シマナガバヤブマオ(島長葉藪苧麻)も雌花ばかり

ビーグル号の航海日誌 2013年06月02日 22:15

120902シマナガバヤブマオ花序@エコカフェ.JPGヤブマオの仲間には変異が多いことは前に説明したとおりです。ここでは三宅島の森の小さな谷筋で出会ったシマナガバヤブマオを紹介しよう。[2012年9月2日撮影:第5回エコカフェみんなの森づくり@阿部]

シマナガバヤブマオ(島長葉藪苧麻、学名:Boehmeria egregia Satake)はイラクサ科カラムシ属の多年草。ナガバヤブマオの海岸型で伊豆諸島固有亜種。分布は伊豆諸島と千葉県に限り、やや湿り気のある林縁や道端などに自生。草丈は1mほど、葉は対生し厚く、長楕円形で葉縁に細鋸歯、葉先は尾状に尖ります。120902シマナガバヤブマオ@エコカフェ.JPG葉脈がラセイタソウほどではないが凹んでいるのが特徴です。花期は8月から9月頃、雌雄異花、葉腋から雌花序を穂状に伸ばしたくさんの雌花を咲かせます。

雄花序はほとんど見られないというから、ゲノムは3倍体で無性生殖で増殖するのでしょう。雄花に生じ有性生殖する中でこの仲間は変異を生じるのでしょう。三宅島ではこの植物の茎から皮を剥いで糸を紡ぎ「ものし織」という布をつくったそうです。

関連記事(メヤブマオ(姫藪苧麻)は多兄弟)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

シロモジ(白文字)は生活の中に

130505シロモジ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」にひょうたん池の近くでシロモジの木を見かけました。名前の由来は同じ属のクロモジに対して樹皮が白っぽいのことによるそうだ。クロモジは爪楊枝や民間薬などとして利用されるが、シロモジも材が強靭であることから杖に使われたり、かつては果実から油を採取し行燈などに用いたそうです。昔の人は森の木々の特性を理解し生活に役立てていたのですね。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

130505シロモジ樹幹@エコカフェ.JPGシロモジ(白文字、学名:Parabenzoin trilobum (Sieb. & Zucc.) Nakai)はクスノキ科クロモジ属の落葉低木。分布は本州中部地方以西、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国に及び、山地の谷筋などに自生。樹高は4mから7mほど、根元から株立ちし、樹皮は褐色で小さな皮目が多く、枝は総じて細い。葉は互生し、枝の基部近くでは小さく楕円形、枝先のものは葉身7pから12cmほどの三角状広倒卵形で3裂から5裂。葉表は淡緑色で無毛、葉裏は灰白色で脈沿いに直角に毛が生えます。葉は秋には黄葉します。花期は4月頃、雌雄異株、葉の展開と同時に、前年枝の葉腋から散形花序をだし黄緑色の花を咲かせます。果実は径約1pの球形の液果、秋に黄色く熟します。


関連記事(クロモジは生活の中に)⇒
関連記事(アブラチャンも生活の中に)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

ハリギリ(針桐)の花は八つ手似

130505ハリギリ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」の谷戸(谷津とも)周囲にはこんもりとした常緑照葉樹と落葉広葉樹の混合林が展開しています。ハリギリ(別名にセンノキ)はミツデカエデ、ムクロジ、ハゼノキなどとともに後者です。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ハリギリ(針桐、学名:Kalopanax pictus (Thunb.) Nakai)はセリ目ウコギ科ハリギリ属の落葉高木。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では樺太、朝鮮半島、中国に及び、丘陵から山地の落葉広葉樹林に自生。130505ハリギリ樹皮@エコカフェ.JPG樹高は25mほど、樹幹は直立、樹皮は黒褐色で深く縦裂、若木では棘が残り、枝は帯灰色で棘と皮目がつきます。葉は枝先に互生し、葉柄10pから30pの先に葉身10pから25pほどの5裂から9裂に掌状、葉縁に不整の細鋸歯がつきます。葉表は無毛、葉裏の脈状に毛が生えます。花期は7月から8月頃、新枝の先に球状の産経花序をだし、淡黄緑色の小花を多数咲かせます。果実は径約5oの球形の液果、赤褐色から秋に黒色に熟します。

ハリギリはウコギ科であり、タラノキヤマウドの若葉と同じように山菜として食することができるそうです。食べたことがありませんが、灰汁が強いそうで美味しいかは分かりません。


関連記事(ヤツデ(八手)は賢い!)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


続きを読む
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

ハゼノキ(櫨の木)は蝋燭を

130505ハゼノキ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの高木層を構成するもう一つの樹種にハゼノキがあります。それまでの在来のヤマウルシ、ヤマハゼに取って代わって、江戸時代頃にハゼノキは果実から木蝋を採取するために琉球王国から本土に持ち込まれたものだそうです。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

ハゼノキ(櫨の木、学名:Toxicodendron succedaneum (L.) Kuntze)はムクロジ目ウルシ科ウルシ属の落葉小高木。130505ハゼノキ樹皮@エコカフェ.JPG分布は東アジア、東南アジアに広く、温暖な土地に自生。日本では関東地方で野生化。樹高は10mほど、樹皮は灰褐色で平滑、小さな皮目がつきます。葉は互生し無毛、奇数羽状複葉、小葉は4対から7対ほど、葉身5pから12pほどの被針形、全縁で葉先は尖ります。花期は5月から6月頃、雌雄異株、葉腋から円錐花序をだし、黄緑色の小花をたくさん咲かせます。小花は5弁、雄花は雄蕊5本、雌花は雌蕊花柱が3裂します。果実は径約1.5pの扁球形の核果、中に種子1個、秋に緑色から褐色に熟します。

ハゼノキは日本在来のヤマハゼの近縁種ですが、ハゼノキの葉は無毛なのにヤマハゼは脈状に毛が多く生えることで見分けることができるそうです。


関連記事(モミの大木とハゼノキの黄葉)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ



続きを読む
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

ムクロジ(無患子)は石鹸に

130505ムクロジ@エコカフェ.JPG「しろがねの森」路傍の植物コーナーの高木層を構成する樹種のひとつにムクロジがあります。この木は果実を石鹸として利用したことから古くから屋敷林や寺社境内林として植えられることも多かったといいます。この木の自然分布やこの地が四国高松藩主松平讃岐守の江戸下屋敷跡であったことを考えると恐らくは植栽されたものでしょう。[2013年5月5日撮影:国立科学博物館附属自然教育園@山崎]

130505ムクロジ樹皮@エコカフェ.JPGムクロジ(無患子、学名:Sapindus mukurossi Gaertn.)はムクロジ科ムクロジ属の落葉高木。分布は本州中部地方以西、四国、九州、南西諸島、国外では台湾、済州島、中国、インドなどに及び、丘陵や低地に自生。樹高は15mから25mほど、樹皮は灰褐色で平滑(老木では不規則に剥離)、葉は互生し偶数羽状複葉です。小葉は革質で4対から8対ほど、葉身7pから17cmほどの広被針形、全縁で葉先が尖ります。花期は6月から7月頃、枝先に円錐花序をだし、淡緑色の小花をたくさん咲かせます。果実は径約2pの球形の核果、中に黒い種子があって11月頃に黄色く熟します。

果皮にはムクロジサポニンを含むことから泡立ち、平安時代から公家社会で石鹸として利用されてきたそうです。学名の「Sapindus」はインドの石鹸を意味する。また、黒い種子は数珠や羽根突きの玉に利用されたそうです。有用樹なのです。   


関連記事(白雲と白雲木を)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


続きを読む
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ