シマカコソウ(島夏枯草)は東南アジア系

ビーグル号の航海日誌 2013年01月14日 22:17

120504シマカコソウ花2@エコカフェ.JPGまたしても小石川植物園登場です。同園温室にはウチダシクロキコヘラナレンなどとともに国内希少動植物種に指定、保護増殖事業が実施されているシマカコソウを保護展示しています。また、シソ科で小笠原固有種である本種のほかにはムニンタツナミソウのみですよ。[2012年5月4日:小石川植物園@山崎]

シマカコソウ(島夏枯草、学名:Ajuga boninsimae Maxim)はシソ科キランソウ属の多年草。120504シマカコソウ@エコカフェ.JPG小笠原固有種で絶滅危惧TA類(CR)。分布は父島、母島、妹島に限り、山地の乾燥した岩場にわずかに自生。草丈は10cmから20cmほど、全株に短毛が密生、茎や花序などにはやや長い毛が生え、走出枝を横に這わせ増殖します。葉は対生し、楕円形で葉縁は波状の鋸歯、葉先は鈍頭です。花期は12月から1月頃、茎先に穂状花序をだし花柄のない白色の小花を均等に幾つも咲かせます。小花は白色の唇弁花で花筒が長いのが特徴です。果実は分果、翌年3月頃に熟すようです。

名前の由来は花穂がウツボグサの花穂に似ていること、ウツボグサの花穂のことを生薬「夏枯草(カゴソウ)」と呼ぶこと、小笠原という島に自生していること、にあるのでしょう。シマカコソウの起源は、琉球諸島や台湾、中国に自生するヒメキランソウにあるようです。


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ムニンヒサカキ(無人姫榊)は本土系

120504ムニンヒサカキ@エコカフェ.JPG120504ムニンヒサカキ2@エコカフェ.JPG爆弾低気圧が日本列島南岸を通過しているため東京でも大雪です。亜熱帯気候に属するため冬でも暖かな小笠原の植物、小石川植物園で記録したムニンヒサカキを紹介します。小笠原では絶滅が心配されています。[2012年5月4日撮影:小石川植物園@山崎]

ムニンヒサカキ(無人姫榊、学名:Eurya japonica Thunb.var.boniensis Tuyama)はツバキ科ヒサカキ属の常緑小高木。小笠原固有亜種で絶滅危惧TA類(EN)。分布は聟島、父島、兄島、弟島、母島、北硫黄島に及び、父島では中央部山地の沢沿いのコブガシやムニンヒメツバキの林下にわずか、母島では新個体群などそれなりにに自生。樹高は約3m、枝は細く分枝し、葉は互生し光沢、長楕円形で葉縁に波状の鋸歯、葉先はやや尖ります。花期は3月から4月頃、雌雄異株、枝先に近い葉腋に径約5mmの小花を幾つか咲かせます。雄株は雄花を、雌株は雌花、乳白色。虫媒花のため特異な芳香により虫を呼び寄せます。果実は径約4mmの球形の液果、11月頃に黒色に熟します。もちろん鳥散布です。

ムニンヒサカキの起源は、本州から南西諸島に自生するヒサカキにあると考えられ、同種とする説もあるそうです。話は変わりますが、エコカフェではヒサカキを三宅島の植生回復のために、毎年、植林しています。皆さんも新たなチャレンジを!

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タコヅル(蛸蔓)は東南アジア系

070714タコヅル@エコカフェ.JPG070714タコヅル2@エコカフェ.JPG小笠原の亜熱帯の森を特徴づける植物のひとつにタコヅルがあります。父島サンクチュアリーの林内ではつる性のためムニンヒメツバキなどの大木に絡みつきよじ登っていました。時として、覆い被さって枯らしてしまうこともあるそうです。また、しばしば群生し、母島乳房山山稜などではハイマツのような大群落(純林)をつくっています。[2007年7月14日撮影:森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系の神秘を知る〜@松崎哲哉]

タコヅル(蛸蔓、学名:Freycinetia boninensis Nakai)はタコノキ科ツルアダン属の常緑つる性低木。分布は父島、弟島、母島、硫黄島に及び、父島ではヒメツバキ林内、母島では背稜山地上の裸地などに自生。樹高(茎長)は5mから15mほど、茎の節から気根を出して他の樹木に絡みつきよじ登り、葉はらせん状に生え、平滑で光沢があり、葉身50pから100cmほどの披針形で葉縁と主脈下面に刺がつきます。花期は5月から7月頃、雌雄異株、枝先に花軸を伸ばし、長さ8cm前後の黄橙色の肉穂花序を数本束生、雌株では多数の雌花を、雄株では多数の雄花を密生。花序基部の苞葉は披針形で黄橙色です。果実は長さ8cmから13cm、幅2cmほどの円筒形の集合果(多角形の核果の集合体)、10月頃に赤色に熟します。タコノキの果実と同じようにオガサワラオオコウモリの好物です。

タコヅルの起源は、琉球諸島や台湾、フィリピンに分布するツルアダンと考えられるが、葉や苞葉が大きく幅が広いこと、また、葉縁などの鋸歯が鋭く、熟した果実が赤色化する点が異なるそうです。実際には見比べないと頭だけでは理解できませんね。


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アオウミガメの産卵巣調査から学ぶ

121117産卵巣調査@エコカフェ.JPG2012年度11月のアオウミガメレポートです。昨夜のNHKスペシャルで小笠原父島の東方海域水深600mで撮影した超巨大ダイオウイカの生きた姿を紹介していた。水深200mからトワイライトゾーンといって未知の世界が広がっているそうです。10年にもわたる追跡調査の末、研究者の根気と経験による智恵の勝利のようなものです。小笠原父島での小笠原海洋センターとの協働の小笠原小学校の現5年生の総合学習も8年目に入っています。[11月詳細レポートはこちら⇒]
121117被害卵の殻@エコカフェ.JPG
11月3日:お祭りのため中止
11月10日:タイマイ水槽掃除と計測
11月17日:天然浜でのふ化率調査
11月24日:定期計測とエサやり

総合学習のなかでも水槽掃除は大切なプログラムのひとつです。カメたちが生活するための大切な日常空間であって、水槽内の環境は海水が循環していても糞尿やえさの食べ残し、藻が付着したりと悪化します。病気にならないよう定期的に清掃が必要なのです。もちろん、カメの甲羅掃除も大切です。天然浜でのふ化調査では産卵巣がカニ(ミナミスナガニ)の穴が通じ食べた痕や死んだ卵があることを学びます。なぜ、スナガニは卵のありかが分かるのでしょうか?定期計測では前回から平均で5p近く成長していることに驚きました。

定期計測時には子どもたちはコガメ一頭一頭を注意深く観察し、身体に異常がないかも確認します。狭い水槽の中では、どうしてもお友達同士でけんか(かみ付き)をして相手を傷つけてしまいます。傷が化膿することもあるのです。かさぶたができて完治することもあれば、やむなく欠損したままで落ち着く場合もあります。ストレスなく気持ちよく育てるためには水槽内の環境を綺麗にすることも大切なのですね。


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フウリンゴケ(風鈴苔)は北方系

100227フウリンゴケ@エコカフェ.JPG八ヶ岳高原ロッジのある標高1600mに広がる亜高山帯の森にはシラカンバダケカンバヤエガワカンバミズナラヤマナシなどの落葉広葉樹、カラマツの落葉針葉樹、シラビソコメツガなどの常緑針葉樹が混生しています。樹皮や林下には多様な蘚苔類、地衣類を観察することができます。ここではフウリンゴケを紹介します。[2010年2月27日撮影:八ヶ岳@山崎]

フウリンゴケ(風鈴苔、学名:Bartramiopsis lescurii (James) Kindb.)はスギゴケ科フウリンゴケ属の北方系の蘚類。雌雄異株。分布は北海道、本州、四国、九州、国外では極東アジア、北米西部に及び、亜高山帯の崖地や岩上に生育。よく小規模に群生。草丈は3cmから8cmほど、茎は細く光沢があり、葉の下部の縁に数本の長い毛が生えます。雌株の造卵器に卵細胞を生じます。雄株の雄花盤に多数の雄器ができ遊走子(精子)をつくります。
雨滴とともに精子が飛ばされ、雌株の卵細胞と受精することで、胞子体となり、受精卵は減数分裂を経て胞子をつくり、胞子はやがて飛散し新たな場所で発芽し、原糸体を経て雄株か雌株に成長するのでしたね。胞子体の凾ヘ円錐形で帽は無毛、剳ソは1、2pと長く、剋浮ヘ二次的に喪失しているのが特徴です

大台ケ原は蘚苔類の宝庫で登山道法面などでは上部から下部に向かって順にセイタカスギゴケコセイタカスギゴケ、フウリンゴケと観察できたりします。日本には屋久島や北八ヶ岳など蘚苔類が絨毯のように美しい森も多いですね。


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タグ:広域種
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