江ノ島を覆う関東ローム層は

⇒自然観察会 2012年11月18日 23:00

121117関東ローム層@エコカフェ(江ノ島).JPG復習。江ノ島の基盤は、およそ2000万年前から1500万年前(第三紀中新世)に堆積した葉山層群のいわゆる塊状砂岩を中心に、北東部には500万年から300万年前の三浦層群逗子層と池子層の泥岩と凝灰岩の互層が広がっています。[2012年11月17日撮影:第14回自然観察会@阿部]

葉山層群と三浦層群の南東から北西に走る境界面は断層に相当します。これが複数本走っていると考えられています。プレートテクトニクスによる強烈な地殻変動があった痕跡がそこにあるのです。およそ7万年前(最終氷期)には海面が下がり江ノ島は海上に現れ、海食台状のこれら基盤の上に関東ローム層が堆積したと考えられています。121117関東ローム層2@エコカフェ.JPG断層に沿って浸食された海食洞窟が崩落し海食断崖が大きく発達した「山ふたつ」と呼ばれる場所に近い歩道沿いに露頭を見ることができます。このローム層の露頭は上から箱根三色旗軽石層(50cm)、箱根東京軽石層(80cm)、箱根三浦軽石層(15cm)の順に構成、何れも箱根火山噴火による微少な軽石(火山灰とも)で風化により粘土質化しています。特に、箱根東京軽石層(箱根東京テフラとも)は、約6.6万年前(新生第四紀後期更新世)に箱根火山が大規模噴火(第2期カルデラ形成)により堆積した降下軽石によるものだそうです。やや白っぽい色をしているのが特徴です。ローム層は風雨による浸食により島の辺部ではすっかり剥落し中心部に厚く堆積していると考えられます。

このローム層は噴火軽石(火山灰とも)に含まれる鉄分が酸化され粘土化したもので、いわゆる赤土と呼ばれるものです。貧栄養なため農業には向いていないが、積極的にパイオニア植物が進出し、長い年月をかけて赤土の上に黒色土をつくりながら、植生遷移を進め豊かな照葉樹林の森を育んできたと考えられます。


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江ノ島の形成史

121117山二つ@エコカフェ(江ノ島).JPG誰もが何気なく訪れる観光地、江ノ島。江ノ島神社があり、常緑広葉樹林である照葉樹林、特に典型的な海岸林が残っています。海岸線には海食崖や海食洞窟もあって、変化に富んだ散策を楽しむことができます。そんな江ノ島はどのように誕生したのでしょうか。[山二つ、稚児ヶ淵の海食棚、2012年11月17日撮影:第14回自然観察会@阿部]

江ノ島の基盤は葉山層群と三浦層群と呼ばれる付加体からなります。葉山層群はおよそ2000万年前から1500万年前(第三紀中新世)の海底堆積物で泥岩、砂岩泥岩互層、凝灰岩質砂岩、グリーンタフなどの凝灰岩からなり、地殻変動により摂理等が不明瞭な硬質の岩塊になっています。121117海食棚2@エコカフェ.JPG121117海食棚@エコカフェ(江ノ島).JPG上位の三浦層群とは傾斜不整合し3本の断層が走っています。三浦層群は500万年から300万年前の付加帯で逗子層と池子層からなり、島の東北部に位置します。およそ13万年前(最終間氷期下末吉海進期)には海面下にあって、波浪による浸食によって全体が海食台を形成したと考えられます。7万年前頃(最終氷期)には海水面が下がり海上に現れ、箱根火山活動による降軽石、最終氷期終了による海水面上昇、およそ6000年前以降は縄文海進があったりしたが比較的安定した海水面が維持され、海岸には海食棚が広がり海食崖が発達、断層面に沿って海食洞窟が形成し、関東大震災による1m近くの隆起を経て、現在に至るようです。

海食台が南側に広がっているのは隆起による地殻変動の結果なのです。このような光景は福井立石岬、宮崎日南海岸、津軽千畳敷海岸など日本各地で見られます。


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