メグスリノキ(目薬木)で千里眼を

ビーグル号の航海日誌 2012年10月07日 22:23

120929メグスリノキ@エコカフェ(赤城自然園).JPG赤城自然園「しばふ広場」手前のカツラの三本立ちの高木の近くにメグスリノキがあります。名前からも分かるように戦国時代頃より樹皮や小枝を煎じた汁を飲むと遠方まではっきり見えるようになるとして使用されてきたそうです。メギやカンボクも目薬として知られています。今日でも山間の集落を訪ねると小枝などを袋に入れたものがお土産用に販売したりしていますよ。[2012年9月29日撮影:子ども自然体験プログラム2012@山崎]

メグスリノキ(目薬木、学名:Acer maximowiczianum Miq.)はムクロジ目カエデ科カエデ属のやや陽性の落葉高木。分布は本州山形・宮城県以南、四国、九州(宮崎・鹿児島県を除く)に限り、冷温帯の山地の谷間や中腹の緩傾斜地などの適潤な場所に自生。120929メグスリノキ樹皮@エコカフェ.JPG120929メグスリノキ葉@エコカフェ.JPG日本固有種。樹高は約20mで、樹皮は灰褐色か褐色、葉は3出複葉で小葉は葉身5pから12pほどの楕円形で葉縁に波状鋸歯があり、葉先は尖ります。本年枝と葉両面に灰褐色の細毛が密生します。葉は秋にカエデの仲間らしく紅葉します。
花期は5月から6月頃、雌雄異株、新葉の開出と同時に散形花序に複数の長い花柄をもった小さな5弁花を垂れ下げ咲かせます。雄花、雌花とも淡黄色ですが、雄花は雌蕊が退化し、雌花では雄蕊が退化しています。果実は翼果で秋には熟し風散布します。


メグスルノキの有効成分はエピ・ロードデンドリンのほかβシトステロール、トリテルペノイドなど多数種を含むことが知られています。自然の恵みそのものですね。エコカフェでは企業環境研修プログラムの実証の中で、古来より私たちの祖先が自然から生活の知恵として習得してきたものを学ぶ機会を提供してきています。牛歩の歩みですが息の長い基本的な活動のひとつになるでしょう


関連報告(「森の教室」報告書)⇒
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クルマアザミ(車薊)は放射状

090523クルマアザミ@エコカフェ(自然教育園).JPG日本はアザミの宝庫。このブログでも折々に各種のアザミについて触れたいますが、エコカフェの草花教室でかつて訪ねた国立科学博物館附属自然教育園において記録したクルマアザミを紹介します。3年前は知識ばかりでしたが今ではフィールド観察経験も豊富になっています。クルマアザミはノハラアザミの変種とされているようです。[2009年5月23日撮影:第31回自然草花教室@阿部]

クルマアザミ(車薊、学名:Cirsium oligophyllum f. obvallatum )はキク科アザミ属の多年草。分布は本州北部から中部地方に限り、低地から山地までの日当たりのよい乾いた場所に自生。草丈は40pから60cmほどで、茎は直立しほとんど分枝せず、下部には短毛が生えます。茎葉は互生し羽状深裂し裂片に棘があり、根生葉は裂するもやや楕円形で輪生し開花時にも残ります。
花期は8月から11月頃(3月から5月頃?)で、茎頂に紅紫色の頭花を一輪咲かせます。頭花の基部に総苞片が放射状に長くつくのが特徴です。この葉状総苞片はノハラアザミの総苞片が葉のように変化したと考えられています。一体何のためにそう変異したのでしょうね。

植物における変異は一定の割合で発生するが環境に適応し、他者との競争にも勝ち残らなければなりません。分化、進化の過程ではそんな繰り返しえお重ね、光合成によるエネルギーを効率よく獲得し、効率よく戦略的に使ったものが棲み分けをしながら生存を確かなものにするのですが、....。


関連記事(静かなノアザミ(野薊))⇒    
関連記事(高山植物の魅力(66)、クルマユリ(車百合))⇒
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コナラ(小楢)は落葉広葉樹の代表

コナラ@エコカフェ.JPG赤城自然園には「コナラ林」のフィールドがあります。クヌギとともに代表的な落葉広葉樹、昭和初期までは里山の構成樹木、雑木林として薪炭や山菜取りなど私たちの暮らしになくてはならない存在だったのです。[2012年9月29日撮影:子ども自然体験プログラム2012@山崎]

コナラ(小楢、学名:Quercus serrata Murray)はブナ科コナラ属の落葉高木。分布は北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国に及び、冷温帯下部から暖温帯にかけて自生し、二次林を構成。120929コナラ@エコカフェ.JPG120929コナラ樹皮@エコカフェ.JPG 樹高は約20m、樹皮は灰黒色で縦に不規則に裂け目が入ります。葉は互生し有柄、葉身は7pから10pほどの倒卵状楕円形で葉縁に尖った鋸歯がつきます。似ているミズナラの葉には葉柄がほぼ無いという。
花期は4月から5月頃で、雌雄異花、若葉天下と同時に、本年枝の下部に雄花序はたくさん垂れ下り、小さな黄褐色の花が多数咲きます。本年枝の上部の葉腋に雌花序が出るが小さく目立つことのない花が1、2個さきます。果実は堅果で基部に小さな鱗片状の総苞片が瓦状についた漏斗をかぶります。

コナラは秋には綺麗に黄葉します。コナラの新芽や葉にはよく虫こぶができますし、葉が葉巻のようになって落ちる、いわゆるオトシブミもよく見られます。ドングリ拾いだけではなく季節ごとに注意深く観察すると面白いですよ。


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ムサシアブミ(武蔵鐙)は照葉樹林の森に

12029ムサシアブミ@エコカフェ.JPG先週末に赤城自然園を一年振りに子どもたちの自然体験のために訪れた時に気づいたことは、森の林下の植生の変化が確認されたことでです。スギ林の林床に植栽したオシダに加えて、他の樹種の林下や林縁にシシガシラジュウモンジシダイノデの仲間など多様なシダ植物やマムシグサの仲間のムサシアブミなどの進出が見られます。[2012年9月29日撮影:子ども自然体験プログラム2012@山崎]

ムサシアブミ(武蔵鐙、学名:Arisaema ringens (Thunb.) Schott)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草。分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、朝鮮半島、中国に広く、海岸に近い照葉樹林内のやや湿った場所などに自生。草丈は30pから60cmほどで葉は3出複葉が2枚、小葉は葉身10pから30pほどの楕円形で全縁、先が尖ります。
花期は4月から5月頃で葉柄の間から短い花茎をだし、葉より低い位置に仏円苞に包まれた肉穂花序をつけます。仏炎苞は暗紫色や緑色で白い縦筋が入り、舷部は袋状に巻き込み、口辺部は耳状に張り出し、花序に白色の棒状の付属体がつくのが特徴です。もちろん、他のこの仲間と同じように雌雄異株で栄養状態の良い大きな個体は雌株、悪いものは雄株です

名前の由来は仏炎苞が武蔵野国でつくった馬具の鐙(あぶみ)に似ていることにあるそうです。ムサシアブミの他に葉が3出複葉になるものに、四国と九州の落葉樹林に自生するミツバテンナンショウが知られています。ムサシアブミとは棲み分けをしているのですね。


関連記事(ミミガタテンナンショウ(耳形天南星)は)⇒     関連記事(タブノキ(椨)は照葉樹林の代表樹)⇒

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