三宅島に向け出航!

⇒森林づくり+α 2013年08月31日 22:21

130830レインボーブリッジ@エコカフェ.JPG130830レインボーブリッジ@エコカフェ (2).JPG8月30日22時20分、「かめりあ丸」は竹芝桟橋を三宅島に向け出航です。
台風は熱帯低気圧になり、生ぬるく湿った温かな風が入りこんでいます。
東京湾を出たら波も高くなるのだろうと....。
一行はレインボーブリッジの下を通過中にライトアップした橋桁を見入った。


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サイゴクベニシダ(西国紅羊歯)

ビーグル号の航海日誌 2013年08月30日 08:10

110611サイゴクベニシダ@エコカフェ.JPG国立科学博物館・筑波実験植物園(つくば植物園)のシダ植物コレクションからサイゴクベニシダを紹介します。[平成2011年6月11日撮影:第46回草花教室@山崎]

サイゴクベニシダ(西国紅羊歯、学名:Dryopteris championii (Benth.) C. Chr. ex Ching)はオシダ科オシダ属の常緑性シダ植物。分布は本州(宮城県、新潟県、関東地方以西)、四国、九州に及び、低山や丘陵、里山の林床の乾いた場所などに自生。草丈は低く、根茎は塊状で小さく、葉は叢生し科和室で厚く光沢があります。葉柄は20pから30pほど、基部の鱗片は赤褐色など変異、2回羽状複葉、羽片は線状披針形、最下はね片の第1小羽片は小さい。小羽片は卵形から卵状長楕円形、葉先は丸く、基部は耳状になります。胞子蓑群(ソーラス)はやや片縁寄りにつき、包膜は全縁です。

近縁のベニシダとの違いは、新芽の鱗片がベニシダは赤褐色なのに対して白色であること、葉質が柔らかくないことだそうです。


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オオシロモンセセリ(大白紋挵)も森の忍者

101011オオシロモンセセリ@エコカフェ.JPG宮古島来間島の亜熱帯性照葉樹林が広がる来間ガー周辺は神秘的な場所。鬱蒼とした照葉樹林の森で多くの生き物たちがひしめきあっている。昆虫や蝶も例外ではありません。ここではオオシロモンセセリを紹介しましょう。[2010年10月11日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

オオシロモンセセリ(大白紋挵、学名:Udaspes folus (Cramer))はチョウ目セセリチョウ科の大形のセセリ。分布は南西諸島奄美大島以南、国外では熱帯・亜熱帯アジアに広く、海岸近くの林縁や草原などに生息。出現時期は3月から11月頃、開張は33oから40o、前翅長22oから26o、で先端は丸く、焦茶色の地に大きな白斑が入ります。触覚先端がやや太く、折れ曲がるのが特徴です。食性は成虫では雑食性で花の蜜や獣糞、幼虫では草食性でゲットウ、ハナミョウガ、アオノクマタケランなどのショウガ科の植物の葉です。朝と夕に活動、越冬は蛹でします。

名前の由来は、大きな白色の紋様のある「セセリチョウ」ということ、「セセリ」とは「ひっかいてほじくる」という意味があるそうです。本種と近縁のクロセセリは小型であることと触角の形状が異なることで区別が可能です。


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チャイロヒダリマキマイマイ(茶色左巻蝸牛)はでっかい

130706チャイロヒダリマキマイマイ@エコカフェ.JPG北アルプス小日向山(標高1907m)も7月に見た登山道周辺の残雪もすっかり消え夏真っ盛りです。登山道脇の林下の地上に黒っぽい大きな蝸牛がいたのを覚えています。漸くの事で調べてみるとチャイロヒダリマキマイマイのようです。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

チャイロヒダリマキマイマイ(茶色左巻蝸牛、学名:Euhadra quaesita montium (Martens,1879)はマイマイ目オナジマイマイ科の半樹上性の大型蝸牛。ヒダリマキマイマイの亜種。分布は関東地方と中部地方に限り、山地の森林内や草原などの明るい湿った場所などに生息。成貝は殻高33o、殻径50mm前後、殻色は濃茶褐色、周縁帯の上下に濃褐色の雲状帯、成長線は色が抜けて火焔彩が見られるという。生活は半樹上性で湿った場所を好み、食性は草食性で枯葉、キノコ、藻類などを食します。繁殖期は5月から9月頃、雌雄同体、他個体との交尾で精莢を交換した後に30個から40個を産卵します。卵殻は30日から40日で孵化するが、秋に産卵のものはそのまま越冬し、翌春に孵化するそうです。

基亜種ヒダリマキマイマイは本州中部・北陸地方以北と伊豆半島、周辺離島の低地に分布し、体色が黄白色から淡茶褐色です。色帯パターンのあるものとないものがいるという。また、能登半島(舳倉島・七ツ島)のみに分布する固有亜種で準絶滅危惧(NT)のヘグラマイマイが知られています。 


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ヤリノホゴケ(槍穂苔)は

ビーグル号の航海日誌 2013年08月29日 20:00

130202ヤリノホゴケ@エコカフェ.JPG奥鬼怒温泉郷の加仁湯温泉から日光沢温泉へ辿る途中の倒木上に着生する地衣類の仲間。今回調べてみるとどうもヤリノホゴケらしいです。葉状体にニョキニョキと尖がった子器が生えています。[2013年2月2日撮影:奥鬼怒視察@阿部]

ヤリノホゴケ(学名:Cladonia coniocraea (Flörke) Spreng.)はハナゴケ科ハナゴケ属の葉状地衣(痂状地衣)。分布は日本のほか世界中に及び、内陸の山地の日陰の場所で倒木上などに自生。子柄は長さ1pから3pほどの尖頭状でやや湾曲、枝はなく、粉芽をつけます。

ものの紹介によると稀であったりするようですが、世界中の広い範囲で分布しているようです。ただし、沿岸地では希少となるようです。


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古代植物、メタセコイアの歴史

ビーグル号の航海日誌 2013年08月28日 23:19

061112メタセコイア@エコカフェ・エコの寺子屋 フィールド 056.jpg061112メタセコイア@エコカフェ・エコの寺子屋 フィールド 057.jpg京都大学フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地内の山地にはメタセコイアが植栽されています。1950年に渡来した種子からの実生を植えたもので、年月を重ね立派な大木になっています。メタセコイアもラクウショウと並んで古代植物と考えられています。別名にアケボノスギ(曙杉)とかイチイスギとも呼ぶそうです。[2006年11月12日撮影:第1回エコの寺子屋@山崎]

メタセコイア(学名:Metasequoia glyptostroboides Hu et W.C.Cheng)はスギ科メタセコイア属の落葉針葉高木。IUCNレッドリストで絶滅危惧T類(CR)。1属1種。分布は中国四川省の一部に限り、肥沃で適湿地などを好んで自生。樹高は30mから40mほど、樹幹は垂直、樹皮は赤褐色で縦裂に剥離、葉は羽状に対生、葉身は1pから2pほどの線形、枝と葉の間に分離層がないため枝ごと落葉します。花期は2月から3月頃、雌雄異花、雄花は枝先に長い穂状花序を下垂し、雌花は枝に頂生。果実は球形の果鱗、褐色に熟し、乾燥すると翼のある種子が散布されます。

メタセコイアは中生代白亜紀から新生代第三紀にかけて北半球に広く分布し、日本でも各地から化石として発見されています。日本でも300万年前から100万年前頃(新生代第三紀)に繁栄。形態的にほとんど進化せず今日に至っているといわれています。


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古代植物、ラクウショウ(落羽松)は気根お化け

061112ラクウショウ気根@エコカフェ・エコの寺子屋 フィールド 064.jpg京都大学フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地に訪ねたことのある人ならば必ず目にしている植物です。北アメリカ原産のラクウショウと中国原産のメタセコイアです。どちらも存在感は抜群です。まず、ラクウショウを紹介します。別名にヌマスギ(沼杉)というくらいあって、気根がニョキニョキと沼地を占領している様子は奇妙です。[2006年11月12日撮影:第1回エコの寺子屋@山崎]

ラクウショウ(落羽松、学名:Taxodium distichum (L.) Rich.)はスギ科ヌマスギ属の落葉針葉高木。IUCNレッドリストで経度懸念(LC)。061112ラクウショウ紅葉@エコカフェ・エコの寺子屋 フィールド 063.jpg分布は北アメリカ大陸東南部からメキシコに及び、雨期になると沼沢地などになる湿潤地などに自生。樹高は30m超、樹皮は灰褐色で縦裂に剥離、湿潤地では狭円錐状の膝根と呼ばれる呼吸根(気根)を形成し、長期間の水没にも耐えます。ただし、適潤地や乾燥地では膝根を生じることはなく、メタセコイアに似た樹姿となるという。葉は緑色の短枝に葉が互生し、葉身1pから2pほどの線形、葉と枝の間に離層を生じないので、黄色く紅葉して枝ごと落葉するのが特徴です。花期は4月頃、雌雄異花、果実は径2、3pの球形の果鱗、緑白色から褐色に熟します。

材は精油を含む一方、大きな気室を持つ細胞構造であるため、高い耐水性を有し軽量なことから土木や枕木、船舶材などに利用されているそうです。


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スズフリホンゴウソウは森の待ち針

130629スズフリホンゴウソウ@エコカフェ(塚田).JPG父島中央山の登山道わきに点在するムニンシラガゴケのパッチ。朽木にできたパッチの中から待ち針状の植物。広域種のホンゴウソウではなく小笠原固有種のスズフリホンゴウソウです。何度も小笠原を訪ねているのになかなか見る機会に恵まれなかった植物のひとつです。[2013年6月29日撮影:小笠原父島@塚田]

スズフリホンゴウソウ(鈴振本郷草、学名;Sciaphila ramosa Fukuy. & T. Suzuki)はホンゴウソウ科ホンゴウソウ属の一年生の腐生植物。小笠原固有種、環境省レッドリストで絶滅危惧U類(VU)。分布は小笠原諸島父島と母島に限り、やや暗い湿った林内の朽木の上などに自生。地上部の出現時期は5月から6月頃と9月から10月頃に多く、茎は赤紫色で中部から上部で枝分かれし、花期の終わりころには多数枝分かれします。草丈7pほど、茎の径約5o、托葉の長さ20oから25o、幅は5oの針状。花期は6月と9月頃、茎の上部に白色の雄花、径1.5o、花被5、6裂、雄蕊3本、葯状付属突起はないという。下部に雌花、花被5、6裂、多数の雄蕊が球状に集生。果実は径2oほどの球状の集合果です。

ホンゴウソウの仲間は日本には他にホンゴウソウ、ウエマツソウ、タカクマソウ、イシガキソウが知られています。スズフリホンゴウソウは台湾固有種のササキソウと同種との考えもあり、研究成果を待ちたいです。


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高山植物の魅力(103)/アカミノイヌツゲ(赤実犬黄楊)

ビーグル号の航海日誌 2013年08月27日 21:22

130706アカミノイヌツゲ果実@エコカフェ.JPG130706アカミノイヌツゲ花@エコカフェ.JPG北アルプス小日向山(標高1907m)の登山道脇の湿った場所でわずかに見られたアカミノイヌツゲ。ちょうど小さな花と赤い実を同時につけていました。恐らく山中の湿原や湿地に点々と自生しているのでしょうが。[2013年7月6日撮影:第16回自然観察会@阿部]

130706アカミノイヌツゲ@エコカフェ.JPGアカミノイヌツゲ(赤実犬黄楊、学名:Ilex sugerokii Maxim. var. brevipedunculata (Maxim.) S.Y.Hu)はモチノキ科モチノキ属の常緑低木。クロソヨゴの変種で日本固有種。分布は北海道、本州中部地方以北に限り、高山帯や亜高山帯の蛇紋岩帯や湿地などに自生。岡山県無毛山に隔離分布。樹高は1mから3mほど、枝はよく分枝、葉は密に互生し光沢のある革質で有柄。葉身2pから3pほどの長楕円形から長卵形、葉縁に僅かに低鋸歯、葉先は短く尖ります。花期は6月から月頃、雌雄異株、葉脇に雄花は数個、雌花は1個、白色の花を咲かせます。花は径約5o、花弁4枚、雌花は雄蕊4本が小さく退化、雄花は雌蕊柱頭1本が退化。果実は径約6o前後の球形の核果、秋に赤く熟します。

名前の由来は赤い実をつけるイヌツゲということです。似ているものに、黒色の果実をつけるハイイヌツゲ、つる状にのびるツルツゲがあります。岡山の隔離分布は、ミヤマハンノキと同じように氷河時代の生き残りであることを意味しています。ものすごいことなのです。

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ヤクシマダケ(屋久島竹)の草原を

081106ヤクシマダケ@エコカフェ(屋久島エコツアー).jpg081106ヤクザサ草原@エコカフェ屋久島エコツアー2 051.jpg屋久島の標高の高い尾根筋や斜面地には一面にヤクシマダケが繁茂している場所があります。栗生岳に向かう登山道口周辺もそのひとつです。ヤクザサ(屋久笹)とも呼びます。竹と笹の違いと言えば、在来種の多くは笹で草本、地域的変異が多いのが特徴です。これに対して竹は木本で中国渡来のものがほとんどです。[2008年11月7日撮影:屋久島エコツアー@阿部]

131109ヤクシマダケ@エコカフェ.JPGヤクシマダケ(屋久島竹、学名:Pseudosasa owatarii Makino)はイネ科ヤダケ属の常緑多年生の小型の笹。屋久島固有種。分布は屋久島に限り、標高1700m以上の高山帯に密生、しばしば草原を形成。草丈は50pから100pほど、地下茎は横に伸び、棹(茎)は径3o前後と細く、節は膨らまずに間隔5pほどで節から伸びる枝は径約1oに過ぎない。茎を包む鞘は剥がれず残るのも特徴です。葉は両面とも無毛、葉身6pから12pほど、幅8oから12oほど長披針形で先は尖り、平行脈が幾筋も走ります。花期は4月から5月頃、50年に一度一斉に開花し枯れ、世代交代をします。山頂付近の風衝帯では多くの植物と同じように矮小化し、ヤクシマダケの場合は草丈数p足らずになります。

ヤクシマダケに限らず、クマザサなどの葉には葉緑素、多糖類のバンフォリン(banfoline)、各種ビタミンやミネラル、安息香酸、カルシウム、リグニンなどが含まれ、脱臭効果、抗菌作用があるほか、貧血予防、高血圧予防にも期待できるとされています。特に、バンフォリンは制癌成分として注目されているそうです。

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ヤクシマホウオウゴケ(屋久島鳳凰苔)は何故に

081106ヤクシマホウオウゴケ@エコカフェ(屋久島エコツアー).jpg屋久島の大株歩道沿いには仁王杉など屋久杉の巨木が多く見られます。もちろん、そんな山側の崖地には水が滴り、苔が繁茂しています。ここでは熱帯アジアに広く分布しながら、日本では屋久島の高山でしか見られないヤクシマホウオウゴケを紹介します。先に紹介したサクラジマホウオウゴケナガサキホウオウゴケの仲間でもあります。[2010年11月9日撮影:屋久島エコツアー@阿部]

ヤクシマホウオウゴケ(屋久島鳳凰苔、学名:Fissidens areolatus Griff.)はシッポゴケ目ホウオウゴケ科ホウオウゴケ属の蘚類。081111仁王杉@エコカフェ屋久島エコツアー2 124.jpg分布はフィリピン、マレー半島、インドネシア、パプアニューギニアなど熱帯アジア、オーストラリアに広く、日本では屋久島に限り高地のみに自生。葉は茎にニ列に並び、羽状のよう。茎の先端部では葉が極小さいか無いように見えます。なお、葉の基部に折り畳まれ重なる副翼という構造があるのがホウオウゴケ属に共通の特徴です

ヤクシマホウオウゴケのほかにもう1種、熱帯アジアに分布しながら日本では屋久島の高山に自生するヤクホウオウゴケが知られています。こちらは同じ高山でも常に水の流れ、滴りがある崖地に自生するそうです。何とも不思議ですね!


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セマルハコガメ(背丸箱亀)の真夏の夜の夢

ビーグル号の航海日誌 2013年08月26日 21:10

101010セマルハコガメ@エコカフェ.JPG8月24日ネット配信「台湾から中国本土に密輸される直前に希少なカメが保護」と危機一髪のセマルハコガメたちが救済といったところ。氷山の一角ではないことを祈りたい。エコカフェ宮古島分室では迷いセマルハコガメを保護飼育しています。セマルハコガメには八重山諸島固有亜種ヤエヤマセマルハコガメのほかに、日本では外来種で基亜種のチュウゴクセマルハコガメが知られ、沖縄本島、久米島、宮古島、黒島に亜種不明の個体が移入しています。[2010年10月11日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

本来、チョウゴクセマルハコガメ(中国背丸箱亀、学名:Cuora flavomarginata flavomarginata (Gray, 1863))は中国大陸南東部と台湾、ヤエヤマセマルハコガメ(八重山背丸箱亀、学名:Cuora flavomarginata evelynae(Ernst & Lovich,1990))は八重山諸島(石垣島、西表島)に分布します。広葉樹林床やその周辺の河川や沼沢地、湿原などの湿度の高い環境を好みます。背甲長は17pほど、体重は500gほど.甲はドーム状、背甲に3本の弱い甲条、腹甲中央部の蝶番で甲をほぼ完全に閉じることが可能です。行動は昼行性で行動範囲が広く、雑食性でミミズ、昆虫、陸産貝類、クモなどの小動物、動物の死骸、シイカシ、フトモモ、アダンなどの果実を食します。

繁殖期は3月下旬から6月上旬頃、一度の産卵に2個から6個、数回行う。孵化に2、3ヵ月ほど、アオウミガメなどと同じように発生時の温度が一定温度より高いとメスになります。このような温度依存性決定はカメとワニに一般的で、数回に時期を分けて産卵するのですべてがオスだったりメスだったり、結果としては性比は1:1になるようです。不思議ですね。


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タグ:宮古島
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クロゴケ(黒苔)の南限は

ビーグル号の航海日誌 2013年08月25日 11:53

081109クロゴケ@エコカフェ.JPG屋久島の花之江河は日本最南端の高層湿原として有名です。花之江河や湿地に流れ込む表層に幾筋も流れがあり、多様な蘚苔類や地衣類を観察することができます。ここではクロゴケを紹介します。激しい雨の後、岩上のクロゴケの巨大マットはすっかり濡れていました。[2008年11月10日撮影:屋久島エコツアー〜洋上のアルプスを訪ねて〜@山崎]

クロゴケ(黒苔、学名:Andreaea rupestris Hedw. var. fauriei (Besch.) Takaki)はクロゴケ科クロゴケ属の高山性の小型の蘚類。分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島、国外では北半球の寒冷帯に広く、高山帯の日当たりのよい乾いた岩場(花崗岩や安山岩などの賛成岩類)にマット状群落。草丈は5mmから10mmほど、茎は数本が束に直立、葉は濃黒褐色で密、葉身0.7mm前後の狭卵形で中央脈を欠きます。胞子体は茎が伸びその頂から短い剳ソをだし、胞子蓑は卵状楕円形で蓋も剋浮烽ネいのが特徴です。熟すと中央部が縦に4裂し胞子を放出するという。

この仲間は日本には北半球高緯度タイプの広域種のガッサンクロゴケ(月山黒苔、学名:Andreaea nivalis Hook.)が中部地方以北の高山帯の湿った岩上に知られています。


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オオミズゴケ(大水苔)の紅葉は

081109オオミズゴケの紅葉化@エコカフェ.JPG日本最南端にある高層湿原は屋久島にある花之江河です。エコカフェでも深まる晩秋に観察ツアーを組んだことがあります。花之江河や湿地に流れ込む表層に幾筋も流れがあり、多様な蘚苔類や地衣類を観察することができます。ここではオオミズゴケを紹介します。[2008年11月10日撮影:屋久島エコツアー〜洋上のアルプスを訪ねて〜@山崎]

オオミズゴケ(大水苔、学名:Sphagnum palustre L.)はミズゴケ目ミズゴケ科ミズゴケ属の大型の蘚類。環境省レッドリストで準絶滅危惧(NT)。分布は北海道、本州、四国、九州、南西諸島(魚釣島)、国外では台湾、中国南部をはじめ暖温帯から寒冷帯まで広く、湿原やその周辺、森林内の湿潤な林床などに自生。ハリミズゴケなどとよく同居。草丈は5cmから10cmほど、茎葉は舌形で先端は鱗状、枝葉は透明細胞(貯水細胞とも)と葉緑細胞で構成、葉は白緑色だが秋になると赤褐色に紅葉します。雌雄異株、凾ェつくられることはなぜか殆んどないそうです。

同属のイボミズゴケに形態は似ており、フィールド下ではほぼ同定は困難であるという。ただし、イボミズゴケは顕微鏡で観察すると透明細胞と葉緑細胞の間の膜上に細かなイボを形成していること、秋になっても淡緑色のままであること、から判別できよう。


関連記事(高層湿原の主役、ミズゴケたち)⇒
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ハチジョウシダ(八丈羊歯)は現役組

ビーグル号の航海日誌 2013年08月24日 20:53

100910ハチジョウシダ@エコカフェ.JPG小笠原諸島母島の最高峰乳房山(標高462.6m)へ登山途中に林縁でみたシダ植物。広域種のハチジョウシダです。小笠原諸島にはハチジョウシダが独自に進化をした小笠原固有種のオガサワラハチジョウシダが自生していましたね。ハチジョウシダは長い時間の中で何度となく島にたどり着いているのです。新しきものと古きものから何か学びとることができますか。[2010年9月10日撮影:第3回エコロジー・カフェの母島の自然を守る旅@山崎]

ハチジョウシダ(八丈羊歯、学名:Pteris fauriei Hieron.)はイノモトソウ科イノモトソウ属の常緑性シダ植物。分布は本州(伊豆諸島、紀伊半島以南)、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、中国、インドシナなどに及び、海岸近くの山地の林下や林縁などに自生。草丈は1mほど、根茎は太く短く斜上し赤褐色の鱗片を伴います。葉は束生で光沢があり革質、葉身は葉柄より短く40cmほどの卵状三角形の奇数2回羽状複葉、羽片は3対から12対ほどです。羽片につく小羽片は細長い線形で全縁、先は鈍頭です。胞子蓑(ソーラス)は葉裏の縁につき、最下羽片の下向きの第一小羽片が極端に大きくなるのが特徴という。

エコカフェではこの9月に小笠原諸島父島と南島を訪ねることにしています。誕生してから一度も大陸と陸続きになったことのない大洋島である小笠原諸島の島々の植生や生態系と私たちの影響から学ぶことは多いようです。


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サクラジマホウオウゴケ(桜島鳳凰苔)は可愛い

130411サクラジマホウオウゴケ@奄美大島エコツアー_359.jpg奄美大島金作原原生林の水の滴る岸壁、先にナガサキホウオウゴケを紹介したが、他にもホウホウゴケの仲間が見られた。短く可愛らしいのはサクラジマホウオウゴケか、コホウオウゴケであろう。ナガサキホウオウゴケは水の滴りの中に陣取っていて、やや離れた水の恩恵の少ない岩上に遠慮がちに、疎らに着生していました。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

サクラジマホウオウゴケ(桜島鳳凰苔、学名: Fissidens zippelianus Dozy et Molk.)はホウオウゴケ科ホウオウゴケ属の南方系の蘚類。分布は本州、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、中国、東南アジア、南アジアなどの熱帯・亜熱帯地域に広く、岩上などに自生。葉の対の数も少なく、人の手掌を伏せたような形をしています。

それにしても蘚苔類や地衣類は似ていて非なるものも多く確認するのは容易ではありません。間違えやすいのも事実です。


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ナガサキホウオウゴケ(長崎鳳凰苔)は水の滴りとともに

130411ナガサキホウオウゴケ@奄美大島エコツアー_355s.jpg奄美大島金作原原生林は亜熱帯性照葉樹林の森です。崖地の所々から湧水があって小さな流れができては地面に消えたりしています。そんな岸壁には多様なコケ植物が着生しています。ナガサキホウオウゴケもそんなひとつです。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

ナガサキホウオウゴケ(長崎鳳凰苔、学名:Fissidens geminiflorus Dozy et Molk.)はホウオウゴケ科ホウオウゴケ属の蘚類。分布は本州、四国、九州、南西諸島、水が滴る岩上に自生。130411ナガサキホウオウゴケ@奄美大島エコツアー_356s.jpg草丈は17mmから60mmほど、茎は這い疎らに分枝、葉は濃緑色で扁平に18対から60対つき、葉身約3mmの披針形で葉縁に微細鋸歯、葉先は尖ります。葉の中肋は葉先まで達し、葉の基部は茎に流下するのが特徴です。剳ソは長さ10mm前後、赤褐色か黄褐色、茎に側生。凾ヘ円筒形で斜上、蓋には長い嘴があるという。

名前の由来は鳳凰の尾の様であること、長崎で初めて記録されたこと、にあるそうです。日本でのホウオウゴケ属は広域分布のホウオウゴケや屋久島の高地にのみ分布するヤクホウオウゴケ、ヤクシマホウオウゴケをはじめ約40種が知られているそうです。


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タグ:奄美大島
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スジヒトツバ(筋一葉)は原始的

130411スジヒトツバ@エコカフェ奄美大島エコツアー_313s.jpg奄美大島金作原原生林内の崖地でしばしば目にした単葉のシダ植物。調べるとスジヒトツバです。その分布状況からは南方系のシダ植物であることが分かります。1科1属、最近になって他に仲間2種が確認されたという。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

スジヒトツバ(筋一葉、学名:Cheiropleuria bicuspis (Bl.) Presl)はウラボシ目スジヒトツバ科スジヒトツバ属の小型の常緑性シダ植物。分布は本州(伊豆諸島、静岡県、紀伊半島)、四国南部、九州西南部、南西諸島、国外では台湾、中国南部、インドシナ、ニューギニアに及び、山地の崖地や岩上の比較的乾燥した場所から渓流沿いまでに自生。s130411スジヒトツバ@エコカフェ奄美大島エコツアー_535.jpg草丈は30pから60cmほど、根茎は短く横に這い、原生中心柱を持ち、鱗片がなく毛が生えます。葉は単葉でニ形、栄養葉は10cmから20cmほどの広卵状楕円形、主脈が掌状に分かれ数本の並行脈が走り、側脈は主脈に直交、葉先は尖ります(熱帯地方のものは葉先が2裂)。胞子葉は8cmから15cmほどの線状披針形、主脈一本、葉裏は主脈上を除いて胞子蓑(ソーラス)で覆われます。どちらも長さ20cmから40cmも針金状の葉柄があります。

スジヒトツバは根茎に原生中心柱(向軸側に円形の木部、背軸側に篩部飾部があること)を持つことや鱗片を欠くこと、主脈が掌状に分かれること、から原始的形質を保持していると考えられています。熊本、長崎、徳島、和歌山県、静岡、東京では絶滅危惧種T類として扱われています。


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琉球列島の壮大な形成史は

120720沖縄本島離島@エコカフェ.JPG琉球列島は九州の南から台湾まで総延長1260qの洋上に大小約200の島々が前弧と背弧の二重に並びます。前弧は隆起により形成、前面に琉球海溝が深く、背後に火山活動で形成された背弧が並び、その後面には海盆「沖縄トラフ」が広がります。例えば、八重山群島の石垣島は隆起により、西表島は火山活動により誕生したのです。

そもそも琉球列島はアジア大陸の東縁部に位置し、その形成はユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込む運動エネルギーによる大規模な地殻変動が起因して誕生したと考えられています。具体的には、琉球列島のフィリピン海側の沈み込む地点には「琉球海溝」が深く刻まれ、沈み込みによる応力は沈み込まれる側の海底を隆起させ前弧を形成。その後方ではマグマ上昇による海底火山活動の活発化が背弧を誕生させ、さらに、その東シナ海側には「沖縄トラフ」と呼ばれる背弧海盆が拡大することになります。

琉球列島を構成する島嶼の多くは古生代から新生代にかけての堆積岩や火成岩、変成岩からなり、動植物の分布境界線でもあるトカラギャップ、慶良間ギャップと呼ばれる大断層により激しく分断。フィリピン海プレートの沈み込みや「沖縄トラフ」の拡大は現在も継続しており、今後どのような地殻変動のドラマがあるかは知らぬが、何時しか日本列島のような巨大な島弧に成長しているかもしれないと思うとワクワクします。


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ツチイナゴ(土蝗)の生存戦略は

ビーグル号の航海日誌 2013年08月23日 23:16

101011ツチイナゴ@エコカフェ.JPG101011ツチイナゴ@エコカフェ(宮古島).JPG宮古島仁河取牧場は宮古馬の保護飼育活動をしている。エコカフェが名付親になっている「」と「キャーン」ものびのびと暮らしています。牧場といっても自然放牧に近く、雑草も自由に繁茂しています。そんな草叢は昆虫たちのワンダーランドでもあります。ここではツチイナゴを紹介しよう。[2012年10月11日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

ツチイナゴ(土蝗、学名:Patanga japonica(Bolívar,I.,1898))はバッタ目イナゴ科のバッタ。分布は本州、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、中国東部、インドに広く、クズやカナムグラなど食草とする背丈の高い草原に多く生息。成虫の体長はオス5p、メス6pほど、体型はトノサマバッタに似るが、全身が淡褐色で細毛が生えます。特に、背中に黄白色の線が頭部から尾部まで走り、複眼の下に黒線、胸部側面に黒い縦縞模様が入ります。成虫の出現期は10月から6月頃、夏季は幼虫であって、成虫のまま越冬。決して寒さに強いわけではないので日溜りを好んで活動するという。

多くのバッタ類は越冬は卵、夏を成虫で謳歌するのに、真逆のライフスタイルを取っているのはツチイナゴに特有の生存戦略の一つなのでしょう。同じような戦略を取るものに、クビキリギスやシブイロカヤキリなどが知られています。


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天空の孤高花、キレンゲショウマ(黄蓮華升馬)

130803キレンゲショウマ@エコカフェ(石鎚山).jpg四国石鎚山の登山道わきで見た黄色の鮮やかな花、孤高のキレンゲショウマです。小笠原諸島母縞のワダンノキと同じように1属1種で近縁種がなく、今や地域的に隔離分布する氷河依存種であります。[2013年8月3日撮影:石鎚山と別子銅山を巡るツアー@森賀]

キレンゲショウマ(黄蓮華升馬、学名:Kirengeshoma Palmata Yatabe)はユキノシタ科キレンゲショウマ属の多年草。環境省レッドリストで絶滅危惧U類(VU)。分布は紀伊半島(大峰山系)、四国(剣山、石鎚山)、九州(祖母山、市房山)、国外では朝鮮半島南部や中国東部にも隔離分布、深山のブナ原生林内や石灰岩地の薄暗く湿った場所に稀に自生。草丈は80pから120pほど、根茎は太く、茎は無毛、葉は対生し、葉身10pから20pほどの円心形で掌状、裂片は先が尖ります。葉両面とも有毛、葉裏の毛は寝て張り付くため全体が白っぽく見える。下部の葉は長い葉柄があり、上部の葉は無柄です。花期は7月から8月頃、葉脇から円錐花序をだし、数個の黄色い花を斜め下向きに咲かせます。花は長さ3pから4pほどの釣鐘形、花弁は肉厚で5枚、雄蕊15本、雌蕊花柱3本。蕾は半球形です。果実は刮ハ、熟すと下部が裂け、種子が散布されます。

名前の由来はキンポウゲ科のレンゲショウマに似ているとしたことにある。ユキノシタ科には8属あるが、遠い姻戚関係、近縁のものはなくまさに希産種ということのようです。


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ノアサガオ(野朝顔)は一日花を

ビーグル号の航海日誌 2013年08月22日 17:02

120412ノアサガオエコカフェ(奄美大島).JPGノアサガオ、別名にリュウキュウアサガオ。一般の朝顔が一年生であるのに対して亜熱帯性の多年草であるため群落をつくりやすいようです。特に、海岸付近では我が物顔で一面を優先している場合が多いです。白い砂浜に緑色の葉と青紫色の花は印象的ですよね。花言葉は「はかない恋」「愛情の絆」だそうです。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

ノアサガオ(野朝顔、学名:Ipomoea indica Pharbitis congesta)はヒルガオ科サツマイモ属(イポメア属)のつる性多年草。分布は伊豆半島、紀伊半島、四国、九州(南部)、南西諸島、国外では亜熱帯から熱帯地域に広く、海岸の草地や崖、低地の森林や藪、人里近くの道端などに自生。草丈は50pから150pほど、茎は地上を匍匐し、他のものに巻きつきながら伸び、時に10m超になります。葉は互生し、葉身5pから10pほどの心形で全縁、葉先は尖ります。葉の両面に毛が生えます。花期は6月から12月頃、枝先や葉脇に径約7pの漏斗状の花を数個咲かせます。一日花、淡青紫色で中心部が白っぽい、午後に紅紫色に変わり萎みます。花柄には苞葉2枚、花には先の尖った萼片5枚がつきます。

アサガオ(朝顔)自家受精、結実して増えるのに、ノアサガオは宿根性で自家受粉はせずに茎を伸ばして栄養繁殖(自己増殖)するという。花は一見、グンバイヒルガオに似ていますが、中心部が白っぽいことが異なります。これまでに同じ場所で両方の花を見たことはありませんよ。


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シロミミズ(白身水)は極めて控え目

130411シロミミズ@エコカフェ奄美大島エコツアー_287_s.jpg奄美大島金作原原生林、看板がなければ特定が困難な樹の代表格。シロミミズです。妙な名前ですが、「ミミズ」とは方言で「ミズキ」のこと、似ているのでしょう。樹肌が白っぽいので「シロ(白)」がついたという。「ミミズ」の漢字表記は単なる当てはめなのでしょう。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

シロミミズ(白身水、学名:Tricalysia dubia (Lindl.) Ohwi)はアカネ科シロミミズ属の常緑小高木。分布は南西諸島、国外では台湾、中国南部に及び、山地の常緑樹林内に自生。樹高は3mから6mほど、よく分枝し樹皮は淡褐色(やや白っぽい)、葉は対生し革質、葉身7pから13pの長楕円形、全縁で無毛、先は尖ります。花期は5月から10月頃、葉脇から集散花序をだし、小花を数個か十数個咲かせます。小花は黄白色の高杯形、花冠の先は4裂、反り返ります。花は芳香があっても極小さく葉に隠れほとんど目立つことはないという。果実は径5o前後の球形の液果、赤色に熟します。

アカネ科の植物の葉は似ているものが多く、森の中で識別するにはかなり難儀であると思います。花が咲き、果実が実ると特定しやすいのですが。シロミミズは材が硬く重いため器具材に利用されたり、種子をコーヒー豆の代用にしたりするそうです。


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モンキアゲハ(紋黄揚羽)は優雅に

130411モンキアゲハ@エコカフェ奄美大島エコツアー_567.jpg130411モンキアゲハ@奄美大島エコツアー_568.jpg奄美大島の「奄美フォレストポリス」でみたモンキアゲハ。後翅に大きな斑紋は白色であるがやがて帯黄色となります。まだ若い個体のようですね。[2013年4月13日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

モンキアゲハ(紋黄揚羽、学名:Papilio helenus(Linnaeus, 1758))はアゲハチョウ科アゲハチョウ属の南方系の大型の蝶。分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、国外では東南アジア、インド、ヒマラヤに広く、平地や低山地の森林の林縁などに生息。日本産は亜種(P. h. nicconicolens Butler, 1881)と整理。翅の開張11pから14pほど、体色は黒地に、後翅に黄白色の紋と三日月状の橙赤色の小斑紋が入り、尾状突起があります。橙赤色の小斑紋はメスのほうが大きいという。成虫の出現時期は4月から10月頃、蛹で越冬。幼虫ではミカン類やサンショウ類などのミカン科の植物の葉、成虫ではユリ類、クサギなどの花蜜です。

日本産の大型の蝶としては、宮古島でよく見かけるオオゴマダラナガサキアゲハなどが知られています。いずれも南方系です。モンキアゲハには春型と夏型があって、環境の良い夏型のほうが大きくなるそうです。


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ヤマメ(山女魚)は一生を河川で

130813ヤマメ@エコカフェ(芳賀めぐみ).jpg今年のお盆に宮城県登米市(南三陸町の隣町)の山の中、と言っても実家の前の清流で子供たちと魚とりをしました。主は20cmもあろうヤマメ、大喜びです。そう言えば、昨夏、京都大学フィールド研の芦生研究林入口近くを流れる由良川源流に開設した小水力発電所を視察した際にもポンプ室内の水たまりでヤマメの幼魚を見かけました。[2013年8月13日撮影;登米市@芳賀めぐみ、2012年7月29日撮影:南丹市美山町@山崎]

120729ヤマメ@エコカフェ(由良川源流).JPGヤマメ(山女魚、学名:Oncorhynchus masou masou (Brevoort, 1856))はサケ目サケ科タイヘイヨウサケ属のサクラマスのうち降海せずに一生を河川で過ごす河川残留型(陸封型)のサクラマス亜種。日本固有亜種。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、太平洋側では関東地方以北、日本海側では全域、九州では一部の河川の上流などの冷水域に生息。体長は最大40pほど、体側に青色の長い小判状のバーマークが並ぶが、成長とともに薄くなり、銀色に変わります。繁殖期には、全体が黒っぽくなり、体側や鰭に淡桃色から濃紅色までの婚姻色が不定形に出現します。

ヤマメとイワナは同一水系で棲み分けをしていて、ヤマメはイワナよりやや下流に生息します。生息上限温度は24℃で、24℃で餌を食べなくなり26℃で死亡してしまうという。また、日本列島の太平洋側では神奈川県平塚市に流れている花水川水系以南の水系にはヤマメに変わって亜種のアマゴが生息します。この他の亜種としては琵琶湖ビワマス、アマゴの降海型のサツキマスが知られます。由良川では本来いるはずの無いアマゴが放流され釣り人に楽しまれているらしいです。


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オオシマトラフハナムグリ(大島虎斑花潜)は森の宝石

ビーグル号の航海日誌 2013年08月21日 06:04

130411オオシマトラフハナムグリ@エコカフェ奄美大島エコツアー_322.jpg130411オオシマトラフハナムグリ@エコカフェ奄美大島エコツアー_323.jpg奄美大島金作原原生林は亜熱帯照葉樹林の森、上空からは眺めると、湯湾岳から周囲の山々を眺望したときブロッゴリーのような樹冠が延々と続いていたと同じなのでしょう。そんな森は昆虫たちの豊かな生活の場でもあるのです。ここでは姿の美しいオオシマトラフハナムグリを紹介します。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]130411亜熱帯照葉樹林の森@エコカフェ奄美大島エコツアー_465s.jpg

オオシマトラフハナムグリ(大島虎斑花潜、学名:Paratrichius duplicatus duplicatus (Lewis, 1895))はコガネムシ科トラハナムグリ亜科トラハナムグリ族オオトラフハナムグリ属の山地性の甲虫。奄美大島固有種。分布は奄美大島と徳之島に限り、山地の森林内に生息。体長は12oから16oほど、触覚が大きく、体色のトラフ模様が美しい。数百匹に1匹の割合で黒色化したものが現れるそうです。成虫の出現時期は4月から6月頃、飛翔能力に優れ非常に高く飛び回ることができるという。食性は成虫でイタジイ、アカメガシワシャリンバイなどの花粉、幼虫はイタジイ、ソウシジュなどの朽木。朽木内に蛹室をつくって越冬をします。

沖縄本島や伊平屋島、久米島には、オオシマトラフハナムグリよりやや小型の沖縄固有亜種オキナワトラフハナムグリ(P. d. okinawanus Nomura)がいるそうです。オオシマトラフハナムグリ属には、他に既掲載のキイオオトラフハナムグリ、北からオオトラフハナムグリ、ヒロシマオオトラフハナムグリ、ミナミキュウシュウオオトラフハナムグリ、そしてやや分布の広いジュウシチホシハナムグリが知られていますね。


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宮古島の地下ダムに学ぶ

ビーグル号の航海日誌 2013年08月20日 19:51

101010福里ダム観察プール@エコカフェ.JPG宮古島は琉球列島の前弧に位置し、海底が隆起してできた島です。平坦で目立った山はなく、降った雨は地表を流れて海にたどり着くことはなく、蒸散するほかは表土のすぐ下に広がる透水性の赤色土島尻マージ(大野越粘土層)を通して琉球石灰岩層にほぼ吸い込まれてしまいます。今日では地下ダムに貯水した地下水を汲み上げ生活用水や灌漑用水に利用することができるようになり、島民の生活はずいぶん便利になったと聞きます。[2010年10月10日撮影:宮古島エコツアー@阿部]

101010地下ダム資料館@エコカフェ.JPG101010宮古島の地層案内板@エコカフェ.JPG宮古島の基盤は、上部層に透水性の島尻マージ、中間層の琉球石灰岩層や宮古トラバーチン(大理石)、下部層に不透水性の島尻泥岩層で広がっています。地層全体は、多数の断層が北西から南東方向に走り、断層により地層が大きく傾斜して地下谷を形成、地下谷は南東方向にゆるやかに下方傾斜しているという。従って、地下谷の低い所に海水の浸透を遮断するダム(コンクリート擁壁)を造ることで、地上に降り浸透した雨水を貯めることが可能となります。島内には地下ダムとして1998年に「福里ダム」や1993年に「砂川ダム」が建設され、島の厳しい水事情は一変し、生活用水が確保され、灌漑農業も可能となったのです。この地下ダムも梅雨と台風などの降雨が頼りです。今年のように雨が少ないと節約しなければならないようです。

古くから島民の生活は石灰岩断崖から滴り落ちる貴重な水を貯めた「ガー(共同井戸)」を聖地として、集落が形成され、共同で「ガー」を守ってきたようです。生きるためには、料理はもとより、家畜を飼ったり、洗濯をしたり、と水はとても大切だったのです。ぜひ施設見学をして島の形成史やガー(井戸)に頼った厳しい生活史を知り、「温故知新」の機会を得て欲しいと思います。


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シャラノキ(沙羅樹)は盛夏に一日花を

130727ナツツバキ花@エコカフェ.JPG赤城自然園「四季の森」を訪ねた時にシャラノキ、別名をナツツバキ(夏椿)が白い花を咲かせていた。平家物語に「祇園精舎の鐘の声、沙羅双樹の花の色、・・・・」とあるが、仏教の聖樹、沙羅双樹はフタバキ科で別の樹種。沙羅双樹に擬せられ名付けられたという。釈迦涅槃の際には東西南北の四方に沙羅樹各2本(沙羅双樹)があり、双樹は一樹となり枯れて白くなり、無常、無我、無楽、不浄を象徴したという。[平成13年7月27日撮影:親子自然ふれあい体験in赤城自然園@阿部]130727ナツツバキ@エコカフェ.JPG

シャラノキ(沙羅樹、学名:Stewartia pseudocamellia Maxim.)はツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。分布は本州宮城県以南、四国、九州、国外では朝鮮半島南部に及び、山地に自生。樹高は10mから20mほど、樹皮は平滑で薄剥離し褐色、灰白、灰褐色に斑模様。葉は互生し、葉身10pほどの倒卵形か楕円形で葉縁に小鋸歯、葉先はやや尖ります。葉表は無毛、葉裏は絹毛が生えます。花期は6月から7月頃、本年枝の葉脇から花柄をだし径6pほどの白色の花を咲かせます。花弁5枚で縁に細鋸歯、基部で合着、雄蕊は黄色く多数、一日花です。果実は五角卵形の刮ハ、熟すと5裂し、中から種子が散布されます。

この仲間は世界に東アジアと北アメリカとで約8種、日本にはシャラノキのほかヒメシャラ、ヒコサンヒメシャラの計3種が知られています。同じツバキの仲間でもヤブツバキとは季節的な棲み分けをしているのですね。


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海浜植物、ネコノシタ(猫の舌)の姿を

ビーグル号の航海日誌 2013年08月19日 22:12

120901ネコノシタ@エコカフェ.JPG三宅島の海岸は溶岩岩礁や溶岩砂の只々真黒な砂浜だったりしています。ハワイや沖縄の石灰岩砂の真っ白な真砂とは「え、これが!」と驚くほど真逆の趣であります。海からの潮風はどこも気持ちの良いもので、足元にはハマボッスハマゴウ、ハマヒルガオ、岩場にはソナレムグラなど海浜植物が花を咲かせています。ここではネコノシタを紹介しましょう。[2012年9月2日撮影:第5回エコカフェみんなの森づくり@山崎]

120901ネコノシタ若果実@エコカフェ.JPG120901ネコノシタ蕾@エコカフェ.JPGネコノシタ(猫の舌、学名:Wedelia prostrata (Hook. et Arn.) Hemsl.)はキク科ハマグルマ属の多年草。分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島、国外では台湾、朝鮮半島、中国、タイ、ベトナムなどの暖帯から熱帯の海岸砂地に自生。草丈は10pから50pほど、茎は下向きの小棘があって蔓上に地を這い、節から根を下し、先が立ち上がります。葉は対生し厚く、葉身1.5pから4.5pほどの卵形から楕円形、葉縁に数個の荒鋸歯、葉先は鈍頭。葉両面に葉先方向に寝た剛毛が生えざらつきます。花期は7月から10月頃、分枝した茎頂に黄色い頭状花を1個咲かせます。頭状花は径2p前後、周囲に雄性の舌状花4枚から8枚、中央に両性の筒状花が多数つきます。果実は長さ4oほどの痩果、棘状の冠毛は1、2本か退化し、多くの海浜植物と同じように海流散布されます。

名前の由来は葉両面が猫の舌のようにざらつくことにあります。変種に葉が大きく、茎頂の頭状花が2、3個咲くものにオオハマグルマ、茎も葉も白い剛毛が被うクマノギク(ハマグルマとも)などがあります。


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ギーマは花盛り

130413ギーマ@エコカフェ.JPG奄美大島の住用川と役勝川が合流するデルタ地帯に広がるマングローブ原生林を見下ろす高台に石原ヨシハラウエノ遺跡があります。室町時代頃の山城的遺跡らしいが、詳しいことは分かっていないといいます。そんな遺跡のある展望台に向かう途中に小笠原でみたムニンシャシャンボに似た白い花をみました。近縁種のギーマです。[2013年4月13日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

ギーマ(学名:Vaccinium wrightii A. Gray)はツツジ科スノキ属の常緑低木または小高木。130413ギーマ@エコカフェ (2).JPG分布は南西諸島奄美大島以南、国外では台湾に及び、山地の日当たりのよい林縁に自生。樹高は2mから4mほど、若枝には微毛が生え、葉は互生し革質、葉身2pから5cmほどの楕円形から長楕円形、葉縁に鈍鋸歯、葉先は尖ります。花期は4月頃、葉腋か枝先から総状花序をだし、白色か淡紅色を帯びた白色の長さ1pほどの釣鐘状の小花を10個ほど下垂させます。花冠の先端は4、5浅裂します。果実は径6mm前後の球形の液果、紫褐色に熟します。食べられるそうです。

この仲間には世界に約450種、日本には19種、北半球の寒い地域に分布するものが多く、国内でも高山植物のコケモモクロウスゴクロマメノキなどが知られます。ちなみにブルーベリーもこの仲間です。


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ヘラシダ(箆羊歯)は南方系

ビーグル号の航海日誌 2013年08月18日 22:39

130411ヘラシダ胞子蓑群@エコカフェ奄美大島エコツアー_353s.jpg奄美大島の金作原原生林内の散策道脇の岩場で見たウラボシ科のヒトツバによく似たシダ植物。葉裏の様子がヒトツバと異なることから気になっていた。最近になってやっとのことで調べてみたら、ヘラシダであることがと分かった。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

ヘラシダ(Diplazium subsinuatum (Wall. ex Hook et Grev.) Tagawa)はイワデンダ科ヘラシダ属の常緑性シダ植物。130411ヘラシダ群生@エコカフェ奄美大島エコツアー_349s.jpg130411ヘラシダハッチ@エコカフェ奄美大島エコツアー_351s.jpg分布は本州関東地方以西、四国、九州、沖縄、国外では朝鮮半島、中国、台湾などの東アジアからインド、スリランカ、ネパールに広く、山地の陰湿な林床や渓流沿いの岸壁に自生。草丈は13pから55pほど、根茎を横に這わせしばし群生、根茎の鱗片は黒褐色の線状披針形から線形でごく短い。葉は単生し皮質、葉柄は褐色で3pから25pほど、基部に鱗片、葉身10pから30pほどの披針形か線形、葉ふりやや波打ち、葉先は尖ります。ソーラス(胞子蓑群)は線形で全縁の包膜に包まれ、主脈の両側に側脈に沿って矢筈状に並びます。

この仲間は世界に400種、日本に30種ほどが知られ、多くのものは羽状複葉です。日本ではヘラシダが唯一単葉、ヒトツバなどと似てますが胞子蓑群のつき方が全く異なるので区別は容易なのです。


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オキナワキョウチクトウ(沖縄夾竹桃)は海流散布を

ビーグル号の航海日誌 2013年08月17日 22:10

100812オキナワキョウチクトウ@エコカフェ.JPG八重山列島西表島の浦内川にある船着き場の近くで本土のキョウチクトウに似た白い風車のような花を見たことがあります。奄美大島の植物を調べているとき、遠い記憶から突然蘇りました。あの時の白い花はオキナワキョウチクトウでは、ミフクギ(目膨ら木)ともいうようだ。[2010年8月12日撮影:西表島@山崎]

オキナワキョウチクトウ(沖縄夾竹桃、学名:Cerbera manghas L.)はリンドウ目キョウチクトウ科ミフクギ属の常緑亜高木。分布は南西諸島奄美大島以南、国外では熱帯から亜熱帯のアジアに広く、海岸沿いの森林内に自生。樹高は5mから9mほど、樹皮は灰褐色、ヤドリフカノキのように枝先は緑色で柔らかです。葉は輪生状に互生し枝先に集生、葉身10cmから20cmほどの長楕円状披針形、全縁で鈍頭。葉厚で側脈が目立つ。花期は5月から11月頃、枝先に集散花序をだし、淡緑白色の径約5cmの基部が筒状で5弁に平開した花を咲かせます。果実は径5cmから8cmほどの球形の核果で枝先にぶら下がり、黒く熟すとやがて落下。海流散布し、運が良ければ新天地で子孫を残すことになります。

全体にアルカロイド配糖体であるケルベリンなどの毒成分を含み、樹液に触れた手で目をこすると腫れることから、「目膨ら木(ミフクギ)」と呼ばれるという。なるほど、本土のキョウチクトウも同様の毒成分が含まれ扱いが厄介でしたよね。


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デイゴ(梯梧)は沖縄県の花

130411デイゴ@エコカフェ奄美大島エコツアー_399s.jpg奄美大島の大熊展望台からは名瀬港が一望でき、広場の一角にデイゴが植えられている。4月に訪れた時にはちょうど深紅色の見事な花を咲かせていました。近年、南西諸島などでは海外からのデイゴヒメコバチなる侵略者による枯死などの被害が懸念されてるようです。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

デイゴ(梯梧、学名:Erythrina variegata L.var. orientalis Merrill)はマメ科デイゴ属の半落葉高木(花が咲く枝のみが落葉)。分布は南西諸島沖縄本島以南(奄美大島以南とも)、国外では東南アジア、インド、ミクロネシアに広く、海岸近くに自生。樹高は4mから15mほど、樹皮は灰白色、幹や枝に太く鋭い刺が生え、葉は3出複葉、小葉は広卵形です。花期は3月から4月頃、枝先から長さ10pから25pもの穂状花序をだし、朱赤色の蝶形の花を下部から順次咲かせます。果実は長さ15pから30pほどの莢果、ソラマメに似た鞘をつけるという。

デイゴは、根が強く、萌芽力に優れるので庭木には不向きとされ、沖縄県では県花として公園や街路樹としてよく植栽しているという。ちなみに、鹿児島県は移入した近縁種のアメリカデイゴを県の花としているといいます。県花とは面白いですね。


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サクラツツジ(桜躑躅)は森の妖精

130411サクラツツジ@エコカフェ奄美大島エコツアー_307s.jpg奄美大島を訪問した時期が悪かったのか、金作原原生林では花をつけた草木を見ることはほとんどありませんでした。淡桃色の美しい花をつけるサクラツツジも例外ではありません。 鬱蒼とした森の中では妖精のように見えるでしょうが、残念なことに小木ばかりで花は咲いていませんでした。[2013年4月12日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

サクラツツジ(桜躑躅、学名:Rhododendron tashiroi Maxim.)はツツジ科ツツジ属の常緑低木。分布は四国(高知)、九州(鹿児島、佐賀)、南西諸島沖縄本島以北、国外では台湾に限り、暖帯から亜熱帯の山地の岩場などに自生。樹高は1mから4mほど、若枝や葉柄に長毛が密生します。葉は枝先に2枚対生か3枚輪生、葉身3pから8pほどの長楕円形、葉縁は裏面にやや巻き込み、葉先は尖ります。若葉は両面に褐色の長毛、やがて脱落。花期は1月から3月頃、葉展開前に枝先に淡桃色の径約4pの花を2、3個咲かせます。花柄は10oほどで褐色の長毛と腺毛が生え、淡褐色の長毛のある萼片は小さく、花冠は漏斗形で5深裂、上裂片内部には紅色斑点、雄蕊10本、雌蕊柱頭1本、何れも無毛、子房には褐色毛。果実は長径7oから15oほどの歪んだ卵状長楕円形の刮ハ、褐色毛が密生します。

この花は屋久島では固体密度が高く「カワザクラ」と呼ばれ親しまれているそうです。ちなみに、ツツジ属は世界で約850種、うち日本にはムニンツツジ、ミツバツツジ、ヒカゲツツジ、ムラサキヤシオツツジ、ハクサンシャクナゲ、アズマシャクナゲなど40種ほどが知られています。


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ヤマモモ(山桃)は南方系

130411ヤマモモ@奄美大島エコツアー_276s.jpg奄美大島金作原原生林で観察したヤマモモ。名前の由来は山に生育する桃の様な果実をつけることです。他の地域でも目にする機会は多いのですが、なぜかこれまで紹介していませんでした。ヤマモモの果実はブドウ糖やクエン酸、アントシアニンが豊富で生のまま食べるほか、ヤマモモ酒、ジャム、シャーベット、ムース、ゼリーづくりなどに利用されています。樹皮から取れる染料は海水に強く漁網を染めるのに利用してきたという。[2013年4月11日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

s130411ヤマモモ樹幹@エコカフェ奄美大島エコツアー_277.jpgヤマモモ(山桃、学名:Myrica rubra Lour.)はヤマモモ科ヤマモモ属の常緑高木。分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、中国、フィリピンに及び、暖地の低山の乾燥尾根などの痩せ地などに自生。樹高は20mほど、樹皮は灰白色、多数の楕円形の皮目、古木では縦裂、よく分枝します。葉は密に互生し枝先で束生、葉身7pから15pほどの倒披針形から倒卵形、全縁か疎らな鋸歯、葉先はやや鈍頭。花期は3月から4月頃、雌雄異株、葉脇から穂状花序をだし、小花を多数咲かせます。雄花序は長さ約4p、雄花は2、3個の小苞に包まれ3本から6本の紅色の雄蕊がつく。雌花序は長さ約1p、雌花は2個の小苞に包まれ紅色の雌蕊1本。果実は径約2pの球形の核果で表面に粒状突起が密につき、6月頃に黒紫色に熟します。種子は鳥散布します。

多くの果実は5月頃に未熟な状態で自然落果(摘果)します。ヤマモモはそもそも隔年着果といって豊作と不作を隔年で繰り返すことで本体を守るのだそうです。ブナもそうですね。根に放線菌のフランキアを共生し、空気中の窒素を固定することができるためパイオニア的存在とも言えそうです。


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高山植物の魅力(102)/ムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅)

ビーグル号の航海日誌 2013年08月16日 23:05

130707ムラサキヤシオツツジ@エコカフェ.JPG北アルプス小日向山(標高1907m)の登山道脇は高山植物のメッカ。当然に足元の高山植物ばかりに気を取られる。時折、顔をあげ、眼前を見やる。すると目の前の高さの枝ぶりの緑の間からにちらほら淡紫色の花が咲いていた。[2013年7月7日撮影:第16回自然観察会@阿部]

ムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅、学名:Rhododendron albrechtii Maxim.)はツツジ科ツツジ属の落葉低木。130707ムラサキヤシオツツジ花@エコカフェ.JPG日本固有種。分布は北海道、本州中部地方以北に限り、東北・中部では日本海側、山地から亜高山帯の林縁や疎林内などに自生。樹高は2mから3mほど、若枝には淡褐色の長毛と腺毛が密生、後に脱落。葉は互生し枝先に集生、葉身4pから11cm の倒卵形か楕円形、葉先は尖り先端に腺状突起がつきます。葉表には微毛、葉裏の葉脈下部に白毛がまばらに開出。花期は5月から6月頃、葉展開と同時か先に、枝先に1個から4個ほどの径約4pの淡紫色の花を咲かせます。花柄は長毛と腺毛が密生、花冠は5深裂、上花片の内側には濃色の斑点が入り、雄蕊10本、うち上部5本は短く、花糸には白色の短毛が生え、下部5本は長く伸び、無毛。果実は長径約9o前後の長卵形の刮ハです。

よく似たヤマツツジは雄蕊が5本であり、見分けのポイントとなります。また、種内変異としてシロバナムラサキヤシオツツジ、ウラゲムラサキヤシオツツジが知られています。


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タイミンタチバナ(大明橘)は重硬

ビーグル号の航海日誌 2013年08月15日 21:15

130411タイミンタチバナ@エコカフェ奄美大島エコツアー_302s.jpg130411タイミンタチバナ葉@エコカフェ奄美大島エコツアー_151s.jpg奄美大島金作原の亜熱帯照葉樹林の深い森。次はタイミンタチバナです。小笠原で独自進化し尾根筋の乾燥に適応した小高木であるシマタイミンタチバナや分布域のより狭い矮性低木のマルバタイミンタチバナの近縁種と考えられています。[2013年4月11日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

130411タイミンタチバナ@エコカフェ奄美大島エコツアー_303s.jpgタイミンタチバナ(大明橘、学名:Myrsine seguinii H.Lév.)はサクラソウ目ヤブコウジ科ツルマンリョウ属の常緑小高木。分布は本州房総半島以西、四国、九州、南西諸島、国外では中国、台湾、ベトナム、ミャンマーに及び、本州では太平洋側海岸近くや常緑広葉樹林内などに自生。樹高は5mから7mほど、樹皮は帯紫色の灰褐色でイボ状の皮目、材は重く硬い。葉は革質で光沢、葉身5pから12(大明橘pほどの倒披針形か線状長楕円形、全縁で葉先は鈍い頭。葉表は深緑色、葉裏は主脈(中肋)が目立ち淡緑色、どちらも無毛です。花期は3月から4月頃、雌雄異株。前年の葉脇から3個から10個の淡緑白色の小花を束生します。小花は、花柄が短く、径3oほどで花冠は5裂。雄花では雌蕊柱頭が退化、雌花は雄蕊5本が退化。果実は径6o前後の球形の核果、秋に黒紫色に熟します。

ツルマンリョウ属は世界に熱帯・亜熱帯を中心に145種、日本にはツルマンリョウなど4種が知られています。タイミンタチバナの葉は平行脈が不明瞭で打がキョウチクトウの葉に形が似ています。間違えないように。


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ボチョウジ(母丁字)は森の中に

130411ボチョウジ@エコカフェ奄美大島エコツアー_311s.jpg奄美大島金作原の鬱蒼とした亜熱帯性照葉樹林の森は、高木層、亜高木層、低木層、林床の草本層と実に巧みに太陽の光を分け合って多様な樹種が展開している。林内の薄暗い場所でも生育することができる陰樹たちが凌ぎあい、共存している。ボチョウジもそんな仲間のひとつである。別名にリュウキュウアオキ(琉球青木)ともいう。[2013年4月11日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

ボチョウジ(母丁字、学名:Psychotria. rubra (Lour.) Poiret)はアカネ科ボチョウジ属の常緑低木。130411ボチョウジ葉@エコカフェ奄美大島エコツアー_310s.jpg分布は種子島、屋久島、南西諸島、国外では台湾、中国南部に及び、低地から山地の常緑樹林内に自生。樹高は1mから3mほど、枝の各節に茶色い托葉がつくのが特徴という。葉は対生し、葉身7pから17pほどの倒卵状楕円形から狭楕円形で全縁、葉先は短く尖ります。両面とも無毛。花期は6月から7月頃、葉脇から集散花序をだし、まばらに緑白色の小花を多数咲かせます。小花は径約3oの短い漏斗形で先が5裂。果実は径約6oの球形の液果、赤く熟します。

近縁種のナガミボチョウジ(長実母丁子)はトカラ列島以南の石灰岩地帯に自生し、果実が長い点が異なり、シマタマカズラは本州紀伊半島以南に自生し、果実が白色に熟します。


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コバンモチ(小判糯)は他人似

130411コバンモチ@奄美大島エコツアー_294s.jpg130411コバンモチ@奄美大島エコツアー_295s.jpg奄美大島金作原は亜熱帯照葉樹林の深い森です。本年4月に訪ねたときに多くの樹種を観察することができました。すでに多くを取上げましたがここではコバンモチを紹介します。[2013年4月11日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

コバンモチ(小判糯、学名:Elaeocarpus japonicus Sieb. et Zucc.)はホルトノキ科ホルトノキ属の常緑高木。分布は本州紀伊半島以西、四国、九州、南西諸島、国外では中国、台湾に及び、暖地沿岸地域の林内などに自生。樹高は15mから20mほど、樹皮は灰褐色で平滑、若枝は緑、前年枝では葉痕が目立ちます。葉は葉柄が長く互生、ただし短い枝先では輪生、厚い革質、葉身5cmから10cmほどの楕円形から長楕円形、葉縁は鈍鋸歯で刺状、葉先は小さく尾状に尖ります。一年を通じ古い葉がちらほら紅葉しては落葉し、新葉が展開します。花期は5月から6月頃、前年枝の葉腋から長さ4cmから6cmほどの総状花序をだし、淡緑色の筒状の花をたくさん咲かせます。果実は長径約1pの楕円形の核果、秋から冬にかけて黒紫色に熟します。

名前の由来は葉が小判形でモチノキに似ていることにあります。モクセイ科のネズミモチも葉がモチノキに似ていることから名前に「モチ」がついたのでした。一般にはモチノキクロガネモチなどモチノキ科につくことが多いのですが。


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オオスカシバ(大透翅)の翅はナイナイ

ビーグル号の航海日誌 2013年08月14日 21:28

130804オオスカシバ@エコカフェ.JPG広尾にある山種美術館に生誕140年記念した「川合玉堂」の特別展を観に行った帰り、駒沢通り沿いの美術館近くの民家の植木鉢に植えられた花の蜜をけん命に吸っている飛行物体を発見。実にホバリングが上手い。調べるとスズメガの仲間のオオスカシバです。[2013年8月4日撮影:山種美術館@山崎]

オオスカシバ(大透翅、学名:Cephonodes hylas (Linnaeus))はチョウ目スズメガ科ホウジャク亜科オオスカシバ属の蛾。山種美術館@エコカフェ.JPG分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、国外では中国、東南アジア、インド、スリランカに及び、クチナシのある森や公園などに生息。開帳は50mmから70mmほど、翅は透明、体色は淡鶯色、腹部に太い黒字に中央が赤色の横帯が入ります。出現時期は6月から9月頃、成虫は昼行性、いろんな花から吸蜜。幼虫は緑色の芋虫で体側に白と橙色の斑紋、クチナシの葉を食します。繭の中で蛹になり、越冬します。

オオスカシバは翅が透明なことからスズメバチに擬態しているという。この擬態により危険な昼間でも行動することが可能となったと考えられるのではないでしょうか。


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タグ:広域種
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ツノマタタケ(角又茸)は橙黄色

070924ツノマタタケ@エコカフェ(岩殿山) 010.jpg山梨県大月市にある岩殿山、戦国時代には岩殿城が築かれた場所でもあります。そのため山頂からは市街地が一望できます。まさに「夏山や兵どもが夢の跡」といったところでしょうか。伐採放置木の滑らかな樹肌に何やら黄色いキノコ、名をツノマタタケといいます。[2007年9月24日撮影:岩殿山@阿部]

ツノマタタケ(角又茸、学名:Guepinia spathularia (Schw.) Fr.)はキクラゲ目アカキクラゲ科ツノマタダケ属に属する小型の木材腐朽菌。070924ツノマタタケ@エコカフェ(岩殿山) 011.jpg分布は日本全土、世界中。発生時期は5月から9月頃にかけて、針葉樹や広葉樹の材木上に列状に群生します。高さは4oから20oほど、径2oから7oほど、有柄、子実体は橙黄色でへら状からツノマタ状の扇形、ゼラチン質で粘性があるが乾燥すると紙質。史子実層は片面に生じ、その反対側には短毛が生えます。

キノコは胞子のつくり方で担子菌類と子嚢菌類に大きく2分類されます。ツノマタタケをはじめこれまで紹介してきたキノコは担子菌類に属します。


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シバヤギ(柴山羊)は超小型

130411シバヤギ@エコカフェ奄美大島エコツアー_45s.jpg奄美大島にあるエコカフェ絶滅危惧種保護センター長の勝島さんはシバヤギ、ザーネン種、アルバイン種などを飼育、「山羊おじさん」でもあるのです。集団の中に姿かたちはおとななのに子山羊かと見紛うほど小さい山羊がいます。シバヤギです。歴とした大人の山羊なのですが。[2013年4月11日撮影:奄美大島自然体験ツアー@阿部]

シバヤギ(柴山羊)は長崎県西海岸や五島列島で飼育されている日本在来の山羊です。その起源は古くに中国や朝鮮から移入したもの。130411ヤギ牧場@エコカフェ奄美大島エコツアー_38s.jpg130411仔ヤギ@エコカフェ奄美大島エコツアー_31s.jpg体高50pほど、体重は25sほどで体毛は白色、まれに褐色、黒の差し毛が入るものもいます。雌雄とも有角で肉垂れはない。病気に強く早熟、生後7ヶ月で繁殖可能。妊娠期間は5ヶ月ほど、1回の出産で1頭から3頭。自然の草や木の葉を食べて育ったシバヤギの山羊乳は、牛乳アレルギーの人が飲んでもアレルギー症状はでずに大丈夫だそうです。燦々と輝く太陽のもと肥料も農薬も使用しない自然の草木を餌としているのがよいのでしょう。

同じように小型の山羊に奄美諸島やトカラ列島で飼育されているトカラヤギ(吐カ喇山羊)がいます。こちらはフィリピン、台湾の系統のようです。体重は30sほど、体毛は淡褐色か、白色地に褐色斑が入るそうだが、病気に強く早熟なのは同じようです。起源の異なるシバヤギとトカラヤギの共通項は時間の中で淘汰された後天的に獲得された特質のようです


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タグ:在来種 家畜
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父島中山峠から小港海岸を

ビーグル号の航海日誌 2013年08月13日 05:50

080619静寂@エコカフェin小笠原 218.jpg父島の中山峠を越えると道はブタ海岸、ジョンビーチ、ジョニービーチへ向かうことになります。
世界自然遺産登録後の小笠原諸島父島は観光客でにぎわいを見せていると聞きます。
この写真は、2008年夏に「NaGISAプロジェクト」の一環、海岸の生き物(メイオベントス)調査のため父島を訪問した際に撮影したものです。
エコカフェでは毎年訪島していますが、世界自然遺産登録前までは「一人占めの〇〇」がふさわしい静寂な時空の中に島の自然はありました。
この9月17日から少し工夫を凝らした「小笠原の旅」を企画しています。なんと島をゼロメートルから山を越えゼロメートル、海岸から反対の海岸まで横断するコースを体験します。
小さな島で最高峰の中央山でさえ319m足らずです。それでも植物たちの垂直分布、標高による住み分けなどを観察することができます。

小笠原エコツアーご案内記事はこちら⇒
小笠原エコツアー行程表の詳細はこちら⇒
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甲斐国の岩殿山は昔を今に

ビーグル号の航海日誌 2013年08月12日 20:00

070924鏡岩@エコカフェ(岩殿山) 055.jpg070924大月市街地@エコカフェ(岩殿山) 030.jpg身近な低山には百名山とは違った歴史や趣があるようだ。甲斐国大月は山間部を抱え、桂川沿いに河岸段丘が発達し、江戸時代には甲州街道の宿場があり、交流の要所として賑わったとされる。山間部ゆえに人びとの暮らしの中に山も存在してきた。「岩殿山」はそんな典型的な歴史と自然、地質までもが織りなす格好の低山です。[2007年9月24日撮影:岩殿山@阿部]

070924岩鎖場@エコカフェ(殿山) 045.jpg岩殿山(標高634m)南面の断崖絶壁は「鏡岩」と呼ばれ落差150mもある一枚岩が山腹の東西に伸びている。断崖上部から眼下はるかに大月市街地が望まれ、視野に及ばない直下には桂川が谷を刻み白い飛沫をあげている。低山ゆえに植生の垂直分布による生態系の変化を楽しむことはできない。典型的な落葉広葉樹にアラカシなどの照葉樹が入り込み混生している。誰もが知っている高尾山の森も暖温帯と冷温帯の植物が凌ぎあっていて同じなのである。

山行足元はと言えば、鎖場や梯子場、トラバース、岩場など変化にとんでいて、低いながらに存分に楽しめ、尾根筋に出れば南面に大きく開いた開放感のある支配的な眺望が飛び込む。コンパクトにしてダイナミック、皆さんも挑戦してみましょう。


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高山植物の魅力(101)/センジュガンピ(千手岩菲)

ビーグル号の航海日誌 2013年08月11日 22:46

090922センジュカンピ@エコカフェ(上高地).JPG上高地から梓川に沿って横尾まで伸びる登山道脇の林縁で見られた小さな可憐な花。雨粒に打たれた後でしっとりと濡れていました。本来は5弁なのですが1枚が脱落してしまったようです。花が終わりに近づいているところに雨粒で激しく打たれてしまったのでしょうか。[2009年9月22日撮影:上高地@山崎]

センジュガンピ(千手岩菲、学名:Lychnis gracillima (Rohrb.) Makino)はナデシコ目ナデシコ科センノウ属の多年草。日本固有種。分布は本州(中部地方以北)に限り、山地から亜高山帯の暗い湿った林縁や林下に自生。090922上高地@エコカフェ.JPG草丈は30cmから80cmほど、茎は細く倒れて他の植物に寄りかかり、葉は対生し茎を抱き、葉身は5cmから15cmほどの長披針形。葉表は無毛、葉裏は脈上に僅かに毛が生えます。花期は7月から8月頃、分枝した茎頂に集散花序をだし、白色の径約2pの5弁花を咲かせます。花弁は先端が浅くギザギザに切れ込みが入るのが特徴です。

名前の由来は日光千手ヶ浜で発見され、中国原産の岩菲に似ていることにあるそうです。健気な感じのする愛らしい花でもありました。


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高山植物の魅力(100)/ミヤマキスミレ(深山黄菫)

130720ミヤマキスミレ花@エコカフェ.JPG130720ミヤマキスミレ@エコカフェ (2).JPG北アルプス小日向山(標高1907m)登山道脇の草地で見つけた小さな黄色い花。背丈も低いが葉がやけに大きく葉の並行脈がしっかりしています。キスミレを教えられたのですが、気になり調べてみるとミヤマキスミレのようです。[2013年7月20日撮影:第16回自然観察会@阿部]

ミヤマキスミレ(深山黄菫、学名:Viola brevistipulata (Franch. et Savat.) W. Becker var. acuminata Nakai)はスミレ科スミレ属の多年草で有茎種。オオバキスミレの高山型で日本固有種。分布は本州中部地方(白山)以北と東北地方に限り、亜高山帯から高山帯の雪の多い明るく湿り気のある林縁などに自生。草丈は5cmから15cmほど、根茎で繁殖、根生葉は心形。茎を伸ばしその上部に無毛の茎葉3枚を輪生状につけ、葉身2pから8cmほどの三角状心形で葉縁に波状鋸歯、葉先は尾状に尖ります。小さな全縁で三角形の托葉がつきます。花期は6月から7月頃、茎葉の中心軸から花柄をすーっと伸ばし、先端に径約1.5cmの黄色い花を咲かせます。花は唇弁と側弁に赤褐色の誘導線が入り、距は線状でごく短く、附属体はキスミレより小さいという。果実は刮ハです。

スミレと言えばタチツボスミレニョイスミレヒメスミレなど白色か淡紫色の花を咲かすものと思いがちであるが、本種のように黄色い花を咲かせるものも少なくない。日本にはオオバキスミレ、キスミレ、キバナノコマノツメの3種を基本に、変種など20種程度が知られているそうです。スミレも奥が深いのですよ。


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ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)の花と果実を

130720ヤブヘビイチゴ@エコカフェ.JPG奥秩父山塊の東南の端に位置する棒ノ峰(標高969m)に向かう白谷沢コースの上部、渓流から離れヒノキ植林域に向かう途中の林縁で小さな黄色い花と小さな赤色の果実を見つけました。ヘビイチゴかヤブヘビイチゴか迷うところです。萼片だけではなく副萼片が大きく突出していることからヤブヘビイチゴのようです。[2013年7月20日撮影:棒ノ折山@阿部]

ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺、学名:Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf)はバラ目バラ科キジムシロ属の多年草。130720ヤブヘビイチゴ花@エコカフェ.JPG分布は本州関東以西、四国、九州、南西諸島、国外では中国南部や東南アジアに広く、山地の登山道沿いや林縁などの半日影のやや湿った場所に自生。草丈は5cmから10cmほど、葡匐茎が地面を這って各節から根を下ろし繁殖します。葉は3出複葉、小葉は葉身3pから4pほどの楕円形、葉縁に粗鋸歯がつきます。花期は4月から6月頃、花茎を立て茎頂に径約2pの黄色い5弁花を1個咲かせます。花の基部に萼片のほか副萼片が目立つのが特徴です。果実は果床部が肥大した白色か赤色の径約2pの球形の偽果(イチゴ状果)、痩果が表面全体を覆います。

イチゴの名前のつく植物には、キイチゴ属のクサイチゴ、モミジイチゴ、フユイチゴカジイチゴベニバナイチゴチチジマキイチゴなど、キジムシロ属のヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴなど、オランダイチゴ属のシロバナノヘビイチゴ、ノウゴウイチゴなどが知られています。


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ミヤマカンスゲ(深山寒菅)の群落を

130720ミヤマカンスゲ@エコカフェ.JPG棒ノ折山(標高969m)の白谷コースは渓流沿いの変化に富んだよい登山道。ロープあり、鎖場あり、幾つもの滝があってマイナスイオンが一杯なのが嬉しい。断層沿いに渓流が落下しているようで、大きくX字露岩が開いている場所にはカンスゲの仲間の群落が唯一見られました。葉に三脈が認められること、群落の様子からミヤマカンスゲとします。[2013年7月20日撮影:棒ノ折山@阿部]

ミヤマカンスゲ(深山寒菅、学名:Carex dolichostachya Ohwi.)はカヤツリグサ科スゲ属の常緑多年草。130720岸壁にミヤマカンスゲ@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州に及び、暖温帯上部から冷温帯の丘陵や山地の落葉広葉樹林下や林縁などの湿った場所に自生。草丈は20cmから50cmほど、葉は根生し、基部の鞘は紫褐色、葡匐茎はないため大きな株になります。葉はやや柔らかめで平滑、幅5mmから10mmほどの線形、葉縁は僅かにざらつきます。葉面はM字型の三脈が緩やかに目立つのが特徴です。ただし、変異が大きい(6種の変種が知られる)ことに留意。花期は3月から6月頃、有花茎の先に1個の雄小穂をつけ、その下に数個の細い雌小穂をつけます。果胞は長楕円形で疎らに毛が生えます。

スゲ属は世界に2000種、日本でも200種超の大きな属を形成。毎年、新種も発見され、種分化が著しいようだ。ミヤマカンスゲの仲間(ヌカスゲ節)には、日本では葉に三脈のないカンスゲ、三脈と葡匐茎のあるオクノカンスゲ、小型のヒメカンスゲ、葉の細いホソバカンスゲ、四国以南の山地岩場に自生するイワカンスゲなどが知られています。エコカフェの小山博滋先生はこの分野の大家です。これまた奥が深いのです。


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