉厚で側脈が目立つ。花期は5月から11月頃、枝先に集散花序をだし、淡緑白色の径約5cmの基部が筒状で5弁に平開した花を咲かせます。果実は径5cmから8cmほどの球形の核果で枝先にぶら下がり、黒く熟すとやがて落下。海流散布し、運が良ければ新天地で子孫を残すことになります。

全体にアルカロイド配糖体であるケルベリンなどの毒成分を含み、樹液に触れた手で目をこすると腫れることから、「目膨ら木(ミフクギ)」と呼ばれるという。なるほど、本土のキョウチクトウも同様の毒成分が含まれ扱いが厄介でしたよね。


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デイゴ(梯梧)は沖縄県の花

130411デイゴ@エコカフェ奄美大島エコツアー_399s.jpg奄美大島の大熊展望台からは名瀬港が一望でき、広場の一角にデイゴが植えられている。4月に訪れた時にはちょうど深紅色の見事な花を咲かせていました。近年、南西諸島などでは海外からのデイゴヒメコバチなる侵略者による枯死などの被害が懸念されてるようです。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

デイゴ(梯梧、学名:Erythrina variegata L.var. orientalis Merrill)はマメ科デイゴ属の半落葉高木(花が咲く枝のみが落葉)。分布は南西諸島沖縄本島以南(奄美大島以南とも)、国外では東南アジア、インド、ミクロネシアに広く、海岸近くに自生。樹高は4mから15mほど、樹皮は灰白色、幹や枝に太く鋭い刺が生え、葉は3出複葉、小葉は広卵形です。花期は3月から4月頃、枝先から長さ10pから25pもの穂状花序をだし、朱赤色の蝶形の花を下部から順次咲かせます。果実は長さ15pから30pほどの莢果、ソラマメに似た鞘をつけるという。

デイゴは、根が強く、萌芽力に優れるので庭木には不向きとされ、沖縄県では県花として公園や街路樹としてよく植栽しているという。ちなみに、鹿児島県は移入した近縁種のアメリカデイゴを県の花としているといいます。県花とは面白いですね。


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サクラツツジ(桜躑躅)は森の妖精

130411サクラツツジ@エコカフェ奄美大島エコツアー_307s.jpg奄美大島を訪問した時期が悪かったのか、金作原原生林では花をつけた草木を見ることはほとんどありませんでした。淡桃色の美しい花をつけるサクラツツジも例外ではありません。 鬱蒼とした森の中では妖精のように見えるでしょうが、残念なことに小木ばかりで花は咲いていませんでした。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

サクラツツジ(桜躑躅、学名:Rhododendron tashiroi Maxim.)はツツジ科ツツジ属の常緑低木。分布は四国(高知)、九州(鹿児島、佐賀)、南西諸島沖縄本島以北、国外では台湾に限り、暖帯から亜熱帯の山地の岩場などに自生。樹高は1mから4mほど、若枝や葉柄に長毛が密生します。葉は枝先に2枚対生か3枚輪生、葉身3pから8pほどの長楕円形、葉縁は裏面にやや巻き込み、葉先は尖ります。若葉は両面に褐色の長毛、やがて脱落。花期は1月から3月頃、葉展開前に枝先に淡桃色の径約4pの花を2、3個咲かせます。花柄は10oほどで褐色の長毛と腺毛が生え、淡褐色の長毛のある萼片は小さく、花冠は漏斗形で5深裂、上裂片内部には紅色斑点、雄蕊10本、雌蕊柱頭1本、何れも無毛、子房には褐色毛。果実は長径7oから15oほどの歪んだ卵状長楕円形の刮ハ、褐色毛が密生します。

この花は屋久島では固体密度が高く「カワザクラ」と呼ばれ親しまれているそうです。ちなみに、ツツジ属は世界で約850種、うち日本にはムニンツツジ、ミツバツツジ、ヒカゲツツジ、ムラサキヤシオツツジ、ハクサンシャクナゲ、アズマシャクナゲなど40種ほどが知られています。


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ヤマモモ(山桃)は南方系

130411ヤマモモ@奄美大島エコツアー_276s.jpg奄美大島金作原原生林で観察したヤマモモ。名前の由来は山に生育する桃の様な果実をつけることです。他の地域でも目にする機会は多いのですが、なぜかこれまで紹介していませんでした。ヤマモモの果実はブドウ糖やクエン酸、アントシアニンが豊富で生のまま食べるほか、ヤマモモ酒、ジャム、シャーベット、ムース、ゼリーづくりなどに利用されています。樹皮から取れる染料は海水に強く漁網を染めるのに利用してきたという。[2013年4月11日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

s130411ヤマモモ樹幹@エコカフェ奄美大島エコツアー_277.jpgヤマモモ(山桃、学名:Myrica rubra Lour.)はヤマモモ科ヤマモモ属の常緑高木。分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、中国、フィリピンに及び、暖地の低山の乾燥尾根などの痩せ地などに自生。樹高は20mほど、樹皮は灰白色、多数の楕円形の皮目、古木では縦裂、よく分枝します。葉は密に互生し枝先で束生、葉身7pから15pほどの倒披針形から倒卵形、全縁か疎らな鋸歯、葉先はやや鈍頭。花期は3月から4月頃、雌雄異株、葉脇から穂状花序をだし、小花を多数咲かせます。雄花序は長さ約4p、雄花は2、3個の小苞に包まれ3本から6本の紅色の雄蕊がつく。雌花序は長さ約1p、雌花は2個の小苞に包まれ紅色の雌蕊1本。果実は径約2pの球形の核果で表面に粒状突起が密につき、6月頃に黒紫色に熟します。種子は鳥散布します。

多くの果実は5月頃に未熟な状態で自然落果(摘果)します。ヤマモモはそもそも隔年着果といって豊作と不作を隔年で繰り返すことで本体を守るのだそうです。ブナもそうですね。根に放線菌のフランキアを共生し、空気中の窒素を固定することができるためパイオニア的存在とも言えそうです。


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