タチシノブ(立忍)の北限は

ビーグル号の航海日誌 2013年03月03日 21:28

120504タチシノブとササグモ@エコカフェ.JPG国立科学博物館・筑波実験植物園で展示植栽されているシダ植物のコレクションのほかにも園内に自生しているシダ植物があります。タチシノブはそのひとつです。別名にカンシノブ(寒忍)ともいいます。タチシノブは北限が茨城県ではなく数か所の自生地があることから福島県いわき市周辺らしいです。一緒に写っている蜘蛛はササグモといいます。[2011年5月11日撮影:第46回草花教室@山崎]

タチシノブ(立忍、学名:Onychium japonicum (Thunb.) Kunze)はホウライシダ科ホウライシダ属の暖地性の常緑性シダ植物。120504タチシノブ@エコカフェ.JPG分布は本州福島県南部以南、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島、国外では朝鮮半島南部、中国、マレー半島、インドなどに広く、低山の林内や林縁、民家近くの日当たりのよい場所に自生。草丈は30pから70pほど、根茎は匍匐し茶褐色の鱗片がつく。葉は栄養とやや長い胞子葉の二形だが、シシガシラヤマソテツのように外形的に明確な違いが認められるわけではない。葉身は3、4回羽状複葉で卵状披針形、細かく裂けた裂片は先が尖ります。胞子嚢群(ソーラス)は細長く裂片の中央部に位置し、葉の縁が膜状になった偽苞膜を伴います。

日本にはこの仲間は1種のみ、世界では10数種。名前の由来はシノブ科シノブ属のシノブに似ていて地上から葉を立てることによるそうです。葉が似ているシノブは夏緑性で裂片の先は鈍頭であるため区別は難しくないようです。最も冬期に見たらタチシノブということになります。


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オオイタチシダ(大鼬羊歯)は美しい

120504オオイタチシダ@エコカフェ.JPGどんよりしていると時間が止まってしまったかのような感覚になります。体内時計のみが頼りですね。続いて国立科学博物館・筑波実験植物園での展示植栽されているシダ植物コレクションの中からオオイタチシダを紹介します。先に紹介したイヌイワイタチシダの近縁です。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@山崎]

オオイタチシダ(大鼬羊歯、学名:Dryopteris pacifica (Nakai) Tagawa)はオシダ科オシダ属の常緑性シダ植物。 分布は本州東北地方南部以南、四国、九州、沖縄本島、国外では朝鮮半島、中国に及び、内陸部山地の林縁などに自生。草丈は50pから120pほど、根茎は短く斜上しやや株立ち、葉柄基部には線状披針形で黒褐色の鱗片がつく。葉質は硬紙質で時に光沢があり、葉身は2回羽状複葉、卵形か五角形で先は急に細く狭まります。最下部の羽片は大きく有柄、各小羽片先端の辺縁に小さい鋸歯がつくのが特徴です。胞子嚢群(ソーラス)は小さく、小羽片の中肋と辺縁の中間かやや辺縁寄りにつきます。染色体数はn=123の3倍体で無融合生殖で増えます。

オオイタチシダは変異が大きく、葉に光沢のないもの、裂片の鋸歯が不明瞭なもの、綜辺の縁が裏側に反るもの、などが知られます。葉に光沢がなく、裂片に鋸歯のないものをヤマイタチシダ、葉質が厚く革質で先端がほこ型になるものをナンカイイタチシダといいます。


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ヒメカナワラビ(姫鉄蕨)

120504ヒメカナワラビ@エコカフェ.JPG東京は午後からどんよりと曇り、寒さは緩んでします。続いて国立科学博物館・筑波実験植物園での展示植栽されているシダ植物コレクションの中からヒメカナワラビを紹介します。別名にキヨズミシダというそうです。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@山崎]

ヒメカナワラビ(姫鉄蕨、学名:Polystichum tsus-simense (Hook.) J.Sm)はオシダ科イノデ属の常緑性シダ植物。分布は本州福島県南部以南、四国、九州、南西諸島まで、国外では朝鮮半島、中国揚子江以南、台湾、インドシナなどに及び、山地の湿った岩上や岩壁、特に石灰岩地や結晶片麻岩地を好むという。草丈は40pから60pほどで根茎は短く斜上、葉身は披針形で2回羽状複葉、小羽片は全縁で先は刺状に尖ります。胞子嚢群(ソーラス)は葉身の下部中軸寄りから外に向けてつくそうです。染色体数はn=123の3倍体で無性融合生殖で増えます。

名前に「ワラビ」とつきますが、ヒメカナワラビは私たちが山菜として食べる「ワラビ(蕨)」とは科も属も全く異なります。シダ植物も名前だけで推測すると大間違いをおかしそうです。


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イヌイワイタチシダ(犬岩鼬羊歯)

120504イヌイワイタチシダ@エコカフェ.JPGこの冬、オホーツク海岸には例年より寒くずっと多い流氷が押し寄せているそうです。国立科学博物館・筑波実験植物園内のシダ植物の展示植栽コーナー、イヌイワタチシダの紹介です。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@山崎]

イヌイワイタチシダ(犬岩鼬羊歯、学名:Dryopteris saxifragi-varia Nakai)はオシダ科オシダ属の常緑性シダ植物。分布は本州(福島県以南、岐阜県以西)、朝鮮半島に及び、山地の二次林などの林下の斜面地などに自生。草丈は15pから30pほど、葉身は卵状長楕円形、2・3回羽状複葉、全縁で先が尖る。葉柄につく鱗片が上方に鉤形に曲がり、柄の上方で多く下方で少ないのが特徴のようです。

近縁のイワイタチシダは日本全土のやや標高が高く岩場や岩礫地に自生し、鉤形鱗片がやや下方に曲がり葉柄全体につくのが特徴といいます。この仲間にはオオイタチシダやヤマイタチシダが知られています。


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イズコモチシダ(伊豆子持ち羊歯)は自然雑種

120504イズコモチシダ@エコカフェ.JPG昨日、北海道オホーツク海側では爆弾低気圧による猛吹雪で視界不良、交通機関がマヒし道路も通行不能となったといいます。東京でも強い風が吹いていました。今日は桃の節句、春はもうすぐそこまで来ています。草花教室もそろそろ始動しようかと。国立科学博物館・筑波実験植物園では多様なシダ植物が展示植栽されています。写真の写りが悪くてすみません。[2011年6月11日撮影:第46回草花教室@山崎]

イズコモチシダ(伊豆子持ち羊歯、学名:Woodwardia ×izuensis Sa. Kurata)はシシガシラ科コモチシダ属の常緑性シダ植物でコモチシダとハイコモチシダの自然雑種。分布は本州静岡県と九州熊本県の一部に限り、コモチシダとハイコモチシダの混生する場所に自生。 コモチシダは広域種であり、ハイコモチシダの分布が本州伊豆半島や九州南部(熊本県・鹿児島県)に限られるといいます。自然雑種であるのか、よく似た変種・亜種であるのか、の判別はほぼ不可能です。専門の研究者に委ねたいところです。そういった意味ではつくば植物園のように名称を掲げて展示栽培してくれているのはありがたいですね。


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