高山植物の魅力(80)、ミヤマゼンコ(深山前胡)

ビーグル号の航海日誌 2012年12月15日 19:45

090922ミヤマゼンコ@エコカフェ.JPG北アルプス涸沢ヒュッテ(標高2309m)はすでに深い雪に埋もれているでしょう。穂高連峰から下る大きくえぐれた氷河期に発達したカールがあります。カールの下部は、夏場、多くの登山者たちがついの宿とするカラフルなのテントで賑わっています。テント葉の近くにはいろんな高山植物が観察できます。セリ科大型の植物、ミヤマゼンコもそのひとつです。[2009年9月22日撮影:涸沢ヒュッテ@山崎]

ミヤマゼンコ(深山前胡、学名:Coelopleurum multisectum (Maxim.) Kitag.)はセリ科エゾノシシウド属の多年草。090922涸沢ヒュッテ@エコカフェ.JPG日本固有種。分布は本州中部地方に限り、亜高山帯から高山帯の雪田周辺の砂礫地や草地に自生。草丈は15pから60cmほど、茎は中空で太く赤味を帯びることもあり、葉は3、4回3出羽状複葉、小葉の葉身は1pから3pほどの卵形から長卵形で葉縁に鋭鋸歯、葉先は尖ります。葉の基部は袋状鞘があります。花期は7月から8月頃、茎先や茎上部の葉腋から複集散花序をだし、たくさんの白色の小花を咲かせます。花序の径は20pにもなり、小総苞片は線形から披針状長楕円形です。果実は分果で長径5o前後の楕円形です。 

セリ科大型の植物には似たものが多く、ミヤマセンキュウ、タカネイブキボウフウ、ミヤマトウキ、ミヤマシシウドオオハナウドなどが知られています。見分けるのはとても難しいです。


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高山植物の魅力(79)、オンタデ(御蓼)

090922オンタデ雌株1@エコカフェ.JPG090922オンタデ雌株2@エコカフェ.JPGこの冬の寒さは厳しく、冬山遭難のニュースが重苦しいですね。近年、危険に対する人びとの注意力が散漫になっているような気がします。これまで安全や安心は空気のように当たり前のような存在と受け止められていたのでしょう。上高地へ向かう道路も冬期閉鎖され、白銀の静かな世界が広がっるのでしょう。ここでは初秋に撮影したオンタデを紹介します。写真は雌株です。[2009年9月22日撮影:上高地@山崎]

オンタデ(御蓼、学名:Aconogonon weyrichii (F.Schmidt) H.Hara var. alpinum (Maxim.) )はタデ科オンタデ属の多年草。ウラジロタデの高山タイプで日本固有種。分布は北海道大雪山系、本州中部地方以北に限り、亜高山帯から高山帯の風衝地、草地、砂礫、岩礫地、溶岩原などに自生。草丈は30pから100pほど、根は太く長さ1mにも及び、茎は時に帯紅紫色です。葉は互生し有柄、葉身15pから20pほどの卵形から長卵形で全縁、葉先はやや尖ります。葉表裏とも最初に毛が生えるが成長とともに脱落します。花期は7月から10月頃、雌雄異株、茎上部の葉腋から総状花序をだし、白色(花の終りの頃には帯紅色)の小花をたくさん密に咲かせます。小花は花弁は無く萼片5裂、雌花は雄蕊が退化し、雄花は雌蕊が退化します。果実は痩果で翼3つあり、紅色に熟します。

低地に自生するイタドリやオオイタドリはイタドリ属として別属で扱われています。イタドリの高山タイプオノエイタドリもイタドリ属に分類されます。オノエイタドリの紅色の花を咲かすものをメイゲツソウまたはベニイタドリとも呼ぶそうです。特に、富士山に自生するオノエイタドリをフジイタドリとも呼びます。なんともややこしいです。その上、オノエイタドリは葉の基部切形で、オンタデは葉の基部が丸いとしますが、混生地で両者を区別するのはほとんど困難です。


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東大寺南大門金剛力士立像は

091126東大寺南大門金剛力士立像吽行@エコカフェ.JPG091126東大寺南大門金剛力士立像阿行@エコカフェ.JPG奈良雑司にある東大寺、聖武天皇の創建当時には全国60余の国分寺の中心「総国分寺」でもあった。仏教が国づくりの中で普及していった時代でもあったようだ。世界文化遺産にも登録されています。南大門にある金剛力士立像を紹介しましょう。[2009年11月26日撮影:東大寺@山崎]

東大寺南大門は鎌倉時代の正治元年(1199年)に再建。天竺様という貫を多用する建築様式。門内の左右に向かい合う形で仏教の護法善神、つまり守護神である金剛力士立像が安置されています。風雨を避けるためでしょうか。開眼は建仁3年(1203年)10月3日、運慶・快慶らの手によるもので高さ8mを超えます。約3千の部材からなる寄木造りで、一体をたった70日で完成させたというから驚きです。まさに写実性に特徴のある鎌倉彫刻の代表作です。
091126東大寺南大門内部上部構造@エコカフェ.JPG向かって左側「阿行」は口を閉じ怒りを内に秘めた顔相で、如意棒を肩に担ぎ、右腰に手の平で如意棒の橋を掴んで押さえ、左手はひじを横に張って、手の平と指を思い切り開き、左胸の横で正面に向けます。右側には「吽行」は怒りを顕わにした顔相で、右手は肘を肩の高さで横に引き、手の平を広げて親指と人差し指で摘み、中指、薬指、小指は思い切り開き、左胸前で手の平を外に向けます。左手は脇を開けてひじを横に張り、如意棒を左腰でしっかり握ります。

法隆寺中門の金剛力士立像とは阿形像と吽形像の安置が左右逆になっているのはどうしてでしょうか。飛鳥時代には中門に安置されたのですが、東大寺では中門ではなく南大門ですから込めた意味合いも違ったのでしょうか。さてはて


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