ヒロハカツラ(広葉桂)は珍しい

ビーグル号の航海日誌 2012年10月21日 22:49

120922ヒロハカツラ@エコカフェ(小石川植物園).JPG120922ヒロハカツラ樹皮@エコカフェ.JPG小石川植物園では樹木の一部にネームプレートが付いているので植物を身近で観察するフィールドとしては最適だと思います。エコカフェ草花教室ではこれまでに小山博滋先生の御指導を何度かいただいております。さて、園内では標高1000m以上でないと見られない珍しいヒロハカツラの大木を観察することができます。[2012年9月22日撮影:小石川植物園@阿部]

ヒロハカツラ(広葉桂、学名:Cercidiphyllum magnificum (Nakai) Nakai)はユキノシタ目カツラ科カツラ属の落葉高木。日本固有種でカツラとは近縁種。分布は本州の中部地方以北に限り、比較的標高の高い亜高山帯などの渓流沿いなど湿潤な場所に自生。樹高は15mから20mほど、よく株立ちし、樹皮は若木で平滑、大木で縦裂、葉は長枝では互生、短枝では先端に1葉がつき、葉身8pから12pの幅広の円形で基部が深いハート形、葉縁に鋭鋸歯がつきます。もちろん秋には黄葉します。
花期は5月から6月頃、雌雄異株、葉が出る前に葉腋に、雄株には小さな雄蕊だけの雄花、雌株には小さな雌蕊だけの雌花を咲かせます。花には萼片の花弁はありません。果実は円柱状の袋果で熟すと中から両端に翼のある種子を飛ばします。

ヒロハカツラ(広葉桂)とカツラ(桂)は2種で1属1科を構成し、雌雄異株で花の特徴として萼片も花弁もないことから比較的原始的な特徴をもっていると考えられています。このように花に原始的な形質を残しているものにクスノキハスノハギリモクレンオオヤマレンゲホオノキなどが知られています。イチョウなどは古代植物といわれているんですよ。奥が深いですね。


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タグ:日本固有種
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カヤ(榧)は最高級とは

120922カヤ果実@エコカフェ.JPG将棋や囲碁に興ずる人は榧材で作った将棋盤や碁盤を最高級品として愛してやまないようだ。榧材は年輪が緻密で堅く滑らかで他の針葉樹のものとは異なった独特の上質なテンペル系の香りがあります。古くは葉を薫じて蚊や虫除けに利用したそうです。名前の由来も「カヘ」が転訛したものだそうです。また、種子の油成分を搾って食用油や灯明油に利用したそうです。[2012年9月22日撮影:小石川植物園@阿部]

カヤ(榧、学名:Torreya nucifera (L.) Sieb. et Zucc.)はイチイ目イチイ科カヤ属の常緑針葉樹で高木。軽度懸念(LC)。120922カヤ@エコカフェ.JPG分布は本州宮城・山形以西、四国、九州、屋久島、国外では朝鮮半島に及び、暖温帯に自生。暖帯では主にカシ類シイ類タブノキイスノキなど照葉樹林に混生、温帯ではコナラ、クリ、ケヤキなど落葉広葉樹モミ、ツガなどの常緑針葉樹に混生するようです。樹高は20mから25mほどで、樹幹は直立し樹皮は青灰色で縦裂、枝は対生し三叉状に伸び、新枝は緑色をしています。葉は螺旋状につき革質で光沢があり、葉身約2pの線形で断面は扁平で先が鋭く尖ります。葉表は濃緑色、葉裏はやや白い気孔帯が2列に並びます。側枝では葉は2列水平に並びます。
花期は4月から5月頃、雌雄異株、雄株の雄花は1pほどの淡黄黄色の楕円形で前年枝の葉腋につきます。雌株の雌花は緑色の球形で新枝基部の葉腋に2個つきます。果実は球形の堅果、翌年秋に緑色から紫褐色に熟し、果肉状の仮種皮に淡褐色で楕円形の種子が包まれています。


耐陰性があり樹林内でも幼樹は育つことができ、成長は遅く、土壌さえ恵まれれば長寿なため他の樹木との競争に勝ってしっかりと大木から巨木へと成長していくそうですよ。大器晩成型ですね。


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オニグルミ(鬼胡桃)も実りの季節に

120922オニグルミ@エコカフェ.JPGこの季節、森の中に入るとドングリやクリ、クルミの実が落ちているのを目にすることがあるでしょう。もっともドングリを実らすカシ類は多く自生しているので、高尾山など関東周辺の低山ではどこでも見られるでしょう。クリやクルミとなると簡単にはいきません。[2012年9月22日撮影:小石川植物園@阿部]

オニグルミ(鬼胡桃、学名:Juglans mandshurica Maxim. var. sachalinensis (Komatsu) Kitam.)はクルミ科クルミ属の落葉高木。120922オニグルミ樹皮@エコカフェ.JPG120922オニグルミ果実@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、国外では樺太に及び、山地の川沿いなどの適湿な土壌に自生。樹高は約25、樹皮は暗灰色で縦に深裂、葉は互生し、奇数羽状複葉、小葉は5対から9対で葉身は7pから12pほどの卵状長楕円形、葉縁に鋸歯、葉先は尾状に尖ります。葉表は濃緑色で葉裏に星状毛、葉軸には星状毛と腺毛が生えます。
花期は5月から6月頃、雌雄異花、雄花は前年枝の葉腋から10pから30pの尾状花序を垂れ下げ緑色の小花を多数咲かせます。雌花は新枝の頂芽から穂状花序を直立させ小花を複数咲かせます。雌花の雌蕊花柱は赤色です。果実は径約3pの球形の核果、秋に熟すと褐色になり中には深い皺のある堅い核があって食することができます。核の中の種子は脂肪が多く、ネズミやリス重要な食料になります。

オニグルミはユグロンというアレロパシー物質(他感作用)があるため樹下には他の植物を寄せ付けないという。ただし、ササ類やハルニレは生えることができるそうです。小笠原で外来種とされるギンネムも強いアレロパシーがありましたね。


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