久米島、ミーフガーと地質史

ビーグル号の航海日誌 2012年12月01日 23:40

121030ミーフガー@エコカフェ(久米島).JPG久米島は古来「球美島(くみじま)」と呼ばれた。琉球で一番美しいという意味だそうです。島北西部の大和泊岸に高さ20m超の大きな奇岩があります。これがミーフガー(女岩とも)という拝所で龍宮神の中心、本来は感謝と祈りの場、女性が拝むと子宝に恵まれる御利益があると伝えられています。一方、兼城港にごく近い沖合にある小島にある岩柱をガラサーヤマ(男岩とも)と呼んでいます。[2012年10月31日撮影:久米島@阿部]

ミーフガーは一枚岩に穴が開いたものではなく、左側に琉球石灰岩、右側に凝灰角礫岩と異なる地質が寄添っているのだそうです。121030イリビシ石灰岩@エコカフェ.JPG凝灰角礫岩は径32mm以上の火山岩片と大量の火山灰が海底で堆積してできた岩石。新第三紀中新世中後期(約1000万年前から約600万年前頃)に、沖縄トラフが拡張しはじめたことでフィリピン海プレートの沈み込み帯で海底火山活動が起こったことによるものと考えられます。一方、琉球石灰岩は南西諸島中部(宝島を北限)から台湾までに及ぶが、第四紀更新世(250万年前から1.2万年前)で隆起と沈降を繰り返しながら形成されています。厚さは最大約150mにも及ぶが、古い時代のものは地殻変動の影響を大きく受けていると考えられます。ここも典型的な海食崖、海食棚などが見られます。

ミーフガーのある基盤部も凝灰角礫岩と考えられますが、海岸に近い場所では上部にイリビシ石灰岩といっって最終氷期(ヤンガードリヤス氷期)が終了し、完新世の気候最温暖期(約7000年前から約5000年前頃、縄文海進とも)に形成された珊瑚礁が隆起し岩石化したもののようです。


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久米島、五枝の松とウフガー(産川)

121930五枝の松@エコカフェ(久米島).JPG休暇をもらいのんびり離島の旅。今回は久米島です。沖縄本島から西方に約100km、沖縄諸島最西の島です。面積約59kuは宮古島に次ぐ大きさ、隆起珊瑚礁は一部で火成岩などからなる島、東に「ハテの浜」という全長約5kmの珊瑚洲島が連なるのが特徴です。[2012年10月30日撮影:久米島@阿部]

久米島空港から車で15分、西部丘陵地に位置する沖縄県立自然公園「五枝の松園地」に龍がのたうち回るように地を這う立派なリュウキュウマツがあります。枝張り面積は約150畳、もちろん、その枝を四方に張る容姿は見事で、国の天然記念物に指定、日本の名松100本にも選ばれています。121030五枝の松2@エコカフェ.JPG18世紀初頭、農業の神「トーテイクン」を祭った際に植栽されたと伝えられます。久間地集落の人びとの信仰の対象であって、「五枝の松」の樹下には拝所があり、近くには生活に利用してきたウフガー(産川)があります。

今でこそ久米島にも農業用や飲料用のダム湖が造られていますが、昔なかった頃、人びとはギラギラ太陽の輝く厳しい干ばつなどに苦しんだのだろう。私たちの時代はずい分と楽になった。その分何かを忘れ去ってしまったようだ。少しだけ古の感慨にふけってしまいました。


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カクレミノ(隠蓑)は照葉樹林の亜高木層を

121028カクレミノ@エコカフェ.JPG伊勢神宮内宮境内で見たカクレミノはヤブツバキ(藪椿)などとともに照葉樹林の亜高木層から低木層を構成する樹種のひとつです。第14回自然観察会で江ノ島の照葉樹林の森を訪ねましたが、そこでも観察することができました。[2012年10月28日撮影:伊勢視察@山崎]

カクレミノ(隠蓑、学名:Dendropanax trifidus (Thun.) Makino)はウコギ科カクレミノ属の常緑亜高木。分布は本州関東地方以南、四国、九州、南西諸島、台湾、長編半島南部に及び、温暖な二次林や照葉樹林の林内などに自生。121028カクレミノ樹皮@エコカフェ.JPG樹高は5mから7mほどで、樹皮は平滑で灰褐色、小さい皮目が目立ち、すーっと伸び分枝し、葉は枝先に互生し、葉身7pから12pほどで形状変異も大きい。芽生えは楕円形、幼樹では3深裂から5深裂、成長すると広卵形で全縁か2浅裂から3浅裂、これらが混生。花期は6月から8月頃、枝先に散形花序をだし、薄黄色の径約4oの5弁花をたくさん咲かせます。両性花のみの花序と両性花と雄花の混生する花序がありそうです。果実は径約1pの楕円形の液果、先端に雌蕊花柱が残り、12月頃に黒紫色に熟します。中には2個から5個の種子が入っています。

いろんな場所で見かけるのですが、まだ花も果実も見たことはありません。これからはもう少し注意深く観察していければと思います。


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