オノエヤナギ(尾上柳)の黄葉を

ビーグル号の航海日誌 2012年11月02日 23:30

081025オノエヤナギ黄葉@エコカフェ.JPG朝夕はぐんと冷え込みます。尾瀬ヶ原の沼尻川に架かる橋を渡るときにオノエヤナギが川面に枝をせりだし黄葉を見せているでしょう。このオノエヤナギもシラカンバなどとともに「拠水林」の構成樹種のひとつです。別名にナガバヤナギ(長葉柳)、カラフトヤナギ(樺太柳)とあります。[2008年10月25日撮影:第3回自然観察会@阿部]

オノエヤナギ(尾上柳、学名:Salix sachalinensis Fr. Schm.)はヤナギ科ヤナギ属の落葉小高木。分布は北海道、本州、四国、九州、千島、サハリン、アジア東北部に及び、山地の湿地や川岸に自生。樹高は5mから10mほど、樹皮は縦裂、枝は細く上方に伸び、新枝のみ軟毛が生えます。葉は互生し革質、葉身10pから16cmほど、幅1pから2pほどの狭披針形、葉縁に波状の細鋸歯があり裏側にやや巻き、先は尖ります。葉表は暗緑色で初め軟毛、後に脱落し、葉裏は淡緑色で伏毛が生えます。花期は3月殻5月頃、雌雄異株、葉の展開前に、雄花序は長さ2pから4pほどの円柱形の尾状花序でたくさんの雄花を咲かせます。雄花は短い柄に数枚の小苞をつけ葯が赤味を帯びた雄蕊2本からなります。雌花序はやや細身でたくさんの雌花をつけ、雌花は雌蕊花柱からなります。果実は刮ハで白い綿毛に包まれ、種子が数個入っています。

この仲間にはタチヤナギ、シロヤナギ、エゾノキヌヤナギ、エゾヤナギ、エゾノカワヤナギ、イヌコリヤナギ、ネコヤナギなどが知られていますが、どれも寒さに強く北方系の植物と考えられます。


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タグ:広域種
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シラカンバ(白樺)は高原の白い貴公子

081025シラカンバと地塘@エコカフェ(尾瀬ヶ原).JPG尾瀬ヶ原の湿原(標高約1400m)には周囲の山から幾筋もの川が流れ込んでいます。その中には沼尻川のように土砂を山から運び、川の両岸に自然堤防をつくり、「拠水林」が発達しているものがあります。湿原の中を流れる川に沿ってシラカンバを中心に直線や緩やかな曲線を描きながら白い樹木の列が延々と続いています。ハルニレダケカンバ、オノエヤナギ、サワグルミなども登場するようです。[2008年10月25日撮影:第3回自然観察会@阿部]

シラカンバ(白樺、学名:Betula platyphylla var. japonica (Miq.) H.Hara)はブナ目カバノキ科カバノキ属の落葉高木。日本固有変種。分布は北海道、本州福井・静岡以北に限り、落葉広葉樹林帯と亜高山帯下部の日当たりの良い適湿地や河畔などに自生。081025シラカンバ拠水林と地塘@エコカフェ(尾瀬ヶ原).JPG樹高は20mから30mほど、樹皮は黄色味を帯びた白色で横縞が入り、光沢があり、薄く剥離します。陽樹のため一代限り。葉は互生、短枝では1対、葉身4cmから10cmほどの三角状卵形で葉縁に重鋸歯、葉先は尖ります。花期は4月から5月頃、新葉の展開と同時に長枝先の葉腋から雄花序は尾状に数個垂れ下がり、雌花序は長枝下の短枝先の葉腋から1個斜上、雄花は黄緑色の雄蕊3本、雌花は苞集合花です。果実は堅果、翼があって風散布します。

シラカンバはパイオニア植物であって、遷移の初期に登場します。成長が早いが、寿命は短く20年ほどで樹幹中心部が腐朽しやすく風で倒伏したり折れたりしやすいそうです。春の新緑も秋の黄葉はとりわけ美しいです。芽吹きの頃に樹幹を傷つけると大量の樹液がでます。なんとこの樹液は人工甘味料キシトールの原料になるそうです。


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クロガネモチ(黒鉄糯)は逞しい

120624クロガネモチ葉@エコカフェ.JPGクロガネモチは大気汚染に強く、耐火性があって、刈込みや枝打ちしてもどんどん芽吹きするため、庭木や垣根、街路樹によく利用されています。名前に「金持ち」とあることから縁起がよいともされています。名前の由来については新枝や新葉の柄が黒紫色を帯びることにあるそうです。また、モチノキの仲間ですから樹皮からは「鳥もち」がとれます。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

クロガネモチ(黒鉄糯、学名:Ilex rotunda Thunb.)はモチノキ科モチノキ属の常緑高木。分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、国外では中国、台湾、ベトナム、インドシナに及び、低地や海岸近くの照葉樹林内などに自生。120624クロガネモチ樹皮@エコカフェ.JPG120624クロガネモチ@エコカフェ.JPG樹高は野生下では約10m、樹皮は淡灰褐色で平滑、葉は互生し、皮質、深緑色で光沢があり、葉身6cmから8cmほどの楕円形、葉脈は目立たず全縁でやや波打ち先が尖ります。常緑であるが4月頃の新芽の芽吹きと同時に葉が交替します。花期は5月から6月頃、雌雄異株、新枝先の葉腋から集散花序だし淡紫色の小花をたくさん咲かせます。花は径約4mmで花弁6枚が基本、雌花は雄蕊が退化、雄花では雌蕊が退化しています。果実は径約6mmの球形の核果で秋に真っ赤に熟します。野鳥が好んで食し、種子は鳥散布されます。

クロガネモチの葉はモチノキネズミモチの葉と同じように濃緑色で葉脈の目立たないのっぺりした感じです。ネズミモチはモクセイ科であって葉は対生、モチノキの葉は小型で幅が狭いことから見分けることができるといいます。


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